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緋色の時

昨夜は酷く責められたはずなのに
ふと目覚めた時は夜明け時だった

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「明日は一緒に曼珠沙華を見に行こう
 祥子さんによく似合うはずだから」
光沢のあるシルクの黒いシャツ姿であの男性はそう言った

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「いつも思うがこんなに緋色の縄が似合う」
両手を 胸を 腰を括り
太い梁に吊りながら
縄の余白の白い肌に指を這わせながら
そう呟いた 

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「鞭は久しぶりか
 身奥に響くだろう
 白い背中に あぁ まるで曼珠沙華のようだ」
熱い吐息を鞭跡にこぼしながら
その上にまた鋭い一振りを加える

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「ここまでしてもまだ感じているのか
 まだ指一本触れていないのに
 こんなに潤わせて」
吊るしていた縄をほどき
足元に跪かせて蜜壺を確かめられる羞恥に
また奥から蜜を溢れさせてしまうのに

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「やはり忘れるなんてできない
 会えてよかった
 明日までまだ何度でも
 登り詰めさせてやる」
身奥に白くとろける精を送り込んだ男性は
今わたくしの隣で
窓から細く差し込む日差しに
シャープな頬のラインを浮き上がらせいる

まだ目覚めないのに
彼の身体が昂っているのはどうしてだろう

起こしてしまいそうで
寝返りも打てないわたくしの胸を
彼の指が探った

コメント
女、鞭打たれ…
いい女ほど逃したくない。故に、男は縛り付ける。
絶対に離さない。おれの女だ。
その証明を求め、男は無抵抗に晒された女の白く繊細な体に鞭を振るう。
いい女であればあるほどに、その鞭は厳しく、激しく、情熱的に、女の柔肌を打つ。

「おれの女になれ。おれだけのものだ。拒否は許さん」とばかりに。

男の嫉妬がさらに燃え上がる。
拷の責めはつづく。
女の悲鳴。
それが悲痛に響けば響くほど、男は自身の征服欲が高まっていく。
だがまだ満足はしない。
最後に、女は、男の凶暴なまでに勃起した男根にとどめを刺される。
長い夜がやっと終わる。
女は、男の嫉妬の、まるで拷問のような責めに耐え抜いた体をそっと横たわらせる。

「きみを忘れられない。他に何もいらない。おれの女になってくれないか」

しかし、女からの言葉は…。


私ごときが祥子さんの心までは、奪えるはずもない…。

2020/04/01 13:56| URL | 和巳  [Edit]
Re: 和巳様
まるで一編の物語
和巳様のブログにアップされたらよろしいのに

お元気でいらっしゃいますか
お仕事柄お体ご自愛くださいませ

2020/04/14 16:44| URL | 加納 祥子  [Edit]
こんにちは。
私はおかげさまで元気にしております。
祥子さんもコロナ対策、出来る限り万全になさって下さいね。

先の文章は、あくまで祥子さんの存在ありきの妄想物ですので、こちらに書かせて頂きました。

祥子さんのショートショートには、不思議な魅力を感じます。
そんなに官能描写があるわけでもないのに、何故か私にエロティックなんですよね。
祥子さんを思う私の女々しき心がそう感じさせるのでしょうか……。

2020/04/24 11:38| URL | 和巳  [Edit]
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