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SnowWhite 38

カシャ・・・ カシャ・・・ カシャ・・・
高梨さんの昂った声よりも・・・その時のわたくしの耳を刺激していたのは、デジタルカメラのシャッター音でした。
プロのフォトグラファーの指が一枚一枚切ってゆく、そのリズミカルな音がわたくしの内をざわめかせていることに、そしてその事実に戸惑っている自分自身に気付いてしまったのです。

「ゆずるさん・・・」
「ん?なんだい。」
ようやく、この姿での撮影に満足なさったのでしょうか。高梨さんはカメラをサイドテーブルに置くと、あのリモコンを手にしてわたくしの側に戻ってらっしゃいました。
シャッター音が止まっただけで、ほんの少し、わたくしの鼓動も収まるのです。
はしたない姿をカメラに収められることに、感じてしまう自分をとうとう確信してしまいました。
「おねがい・・」
パジャマの上着を脱いで、わたくしを抱きしめようとする高梨さんの左手を両手で包んだのです。その手の中には、ベッドの上を写す様に仕掛けられている5台のデジカメのリモコンが握り込まれていました。
「ここから先は、お写真は・・・ゆるして・・」
「写真がどうした。」
「もう・・・ね」
「祥子のここが感じ過ぎるからか?」
「あぅっ・・・」
空いたままの右手が、ナイティのストレッチサテンを押し上げるGカップの乳房を握りしめるのです。
「カメラに写されることで感じたのか。」
「はぁっ・・・ちが・・ぁぅ・・・」
ジィィ・・・カシャ
ぴく・ん・・・ たった一回のシャッター音で、わたくしは身体を慄かせてしまったのです。
「敏感だね、祥子」
ジィィ・・・カシャ
「ぃゃ・・・・ぁ」
さきほど、わたくしを口戯で追いつめた時に機能していたカメラなら、いま切られたデータにはベッドの上に横座りしたわたくしの頭頂くらいしか写ってはいないでしょう。
ジィィ・・・カシャ
「ぁん・・・」
なのに、高梨さんはわたくしのことを試す様に、間隔を開けてシャッターを切ってゆくのです。

「嬉しいよ、俺のカメラに感じてくれて。大丈夫、恥じることはない。どんなプロのモデルでも、いやプロのモデルほど俺のカメラには感じてくれる。カットを重ねるごとに、眼差しも身体のラインもどんどん綺麗に艶かしくなる。それが俺のカメラだ。」
ジィィ・・・カシャ
「ん・ぁ・・・」
「思った通りだった。祥子には素質がある。ほら、身体がどんどん震えて、感じているんだろう。それでいいんだ。」 コメント
シャッター音
 ジジー、ガシャッ。良いですね。デジタル一眼レフのシャッター音。実は私も趣味でデジタルカメラをやっています。もっとも、私の場合は始めたばかりで、風景や木々や花々などの静物写真です。でも何時かは上手になって、ヌードも撮りたいと思っています。でも、本当にヌードは難しいと思います。静物写真は自然の中の美しい部分をバランス良く切り取ればよいのですが、(あっ、これはあくまで素人の趣味のカメラの場合ですよ。プロの方の風景写真や静物写真はそんなに簡単なものじゃあないということはよくわかっているつもりです。)ヌードということになると、女性の裸身の美しさを撮すのはもちろんのこと、内面の美しさ、撮られているときの恥ずかしさ、気持ちの有り様まで、画面に切り取らなければいけないので本当に難しいと思います。でも、高梨さんはプロのカメラマンとしても、祥子様という被写体を撮せるということは幸せなことだと思います。祥子様の外面的な美はいうまでもなく、その恥じらい、表情、仕草、全てにおいて完全に近い。祥子様を撮すのであれば、私のようなカメラを始めたばかりのものでも、ある程度の写真は撮せるのではないでしょうか。それが、プロの高梨さんの手に掛かると……。ああ、その作品を見てみたい。
 この後、高梨さんは祥子様の何処までをお撮しになるのか……。
 どうか、祥子様、高梨さんの求めに応じて、高梨さんの手によって全てを撮されてください。素晴らしい、作品になると思います。
 そして、撮される快感にも酔ってみてください。

2007/03/26 08:42| URL | オーバーチュア  [Edit]
高梨さんほどカメラで激しく感じさせられることはできないまでも、美しい裸身の色艶を写したいという気持ちは確かに持っていますねえ。

2007/03/26 21:56| URL | dreamcat  [Edit]
ちょっと家を留守にすると、なかなか上手く日常が回ってくれず、なかなか伺えず失礼しました。
お加減は如何でしょうか?
リモコンは使われたことは無いですが、カメラを通した目線でその時々を切り取る、その上、いやらしい言葉で指示され嬲られながら…って、心理的にとても高まりますよね。

2007/03/27 08:11| URL | るり  [Edit]
カメラがあるというだけで
オーバーチュア様
直接カメラを除いてシャッターを押す音と、コントローラーでシャッターを押すその間の微妙な機会音の存在の差を気づいてくださってうれしいです。
高梨さんがどこまで写すおつもりなのか、いえ・・・どこまでシャッターを押せるのか・・・楽しみなところです。
夜はまだまだ続きます。

dreamcat様
写してみたいと思う・・・カメラを持った方は皆様そう思う様ですね。
ただ、どこまで理性を押えられるか、相手の女性の何を撮るのか・・・カメラの向こうの女性からの誘惑を本当に断切れるのか(笑)。
技術だけでなく困難はたくさんつきまといそうですよ。

るり様
楽しい旅行でいらしたようで・・・わたくしもなかなかお伺い出来ず失礼しております。
高梨さんは、ノーマルに愛してると仰るけれど・・・よく考えればこんなところまでカメラを持ち込んでいるだけで充分にアブノーマルですよね。
それでも、不思議な彼の雰囲気に気圧されて・・・わたくしはますます乱れてしまいそうです。

2007/03/27 15:33| URL | 祥子  [Edit]
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