銀幕の向こう側 17
明かりが落とされているとはいえ、カーテンは開いたままでした。お部屋の中を藤色のサテンに黒のレースでトリミングしたランジェリーとガーターストッキングだけのはしたない姿で歩いていることに・・・わたくしは、とまどっておりました。
見えないだけ・・・妄想は止めどなく広がってゆきます。
ここに座って待っているんだ、と目隠しのままのわたくしを1人掛けのソファーに導きました。
「しかたないね。恥ずかしいのならこれを羽織っていなさい。」
次第に・・・羞恥に俯いてゆくわたくしの顔に男性は気付かれたのでしょう。男性は、今夜彼が着ていたワイシャツらしきものを手渡したのです。
「はい、ありがとうございます。」
心地よいオックス地のシャツに両手を通すと、わたくしは前を掻き合わせて1人掛けのソファーに手探りで腰を下ろしました。
わたくしを1人にしている間、クローゼットの扉が開かれ数本のハンガーが当たる音がいたしました。それから・・・カチャカチャ・・という音も。
声も、足音もいたしませんでしたが、それらの音と気配だけが男性が忙しく立ち働いていらっしゃることがわかりました。
本来でしたらわたくしがしなくてはならないことを、男性にして頂いているのがとても心苦しく思えたのです。
でも・・・ここで待って居なさいとおっしゃったのです。
わたくしは男性の言葉通り、背筋を伸ばし脚を揃えて1人掛けのソファーに座っておりました。
「待たせたね。寒くはなかったかい。」
室内に響いていたいくつかの生活音が収まると、次に聞こえたのは男性の声でした。わたくしに触れることはせず、でもお声だけはちょうど真正面からいたしました。
「はい。シャツをお借りしたので、大丈夫です。」
「そうか、ならよかった。」
男性の立てる物音だけに集中していたこの数分間。ひたすら、次になにが起こるのかと聴覚に意識を集中していたせいでしょう。
わたくしは他の何かを感じることも、考えることもしないでいられた様です。
エアーポケットに入り込んだ後のように、意識がすっきりとしておりました。
哀しさも、恥ずかしさもなにもかも忘れて・・・わたくしは、男性の声だけを待っていたのです。
戻ってらしても、まだ目隠しを外してはくださいません。
まだ・・・男性は今夜の戯れを終わらせるつもりがない・・・ことだけは、わたくしにも解りました。
泣きじゃくるわたくしを、先ほどベッドに横たえたのはこの方でした。
これから先の続きをなさるなら、きっとベッドの上だとわたくしは勝手に思い込んでいたのです。
それでしたら、せめてベッドへ連れて行って頂こうと、ふらふらと1人掛けソファーから立ち上がったのです。
「あぁ、立ち上がらなくていいよ。」
男性の声で、わたくしはもう一度ソファーへと腰を下ろしました。
「そう、そのままでいい。そこに腰を下ろしていなさい。」
「はい。」
「やっと、泣き止んだみたいだね。」
「・・・はい、ご迷惑をお掛けしました。」
目元を覆うシルクスカーフの目隠しはそのままに・・・わたくしは、男性の声のする方へと姿勢を正し真っすぐに向いて落ち着いた声で話しかけました。
- お久しぶりですw
-
只今休日ですw
祥子さんお元気そうですねw
テンプレートも流れ星が・・・(感動)
おしゃれでとってもイイですw
いつか見た夜空みたい・・・
2006/09/04 13:49| URL | よしちょ [Edit] - よしちょ様
-
お久しぶりです。
ゆっくりお休みできてますか?
お元気そうでなによりです。
こんな月夜に、草原にごろんと寝転がって
星空を見つめてみたいですね。
お身体に気をつけてお仕事がんばってくださいね♪
2006/09/04 13:58| URL | 祥子 [Edit] - 椅子の上で・・・
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いやん (*ノノ*)
静かに語りかける人が好きです・・・。
やさしく、やわらかに、あたたかく
話しかけてくれながら
冷たく容赦なく責めてくる人が。
テンプレートの精査終了しました。
コメント入れてみてくださいな。
2006/09/04 14:14| URL | さやか [Edit] - さやか様
-
この男性もさやか様のお好みのタイプですか?
ずっとわたくしの目隠しを解かないままに
わたくしを言葉と視線で責め続ける方が。
そろそろ、また人気投票を実施するころでしょうか。
さやか様がどなたに投票しようか
とっても困っている姿が眼に浮かびます。
コメントの件ありがとうございました。
無事、コメントできたようです。
これからまたいつもの様に、コメント差し上げますね♪
2006/09/04 15:01| URL | 祥子 [Edit]
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