酷暑も過ぎて
最高気温が体温と近い値を繰り返す日々がようやくと過ぎた夜風鈴の涼やかな音色を聴きながら
夏の夜の華やかな祭典の思い出を繰る余裕が出来たきがする
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贅沢すぎる彩
惜しみなくあげられる尺玉
身体の奥を揺さぶる火薬の音色
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「世界中の人の命を奪う爆弾に使われた爆薬が花火になれば
このように美しい時間を多くの人と共有できるのに」
そう繰り返されるアナウンスの声にふと涙してしまうのは
美しすぎる一瞬の景色のせいだけではなかった
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きらびやかなエンディング
人々が笑いさざめきながら帰路につく
わたくしの隣で何も聞かずにずっと花火を見つめてくれた男性に
心を委ねて優しい風の吹く川辺の道を辿った
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