銀幕の向こう側 29
「わたくしが、自分で・・・」「いいんだ。」
肩先から両腕をそれぞれに拭き下ろします。
目隠しをされたままでも、自分の身体を拭うくらいのことはできます。なのに、男性はそのことすら許してはくれませんでした。
「ぁっ・・」
映画館からここまでの緊張感で強ばっていた首筋を、揉み込むように軽くタオル越しに圧迫してから、2つの貝殻骨を愛おしむように拭って・・・背筋を真っすぐに腰の頂きまで・・・。そのタオルは太ももの付け根までの淫らな曲面へも触れてゆきました。
「少し腕を広げてごらん」
「ん・ん・・」
男性の手が支えるタオルは、前にまわって同時にたわわな二つの乳房に触れてきたのです。
体側からふるぅんとした乳房の外側を頂きに向かって・・・でも頂きには到達せず。次には両手でたゆんと震える乳房を持ち上げる様にして下辺をやはり頂きの寸前まで。
デコルテから乳房の谷間に入り込んだタオルは、内側から押し広げるように・・・。はじめて頂きに達したパイル地の感触は、はしたなく立ち上がっていた先端を包み込むと、男性の指がタオル越しに揉み込むのです。
「ぁあっ・・・」
焦らされタオル特有の感触に高まっていた乳房の感覚は、一瞬の性的な刺激にもはしたない声を上げさせるのです。
そして太ももの狭間の茂みへ。
「おねがい・・・」
わたくしは、もうお湯ではないぬめりが溢れ出していることに気付いておりました。それを見られてしまう恥ずかしさに、一度拒否されていたにもかかわらずあらためて自分で・・・と懇願したのです。
「これも、お仕置きなんだよ。君が勝手に潮を吹いた後を私に始末をさせたんだからね。さぁもっと脚を開きなさい。」
男性の手がタオルを繰って、太ももの内側へ触れたのです。
「ふっ・・」「あぁ・・・」
ふと漏らされた男性の声が、わたくしの身体の変化に気付かれてしまったことのように思えました。
それでも、男性は何もおっしゃらず、手はことさらに事務的にタオルを動かしてゆくのです。
太ももの外側から膝裏を通ってふくらはぎへ・・・。足首を掴まれて足裏まで・・。
目隠しをされたままでも、していなくても、男性の手で拭われるという行為そのものの羞恥には変わりはなかったでしょう。
ただ1つ違うのは、目隠しされたわたくしには男性の視線がどこを彷徨っているかがわからなくて、一層の不安と羞恥を煽り立てたのです。
それでも、男性の手は乳房の後は、極めて事務的にてきぱきとわたくしの身体を拭って行ったのです。
髪を覆ったタオルを外し、わたくしの肩に備え付けのバスローブを掛けると、両手を通して前を重ねウエストで紐を縛ってくださったのです。
「さぁ、部屋で待っていてくれないか。」
わたくしの手を取って、部屋へと戻るのです。5歩・6歩・・・。
「ここだよ。」
腰を下ろす様に言われたのは、ベッドカバーを外したベッドの上でした。
「寒くはないかい。」
「はい。」
わたくしの上体をベッドヘッドに持たせかけて、足元には羽布団を掛けてくださいます。
「すぐに戻ってくるからね。」
「はい。」
男性の手がわたくしの肩を叩くと、すっと気配が離れていったのです。
シャァァァ・・・ 浴室で水音がします。きっと、男性がシャワーブースでシャワーを浴びてらっしゃるのでしょう。
室内には、まだシャンソンが低く流れていました。
どれほどの時間が経っているのか・・・目隠しをされたままのわたくしには、見当もつきません。
でもこの長い・・いいえ短い・・・時間の内に、今夜はじめてお逢いして哀しい恋心を慰めてくださった紳士のことをわたくしは信頼しはじめていたのです。
水音が止まりました。
パタ・・ン・・・ 浴室の扉が開いて。
「待たせたね。」
男性の声と体重が同時にわたくしの左側にやってきました。
「いいえ、そんなこと。」
ん・・・ 男性の唇が重ねられたのです。それは・・淫らなほどのディープキスでした。視界を奪われた上に、男性の両手で耳を塞がれたわたくしには、甘噛みされすすり上げられる唇の音も、絡め合わせれる舌の音も、注ぎ込まれ吸い上げられる唾液の音も・・・エコーを掛けた様に・・・脳内に響いたのです。
- 湯上り
-
そういえば、ここまでやってもらった事って無いなぁ・・・。
洗ってあげた事も、拭いてあげた事もある。
洗ってもらった事もある。
でも、拭いてもらった記憶が・・・・ない。
よし!今度・・・・ってどうやって誘導するの?
ウーン (Θ_Θ;)
2006/09/15 12:22| URL | さやか [Edit] - さやか様
-
ふふふ ぜひしていただいてみてください。
そうですね・・・お風呂から出た時に、にっこりとわらってバスタオルをお渡しして、「お・ね・が・い♪」って言ってみてはいかがですか?
2006/09/15 21:08| URL | 祥子 [Edit] -
そうか、そう言われればそうだね。
してもらってうれしいことは、されても
うれしいことに違いないから。
チャンスがあればやってみたいな。
でも、相手がいれば…の話だけど(笑)。
官能って奥が深い。
2006/09/15 21:50| URL | eromania [Edit] - eromania様
-
ふふふ、どんな方がお相手でも♪
大人の男性に世話を焼いて頂くというのも、とても恥ずかしいのですがいいものですよ。
ぜひ、素敵な方にしてさしあげてくださいな。
2006/09/16 06:57| URL | 祥子 [Edit]
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