花の気配が消えても
本来ならそろそろ半袖が恋しくなる季節目の前の景色は新緑を鮮やかさを増しているのに
彼女の肩はトレンチコートに被われている
木陰でしゃくなげが色鮮やかな花を咲かせるように
人目に付かない庭の片隅で
トレンチコートの下の彼女の白い肌と
贅をつくしたランジェリーをここで暴きたくなる
ふたりきりになれる場所まであと数分なのに
昼日中の妄想と空想は私を暴走させてゆく
彼女は知らない
私の中に巻き起こっている欲情を
先に届けてあるトランクに詰められた
彼女のために用意した数々の責めの道具のことも
私の嗜好を知っているにも関わらず
彼女は今日も静謐そのものに見える
肩にとまろうとする蜻蛉さえも優しく迎入れる
この表情を私だけへの哀願に変えさせたくて
この場所を用意した
時間はたっぷり ある
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それとわかる直接的な表現はごくわずか
なのに、募る欲情…さすがは、の筆致。
新緑の鮮やかさとは裏腹に、妄想時間は
とても濃密なものに染め上げられてゆく
のですね。
2013/04/28 22:25| URL | dreamcat [Edit] - dreamcat 様
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恐れ入ります。今回の逢瀬は長谷川さんがお相手でした。
待ち合わせてから、二人きりになるまでの気持ちを感じていただけてありがとうございます。
わたくしは、これから激しい責めにさらされてしまうのです。
2013/04/29 05:55| URL | 祥子 [Edit]
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