初雪 73
「これ以上は無理ですわ」跪いたままで、美貴さんを見上げてそう言いました。
頑張っても・・真っ白い上質なウールのパンツを、わたくしの唾液にまみれさせてしまいそうです。
「ん、それじゃファスナーをその唇で下ろしてください。それで許して上げましょう」
こくん・・と一つ頷くとわたくしは前立ての中に左右に首を振る様にして・・・唇をくぐらせました。
ファスナーのスライダーを前歯で噛むと、一旦上に引き上げてストッパーを外し、それからゆっくりと引き下ろしはじめたのです。
なんでもない時でしたら、そう難しいことではなかったでしょう。
でも、いま美貴さんの身体は確実に昂っていたのです。
盛り上がった塊がファスナーのカーブを一層きつくしているのです。
前歯に力を入れて・・もう一度ぐいと引き下ろしました。それでもやっと1/3ほどスライダーを下ろす事ができただけです。
あと2/3。
手を使わない・・・ということにわたくしは夢中になっておりました。
両手は美貴さんの膝を抱えるように回し・・・その膝で白い乳房をつぶしてしまうほどに上半身を倒し密着させておりました。
鏡に映った後姿は、頭を動かす度にまるで淫らな行為を誘う様に・・・まぁるい腰を揺らしていたのかもしれません。
目を伏せ、与えられた命令を達成することだけを考えていたわたくしには、美貴さんの視線が、彼の腰に伏せられたわたくしの顔と鏡との間を行き交っていたことには気づいていなかったのです。
「まだですか? 祥子さん」
美貴さんの声に、わたくしはもう一度前歯に力を込ました。
ジィっっっ・・・ 頂きを越えたところで、スライダーは一気に下までおりたのです。
「やっとできましたね。それではもう手を使っていいですよ」
「はい」
そう言われてはじめてわたくしは、どれだけ自らの身体を美貴さんに預けていたのかを知りました。
「あん、ごめんなさい」
上体を美貴さんの脚から引き離します。
「いえ、楽しませてもらいましたよ、祥子さんの胸の感触。手で楽しむのもいいですが脚でこうして楽しむのも乙なものですね」
「そんな風におっしゃったら・・・いや」
パンツの内釦を外して引き下ろすと、左右の脚をそれぞれ抜いていただきます。
わたくしが入浴していた間、この方達も温泉を楽しまれていたからでしょうか。足元は素足でムートンのスリッパに包まれていました。
「頂戴します」
脇に控えた望月さんが、美貴さんの脱がれたものを受け取ってくださいます。
パンツの中にたくし込まれていたシャツの最後2つの釦を外すと、わたくしは立ち上がって背中に回り、美貴さんのウイングカラーのシャツを肩から脱がせました。
「これでいいですよ。さぁ、次は誰の番ですか?」
白のボクサーショーツだけになった美貴さんの一言に、わたくしは少なからずほっといたしました。この場で男性の下着をこの手で引き下ろせと言われたら・・・やはり躊躇してしまっていたでしょう。
「それじゃ、僕のを脱がせてもらおうかな」
石塚さんがわたくしの手を彼のシャツへと導いたのです。
「祥子さんはこちらにいらしてください」
釦を外そうとしたわたくしは、美貴さんの指示でベッドの上で膝立ちにさせられました。
石塚さんはベッドサイドに立たれ、わたくしはベッドの端に向かって・・・壁面の鏡に丁度横からの姿を晒すような体勢を取らされたのです。
スプリングの効いたマットレスの上で、わたくしが石塚さんのスタンドカラーのシャツの袖口の釦を外そうとした時です。
「・・あっ・・だめ」
真っ白なまぁるい腰の谷間に・・・ローションが垂らされたのです。
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