閉じ込めて
空は高く青く晴れていた目の前を歩くあの人の姿が
ふっと揺らいで
霞んでしまいそうになる
香りだけが後からすがりつく
藤の精の様に
今朝までこの腕の中にあった
白く嫋やかで柔らかな身体は
あれほど確かに私を受け止めて
打ち震えていたのに
陽の光の下に解き放った途端
するりと消えていって
しまうのではないかと
不安を掻き立てる
香りなぞいらない
花と水に囲まれた回廊に
閉じ込めてしまおうか
広い敷地の片隅にある
茶室に閉じ込めてしまおうか
誰の目にも
月にも太陽にも星にも
触れさせない様に
心の声が聴こえたはずはないのに
振り向いたあの女性の眼は
「お気が済む様になされば」
と語っていた
また昂ってゆくのを止められなくなる
- 何時もながらの美しさ
-
素晴らしいお庭と美しい花々。春から夏への移り変わりの、一瞬の美ですね。
2017/05/06 16:07| URL | やまゆり [Edit] - Re: やまゆり様
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寒さが長引いた今年ならではの光景かと存じます。
2017/05/08 09:02| URL | 加納 祥子 [Edit] -
新緑の美しさに陶然となるこのごろです。
爽やかな風が、お話全篇を吹き抜けてゆくような・・・
憂鬱な週明けが少しだけ、明るいものになりました。
2017/05/22 06:56| URL | 柏木 [Edit] - Re: 柏木様
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緑が優しい季節です
気温もこのころはほんのり涼やかで
あっという間に油照りの頃になることを
思い出したくなくなる瞬間です(笑)
2017/05/22 09:51| URL | 加納 祥子 [Edit]
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