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祥子の日常/ビジネスタイム 4

「ありがとうございます。今回は方向性ですから、個別の商品についての各論は省いております。この案件に対する当社のポジショニングと、この提案のもたらす効果に重点を置いてまとめました。」
「いまは、航空会社もコスト重視でとにかくどんなものにもスポンサーを付けたり、広告をプラスしたりしがちだから、機内が雑然とする。こうして、統一したコンセプトを持ち込むと、数段高級感のある過ごしやすい雰囲気の機内に変わるね。」
「はい。同質化競争が続いている機内サービスで、他社に一歩先んじるのに環境を整えるという着眼点は効果的だとおもいます。」
佐伯さんも、企画のマネージャーも頷いてらっしゃいます。第一回めのプレゼンとしては、この方法で成功のようです。

「あの、説明のお時間や資料についてはいかがでしょうか?」
わたくしは、気になっている点を確認します。どんなに優れた提案でも、クライアントがプレゼンテーションに許してくださる時間には限りがあります。いただいている時間を有効に使って、充分な説明を印象的にさせていただくのがわたくしの仕事です。
「持ち時間は1時間ですから、30分は説明に使えます。」
控えめに教えてくださったのは山野さんです。
「いまの感じで説明してください。不足しているポイントなどは、最後に私が補足します。」 佐伯さんのレジュメには、既にいくつもの書き込みがされています。さすがに・・・この方の判断はいつも的確で素早いです。
「はい。わかりました。説明自体は20分ほどにまとめます。同じ画面を集中してご覧頂ける限界だと思いますので。後はお任せいたしますので、よろしくお願いします。」
やぁ、こちらこそ・・佐伯さんは頷いてらっしゃいます。
この方とのプレゼンは今回で3回目。お互いに阿吽の呼吸で進められる、素敵なご担当者のお1人です。
「企画書とプロジェクターはこちらで持って行きましょうか?」
「はい、よろしくお願いします。現地集合でしょうか。」
「ですね、10分前にクライアントのロビーで。」
「わかりました。」
手元の企画書を封筒にいれ、セットしてあるプロジェクターを山野さんにお渡しします。
「よろしくお願いいたします。」
エレベーターホールまでお二人を見送って、こうしてプレゼン前の事前打ち合わせは終了します。

12:00。
昼食は、こちらの会社のデザイナーの方とご一緒することが一番多いですね。
なにげない日常の趣味のようなお話の事もあれば、お食事をしながら簡単に企画の方向性を決めてしまうこともあります。
そんな時はメモも持たずに、互いの感性と記憶力の中で情報をやりとりします。
<パワー・ランチ>などと称して、お食事の場に沢山の資料や分厚いシステム手帳を持ち込むなんて・・・スマートじゃありませんでしょう。

13:00。
午後の外出までの時間を、先ほどの案件とは別の件の資料のラフを作って過ごします。
デザインとか企画というお仕事には、繁閑がありますからいつも・・・というわけではありませんが、だいたい一度に担当させていただいている案件は3~5案件になることがほとんどです。それに飛び込みのお仕事もありますね。
プレゼンテーションの時期がずれますから、納品に合わせて全体のスケジュールを組んでプレゼン日に間に合う様に資料づくりをするタイム・マネジメントもわたくしの仕事の一つです。
デザインの大まかな流れや今回提案したようなプランニングの仕事でも、構想をまとめるのは、意外と鉛筆と無地のレポートパッドを使っています。具体的なデザイン作業や、書類作成はほとんどPCですので一日6~10時間はPCの前のことが多いです。
打合せで人とお逢いしているか、PCでデザインワークをしているか・・・が、わたくしのお仕事です。

打合せには、やはりきちんとした装いが求められますので(デザイナーの装いのセンスが悪かったら、そのデザイナーにお仕事を頼みたいと思いますか?)、きちんとジャケットを着るようにしています。
でも、PCでの作業にジャケットは肩が凝ってしまいますでしょう。
ですから、個別の作業の時はジャケットをロッカーに仕舞って、ブラウス姿やカットソー姿になります。
いまも、ライトブルーのカットソー姿でお仕事をしているのですよ。
ジャケットを脱ぐと露になるバストのラインを、プライベートでお逢いする男性の方達は楽しみにしていてくださいますが、お仕事をご一緒する方達は何もおっしゃいません。 コメント
テキパキと時間が過ぎていくのが見える。
生き生きと仕事をする祥子さんの姿も。

「充実した仕事」ってこういうことを言うのかな。

気づいてますよ。素敵ですって喉まで出掛かって
いるのかも。でも褒め言葉がセクハラになるご時勢。

祥子さんはそんな狭い了見の持ち主ではないでしょう
が。

2006/08/23 22:49| URL | eromania  [Edit]
eromania様

ありがとうございます。
ありきたりな言葉を使えば<好きを仕事にしている>からかもしれませんね。
お仕事のお相手とは、恋愛はしない主義ですので、なにもおっしゃらない男性にわたくしはほっとしているタイプです。
仮に、何かおっしゃる方がいらしたら、大人の対応をさせていただきますわ。

2006/08/23 23:20| URL | 祥子  [Edit]
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