夢のかよひ路 15
また少し、ワンピースの裾が引き上げられました。太ももの合わせ目が・・・望月さんの眼に触れてしまうぎりぎりまで。
ワンピース同様に、スリップの裾までもがはしたなく乱れて・・・ずり上がっていることは、そこだけ剥き出しになっている太ももに触れる空気でわかりました。
「破れた、祥子さんがもう捨てようとしたストッキングを見て、何度この景色を想像して・・・」
ピッ・・・ ストッキングへと伸びるガーターベルトのストラップを望月さんの指がはじきます。わたくしはその刺激だけで、ぴくんと身を震わせてしまったのです。
「だから美貴に頼んだんです。今度、祥子さんと逢うときは僕に彼女の身の回りのことをさせてほしいって。」
紅葉に包まれた箱根の宿で、望月さんがわたくしにかしずいてくださったのはそんな理由だったなんて・・・はじめて知りました。
「少し腰を浮かせてください。」
彼の右手がわたくしの腰の丸みに添えられます。
わたくしは今度は素直に・・・身体を反らせたのです。
「ぁ・ん・・」
するっ・・・スリップの上を、シルクニットは滑ってゆきます。
黒のリバーレースに浮かぶヒップからウエストまでの熟した女のラインが、いまは望月さんの視線に晒されているのです。そう思うだけで身体の芯を淫らな慄きが駆け抜けてゆきました。
はしたないその反応を彼には知られたくなくて、わたくしは身を捩ることを堪えました。なのに・・望月さんの視線の下で・・・ランジェリーに包まれたわたくしのはしたない身体は、代償だとでもいうように花蜜を溢れさせていたのです。
「スリップを身に着けている女性も、僕は祥子さん以外は思い当たりません。美貴と一緒に行ったランジェリーショップのオーナーが、応接室でフルセットのランジェリーを広げて、こんな風に着けてもらえるなんてこの品達は幸せだと、ため息のように漏らした言葉は今でも忘れられません。」
望月さんの手はウエストから腰へのラインを撫で下ろします。くっ・・と年齢相応の身体が恥ずかしくて・・・つい腹筋に力を入れてしまうのです。
「『慎ましやかな女性なんですね。』と、その時ショップのオーナーは言っていました。美貴は『ええ、とても』と答えていましたが、その時僕はまさか・・・と思ったんです。だって他のランジェリーはとても扇情的だったから。」
「あっ・・ゃ・・」
わたくしの顔の上に重ねられた手のひらを、望月さんの両の手が掴み取ります。
「起きてください。」
力強い彼の腕で、わたくしの上体は引き起こされていったのです。
羞恥に上気した表情のわたくしは、望月さんと向かい合う様に起こされました。
「さ、手を上げて」
「きゃ・・っ」
掴まれたままの手を頭上にまとめると、彼はワンピースの裾を一気に引き上げ・・・わたくしをランジェリーだけの姿にしてしまったのです。
もう一度わたくしをベッドに横たえると、望月さんは背筋を伸ばし・・・羞恥に染まった頬をロングヘアに埋める様に顔を反らせたわたくしを俯瞰したのです。
「あぁ、よかった。祥子さんの白い肌には、やっぱり強い色が似合いますね。」
望月さんはわたくしの脚の上から、腰を退けたのです。
広いキングサイズのベッドの・・・わたくしの左側に膝立ちになると、思いもしないことを口にしました。
「後で、祥子さんにランジェリーを一組プレゼントします。僕の目の前で着替えてみせてください。」
-
少し早いかと思ったのですが、テンプレートを紅葉に変更いたしました。
物語られているストーリーは、盛夏の花火の帰り道のことなのですが・・・どうかご容赦くださいませ。
2006/10/16 12:56| URL | 祥子 [Edit] -
もう、紅葉の便りが届けられる季節になってしまったのですね。
素のままが美しい祥子さんは、どんなに輝いているのでしょう。コスメティックの香りではなく、本当の祥子さんの香りを放っているのでしょうね。
今までのお話の裏が語られて興味は尽きません。
まだ陽のあるうちに、目の前でランジェリーを着替えさせようとするとは、望月さんも責めどころを心得ているようです。
祥子さんがどのように恥らうか、楽しみです。
2006/10/16 14:09| URL | masterblue [Edit] -
紅葉のテンプレート、いいですね。
右の祥子様のプロフィールのイラストもバックは紅葉。
なんだかほんとうに、祥子様が素肌に紅葉をまとっていらっしゃるような・・・。
素敵ですね。
2006/10/16 15:02| URL | りん [Edit] -
昼の日差しの強さに、ついうっかりとしていると夜の涼しさに風邪をひいてしまいそうです。
どうか、皆様ご自愛くださいませ。
masterblue様
女性の化粧品の香りは、それ自体すらも魅惑的な香りであることも事実です。幼いころの母の化粧台が、魅力的だったのはきっとそのせいもあるのだと思います。
コスメを纏うことのないわたくしを、物足りないと主だれる殿方も多くいらっしゃると思いますわ。
計算ではなく、思うがままにわたくしを責める望月さんの、まっすぐな視線に恥じ入るばかりです。
りん様
ありがとうございます。
プロフィールの変化にも気づいてくださってうれしいです。実は、テンプレートに合わせて毎回新たなアレンジのものに変更しておりますの。
楽しんでいただければ、幸いです。
2006/10/16 15:32| URL | 祥子 [Edit] -
こんにちは
もう、すっかり秋なんですね。
最近はスリップをつけない人が多いですよね。
結婚式場でかがんで署名すると
ドレスの中がお腹まで見えてしまうことも。
さやかは、寒がりなので
夏でもスリップ無しではいられません。
ファンデーションも塗らないし・・・。
♪♪♪ ( ^^)人(^^ ) ♪♪♪祥子さんと一緒。
2006/10/16 19:07| URL | さやか [Edit] -
さやか様
ドレスの下にスリップなしなんて、わたくしの祖母に聞かせたらきっと「娼婦みたいね」と呟いたでしょう。
密やかでも、そっと身を覆う術を1つ余計に持っている、それが女性としての慎みになると思うのはわたくしだけでしょうかしら?
2006/10/16 19:41| URL | 祥子 [Edit]
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