緋色の時
昨夜は酷く責められたはずなのにふと目覚めた時は夜明け時だった
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「明日は一緒に曼珠沙華を見に行こう
祥子さんによく似合うはずだから」
光沢のあるシルクの黒いシャツ姿であの男性はそう言った
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「いつも思うがこんなに緋色の縄が似合う」
両手を 胸を 腰を括り
太い梁に吊りながら
縄の余白の白い肌に指を這わせながら
そう呟いた
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「鞭は久しぶりか
身奥に響くだろう
白い背中に あぁ まるで曼珠沙華のようだ」
熱い吐息を鞭跡にこぼしながら
その上にまた鋭い一振りを加える
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「ここまでしてもまだ感じているのか
まだ指一本触れていないのに
こんなに潤わせて」
吊るしていた縄をほどき
足元に跪かせて蜜壺を確かめられる羞恥に
また奥から蜜を溢れさせてしまうのに
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「やはり忘れるなんてできない
会えてよかった
明日までまだ何度でも
登り詰めさせてやる」
身奥に白くとろける精を送り込んだ男性は
今わたくしの隣で
窓から細く差し込む日差しに
シャープな頬のラインを浮き上がらせいる
まだ目覚めないのに
彼の身体が昂っているのはどうしてだろう
起こしてしまいそうで
寝返りも打てないわたくしの胸を
彼の指が探った
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