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ムーンナイト・アフェア 6

「あと2回だね、祥子。僕にもっといい声を聞かせるんだ」 
もう一口、冷たい飲み物を飲むと男性は立ち上がり部屋の隅に置いてあったバッグをもってきたのです。
「ぁぁぁ・・とめ・て・・やぁぁ・・こんなまま・・また・・あぁぁぁ」 
玩具はわたくしが達した後も動きを止めることはいたしません。 
絶頂に喘ぎ息を切らす身体にさえ、変わらぬ淫らな責めを繰り返します。
「ツインローターすら知らなかったのなら、こんなものを見るのははじめてだね。祥子」 
男性はバッグの中から・・薄暗がりの中・・・いくつもの道具を取り出すのです。
それは、形だけでも十分淫らなものでした。
それにわたくしには何に使うのかさえわからないものまで・・・ありました。
ボールペンほどの太さのものから、直径5センチはあろうかというものまで・・・男性の塊の形をしたものが6本。
真珠の珠がつらなったものが大小の二つ。
楽器のマラカスのような先端だけがまるくなったもの。
鈴のついたクリップが二つ・楕円形の筒のついたクリップが二つ。
肩こり用のマッサージ器。
書道用のもののような筆が大小3本。
そして・・・先端が何本にも分かれた鞭・・・。

「いやぁぁ・・・」 
くちょ・・ちゅぷっ・・ 触覚と視覚と聴覚の全てが、わたくしを絶え間なく責め続けるのです。
「ぁあぁぁぁ・・・ぁだめぇぇぇ・・・」 
一度達したことで・・絶え間なく幾度もいきたがるはしたない身体は、身悶えするたびに食い込む縄にさえ・・・愉悦を煽られてしまうのです。
「あぁ・・ごしゅじんさまぁぁぁ・・いきますぅぅぅ・・」 
並べられた正体のわからない道具に対する恐怖感すら、不思議な刺激になっていったのです。
「まだだ、祥子」 
座卓の上から一つのモノを手に、男性がわたくしの側に近づきます。
「おねが・・い・・・で・・あひっっっ・・」 
ちり・ん・・・ 絶頂を哀願するわたくしの、縄で引き絞られた白い乳房の中心で堅く立ち上がる左の乳首に・・鈴付きのクリップがつけられたのです。
「ひぃい・・たぃですぅぅ・・・ゆるして・・ぇぇ」 
男性の繊細な舌の動きにすら反応する乳首への責めは、ひりつくような痛みを与え続けます。
「祥子、意識をローターに向けなさい。痛みを快感に溶かすんだ。祥子なら出来るね」 
男性の声は・・・催眠術のようにわたくしの意識の指向性を変えてゆくのです。
「ひっ・・・はぁん・・あぁぁ・・やぁ・・こんなの・・あぁ」 
ちりん・・ちり・ん・・・ 次いで右にも。
あぁ・・・ 左右の張り出したGカップの乳房の先端の2つの鈴が、わたくしの淫らな身悶えに合わせて可憐な音を響かせるのです。
「そうだ、ほらいきたいのだろう。こんなにぐっしょりとTバックを濡らして。はしたないね、祥子は。はじめての玩具でこんなにするなんて」 
片一方の鈴を指先ではじきながら・・・言葉責めを繰り返すのです。
鈴が人為的に揺らされる動きすら・・・乳首に妖しい痛みを加えるのです。
「だめ・・ぁぁ・・いきます・・・いっちゃうぅぅぅぅ」 
鈴の音が響く毎に、わたくしの身体の中の痛みは快感に塗り込められ、上書きをされてしまいます。
「もう痛みで感じてるね、祥子。淫乱!!いきなさい。いけ!」 
Tバックのレースをきつく引き上げるのです。
「あぁぁぁ・・いっ・・・くぅぅぅぅ・・・」 
ぎしっ・・ちりり・ん・・・ 大きく胸を喘がせて縛めに抗して跳ね上がる身体が、鈴をひときわ高く響かせました。

「ふふ、もう一度だよ。祥子」 
男性の視線をさけるように背けていた顔を、顎を掴まれて上向けられてしまいました。 
「今夜は、いままで男の手だけしかしらなかった祥子に新しい喜びをあげるよ」
痛みと快感で涙の滴を溜めたわたくしの瞳を覗き込み、満足そうに語りかけます。
「これだけ逝き狂っているのに、瞳は高貴なままとはたいしたものだ。あの時も言ったがほんとうに囚われの女王だね」 
あぁん・・とって・・いたぃのぉ・・・はぁあん
「だめだよ。窓枠まで愛液で濡らしながら何を言ってるんだい、祥子。痛みにさえ感じるMのくせに」 
いやぁ・・・そんなこと・・いわないで・・・はぁぁん・・だめぇ・・
「ほんとうに玩具ははじめてなのか? オナニーでも使わないのかい?」 
はじめ・・てですぅ・・はぁぁ・・ん オナニーなんて・・あん・・つかいませ・・ん・・
「この淫乱な身体じゃ男が放っておかないか?祥子を抱きたいという男に不自由したことなどないのだろうな。どうだ祥子、答えなさい」 
あぁぁ・・そんなこと・・なぁ・い・・ですぅぅ
「吸い付く白い肌には、さぞかし男達の精液が塗り込められているんだろうな。清楚な風情なのに微笑むだけで劣情を誘う女。その肌を思うがままにしたくなる」 
いやぁぁぁ・・ゆるしてぇぇ・・はぁあぁぁん
「それとも男の唇か?今夜はキスマークはついてないな祥子。どうした、男に抱かれていないとはいわせないぞ。こんな熟した身体を甘い薫りで満たしていて」 
あぁぁん・・・だめぇぇ・・・
「ここか。ふふ、もっと押し付けたくて腰が勝手に動いているぞ、祥子。なんていやらしいんだ」 
ゆるしてぇぇぇ・・・いわない・・で・・あはぁん・・・
「ほら、こうか。せっかくのプレゼントがぐしょぐしょだよ、祥子の蜜でレースが光って見えるぞ。こんなパンティで帰るつもりか? この前の時みたいにノーパンで帰るか? ははは」 
やぁぁぁ・・・・男性は知らないはずの・・あの蝉時雨の夜の帰りの地下鉄での恥辱に満ちた陵辱を・・・思い起こさせるのです。
「こんなに食い込ませて。ふふ、また溢れさせたね。白く濁った愛液だよ、祥子」
くぃ・・くぃっとリズムを変えてTバックをあやつります。
「ゆるして・・・いきます・・ごしゅじ・・んさまぁ・・いかせ・・て・・」 
わたくしの声に男性は、縄に挟み込んだコントロールボックスのスイッチを一気に最強に引き上げたのです。
「はぁぁあああああ・・ん・んんぁぁあ」 
急に強まった振動は花びらの奥から・・真珠の芯から・・・わたくしの身体をいままでにない高みへ押し上げてゆきます。
「祥子!いけ!」 
バシッ!!・・・・バラ鞭を一閃。
引き絞られ鈴付きのクリップを付けられた、白いGカップの乳房に打ち下ろしたのです。
「ひいっ・・くっ・・・ああぁああ・・・」 
右のクリップを鞭で飛ばされ、紅い鞭後を白い肌に残しながら・・・わたくしはとてつもない絶頂を極めてしまったのです。

快楽系・・・という言葉が何を意味するのか、言葉ではなく身体で思い知らされたのです。
本来ならただの苦痛しか生みはしない敏感な場所をきつく挟むクリップも、先端が何本かに分かれた黒い革の鞭の一振りも、わたくしを信じられない淫らな昂りに誘っただけでした。
快感でぐったりと喘ぐわたくしは、漸く最初の縛めから解放されたのです。

どれほどの時間くくられていたのでしょうか。
強制的に意識が飛びそうなほどの淫悦を送り込まれて、わたくしの時間感覚はすでに麻痺をしておりました。
カナリアイエローのブラウスは強引に引き出される悦楽の汗に濡れ、黒のタイトスカートはたくし上げたままの横皺をつけておりました。
くくったときの逆の手順で解かれた縄は、窓枠に腰掛けた姿にされたわたくしの足元に何尾もの真紅の蛇のように横たわっておりました。
ブラウスの上から掛けられた縄は解いた後も、手首や二の腕や白い乳房の上下に縛めたままのように・・・同じ場所に赤い縄痕を残していたのです。
 
「痺れてはいませんか、祥子さん」 
男性は全ての縄を外すとわたくしの手首を優しくマッサージしてくれました。
「こんなに綺麗な紅い印が残る。あの夜胸につけられていたキスマークを付けた男性の気持が良くわかりますよ。あなたにはこんな痕を残したくなるんです」 
責めの時は容赦ない男性の口調が、日頃と同じ1人の男性に戻る一瞬は優しく紳士的に変わるのです。

わたくしは男性の前に、彼に贈られたランジェリーだけを身に付けた姿で立たされました。
はしたなく乱されていた黒のハーフカップのブラとTバックは、男性の手であらためて本来あるべき姿に整えられました。
そろいの繊細な黒レースのガーターベルトとバックシームの黒のストッキングは、一筋の伝線もせずいまだにわたくしの脚を覆っていました。
白い肌に黒のランジェリーと背中までの黒髪のロングヘア・・・そして上半身を横切る紅い縄痕だけがわたくしの身を飾る全てでした。
「祥子さんのランジェリーに彩られた真っ白い肌を見ると、あなたの情熱的な恋人の気持が手に取る様にわかりますよ」 
男性の指がゆっくりとひりつく縄痕をなぞるのです。
男性のマッサージで少し暖かさを取り戻したわたくしの右手を離すと、座卓からまた何かを取り上げたのです。
「・・・あっ・・」 
黒革の手枷を男性は掴んだままの左手首に・・・次いで右手に巻きつけました。
「あの夜、僕がほんとうにしたかった姿を見せてもらいましょうか。祥子さん」
男性は手を引いて窓から見えた中庭へわたくしを引き立てたのです。
コメント
何度読んでも・・・
祥子様

何度読んでも自分の秘めた部分が熱くなります。
このようなすばらしい秘め事がこのような官能的な文章で
綴られるとぞく・・・とします。

2006/02/16 23:54| URL | 桜草  [Edit]
桜草様

ありがとうございます。
FC2もご覧になっていただいているんですね。
桜草様のように仰っていただくのが
わたくしにとって一番うれしいお言葉ですわ。
もっと・・・もっと感じてくださいませ。

2006/02/17 00:13| URL | 祥子  [Edit]
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2006/02/17 08:04| |   [Edit]
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