上巳の節句
厳しい天候の休日が続いたこの冬を裏切るように3月はじめの土曜日は
抜けるような青空だった
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この地の名を冠した桜花の
濃いピンクの花びらに埋め尽くされた河原を
あの女性とそぞろ歩く
久しぶりに過ごした夜のあの女性は
桜に負けないほどに艶やかなのに
恥じらう様があまりにも可憐に過ぎた
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酷くしたくはない
けれどこの可憐さを突き崩したくて
あられのない声を上げるまで
幾度も責めた
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隣で右腕を預けて歩くあの女性の横顔には
あの可憐さも
乱れ切ったはしたなさも
今は残っていない
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長い黒髪が風になびくその瞬間に
はらりと落ちた花のように
白い首筋に浮かぶ赤い印だけが
俺の昨夜を物語っているだけだった
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