初雪 2
ピンポン・・・ ベルを押し、しばらくするとドアが開けられました。「祥子さん。良くいらしてくださいましたね。どうぞこちらへ」
望月さんから<主>と呼ばれている男性でした。
「お招きいただいてありがとうございます」
挨拶する間もなくコートを脱がされて、ドアの側にあるクローゼットに収められました。そこにはすでに3着の紳士もののコートが掛けられていたのです。
「私は荷物を下ろしてまいります」
運転手はそう言うと、主から一枚のカードキーを手渡されて地下の駐車場に向かいました。
「もうフェロモンの薫りを漂わせていますね。祥子さんどうなさったのですか?」
運転手のキスで、わたくしの身体が反応していることに気がついてしまったのでしょうか。男性はわたくしの耳元で囁いたのです。
「ちがいまっ・・ぁ・・ん」
望月さんの立場を悪くすることなどできません。耳を真っ赤にしながらもわたくしは否定の言葉を口にしました。その唇を男性に塞がれてしまったのです。
「くちゅ・・・はぁ・・ん・」
舌を吸い上げるようにねぶられて・・・ワンピースの裾から手を差し入れ、ストッキングの上の太ももの合わせ目に指を這わせるのです。
「ふふ 祥子さんは望月のことがお気に入りのようですね。なにもされなくても一緒にいるだけでこんなにするんじゃ、ね」
箱根の夜を知っているからでしょうか。エレベーターの中の二人のことを見透かしてでもいるように・・・言葉責めをするのです。
迎えられたこの瞬間から、わたくしは招待状をくださった3人の男性を楽しませるための虜なのだと思い知らされたのです。
「これでようやく乾杯できます。さぁ、こちらへ」
通されたのは、以前一人で朝食をいただいたリビングルームでした。
「長いお出迎えだなぁ。待ちくたびれましたよ」
すべすべした手の男性がソファーから振り返ります。
「こんばんは、祥子さん。お久しぶりです」
立ち上がってわたくしを抱きしめたのは、髪を愛でてくれた男性です。わたくしの髪を撫でるようにして顔をあおのけると、さっそく軽くキスをするのです。
「僕にもキスをさせてくれないか」
ただ一人まだ触れてもいなかったソファーの男性は、わたくしの手にすべすべの手指を絡める様にすると・・・くっと引き寄せてキスをしました。
「ふっ 君はもう楽しんだのだろう。ゆっくりした出迎えだったからな」
髪を撫でる男性は、主と呼ばれる男性に嫉妬まじりのからかいの言葉を投げかけたのです。
「いや、望月に指示をして遅くなっただけだよ。僕は君たちと違って紳士だから、ね、祥子さん」
わたくしの肩を引いて、背後から顔を被せるようにして軽いキスを繰り返しました。
「挨拶も済んだろう。乾杯をしようじゃないか」
わたくしを背後から抱くようにしてソファーに連れてゆくのです。マムを注いだシャンパングラスが瞬く間に4つ用意されました。
「祥子さんと迎える新年に。乾杯!」
チン・・・バカラのグラスの硬質なクリスタルの音が、エクゼクティブ・スウィートに響いたのです。
「皆さんはご家庭はよろしいの? 新年をわたくしとなんて・・・」
一夜を気まぐれに過ごすのではないのです。
年越しの3日間をわたくしと・・・口にしてはいけないかと思いながら、つい質問をしてしまったのです。
「ええ、僕たちは独身なのですよ」
髪を愛でる男性が思わぬ言葉を口にしました。
どなたも40代前後・・・家庭を持っていてもおかしくない年代だったからです。
「そういえば自己紹介もしていなかったですね。僕は山崎といいます。アパレルの会社を経営しているんですよ」
すべすべとした手の男性は・・・「山崎さん」でした。
「不動産を扱っています。石塚です」
髪を愛でてくださった、がっしりとした男性は「石塚さん」と仰っいました。
「美貴です。株やディーリングをしているんですよ」
主と運転手から呼ばれていた男性は「美貴さん」だったのです。ただ、このホテルやあのバーを持ってらっしゃるということを考えると・・・ただのディーラーではないのでしょう。
- 指
-
指って、思った以上に感じますね。
祥子さんも指をしゃぶられたりすると
感じますか?
from 上海
2006/03/10 23:18| URL | yamatan [Edit] - yamatan様
-
ええ 指はとても感じやすいですわ。
それもお口に含まれてしまうなんて・・・
それだけで・・・あぁ・・ん・・だめですぅ。
2006/03/11 16:52| URL | 祥子 [Edit]
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