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初雪 25

「ん・・ん・・だめ・・っ」 
シャッ・・・カーテンがレールを走る音がしました。
「いつものあのバーはクラシックしか流しませんから、祥子さんもジャズがお好きとは思いませんでした」 
山崎さんはさりげなく右の窓のカーテンを閉め、運転席との間のカーテンも閉めてしまったのです。
「やぁ・・・」 
抑えた声でキスの合間に抗議の声を上げるしかありません。

車に乗ったときに豊富に用意されているカーテンが気にはなったのです。でもまさか、運転席との間を仕切るものまでもがあるとは思っていませんでした。
他のカーテンはレースでしたが、運転席との間はバックミラーのところだけがレースになったしっかりとしたものでした。
「石塚さん、そちらを閉めないと見られてしまいますよ」 
唇を奪われているわたくしの右の耳に落ちかかる黒髪をかきあげ、耳朶を甘噛みするのです。
「そうだな」 
ようやく唇を離して、石塚さんは左のカーテンを閉めました。
追い越し車線を軽快に走り続けるレンジローバーは、左側の窓からほかの車に見られてしまうからです。
「やめて・・ください。こんなこと」 
エンジン音とBGMが流れているとはいえ、すぐそこには女性の運転手がいるのです。まさかこんな淫らなことを昼間から仕掛けてくるとは思いませんでした。
「結城は承知してます。はしたない声を上げたら、恥ずかしいのは祥子さんですよ」
耳元から首筋までを舐め・啄みながら、山崎さんの指はわたくしの乳房のフォルムを楽しむように下辺の丸みをカットソーの上から撫でていました。

「僕たちではいやですか?」 
膝の上に置かれた石塚さんの手が、身体に張り付くような革のスカートを中に向かって進んでゆくのです。
左の耳をねぶりながら太ももを外から内側に向かって撫でさするのです。
「僕たちは美貴みたいに括ったりしません。だからおとなしく言うことを聞いてください」
わたくしの手首には昨晩のストッキングの痕が微かに残っていました。山崎さんにその手首を取られ、カーディガンの右袖を脱がされました。そして、そのまま左の石塚さんに剥ぎ取られてしまったのです。
「あん・・だめ」 
カーディガンを・・・一枚でも多く衣服を取り戻そうとしたのです。
「寒いですか、祥子さん。結城くんリアヒーターを上げてください」
車の中でノースリーブの腕を晒したわたくしを見て、なんでもないように・・・山崎さんがいつもの声で結城さんに指示をするのです。
「この太もも・・たまらない」 
石塚さんの手が少しだけスカートのフロントファスナーを上げてゆきます。 
「ん・・んぁ・・・ゆうべも・・・あん・・なだった・・・の・に」
山崎さんの手が乳房を這い・・唇を重ねるのです。
「ゆうべはシェフがいましたからね」
石塚さんの手は太ももの外側を丹念に撫で上げてゆくのです。昨晩メインダイニングのテーブルの下で、だれにも内緒にわたくしのドレスのスリットの中に手を這わしていたようにです。
「ゆるして・・・おね・・が・い・・・」 
左手で石塚さんの手を・・・右手で山崎さんの乳房を掴もうとする手をなんとか防ごうとしました。
「祥子さん、僕たちはこのカーテンを開けてもいいんですよ。結城にも外を走る他の車の人たちにも・・・祥子さんのはしたない姿を見せたいですか?」 
耳を唇で愛撫しながら、冷静な声のままで山崎さんがおぞましい脅しの言葉を告げるのです。

「だめです・・・だめ・・・ここじゃ・・いや・・・」
でも抗いを止めることなんてできませんでした。
「いますぐ高速を下りてホテルにでも入りますか? 僕たちはそれでもいいですよ。ラブホテルの駐車場に結城くんを待たせておけば済むことですからね。でも別荘にはつけなくなるなぁ。美貴と望月くんが・・待ちぼうけかなぁ」 
ジィッ・・ またファスナーが少し上げます。
パンストに包まれたランジェリーが露になる寸前のところで止めるのです。
「そんな・・こと・・・」 
フランクで紳士的で優しいお二人の欲望の深さを感じました。
やはり・・・許しては・・・いただけないのです。
「僕たちはいいんですよ。先ほども言った様に結城も承知済みです。おとなしく出来ませんか?」 
黒にピンクのレースで彩られたブラの中で立ち上がりはじめた敏感な乳首に向かって絞り込み始めていた手を、運転席との間のカーテンに伸ばしたのです。
「やめて・・・いやっ・・・」
革のスカートのファスナーは引き上げられ・・カーディガンは脱がされて・・4本の男性の手が身体を這い回っているのです。
たとえまだ肌を晒していなくても、わたくしの姿はもう充分淫らだったことでしょう。
「あっ・・」 
山崎さんの手に気を取られたわたくしの脚を石塚さんの逞しい腕がブーツごとかかえ、ご自分の膝の上に引き上げたのです。
わたくしの身体は腰を中心に90度回り・・・上半身はやさしく山崎さんの膝に受け止められてしまいました。
「いいですね。こんなポジション」 
膝枕をしているようなわたくしの頭を両手で抱えて、山崎さんの唇が重ねられます。
「あふっ・・ん・・く・ちゅ・・」 
カーテン越しとはいえすぐそこには結城さんがいるのです。どんなことをされてもわたくしは声を抑えるしかありませんでした。
膝下は石塚さんの脚と左のドアの間に挟まれ・・・動かせない様になっているのです。
ジィィッ・・・またファスナーが少し・・・引き上げられてしまいます。
「黒のパンストにピンクのレースと肌が透けて・・・綺麗ですよ、祥子さん」
茂みをつつむランジェリーの丸みを、手のひらでまぁるく愛撫するのです。
「ん・・んく・・んゃぁぁ・・・」 
隠そうとした手は山崎さんの手で引き上げられ・・脚と同じ様にドアと山崎さんの脚の間に挟み込まれてしまいました。

「祥子さん、おとなしくなさってください」 
両手と両脚を二人の男性に押さえ込まれて・・・わたくしの身体はふたりのなすがままでした。
「聞けませんか?」 
山崎さんがドアポケットから出したのは数枚のシルクのスカーフでした。
「このスカーフでドアハンドルに手首を括られたいんですか? 祥子さん」 
山崎さんの声はもう顰められてはいませんでした。結城さんに聞かせることも厭わない・・・彼女は承知している・・というのは本当なのだとわかりました。
「おねがい・・・括らないで」 
キスを繰り返す山崎さんに・・わたくしは小声で<おねがい>したのです。
いつ誰が覗き込むかわからない車のドアに括られて・・・二人の男性に嬲られるなんて・・・できません。 コメント
NoTitle
【女人遍歴】の晴です。リンクありがとうございます。祥子さんは私のSFのひとりと全く同名・同語です。プログでは祥子を翔子としていますが。彼女とはほぼ10年!SMからほとんど全てのプレイをしてきました。すばらしい女性です。しかし良く更新されていますね。普通、なかなかこれだけはUPできません。

2006/04/02 14:36| URL |   [Edit]
NoTitle
こんばんは。

同性の結城さんに聞かれながら、二人の男性になぶられ、抑えながらも声を上げざるを得ない・・・この状況はどう展開してゆくのでしょう。いやがうえにも興奮してきます。

求められると与えて差し上げたい、とおっしゃる祥子さんに、「捨身飼虎」を重ね合わせています。やはり慈母観音様を感じます。
男は強いようで、いつでも母親の懐を求めています。心を通いあわすことのできる方は、全てを許し、暖かく包んでやってください。

これから自分の方のストーリーを少し書き進めます。

2006/04/02 19:28| URL | masterblue  [Edit]
花吹雪舞う・・・
満開の桜を嬲る強い風が・・・一層花の美しさを際立たせる
一年に一度の美しい夜がやってきました。

晴様
リンクを快くご承諾いただきまして誠にありがとうございます。
いちばん最初にコメントいただいたときにも伺った素敵な女性のこと
本当に大切になさってらっしゃるのですね。
同名のその方がとても羨ましいですわ。
これからもよろしくお願い申し上げます。

masterblue様
masterblue様とはこの美しい春を
ずっとご一緒に過ごさせていただいたのですね。
そう気づいたらとても嬉しくなってしまいました。

車の中でなんて、あの美貴さんですらなさらなかったことです。
それを万座の手前までとはいえ・・・約5時間ほどの道のりの間ずっと。
石塚さんならともかく山崎さんがそのようなことをなさるとは思わなくて
それも部下の方が同じ車に居る中で。
それでもきっとわたくしが乱れるまでこの方達は許してはくださらないのです。
誰も助けてはくださらない、恥ずかしくて・・・とても切ない・・・時間です。

2006/04/03 20:55| URL | 祥子  [Edit]
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