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閑話休題(インターミッション) 16-2

遅くなって申し訳ございません。
2006年作品レビューの中編です。

Fireworks
お盆休みの数日をどう過ごそうかと思っていた矢先に、わたくしに届いたのは『TAKEGAMI DREAM NIGHT in Symphony』 とだけ書かれたカードでした。差出人のサインは石塚胤人。
わたくしに心当たりがあるとすれば、それはあの石塚さん以外おりません。
その日、カードに書かれた通りにうかがった場所には、竹上建設の会長・社長を父・兄と呼ぶ石塚さんと、その竹上建設が主催する夏のパーティ会場となった客船シンフォニーがありました。
あまりにオフィシャルなパーティ。
専務と呼ばれる石塚さんに、きっとプライベートな時間をご一緒することはできはしないと考えて、わたくしは一人パーティを楽しむつもりになっておりました。
会場でワインをいただきに上がったカウンターで再会したのは、アッシュグレイの髪が魅力的なあの長谷川さんでした。再会を喜び、連れの方達から離れて会話を楽しまれていた長谷川さんの眼の前から、わたくしを引き離したのは・・・石塚さんだったのです。
案内された特別室は、石塚さんがわたくしと二人だけで過ごす為に用意されたお部屋でした。
前夜の天候の関係でパーティの夜に開催された花火大会。
その間、わたくしは特別室の専用デッキで天空の花火の彩りを、露にされてゆく素肌に映す事になってしまったのです。
客船の最上階にあたるオープンデッキで、仕事関係のパーティが開催されているのと同じ時間に主宰者の一人である石塚さんにドレスを剥がれバックから犯されたのです。
東京湾のただなか、どこからみられているかわからない・・・そんな不安の中でわたくしはスターマインのように上り詰めさせられてしまいました。

お正月にお逢いした時に、あの3紳士と望月さんの簡単な素性は聞かされておりました。
でも石塚さんがあの大手建設会社の1つ竹上建設のオーナー一族の1人である事を知ったのは、この時が初めてでした。石塚さんにご紹介いただいた、お父様もお兄様も皆様面影が似ていらしていい親子関係であることも一目でわかりました。
また、パーティ会場で偶然再会した長谷川さんが、黒部設計の設計士であることを聞かされたのもこの時でした。
『縁は異なもの』と申しますが、このときわたくしを挟んで互いを意識したお二人は、やがて長谷川さんの転職で新たなビジネスの場での信頼関係を築いてゆくようになるのです。

この物語も<初雪>からのスピンオフ・ストーリーの1つです。


夢のかよひ路
わたくしをパーティに誘って下さった石塚さんは、パーティから帰宅するわたくしのためにセルシオと望月さんを用意していてくださいました。

花火大会のあとのつかの間の渋滞は、わたくしにはじめて望月さんとふたりきりでドライブした雪の別荘の帰り道・・・望月さんの自宅へ招かれ二人きりで過ごした午後への記憶へと誘います。
帰り道のSAで、ゴールデンレトリバーと戯れる望月さんの無邪気な優しさそのままのお誘いを受けて、わたくしは2つの条件と引き換えに望月さんと二人きりの時を過ごすことに決めたのです。
その条件とは「助手席に乗せてくれる事、<様>をつけて呼ばない事」。
望月さんの部屋へ向かったわたくしを待っていたのは、秋の箱根でとうとうわたくしが纏う事がなかった着物と、望月さんの甘い抱擁だったのです。
雪の別荘にご招待いただいている間中、常に複数の男性に嬲られ続けたわたくしにとって、望月さんとふたりきりの時間は・・・あまりに甘美でした。茂みを摘み取られたままの恥ずかしい身体を彼が承知していてくれることもあって、身体の芯から蕩けるような時を過ごしたのです。

石塚さんに責め立てられ達した後の淫らな気配をまとったわたくしは、車中で望月さんとの時間を思い出しますます濃密な気配を纏い付かせておりました。
そのわたくしに微かな嫉妬をにじませながら望月さんは今夜のドライブへとわたくしを誘うのです。
望月さんのご自宅で、綿の一重に着替えさせられたわたくしは彼のRX-7でどちらとも知れない場所へドライブへ出るのです。
パーティでいただいたシャンパンの酔い・石塚さんに責め立てられた快感のもたらした緊張についわたくしは望月さんの隣で眠りに落ちてしまいました。
西湘バイパスのPAで最初のお仕置きを課すのです。
お仕置きは、望月さんだとは思えないほどにわたくしの意識を遠のかせるほど淫楽に満ちて厳しく・・・目的地まで続くのです。
望月さんがかつてと優しくなってくださったのは、わたくしが彼の車に乗ったときからふたりのことしか考えていなかったと・・・お伝えしてからでした。

わたくし自身でも想像できなかったほどに、長編になり・・・そしてあまあまになったこの物語も<初雪>のスピンアウト・ストーリーの1つです。
2006年のはじめにみなさんにお約束した、望月さんとの帰り道の出来事をようやくお届けできました。



サファイアの夜

わたくしが、このブログの第一作<オペラピンクのランジェリー>でお届けしたよりももっと前の出来事です。
とても愛して手ひどく裏切られて別れた方・・・<銀幕の向こう側>で映画館で奥様と御一緒のところをお見かけしてしまった方とお別れして間もなくのことです。
その夜は、お別れした方のバースデーでした。
わたくしは、その日、どんなに哀しいお別れをした後でもその方へお祝いのメールか電話をしたいという衝動を押さえることができなくなっていたのです。
どれほど仕事で疲れても我慢出来なくなってしまいそうなその想いを殺す為に、向かったのは自宅から車で15分ほどのシティホテルのバーでした。
お酒をいただいて、しばらくして気がついたのは隣の方の<指>、そしてじっとみつめるわたくしを咎めた男性の<声>が・・・別れた方とそっくりだったのです。
「無作法だね。」と厳しくおっしゃる男性に「申し訳ありません。お許しください。」と両手を揃えてハイスツールに腰掛けたまま頭を下げるわたくしに・・・「お仕置きが必要だね。」とおっしゃるのです。
かつて愛した方を忘れる為に、わたくしはこの男性のお泊まりになったお部屋に御一緒したのです。

わたくしが愛した方と同じに・・・この男性もSでらっしゃいました。
羞恥に目を瞑り、責めを受ける間わたくしは哀しい幻のような錯覚に溺れていたのです。が、それをこの男性は許してはくださいませんでした。
わたくしにお別れした方を忘れさせる為に、信じられない荒療治に出られたのです。

この物語は、<淑やかな彩>50万アクセス記念作品として書かせていただいた物語でした。そして、いままでお届けした中でもっとも時代的に古い時期のお話です。
のちほどご紹介させていただく・・・<肖像 Profile of Syouko :オペラピンクのランジェリー/前夜>よりも前の出来事になるのです。
まだ、素晴らしい方達とお逢いする前の・・・わたくしをお楽しみいただけましたでしょうか。


EVE
クリスマス・イヴ・イヴの夜。女のお友達と過ごしたパーティの後、訪れたのは美貴さんがオーナーの地下のバーを訪れたのです。
そこには、美貴さんがお1人でぽつり・・・・と。
理由を伺うと、望月さんがサンタさんの姿をして御一緒にお仕事関係のお客様のホームパーティをはしごしていたとのこと。全てを終えてふたりでゆっくり飲むために、一度自宅に帰った望月さんを待ってらしたということでした。
美貴さんと、そしてあとからいらした望月さんから、石塚さんや山崎さんの近況を伺ったのです。
石塚さんと山崎さんのお二人は、それぞれの理由で海外にいらしておりました。
「国際電話をして悔しがらせるのは・・・いいな。」
そうおっしゃる美貴さんを押しとどめるために、わたくしはクリスマス・イヴ・イヴの夜を御一緒に過ごすことを約束するしかなかったのです。
いつものタワーホテルのリザーブを確認するために美貴さんが席を外した時に、わたくしは背後にいらした望月さんにキスをして、翌日迎えに来ていただいた後のイヴの一日を彼と過ごすお約束をしたのです。

望月さんに見送られ、美貴さんと二人でタクシーでホテルに向かうところでこのお話は終わります。
ですが、その後に開催させていただいたアンケートで美貴さん・望月さんそれぞれと過ごした夜をいつか物語としてお届けする事になりました。
3人の紳士と望月さんとの、<初雪>を超えた新しい関係が始まるのです。


第九 in the MOVIE
例年なら誕生日に第九のコンサートを楽しんでいたわたくしは、今年とうとうチケットを取りそびれておりました。
どうしようかと悩むわたくしが見つけたのは『敬愛するベートーベン』という単館ロードショーの映画でした。
バースデーの夕刻、日比谷の映画館に向かったわたくしは、上映を待つロビーで仲畑さんと出逢ったのです。
この日がわたくしの誕生日だとお知りになった仲畑さんは、映画の後のディナーにわたくしを誘ってくださいました。そして、まだ、恋人がいないと知ると・・・そのままベッドにも・・・。
そしてわたくしがいままでどなたにもお見せしたことのない、恥辱の姿をお見せすることになってしまったのでした。

まだ皆様の記憶に新しい<第九 in the MOVIE>。
仲畑さんは、わたくしを救って・こだわりから解放してくださる男性のようです。そして最後に「いつでも話を聞くよ。」と名刺をプレゼントしてくださったのです。


本編で2006年にFC2でアップさせていただいた作品はここまでです。
が、実は物語はこれでは終わらないのです。
2006年、わたくしは<FC2淑やかな彩>に、新たなカテゴリを加えました。
明日は2つの新たなカテゴリでお届けした物語について、ご紹介いたします。 コメント
楽しみ・・・♪
祥子様の精力的な執筆活動には頭が下がります。
明日からの物語も楽しみにしております。

2007/01/02 23:04| URL | 桜草  [Edit]
すみませんでした
いろんなお話があるんですね
ゆっくり時間のある時に読んでいきたいと思います
リンクの件ですが勝手なこといってすみません
素敵なブログでしたので是非と思ったんですが・・・
気にしないでくださいね
本当にすみませんでした

2007/01/02 23:08| URL | ななみ  [Edit]
NoTitle
あけましておめでとうございます。
お正月らしい、素敵な背景ですね♪
ポートレートもちゃんと、晴れ着にお着替えしてて。^^
いつもながらの芸の細かさ、感じ入りました。
今年もご活躍、期待しています♪

2007/01/02 23:22| URL | 柏木  [Edit]
ゆっくり読ませていただいております
なかなか、ゆっくり時間がとれず、こうして総括していただくと少なくとも今の流れにはついていけそうですね。
是非、ホームページなどで、縦書き小説の形で読んでみたい力作の数々。期待してます。

2007/01/02 23:23| URL | missjenny  [Edit]
NoTitle
ニューイヤーのフォルクスオーパー。
新年に相応しくシュトラウスとレハールらのウインナワルツの調べに、シャンパンを頂きながら、心楽しく過ごして参りました。思わぬ嬉しい事も有り…。
特に印象的だったのは、どんな方達との時も、最後の心の砦は崩さない祥子さんの別の一面を拝見できた望月さんとの事。彼の甘い攻め苦にただひたすら可愛くなってしまう祥子さん…。私、好きでした…。一番琴線に触れる方なのでしょうね…。
今までの方と、そしてこれからの方とも、どんなストーリになっていくのか…。

2007/01/03 00:44| URL | るり  [Edit]
あけましておめでとうございます
新たな年明けに新しい気持ちです。
きっと今年はもっと明るい年になりますように。そして祥子さんの上にもたくさんの幸せが降り注ぎますように。もちろん、さやかもおすそ分けに預かりますけど(笑)今年もよろしくお願いします。

2007/01/03 02:55| URL | さやか  [Edit]
あけましておめでとうございます
年明けの三が日も最終日、みなさまよいお正月でしたでしょうか?

桜草様
ありがとうございます。
なかなか作品紹介が終わらず・・・失礼しております。
もう一日、お楽しみになさってくださいませ。

ななみ様
ご紹介したお話は2006年に書かせていただいた分だけ、2005年の9作を含めるとブログをはじめて1年4ヶ月で28作書かせていただいていることになるのですね。
どうぞ折りを見て、ご覧になってみてください。
相互リンクの件は、少しだけお時間を下さい。
わたくしもななみさんのブログとリンクをさせていただきたいと思っております。
よろしくお願い申し上げます。

柏木様
お正月限定テンプレートに間に合われたみたいですね。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

missjenny様
ありがとうございます。
わたくしもできれば本にして皆様にお届けできるようになれば・・・と願ってはいるのですが。
縦書きのHP。そういう方法もあるのですね。
ですが、こうしてリアルタイムで皆様にお届け出来、皆様とお話できるブログは素敵な媒体だと思っております。
今年も、こちらで・・・よろしくお願い申し上げます。

るり様
フォルクスオーパー。市民劇場ですが実力のある歌手や演奏家が出演いたしますね。
その演奏を楽しみながらシャンパン♪
素敵な年明けですね。
今年もまた新たなストーリーが始まります。
どうぞお楽しみになさってください。

さやか様
あけましておめでとうございます。
ぜひさやか様の幸せのお裾分けを♪
お待ちしております。
今年もよろしくお願い申し上げます。

2007/01/03 13:25| URL | 祥子  [Edit]
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