SnowWhite 50
ベランダから、白雪のためのドッグフードと食器を運んで・・・わたくしが水をお持ちすると、ありがとうと言う様に一声、わん・・と吠えるのです。「召し上がれ♪」
美味しそうに食事をはじめた白雪を置いて、高梨さんとわたくしもお夕食にいたしました。
昼間、出掛けている間中。
運転している以外の時間、高梨さんはカメラを手放さなかったのです。
神社の参道を歩く間も、お賽銭を入れて一年の無事を祈る一瞬も、白雪と戯れるひとときも、わたくしのまわりからシャッター音が途切れることはありませんでした。
昨夜、ベッドの中で淫らな姿を写されていたのとは、明らかに空気も高梨さんの緊張感も違いました。
なのに、わたくしは繰り返されるシャッター音に次第に瞳が濡れてゆくのを止めることができませんでした。
「祥子も大分カメラ慣れしてきたみたいだね。」
これもうまいな・・・ そうおっしゃりながら、高梨さんはちらし寿司を召し上がってらっしゃいました。
「そんなことありません。もう、お外であんな風に写真を撮ったりしたからとっても恥ずかしかったです。」
「いいじゃないか。俺の仕事のことは皆知っているし、それにまともな写真しか撮らなかったろう。」
「まともじゃない写真まで撮るつもりだったんですか?」
「さぁな」
ははははは・・・・ 高梨さんは無邪気な笑い声を上げていました。
「春に逢った時の祥子は、全くカメラに慣れてなかったからね。被写体としてどこまで俺に染まってくれるか、半信半疑だったんだよ。今日は本当に綺麗だった。ゆうべの荒療治が効いたみたいだね。」
「もうっ・・いぢわる」
「帰るまでには見せて上げるよ、写真。祥子だけにはね。」
昨晩、メインベッドルームで撮られた写真がどんなものだったのか、わたくしは全くわかりませんでした。今朝目覚めた時には、ベッドの上に向けてセッティングされていた筈の5台のカメラはどれ1つ見あたらなかったからです。
きっと、わたくしが眠っている間にカメラを取り外し・データをPCに落としたのでしょう。
あんな痴態を晒すことになるのを解っていて・・・わたくしは、どうしてお写真を撮ることを許してしまったのでしょうか。
お食事の途中でこれ以上の淫媚な雰囲気にならないように、わたくしは眼の前の今日2本目の徳利を取り上げました。
今夜のお酒は、熱燗の剣菱でした。テーブルの上に置かれた小型の火鉢に掛けられた鉄瓶に、1合徳利を漬けて・・・お燗番は高梨さんがなさってくださいました。
わたくしは、昼食のおよばれにも随分お酒をいただいていたのです。ほろ酔いのままにお夕食になって、それほどお酒は進みませんでした。
ずっと運転をなさっていた高梨さんの杯に、徳利を傾けます。
「ありがとう。魚の煮付けには、熱燗だね。」
「眼の前でお燗ができるなんて、こんな素敵な方法で楽しめるとは思わなかったわ。」
「そうだろう。こうして置けばあまり酔っぱらわなくてもいいしね。」
「譲さんは、昼間は全く召し上がってらっしゃらなかったのに。」
「今夜はとことん祥子を可愛がるつもりだからね。酔ってしまうわけに行かない。」
ごちそうさま 高梨さんは、全ての器のお料理をきれいに召し上がるとそうおっしゃって箸を置いたのです。
- 申し訳ありません
-
昨日・・・お話を一話飛び越えてアップしてしまってました。
とはいえ、元旦ののほほんとしたお話なので、ご容赦くださいませ。一つ前に戻って、ちょっとだけ高梨さんの秘密をご一緒に楽しんでいただければ幸いです。
ということで、昨日のアップ分は49話・今日の新作は50話になります。
2007/04/05 11:04| URL | 祥子 [Edit] -
とことん・・(*/∇\*)キャ
想像して・・・((((o゜▽゜)o))) ドキドキ♪
2007/04/05 12:41| URL | トン [Edit] -
始めまして 訪問ありございます。
祥子さまは色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ。理想的なプロポーションです。文章からも祥子さまは知的で
繊細で聡明な方ですね。
是非メインベッドでの祥子さまの淫らに乱れたお写真 拝見したいわ。
これを機にたびたびお邪魔させていただきます。
2007/04/05 12:53| URL | A-terrace [Edit] - 今夜のお酒は
-
楽しいお二人のご夕食は続いていきます。昨夜のお酒が新潟の久保田の万寿、そして、今夜のお酒が灘の剣菱。高梨さんは日本中の銘酒をご自宅に置いておられるのでしょうか。でも、日本酒はあまり長く置くといけないっていいますから今回の祥子様との逢瀬のために、わざわざご持参なさったのでしょうか。聞いたところによりますと、剣菱の酒標には夫婦和合の意味があるとか、そんな事も考えた上で高梨さんはこのお酒をお選びになったのでは、と考えたりしてしまいます。
お酒を飲みながら、高梨さんは祥子様に昼間の写真撮影に関する軽い冗談。でも、その後すぐ、高梨さんに撮られる事に慣れてきて、「本当にきれいだった」という本音も。そして、昨夜の写真撮影にも軽く触れて、祥子様を赤面させてしまう……。大人の時間。そして、最後にはとうとう今夜の高梨さんのご予定の、お気持ちも宣言なされてしまうのです。
トン様と同じように、私も「想像して……ドキドキ」
また、たっぷりと大人の時間を楽しませていただけるようです。
2007/04/05 14:27| URL | オーバーチュア [Edit] - こんにちは。
-
祥子さん、こんにちは。
こちらのコメントは久しぶりかな?
まったりとした元旦の雰囲気いいですね。
時に急かされないというのは人には最高の贅沢だと思いますね。
それで、剣菱という言葉に思わず反応してしまいました。
私はお酒はあまり強くないので詳しくは知りませんが、剣菱の名が出て、あれ?私の好きな銘柄と同じだと思いました。
以前登場した久保田は全国的に有名だからそう気にしませんでしたが、剣菱も関東では知られてるのでしょうか?
それとも、祥子さんも剣菱フアンですか?
ご存知でしょうか?剣菱のあのシンプルなラベルの、剣は男性、菱は女性を表していますから、飲めば元気が出そうですね。(笑)
・・縄指導・・
2007/04/05 15:40| URL | 縄指導 [Edit] -
アマチュアカメラマンでもその被写体によってその空気は変わりますね。
風景を撮るのか、人を撮るのかで…。
被写体としてどこまで俺に染まるか…いつかどこかで使いたい台詞ですね。
2007/04/05 21:03| URL | dreamcat [Edit] - 昼も夜も
-
高梨さんが腱鞘炎にならないかと
心配(笑)
日常の何気ないしぐさに
男はドキッとするものです。
祥子さんなら、そんな写真が
沢山撮れたことでしょうね。
2007/04/05 21:56| URL | くろす [Edit] -
撮られることに慣れる、というよりは撮られていることを意識しなくなる・・・ことなのでしょうか。
写真というものは、割合残酷なもので、なかなか思ったように写せません。
その残酷さが、女性をして写されることへの抵抗になるのかもしれませんね。
さて、今夜どうなるのか、何が起こるのか期待して、隠れたレンズになりましょう。
2007/04/06 20:05| URL | masterblue [Edit] - そわそわ・・・
-
写真が気になっちゃって、そんなにのんきにお酒を飲んでたり出来ないんですけど。さすがに祥子さんは大物なのだ。
ドキドキ(・_・;))((;・_・)ドキドキ
2007/04/06 22:14| URL | さやか [Edit] -
昔は嫌いだったお燗酒の今は虜です。人肌のぬる燗が一番好き!
その為に、河童橋で錫のちろりを求めたく探しましたが、なかなかなくて。そこの方の紹介で職人さんを紹介頂き、漸く手に入れられました。
とろりとしたお燗の具合、良いですよ!
さて、私も仄かに酔って、祥子さん達の熱い夜をお待ちいたしましょう。
2007/04/07 00:47| URL | るり [Edit] - 相互リンクのお願いです。
-
はじめまして、けんと申します。
貴サイトをいつも楽しく拝見させていただいております。
この度、ぜひともリンクを張っていただきたくメールを差し上げた次第です。
少しでも多くのアクセスを返せるよう努力しますのでどうぞよろしくお願いします。
タイトル:M女志願
URL:http://ys11km.kir.jp/
貴サイトはこちらにリンクしています:http://ys11km.kir.jp/yomi/yomi.cgi?mode=new
2007/04/07 10:37| URL | けん [Edit] - お返事が遅くなって申し訳ありませんでした
-
PCの不調でお返事とアップが遅れておりました。
まだしばらく、コメントのお返事が遅れることもございますが、どうかお許しくださいませ。
A-terrace様
こちらにコメントいただくのははじめてですね。
ありがとうございます。ようこそお越しくださいました。
ふふふ・・・理想的なんて恥ずかしいですわ。
お写真は恥ずかしいので物語だけで、失礼させていただきます。
これからも宜しくお願い申し上げます。
オーバーチュア様
今回の高梨さんのお酒は、この逢瀬のためにご用意くださったようです。
リクエストが和食ですから・・・日本酒が5種類ほどありましたでしょうか。
いつものレジデンスではワインばかりをご一緒しているので、ご用意いただいた品揃えにはびっくりでした。
縄指導様
オーバーチュア様もおっしゃっておりましたが、剣菱のマークについてはある方から伺ったことがありました。
熱燗でいただくのには、このお酒のキレのよい味が好きで・・・わたくしは結構以前からのファンなんです♪
dreamcat様
高梨さんは、男性の皆様の心に残る名言を今回もたくさん口にしているみたいですね(笑)
ベッドのお写真はとにかく、好きな女性を好きという気持ちと視線でお写真に撮ってみる・・・ということにはトライしてみるのもいいかもしれませんね。
くろす様
そうですね(笑)
夜はデジタルカメラだったので、大丈夫だったのかもしれないですね。銀塩カメラは重いですから。
流石にプロですから、腱鞘炎は心配ないようですよ。
masterblue様
意識をしなくなるのは・・・ちょっと難しいですね。
やはり抵抗感がなくなるという程度のことでしょうか。
もっといえば、彼になら撮られてもいいと思えるという想いですわ。
続きはいましばらく、お待ちくださいませ。
さやか様
撮られてしまったものは・・・もう変えようもないですもの(笑)。
じたばたはいたしませんわ♪
穏やかな高梨さんの言葉にどきどきするだけで精一杯ですわ。
るり様
錫のちろりですか・・・また風情のあるお道具ですね。
ほんとうに不思議なほどに滑らかになりますものね。
高梨さんのお家には、有田のセットがあって、わたくしもおいしくいただきましたわ♪
けん様
リンクのご依頼ありがとうございます。
これから貴サイトにお伺いしようと思います。
これからも、よろしくお願い申し上げます。
2007/04/07 20:50| URL | 祥子 [Edit]
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