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蛍火 11

「仕方がない。どうやら後から犯されたいようですね。」
身を堅くしたわたくしの膝を、田口さんの脚がとん・・と後から突くのです。
思わず膝を崩した身体を抱きしめたままで・・・田口さんはわたくしを獣の姿に変えてしまわれたのです。
「こうすれば皺にもならないでしょう。」
わたくしの腰を高く上げさせると・・・フレアーになったスカートの裾を背中のほうへと全てまくり上げてしまったのです。
「あぁぁっ・・・ゆるして・・・」
「ふふ 思ったとおりですね。」
わたくしの白くまぁるい双丘は、ピンクパール色のサテンのスリップに縁取られて・・・闇のなかにそこだけが存在するかの様に浮かんでいたのです。

「だめ・・・おねがい・・みないで・・・」
「祥子さん、蛍がなんであんなに綺麗に光りながら飛ぶのか知っていますか?」
身を起こそうとするわたくしの背中を、田口さんが押さえ込みます。
「・・・ゆるし・・て・・は・あぁっ・・・」
パァン・・・田口さんの手がむき出しのヒップにスパンキングを加えたのです。
「あれは求婚と発情の印なのですよ。点滅する明かりで、異性を虜にする。」
「やぁっ・・・」
パァン・・・同じところにもう一度。
愛撫の為のスパンキングのはずでした。
なのにその音は、激しい雨音ごしにさえ外に漏れてしまいそうなほどの大きさだったのです。
「短い命を繋ぐための蛍さえ、腰の明かりは点滅させているのに、祥子さんのここは白く光ったままで私を誘惑し続ける。」
「ゅるしてぇ・・・」
パァン・・・スパンキングに揺らいだ身体の反対側の太ももに、今度の手のひらが飛んだのです。
「その上こんなにフェロモンまで燻らして。蛍とちがって祥子さんは発情しっぱなしみたいですね。なんて淫乱なんだ。」

「あぁっ・・ぁぁぁ・・」
田口さんの指が、ぎりぎりの面積で秘めた部分を被い隠すサテンの上をつぅぅぅっと・・・滑ったのです。
「もうたっぷりとソースを溢れさせているようですね。」 
「いやぁぁ・・・」
「その声を聞くだけで逝ってしまいそうですよ。ほんとうに極上の料理だ。ソースの味見を直に私の口でして欲しいですか?祥子さん。」
「やめてっ・・・」
お口の周りの髭の感触さえわたくしを狂わせてしまう・・・のがこの方の<味見>なのです。
この姿のままで・・・田口さんの口唇で愛される、そんな恥ずかしいことはできません。
「それじゃ、味見は抜きですね。早速ディナーにしましょう。」
 
「ゃあぁぁっ・・・」
田口さんの手が、わたくしのTバックを一気に膝まで引き下ろしたのです。
次の瞬間には、熱い塊が・・・花びらに押し付けられていました。
「今夜も美味しそうだ。・・うっ」
「はああぁぁぅ・・・あぁ・・ん・・」
あの夜と同じ様に・・・後からシェフの塊が押し込まれていったのです。
今夜は、犯され追い込まれてゆく淫らなわたくしの表情を見つめつづける美貴さんがいらっしゃらないだけでした。
ぬちゅ・・くちゅ・・・確かめるように・・・いえこの方の言葉を借りれば・・・じっくりと味わう様に・・・田口さんは大きな塊をゆっくりと出し入れするのです。
「ああ この味。あの時よりもまた美味しくなっているみたいですね。」
ぐるり・・・・わたくしに押し付けたままの腰を捏ねて、田口さんの責めに締め付けを強める奥までも満遍なく味わおうとするのです。
「あぁっ・・・ぁぁあん・・・だめ・・」
抑えたわたくしの声は、激しい雨の音で外にまでは聞こえなかったでしょう。
でも田口さんの耳には・・・しっかりと届いてしまっていたようでした。

蛍火 12

「私の味をまだ憶えていましたか?それともあの翌日から、憶えていられないほどあの方達に犯されたんですか?」
「はぁぁ・・・やあぁぁぁ・・・」
答えられはしません・・・あの翌日の朝・・・移動の車の中からわたくしの身体を愛で続けた男性達のことなど。
「ああ こんなに中が蠢く。なんて身体なんですか。」
淫媚な羞恥と快楽に塗れた記憶が、わたくしの体芯をゆさぶります。
はしたない蠢きはそのせいでした。

田口さんは、ただ単純に抽送を繰り返すようなことはしないのです。
わたくしの四方の壁の細部まで・・・突き広げては再奥の一番感じる部分へと押し込むのです。
「ゆる・・し・・てぇぇ・・・だめ・・っ・・・」
お食事のワインで火照った身体は・・・一層敏感に反応してしまいます。上半身を支えていた腕は力をなくして、無惨にも崩れ落ちてしまったのです。
「ふふ 腰だけを突き出しておねだりですか、祥子さん。」
突き下ろすように角度をつけて、大きく抜き差しを繰り返すのです。
わたくしの奥は逞しい塊を求めて収縮し・・・花びらは激しい波にもみくちゃにされるたびに蜜にまみれ・・・田口さんの塊に思うがままに翻弄されつづけたのです。

「ああぁぁん・・やぁぁ・・ちが・・ぅぅ・・のぉぉぉ」
ずぅぅぅん・・・・。
容赦なく突き入れられ、子宮に当たってもなお奥へとねじ込まれようとする塊にわたくしは気をとられていたのです。
いつのまにか・・・田口さんの目の前にあったスカートのウエストがはずされ・・ファスナーも引き下ろされていたのです。
「祥子さんを正常位で犯したくなりました。今夜はあなたの逝き顔を見せていただきます。」
ずちゅぅぅ・・・ 淫らな水音を立てて身体を離し、わたくしのウエストからスカートを引きずりおろしたのです。
「さぁ!」
わたくしの上半身を立たせて・・・膝までスカートを落とすと・・わたくしを仰向けに押し倒し足先からパンティとスカートを抜き取ってしまわれたのです。
「脚を開くんです!」 
引き寄せた両膝に手を掛けると、とても強い力でわたくしの脚を左右に割るのです。
「やぁぁぁ・・・・」
わたくしの抗いの声と同時に、窓の外に稲光が閃きました。

「相変わらず綺麗な花びらをしていますね。」
一瞬の閃光は、わたくしの蜜にまみれた真珠と花びらを田口さんの脳裏に焼き付けるには充分過ぎたようです。
「綺麗な花ほど散らしたくなる。」
ゴロゴロ・・・ 数秒遅れた雷鳴が合図だったように・・先ほどまでの行為で根元までしとどに濡れたままの塊を一気に押し込んだのです。
「ああぁっ・・ぁぁぁぁ・・・」
節くれ立った塊はわたくしの中程で一度止まり・・・締め付けたその場所をねじ込む様にして・・・入り込んでゆくのです。
「明かりのないのが残念ですね。でも、微かな明かりに浮かぶ祥子さんの感じている顔も、そそりますね。」
田口さんはさきほど一度止まった場所を・・・何度も繰り返し塊でこすりたてるのです。
「はぁうぅぅっくぅ・・だめぇ・・そこぉぉぉ」
「ここですね。バックからだとよくわからなかったですが、祥子さんは数の子天井なんだ。あぁここ、ほら、締め付けるから余計に擦れるんですよ。」
「やぁぁぁ・・・」
「視界が閉ざされていると触覚が敏感になる。ああ、いいですよ、祥子さん。うっ・・・また締めて。」
田口さんの塊の先端の大きく張った部分が、快感にひくつくわたくしの蜜壷の全ての場所の感触を、確かめるかのように抉ってゆくのです。
「ぁぁぁああ・・だめぇぇぇ・・・」
深く・浅く・・・抜き差しの速度が上がってゆきます。
わたくしも田口さんと同じなのです。
視界を塞がれて・・・雨の籠ったような湿度に肌を囲まれて・・・田口さんの大きな身体に・・大きな手に・・大きな塊に身体を開かれ・押し込まれて・・・どんどん追い込まれていったのです。

蛍火 13

「ゆるして・・ぇぇ・・・はぁぁぁ・・いい・・・」
微かに開いた眼に、雷光と違う明るさが窓から差し込んでいることにはじめて気付きました。
「ああ、電源が回復したみたいですね。まもなくホテルの人間がくるでしょう。そろそろ、逝かせてさしあげます。」
わたくしのカットソーを引き上げると・・・サテンのブラからGカップの白い乳房をまろびださせたのです。
「いやぁぁぁ・・・みちゃ・・だめぇぇ・・・」
わたくしの羞恥と淫楽に乱れた表情を確かめると、無言のままで激しく・奥までの抽送をはじめたのです。
「あぁぁぁ・・・いぃっ・・」
衣服とランジェリーに挟まれているのに、白い乳房はそのボリューム故にわたくしを裏切る様にはしたなく震えるのです。
「いい景色ですよ、祥子さん。」
田口さんの律動に揺れる乳房の先端は、高く・・・大きく立ち上がっていたのです。長身をかがめるようにして、腰の動きを止めることなく田口さんの唇がその昂りだけをねぶるのです。
「ゃあぁぁん・・・」
「籠った肌の香りがまだ残ってますね。」
もう一つの乳首へと移る田口さんのお髭が、口にされたばかりの乳首を・・・敏感になった白い肌をこすってゆきます。
「あっ・・・いっちゃうぅぅぅ・・・」
たまりかねて悶える肩に、突き出した乳房にお髭を口元を埋めるようにして敏感な左の乳首を舐られ甘噛みされたとき・・・わたくしは追い込まれて最後の哀願を漏らしてしまいます。
「そう、逝くんです!祥子さん。逝きなさい! 逝け!!」
子宮をずんと突き上げてくる塊が・・・わたくしの一番敏感な奥を・・・蜜音を響かせながらかき回すのです。
「ああああ・・・いくぅぅぅ・・・」「逝くっ!」
突き上げた先端からしたたかに放たれた精が、わたくしの胎内をゆっくりと真っ白に染めていったのです。
 
 
「どなたか、おいでになりますか?」
建物の戸を軽くノックする音が聞こえました。
「ああ、雨宿りさせてもらっていたんだ。」
わたくしの身体に田口さんはご自身の大きなジャケットを被せると、抜いたばかりの塊をご自身のスラックスに納めて戸を開けたのです。
戸の外には数本の傘を手にしたホテルの男性スタッフがおりました。

「勝手に上がって悪かったね。明かりが消えてたから動きようもなくてね。」
わたくしは咄嗟に上半身の身繕いをすると、露な下半身に田口さんのジャケットを掛けて、身動きも出来ずに身を縮めていたのです。
未だ引かない絶頂に、蜜壷はジャケットの下ではしたなくひくつき続けておりました。吐出されたばかりの大量の精液が・・・わたくしの太ももの狭間を伝って腰の丸みの方へと・・・滴りはじめていたのです。
「申し訳ございませんでした。落雷で電源がショートしてしまいまして。」
上がりがまちに座り込むわたくしを見て会釈をなさいます。
「いや、天災だから仕方ないよ。私も連れも随分濡れてしまったのでね、タオルを借りたいんだが。身体を拭ったら、ここを出るよ。」 
「申し訳ございません。気がつきませんでした。傘はお持ちしたのですが・・・、すぐにご用意させていただきます。失礼いたします。」
一礼すると手元の携帯で何か指示をなさったようです。
「すぐに別のスタッフがまいります。お使いになりましたら、タオルもここにそのまま置いておいてください。ご無事でよろしかったです。これに懲りずにまたお越しくださいませ。失礼いたします。」
随分と小雨になりましたが・・・と言いながら田口さんの手に傘を渡すと、戸を閉めてスタッフは立ち去ってゆきました。
 
「大丈夫でしたか?」
「ん・・んく・・」
田口さんはわたくしの隣に腰を下ろすと、答えを待たずに唇を重ねたのです。
唇と舌でわたくしを確かめるような・・・でも欲情ではない幸せな優しさをたたえたキスでした。
「だい・・じょうぶ・です。たぐちさんは?」
シェフのがっしりとした肩に頭をもたせかけて・・・わたくしは答えたのです。

蛍火 14

「無茶をして申し訳ありませんでした。」
田口さんの唇はまだわたくしの唇や頬のあたりを彷徨っておりました。
気がつけば、雨の音は水分静かになったようです。
「ふふ、祥子さんの蜜でスラックスが濡れたようですが、今夜の記念だと思えば幸せな痕跡ですよ。」
「あん、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
わたくしのスカートを奪い取っていながら、田口さんはスラックスの前を開けただけの姿でわたくしを犯していたからです。
「ええ、帰りも車ですからね。心配なのは祥子さんのフェロモンでタクシーの運転手をムラムラさせそうなことぐらいですよ。」
「いやっ・・・いじわるぅ」
ははは。田口さんの大らかな笑い声は、周囲の闇を払う様です。
先ほどまでの喘ぎさえも密やかに交わし、存在を押し殺していた時間が嘘のようでした。

「ちょっと待っていてくださいね。」
田口さんは明かりをたよりにどこかへゆくと、すぐに戻ってらっしゃいました。
「これで、始末をなさってください。」
この方は、わたくしが動けない理由に気付いてらしたのでしょう。
差し出されたのは田口さんのハンカチでした。
「そんな・・・使えませんわ。おねがいです、わたくしのバッグを取ってください。」
身体を交わした後の体液の後始末を・・・男性のハンカチでなんて。
「急がないと、またホテルの人間が来てしまいます。祥子さんができないなら私がして上げましょう。」
田口さんはそう言うとわたくしの下半身を被っていたジャケットを奪い取り、脚を広げさせてしまったのです。
「あん・・みないで・・・ください。」
「ああ、これじゃ動けませんね。祥子さんの蜜と僕の精液で真っ白だ。」
「あぁっ・・・」
太もも内側から狭間へ向かって、冷たく濡れたハンカチで拭ってゆくのです。
板の間まで糸を引く様に滴る、淫らなぬめりさえ知られてしまったかもしれません。
「立ってください。」
田口さんはハンカチで拭った後を、綺麗になっているかを確かめるように彼の指で撫でてゆきます。
「だめですぅ・・・たぐちさ・ん・・」
腰の丸みから太もも・・・そしてガーターベルトで吊られたストッキングの上端まで。
左右のそれらの場所から田口さんの指がぬめりを感じなくなるまで、丹念に拭われてしまったのです。
「祥子さんが良過ぎて、沢山出してしまいましたから、まだ垂れ落ちてきてしまうかもしれませんね。」
「いゃっ・・」
わたくしの身体がそのことを一番良く知っていたのです。
このままだと、自宅へ帰り着くまでに・・・スカートを汚してしまいかねません。
ホテルに戻ったら化粧室へいかなくては。

「さぁ、私が着せてあげましょう。」
田口さんの手にはわたくしのTバックが握られていたのです。
「だめ・・・自分でいたしますわ。」
「私が脱がせたものは、私が穿かせてあげますよ。」
恥ずかしい・・・形に田口さんはTバッグを広げてわたくしの脚元に差し出すのです。
外の明かりに浮び上がる、はしたないランジェリーの内側を見られたくなくて、わたくしはスリップで腰を被うと・・・急いで田口さんの前に脚を運んだのです。
「あぅっ・・・」
後ろ向きに立つわたくしに・・・ウエストを引き上げると、Tバックを食い込ませる様にして穿かせてくださいます。そしてまくり上がったヒップの丘にきつく口づけをなさったのです。
「見てると何度でも挑みたくなる身体ですね。流石に今夜は身体がもちませんが、一晩中でも可愛がりたいですよ、祥子さん。」
「・・・あん・・だめ」
わたくしは愛撫を再開しかねない彼の手から逃れました。
もういつホテルの方がいらしてもおかしくないのです。
足元にあるスカートを取り上げて田口さんに背を向けると、素早く身につけたのです。

蛍火 15

「よかったです。祥子さんは記憶にあった以上に最上の味でした。満足したはずなのに、もう・・・また口にしたくなるほどね。」
「やぁん・・・」
背後から寄り添っていらした田口さんの触れるだけの軽い口づけにさえ、わたくしの身体もまた・・・反応していたのです。
「だめ・・・人が来るわ。」
先ほど田口さんは、ホテルの方にタオルを届ける様に依頼したはずです。いつその方がくるか・・・わからないのです。
「見せつけてやりましょう、ここの人間に。この極上の味のこの女性は、私のお客様だって、ね。」
身に着けたばかりのフレアスカートに押し付けられた彼の腰は、また・・・まるで20代の男性のように・・・硬度を蘇らせはじめておりました。
「もう、田口さんたら。」
わたくしはくるりと田口さんに向き直ると、お髭に囲まれた唇に濃厚なディープ・キスを差し上げたのです。
フレンチの最後の・・・あまぁいデザートのようなキスを。

「それ以上おっしゃったら、わたくし田口さんのお店に伺えなくなってしまいますわ。」
唇を離すと田口さんの手を逃れて、髪の乱れを撫で付けました。
本当に、いつホテルの方が戻ってらっしゃるかわからないのです。
わたくしの姿は、ほんの少し前のご一緒にお食事をした姿に戻っておりました。
「そんなつれないことを言わないでください。お許しが無い限りは、今度こそ紳士的に振る舞いますから。」
足許に置かれたままの田口さんのコットンジャケットは雨を吸い込んで・・・重く・シワになっていました。
「ごめんなさい。ジャケット貸していただいてしまって。」
衿を掴んで一振りすると、袖たたみにして腕に掛けてしまわれたのです。今夜はもうシャツスタイルでお帰りになるしかないかもしれません。
「いえ、祥子さんの香りの染み込んだジャケットですからね。しばらくこれであなたのことを思い出させてください。」
わざと鼻先で香りを確かめる田口さんは思わせぶりな上目遣いで・・・身動きできなくなっていた先ほどのわたくしを思い出させるのです。
「そんな意地悪をおっしゃるなら、やはり美貴さん達とご一緒の時だけしか伺わない事にいたします。」
踏み石に揃えられたパンプスに足を通して、お待ちになっている田口さんに寄り添いました。
「できれば、ぜひお一人でお越しください。」
おどけた風に礼をする田口さんの頭には、グランシェフのコック帽が見えたような気がいたしました。
「さぁホテルに戻りましょう。さすがに、気が利くな。置いて行った傘は1本きりだ。祥子さん、どうぞ。」
わたくしは小雨の降る庭園の道を、田口さんと腕を組みながら一つの傘でホテルまで戻ったのでした。
 
 
 
祥子からの手紙ー13
 
こんにちわ。祥子です。
この夏は梅雨が長引いておりますね。
日本の梅雨らしいひっそりとした雨ではありますが
反面、スコールの様な雨も増えて・・・
なんだか、風情が欠けてきているように思えてなりません。
 
蛍の舞う夜は、思わぬ方とご一緒の時間を過ごすことになってしまいました。
あのあと、田口さんはわたくしを自宅までタクシーで送ってから
ご自分もそのタクシーでお帰りになりました。
「このスーツで電車っていうわけにはいかないからね」 そう仰って。
そして「今度はぜひ私の店でお逢いしましょう」
そうも言い残していかれました。
 
嵐のような激しさと深い感性をお持ちの方。
またいつかシェフと顧客としてではなく
一人の男と女として、ご一緒することが・・・あるのでしょうか。
 
穏やかな休日の午後。もう蛍のいないあの庭に行ってみようと思います。
夏の緑滴る・・・あのお庭に。