初雪 56
「・・・もう、よろしいでしょう」男性の方達に見られながらその前で自らの手で脱衣をする、その恥ずかしさに耐えたのです。
もう長襦袢姿でした。これで許していただけるでしょう。
「祥子さん・・・それが最後の一枚ですか?」
足元の着物は、望月さんの手で片付けられていました。
「ええ・・・」
身を覆うものはこの長襦袢とあとは腰だけに巻かれた湯文字だけ。
「もう一枚身に付けているはずですね」
山崎さんの声も冷静なだけ残酷でした。
「僕達は最後の1枚になるまでと言ったはずです。足袋は数に入れないでいてあげましょう。さぁ、祥子さん」
「そんなこと・・できないわ」
あと一本伊達締めを解くと、深紅の湯文字だけの姿になってしまうのです。
「こんな上品なストリップは初めてですよ。さあ続きを見せてください」
「いやぁぁ・・・」
石塚さんの口から出た<ストリップ>という淫媚な言葉に、わたくしは改めて男性の方達の視線の意味を思い知らされて・・・その場に蹲ってしまったのです。
「ご自分で出来ないのですか?」
もう・・・これ以上はできません。
「許して、おねがいお部屋にいかせてください」
「祥子さん!」
美貴さんの声はビジネスのような冷徹な色合いを帯びていました。
「お望みの姿になってまいります。どうか・・・おねがい」
「祥子さんのお願いは先ほど聞きました。僕たちは貴女が淫らな姿になってゆく過程を楽しみたい、と言っているんです」
「ゆるし・て・・」
「望月!」
美貴さんの声に、脇に控えていた望月さんがわたくしに近づきました。
「祥子様・・・」
胸元を覆っていた両手を掴むとわたくしを引き立てます。
「やめて・・・」
先ほどわたくしから取り上げた帯揚げを巻き付けるのです。
彼が頭上から何かを引き下ろしました。それは・・・赤い縄でした。
「ぃやぁ・・」
帯揚げの上から手首を縛めると・・・くぃと引き上げるのです。
いつこんなものを仕掛けられたのでしょう。ロフトになっている部分の太い手すりに向かって、わたくしの身体は吊り上げられてゆきました。
腕を覆っていた袖は肩へとずり落ち・・・一度はだけられた胸元は白い乳房の裾野を覗かせていたのです。唯一慎ましく閉じられた裾の下の足元は、足袋の脚を軽くつま先立たせるほどになっていました。
3人の男性はソファーをまわりわたくしの側にいらしたのです。
「ぁうっ・・・」
石塚さんの右手が襟元に差し入れられ、吊られ・引き上げられた左の乳房を握りしめたのです。
「素直に言うことを聞かないからです」
美貴さんの手が襦袢の上からわたくしの腰を撫でてゆきます。
「はあん・・」
山崎さんの指は襦袢の上から乳首を探り当て・・・くりっ・・と摘むのです。
「望月にならその伊達締めを解かせるんですか?」
美貴さんが腰のあわいに指を食い込ませる様に、尻肉を嬲りながら意地悪くわたくしの耳元につぶやきます。
「そうなんですか?」
山崎さんの指先が・・・責めの度合いを強めてゆきます。
「・・ちが・・ぃまぁ・す・・んぁ・・」
石塚さんの手も・・・
「妬けるな。本当にそうなんですか? 祥子さん」
「・・ちがう・・わ・・」
「身体に聞けばわかることです。祥子さんのこの感じやすい・敏感な身体にね」
「あぁっ・・」
パァン・・・答えることのできないわたくしの腰に、絹の上から美貴さんのスパンキングが飛んだのです。
「祥子さんがお望みだ。望月、長襦袢を脱がせて差し上げなさい」
乳首を摘む山崎さんの手も、襦袢の中に差し込まれていた石塚さんの手も抜かれます。
そして遠巻きに・・・わたくしの姿を見つめるのです。
「祥子様 失礼します」
「やめて・・・」
きしっ・・・伊達締めの絹の音が響き・・・締め付けられていた腰がふわっと・・緩みました。
カチッ・・・リビングの灯りが煌煌と輝きます。
「いやぁ・・・」
吊られ覆い隠すことのできない身体は、Gカップの乳房をたわわに揺らした上半身と・・・深紅の絹で覆われた腰を・・淡青の額縁の中で晒していたのです。
左の乳房はついさきほどまでの石塚さんの手戯で、薄く桜色に色づいているのです。
「こんな姿も祥子さんだと雅に見えますね」
「はぁうっ」
覆うもののない乳房の先を、すっと山崎さんの指が撫でてゆきます。
「この姿のままで犯してしまいたいくらいですね」
「おねがい・・ほどいて・・・」
もう一度あれほどに深く達させられてしまったばかりなのです。この不安定な姿勢のままで犯されるなんて耐えられません。
「祥子さん、僕たちの望みの姿になってくださると先ほど言ってくれましたね」
正面に回った美貴さんがわたくしを見つめて口にしました。
「・・・ええ」
これ以上・・どんな姿を晒せというの。
「ありがとうごさいます。それではここを剃らせていただきます」
美貴さんの手が置かれたのは・・・湯文字に隠れたわたくしの茂みの上でした。
「えっ・・・」
なにを仰るのでしょう。
「聞こえませんでしたか?祥子さんの漆黒の茂みをきれいに無くしてあげます、と言っているのです」
「だめ・・だめですっ」
Sだと仰った長谷川様でさえなさらなかったことを・・・この方達はわたくしに強請るのです。
「花びら餅のような祥子さんを味合わせてくださいとお願いしたはずです」
石塚さんが畳み掛ける様に責めるのです。
「そんな・・・だめ・・・」
真っ白な肌に薄く桃色の餡が透けるはなびら餅という言葉を・・・わたくしの花びらを包む丘のことを想って仰っていらしたなんて。
「綺麗に剃ってあげますよ。それにひと月ほどで元に戻ります」
「いや・・ゆるして」
「いままで剃ったことくらいあるんでしょう?」
石塚さんの口元に好色な笑みが浮かびます。
「ありません。そんなこと」
嗜みとして整えることがあっても・・大人の身体になってから一度も失ったことなどない翳りなのです。それを男性の手で剃られてしまうなんて・・・できない。
「いつも綺麗に整えてあるから、そういうことも経験があるかと思いましたが。意外ですね。祥子さんの生まれた時のような姿を見たがる男は他にもいたでしょう」
「祥子さんは熟した身体なのに結構うぶなんですよ。憶えていませんか、初めてご一緒した時まだアナルバージンだったんですから」
「いゃぁ・・・そんなこと・・おっしゃらないで」
「無理矢理は僕たちの趣味じゃないんです。祥子さんに楽しめなんて言いません。でも今までに無い経験をさせてあげますよ。どうか、はいと言って下さい。祥子さん」
耳朶をなぞる指が、山崎さんの声をわたくしの身体にしみ込ませようとするかのようです。
「だめです・・・」
吊られたままで首を横に振ったのです。
- リアルフェイス
-
言葉だけでここまでゾクゾクさせられるのは、久しぶりの
ことです。言葉ではなく画像で勝負されるblogが多い
ですから。
読み込んでいくうちに、息をするのを忘れそうです。
まだアダルトビデオがない時代に読んだ団鬼六氏の
作品を彷彿とさせます。
ぶしつけな質問としりつつ、実体験ですかと聞いてしまう
私の失礼さを許してください。それほどリアルです。
2006/05/07 16:34| URL | eromania [Edit] -
こんにちは。
連休最後の日曜日は、雨になってしまいました。
祥子さんのここまでの物語の中で、私が一番待っていたところに到達したようです。
まさか、拒みにこばみ抜くなどということはないですよね。心許した男性方が望まれているのですから。
一月ほどで戻るとはいえ、戻るまでの日々も耐え難い物になると思います。祥子さんを求めるほかの男性に、愛を差し上げることが出来なのですから。それに中途半端に生えてきたさまは・・・どうも地が出てきたようです。
首を長くして待っています。
2006/05/07 16:42| URL | masterblue [Edit] - 時折の雨が・・・
-
空気をひんやりとクールダウンさせ、風が若葉を乱してゆきます。
はしゃいでいたGWの気持ちを
ビジネスアワーに向けさせるような自然の心遣いでしょうか。
eromania様
過分なお褒めの言葉ありがとうございます。
かの大文豪の脚元にも及びませんが、
ビジュアルは読んでくださるイメージを固定してしまう恐れがあるので
拙い筆ではございますが言葉でお伝えできるように努めております。
よろしければ、またぜひお越しくださいませ。
最後のご質問は
あくまで物語でございます・・・という言葉をお答えにさせてください。
masterblue様
そうですね・・・簡単に是と言えるなら
わたくしはこれほど追いつめられることもないのかもしれません。
このコメントでこれから先をご想像くださいませ。
あのときから数ヶ月。
ようやくあのちくちくとした責めから逃れることができました。
ご想像の通りそれからの日々も・・・ですから。
2006/05/07 20:37| URL | 祥子 [Edit] -
GWいかがお過ごしでしたか?おいで頂きましたのに留守にしておりました。
主人と金沢から山中温泉へと行って参りました。長町武家屋敷で加賀友禅の工房にも立ち寄りました。京友禅の華やかさより落ち着いていて、私は好きです。お着物良いですよね。
古い伝統のある街はしっとりとして、賑わっていましたが落ち着きますね。
2006/05/07 22:50| URL | るり [Edit] - おひさしぶりです
-
祥子様
お久しぶりです。今日上海に戻ってきました。
1週間でしたが、ゆっくりしてきました。
宝塚歌劇と劇団四季のマンマミーアを観てきました。
家内と一緒に。
2006/05/07 23:17| URL | yamatan [Edit] - お帰りなさいませ♪
-
味わい深い時間を手にされたGWでらっしゃったようですね。
るり様
加賀・金沢はいま新緑が美しいいい時期ですね。
加賀友禅は虫食いに代表されるような
写実的でこっくりとした色合いが素敵です。
地味な色合いながら細密な書き込みが
いつか大人の女性として着こなせたならと思わせる深みがあります。
お話をうかがって・・・金沢に旅したくなりました。
yamatan様
おかえりなさいませ。
日本での休日は充実されたもののようでしたね。
明日から、また上海での時間がはじまります。
お仕事がんばってくださいませ♪
マンマ・ミーアはぱぁっと心が晴れるようなミュージカルですね。
宝塚はなにを上演されていたのでしょう?
いずれyamatan様のブログにもご紹介があるのでしょうか。
楽しみにお伺いさせていただきますね♪
2006/05/07 23:45| URL | 祥子 [Edit] - おはようございますw
-
ストリップ・・・というとなにか商品として見られている・・・
そういう感じを受けるのではないでしょうか?(おれだけ?)
自分の場合はストリップという言葉より『白い肌』という言葉
で表現しますが・・・(私ナニ言ってるんでしょうか?)
2006/05/08 05:02| URL | よしちょ [Edit] - よしちょ様
-
そうですね。
石塚さんが口にした「ストリップ」は
<着物を脱ぐことだけで男性をそそる淫らな女>という意味が込められていたようですね。
男性がベッドの中で「まるで娼婦だな」と言葉責めをする・・・同じ使い方ですね(笑)。
あまり露骨な物言いをなさらないこの方達の中で、フランクな石塚さんならではのおっしゃり様ですね。
2006/05/08 08:47| URL | 祥子 [Edit]
トラックバックURL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| BLOG TOP |