銀幕の向こう側 28
男性の気配が動き、後から声が聞こえました。「外すよ。」
キャミソールの裾を上げて、ガーターベルトのウエストのスナップが外されました。はら・・りと、藤色のサテンと黒のレースの布片はわたくしの足元へ落ちてゆきます。
男性の手は、今度はキャミソールの背中をくいと下げたのです。後ろ手に括られ高くなった肩甲骨の間のブラのスナップを外す為でした。
そして・・・・ようやく手首のスカーフが解かれたのです。
「手を上げてごらん。」
男性の声が再び前からすると・・・ばんざいをするように上げた腕から、捲り上げられたキャミソールが抜き取られます。
「これで最後だね。」
自然に下ろした両腕から、ブラのストラップが抜かれました。
ざぁぁ・・。パチャ・・パチャ。
バスタブに注がれていた湯が止められたようです。
「これなら熱過ぎることはないだろう。こっちだよ。」
隠し切ることなど出来ないとはわかっていても、左腕で胸元を右腕で茂みを覆うわたくしの身体を男性の腕が誘導します。
「おねがい、目隠しを取って。」
わたくしの声は、掠れはじめていました。
何度となく上げさせられた喘ぎのせいなのは解っています。
「だめだよ。ちゃんと上がる時も私が手助けしてあげる。大人しく湯に浸かっているんだ。さぁ、右脚からだ。」
手を取って、バスタブへとわたくしを導くのです。
ホテルのバスなのです。この部屋に来て最初にバスルームを使わせていただいたときに目にした様に、決して深さがあるわけではありません。それでも、視界を奪われてお湯に身を浸すことにはかすかな恐怖心がありました。
「ちょっと待ちなさい。」
バスタブの中に膝下までの湯につかって立ってたわたくしに、男性が声を掛けたのです。
足音が離れて、次に戻ってらしたときに男性の腕にはタオルがありました。
「ここに腰掛けるんだ。」
わたくしを後ろ向きにバスタブの縁に腰掛けさせると、長い髪をタオルで器用に包んでくださるのです。失念しておりました。背中の中程まである長い髪がこのままでは酷く濡れてしまいかねなかったのです。
でも、女性の髪をタオルで・・・この方はなんでこんなことを上手になさることが出来るのでしょう。
「ありがとうございます。」
「これでいい。ゆっくり、腰を下ろしなさい。」
もう一度90度身体を回転させられると、男性の手にすがる様にしてわたくしはバスタブにゆったりと身を長らえたのです。
「なにかあれば呼びなさい。」
「はい。」
もう30分以上も縛られていた両手首を、わたくしは湯の中で揉みほぐしておりました。程よい温度の湯は、幾度もの羞恥と淫楽に疲れた身体を優しく癒してくれました。
男性は、バスルームの戸を開けたままで無言で幾度も出入りをされていたようです。
ホテルの部屋に入ってすぐのカーペットは・・・わたくしのはしたない体液で濡れそぼっている筈です。それをきっと綺麗にしてくださっているのでしょう。
じゃぁぁ・・・ しばらくしてから今度は洗面台に水音がいたします。
ぱちゃぱちゃと・・タオルを洗われているのでしょうか?
そんな音が止まって数分。
「待たせたね。」
男性の声がいたしました。
「申し訳ありません。全部していただいてしまって・・・。」
わたくしは、湯に浸かり暖まることでぼぉっとして忘れかけていた羞恥が蘇って・・・身内から暖まったせいだけじゃなく頬を赤らめてしまいました。
「いいんだよ。私が命じてさせたことだからね。さ、湯が冷めてしまう前にでよう。」
男性が浴槽に入ってこられたのです。
わたくしの揃えて伸ばした脚を跨ぐ様に立つと・・・バスタブの縁に乗せられたわたくしの手を掴まれたのです。
「ゆっくり立ってごらん。」
男性の腕に引き上げられる様にゆっくりと、浴槽の中でわたくしは立ち上がりました。
男性が何を身に着けてらっしゃるのか、何も身に付けてらっしゃらないのか・・・わたくしにはわかりません。
濡れたからだを、彼に触れさせない様に、細心の注意を払うことしかわたくしにはできませんでした。
「こっちだよ。」
男性に導かれて足を下ろしたバスタブの外には、バスマットが敷かれていました。
「そのまま。」
ふぁさ・・・。大判のバスタオルがわたくしの肩に掛けられ・・男性の手で全ての水滴が拭われてゆきます。
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優しく包み込むというのはこういうことを言うのでしょうか。
今、祥子さんのお相手のように振舞いたいという気持ちが
心のどこかに潜んでいて、ふとコメントに出てしまうのでしょうか。
PS:温かいコメントありがとうございました。
今、dti側の不具合で僕のblogはまったく表示されません。
祥子さんにだけお知らせしますね(笑)。
2006/09/14 20:41| URL | eromania [Edit] - eromania様
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教えて頂いてよかったです。
ブログにお伺いしたら・・・だったので、まさか削除されたわけではとドキドキしてしまいました。
eromania様にやさしく振る舞っていただける、幸せな女性はどなたなのでしょう。
とてもうらやましいですわ。
2006/09/14 23:32| URL | 祥子 [Edit]
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