初雪 43
除雪されたとはいえ、雪道を歩くわたくしの脚はふらついておりました。この15分ほどの間だけでも2度も達していたからです。
「足元にお気を付けください」
森に囲まれた、敷地に立つチューダー様式調の端正な別荘でした。薄暗がりの雪の中でも白壁と黒に近いティンバーのコントラストが際立って見えます。
管理事務所が手をつくしてくださったのでしょう。建物の周囲は丹念に雪かきがされていました。公道を左折して入って来れる私道は建物の裏側に通じ、ウッドデッキのテラスをの前に、広く車を数台停めておけるほどのスペースがありました。
それでなのでしょうか。
結城さんも建物の玄関側ではなく、テラス側のロータリーへと車を進めたようでした。
シャッターが下ろしてあるガレージには、望月さんが運転してらしたセルシオが停められているのでしょう。
「こちらです」
玄関へ回るのだと思っていたのですが、彼はリビングに張り出したウッドデッキを登ってゆきます。
そして、てそのままベッドルームへと向かったのです。
中から鍵をはずしてあったのでしょう。
ガラス扉を開けると、彼は一足先に室内にて入り 、跪いてわたくしに彼の肩に掴まるように言うとロングブーツのファスナーを引き下ろしはじめたのです。
「そんなことまで・・・」
「いいえ、させてください」
ブーツの踵に手を当てると片一方づつ脱がしてくれました。黒のヌメ革のブーツの下のストッキングにも・・・無数の伝線が走っていたのです。
わたくしの脚元だけを見つめる望月さんの眼に、嫉妬と微かな怒りがほの見えたのです。
決して酷いことをされた訳ではない・・・そう言おうと思ったのです。でも・・・わたくしはどんな言葉を発することもできませんでした。
「そのままで結構です」
コートを羽織ったままの姿でわたくしは暖かな室内に入りました。
そこはキングサイズよりも大きなベッドのある、上品なインテリアのベッドルームでした。
「どうぞ」
望月さんは、入って来た窓の向かい側にある扉を開けて、わたくしを導いてくださいました。
そこは広々とした鏡張りのドレッシングルームでした。そして曇り硝子の引き戸の向こうには、掛け流しにされた温泉の音が響いていたのです。
「そのようなお姿ではお寒かったでしょう。ご入浴の準備はできております。そのままどうぞゆっくり暖まってらしてください。お召しかえは後ほどご用意させていただきます。」
「ありがとうございます」
わたくしに視線を合わせないまま一礼すると、彼は扉を閉めて・・・あの羞恥に満ちた車の元へ・・・戻っていったのです。
シャドウフォックスのコートと引き裂かれたパンティストッキングを脱ぐと、掛け流しになっている岩作りの温泉にその身を沈めたのです。
お湯は滑らかで、肌を心地よく暖める温度に調節されておりました。
車の中で起きたことは・・・決して粗暴なことでも礼を失したことありません。
なぜなら、わたくしはカードの誘いをお受けしているからです。
美貴さんをはじめとするこの方達が,わたくしに抱いてくださっているに違いない幽かな想いを想像すれば、身の危険やわたくしが真にNOと言うことを強制されるなどと言うことはあり得なかったからです。
ただひたすらこの方達が望まれることに忠実に、淫らな行為を繰り返されていただけなのですから。
わたくしの意志の下にお応えすると決めて、昨日迎えのセルシオに乗ったのです。
この数時間に起きたことは、あのお二人の願いを叶えるために・・・わたくしが羞恥にまみれた時間を過ごし、普通では許されない場所で何度もの絶頂を味合わされた・・ただそれだけのことだったのです。
望月さんの心配そうな・・半ば怒ったような顔が脳裏に浮かびました。
わたくし1人をあの方達の車に乗せることがどんな事態を招くかということくらい、望月さんにだってわかっていたはずなのです。
仮にセルシオに乗っていたからといって、まったく何もないままここにたどり着けたとは限らなかったからです。
・・・大丈夫なのよ、怒らないでちょうだい そう彼に語りかけたかったのに、堅い鎧に覆われたような事務的な彼の態度に、傷付き・・・わたくしは彼に何も言えなかったのです。
- こんばんは。
-
祥子さん、こんばんは。
昨日は失礼しました。
少しPCから離れていて一足違いでした。(汗)
それで、いよいよ別荘に到着しましたね。
望月さんと、祥子さんの表情を思い浮かべていました。
露天風呂大好きな私は岩風呂と聞けば、過去の記憶が鮮明に走馬灯のように脳裏に蘇り妄想してしまいます。
Mがスイッチ入るのと同様、Sの血が騒ぐのは宿命でしょうか?
DNA鑑定で一度調べて欲しいものですね。
貴方はA型プラスSです。貴女はB型プラスMです。貴方はO型プラスN(ノーマル)です。
すみません、変態の戯れと軽く流して下さい。(汗)
では、これからの展開楽しみにしています。
・・縄指導・・
2006/04/24 18:13| URL | 縄指導 [Edit] - 縄指導様
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恐れ入ります。
お伺いしたタイミングがたまたま悪かったのですね。
お話し出来なくて残念です。
温泉好きなお話・・・縄指導様のブログにもございますね。
さすがに一般の別荘地に露天風呂とはいかず
でも屋内に大きな窓のある浴室を用意してみました。
お風呂での戯れもいずれは・・・お楽しみになさってください。
P.S. S性やM性って遺伝子レベルのものなのですか?(笑)
2006/04/25 14:14| URL | 祥子 [Edit] - 祥子様
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毎日楽しんでいますが、みなさんのような気の利いたコメントが出来ずご無沙汰していました。
上海も天気が不順で晴れたり、今日は夕方から雨になったりしています。少し寒いですね。
早く、GWになって家族と一緒に過ごしたいです。
2006/04/25 21:21| URL | yamatan [Edit] - yamatan様
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コメントのお返事が遅くなってしまって申し訳ございません。
こうして毎日楽しんでいただけるのが一番うれしいのです。
それに、上海の日常も垣間見えて
yamatan様のコメント・・・わたくし楽しみにしておりますのよ♪
どうかこれからも宜しくお願いいたします。
2006/04/26 13:11| URL | 祥子 [Edit]
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