秋の気配
都心ではまだ半袖を仕舞うことをためらう日差しが
思い出したように繰り返される頃
青く澄んだ湖にもう一度向かう機会が訪れた
前回はあの男性とご一緒だった
今回は一人でほんの数時間だけの自由時間
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岸辺に立つと耳元に
先日聴いたピアノの白鳥の湖がリフレインする
悪魔から昼は白鳥・夜だけ人の姿になる
呪いをかけられた王女と侍女たちが
ここにひっそりと羽を休めているのかもしれない
現実にはありえない景色
でもどこよりもここに相応しい
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青い湖面から朝の陽がキラリと目を射る
もうビジネスの時間が近い
まもなく雪に閉ざされるこの土地を
また訪れたいと思う
車に向かいながら大きく深呼吸をした
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