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初雪 31

左手にはカフェテリアの窓越しに、何人かの男性が昼食をとっているのが見えました。
常緑広葉樹の植え込みの前にわたくしを立たせると、お二人は互いの携帯をポケットから取り出し交換してそれぞれの方向に動かれたのです。
「祥子さん、ここで写真を撮りましょうか」 
山崎さんがわたくしの左側に立たれました。
そして・・・車道に入らないようにぎりぎりに・・・少し離れた正面に石塚さんが携帯を持って立たれたのです。

パーキングエリアに入ってくる車が丁度正面に見える場所です
ひっきりなし・・ということはありませんが、いまもまた一台の車が入ってきました。
「これでよろしいの?」 
山崎さんの腕に左手を絡めてにっこりとカメラに向かって微笑みました。
「いえ、まぁこんなお写真もいいのですけれどね」 
組んだ腕を解くと、右手でわたくしの肩を抱いて石塚さんにシャッターをねだるのです。
カシャッ・・・デジタル合成されたシャッター音が響きます。
「僕たちが欲しいのはこんなお写真じゃないんですよ。祥子さん」 
「えっ・・・」 
こんな白昼の車も人の目もある場所で何をおっしゃるつもりなのでしょう。
「さぁ、そのコートの前を広げてください」
「できませんっ。そんな・・こと」 
ロングブーツと黒のパンティストッキングしか身につけていない裸身に、たった一枚身につけているコートの前を広げるなんて。
「シャッターを切る間だけのことです」
「いやっ・・ここをどこだと思ってらっしゃるの?」 
山崎さんの手はシャドーフォックスのコートの前端に伸びて、下からスナップ状になった留め金を外してゆくのです。
「元旦の甘楽パーキングエリアのカフェテリアの前です。大丈夫、僕が立っているからカフェテリアのお客様に祥子さんの姿が見えることはないですよ。いまなら駐車車両も少ないですし、車の中にいる人も見当たりませんしね」 
また一つ留め金が外されます。
「パーキングエリアに入ってくる車だけですね。気をつけなければいけないのは」
「だめです。できません。そんなはしたないこと」 
また一つ・・・山崎さんの指は止まらないのです。
「大丈夫です。見も知らぬ相手にあなたの姿を見させたりはしません」 
肩にまわした右手は、まるで石塚さんのようにわたくしの髪を愛でるのです。
「良い薫りだ。すべすべした黒髪さえ薔薇の薫りを漂わせている、昨夜美貴の携帯の写真を見てどれほど悔しい想いをしたかわかりますか」 
こんなお話をしている間にも何度かシャッターが切られた音がしていました。
下から4つ目の留め金が外されました。わたくしの両手は、コートの前が開かない様に一生懸命に押えるしかなかったのです。

「僕にも楽しみを取っておいてほしいな」 
石塚さんが山崎さんと場所を変わりました。
「そのままでいいですから、僕とも1枚撮ってください」 
両手でコートの前を掻き合わせるわたくしの肩を抱いて、石塚さんがカメラ目線を取る様に促すのです。
カシャッ・・・先ほどまでのような平静な表情はできなくなっていました。
「もっと淫らな姿のお写真が欲しいんです。美貴に撮らせたような、ね」
「あれは美貴さんが勝手に・・・」
「わかってます。祥子さんがあんな写真を進んで撮らせるわけはないですからね」
「でしたら・・・」
「だからこそ欲しいんですよ。宝物のような写真がね」 
あの時どんなことをしてもお写真を拒めばよかったと、取り返しのつかない後悔をいたしました。
「だからって・・・こんなところで」
「ここでなければ撮らせてくださるということですか?」 
髪を指にからめるようにしてわたくしの表情を覗き込むのです。
「いやぁ・・お写真なんて・・できません」
「祥子さん、選んでください」 
襟元に近い最後の留め金が石塚さんの指で外されてしまったのです。
両手で身を守るようにコートの前を押えました。
そんなわたくしに石塚さんが囁くのです。
「ここで僕たちの望む写真を撮らせてくれるか、車の中で先ほどの続きを楽しませてくれるか、どちらを選びますか? 祥子さん」 
ゆっくりと山崎さんが戻ってらっしゃいます。
「いや・・・」 
白昼に淫乱な女のように自らの手でコートの前を広げるなんて・・そんなことはとても出来ません。

「祥子さんはどちらを選んだんですか?」 
山崎さんがカメラを石塚さんに返しながら、わたくしに問いかけます。
「どうしますか? 祥子さん」 
コートの前を押えたわたくしに近づいた二人の姿は、カフェテリアの男性たちには仲良く談笑しているように見えたでしょう。
「ここで写真を撮りますか?車に戻りますか?」 
俯くわたくしの顎を山崎さんの手がついと引き上げます。
「ゆるして・・・車に戻して・・・」 
わたくしは密室での淫媚な時間を選ぶしかありませんでした。

Fur02.jpg

「わかりました。それでは戻りましょう、その前に」 
コートを押えていた手を石塚さんに外され、ばっとコートの前を二人に向かって広げられたのです。
「ひぃっ・・・やめ・・て・・」 
お二人の影で他の方にその姿を見られることはなかったでしょう。でも零下に近い気温の屋外に晒されたGカップの乳房はさっと・・・泡立ったのです。
「陽の光の下の肌は美しいですね」 
ほんの一瞬だったのでしょう。
山崎さんはコートの前を合わせると留め金を上から順に止めていったのです。
「写真に残せないのが残念ですよ」 
全ての留め金を止めるとようやく二人は車へとなんでもないようにして・・・歩き出したのです。
コメント
どもですw
「いやぁ・・・」なんて祥子さんとってもかわいい事を・・・
ゾクゾクしますw

2006/04/09 14:35| URL | よしちょ  [Edit]
こんばんは。
甘楽PAは、寄ったことが無いので、東日本高速のHPで見てみました。切妻の建物の脇のようですね。
祥子さんは賢い選択をしたのではないでしょうか。写真を写させても、車中で何もしないわけは無いですよ。
それにしても、お二人の男性はここでは紳士的でした。私だったら、有無を言わさずひとりがコートを開き、ひとりが写し・・・瞬時でやってしまったと思います。
あるいは、あくまでも選択権は祥子さんにあるというポーズで、その実のっぴきならないように追い込む、狡猾さでしょうか。

楽しいドライブです。

2006/04/09 20:04| URL | masterblue  [Edit]
デジタルカメラ
デジタルカメラは以前は撮れなかったような写真を
一般の個人が撮れるようにしたことで画期的ですね。
女性はヌードをとられるときれいになるような気がします。
祥子さんのGカップがうらやましいです。

2006/04/09 22:55| URL | yamatan  [Edit]
すいません・・・
ご無沙汰しております・・・
祥子さんお元気のようですね。。。

私はやっと少し落ち着いた感じです。
っていってもちょっとチャットに顔を出してる程度ですが^^;

春風と共に復活できるよう頑張りますがいつになるかはわかりません・・・

祥子さん、すごく良いブログになってますね^^
その衰えを知らない発想には本当に感銘いたします。

季節の変わり目です。御身体には気をつけてください。

では。

2006/04/09 23:29| URL | 悪鬼  [Edit]
桜の終りは雨模様
昨日は八重のしだれ桜並木をそぞろ歩いてまいりました。
こんな季節でも花の終わり時の雨は寂しく感じてしまいますね。
切なげな姿を晒すくらいなら・・・いっそ・・・。
雨がそう言っているように感じてしまうのはわたくしだけでしょうか。

よしちょ様
ゾクゾクしてくださるのは・・・
わたくしの声にですか? それともコートの中を知っているから? 
それともよしちょ様が野外露出好きだからかしら?

masterblue様
この方達はこんなにお写真に執着されるタイプではそもそもないんです。
昨日美貴さんがお見せしたわたくしのお写真だって・・・
箱根の宿で長襦袢姿で括られて梁に吊られている姿なだけですから。
でも、きっとそんな姿を手元に置く男が居る・・・こと自体に嫉妬なさっていたのかもしれません。
雪の別荘に着くまでのあと数時間・・・わたくしはどこまで嬲られてしまうのでしょうか。

yamatan様
デジタルカメラや携帯のカメラの高性能化は
ほんとうに女性と男性の秘めた姿を露にしてしまうことに貢献しているようです。
沢山存在するセクシュアルなブログもまさに・・・ですものね。
わたくしのお胸 お写真に撮ってみたくなりましたか?

悪鬼様
やっと転職されて1月ですね。
こうしてコメントででもお逢い出来るとほっといたします。
多忙なのかもしれませんが、ぜひ 悪鬼様のブログの再開もお待ちしております。

2006/04/10 15:57| URL | 祥子  [Edit]
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