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暗闇の訪問者

「いやぁっ・・・」
いつのまにかわたくしの両手は動きが取れない様に縛られていた。
疲れた身体を深い眠りに落とす為に、寝室の照明を全て消したことは覚えていた。
それにしても、見開いたはずの目に映るのは真の闇だけ。
なぜ???

「あぁぁ・・っ だめぇ」
冷静にならなければ、と思う間もなく両胸の頂きからあやしい快感が身体にひびく。
「だれぇぇ・・・?」
濡れて湿った柔らかな感触。這わせられ舐められるだけでなく吸い上げられ甘噛みされる・・・それも左右同時に。
「いやぁ・・はぁぁぁ・・・ん・・・あぁぁぁ・・・」
唐突に始められた愛撫。
それもどう考えても一人ではない。
感じ易いはしたない身体は、縛り上げられた両腕を軸に身悶えを止められない。
拘束されているのは両腕だけなことと、眠る時にまとっていたシルクスリップを脱がされていることに気づく。
「だめっ・・・しちゃぁ・・あぁぁぁ」
左右の白く伸びる脇腹のラインにもいくつもの指が這う。
「ねぇぇ・・・だれなの? あぁっっ・・・」
揺れるGカップの乳房の裾野にも。
くすぐるのではない、でも強く掴むのでもない。明らかな愛撫の意思を持った触れ方。
既に硬くしこってしまっている乳首を舐る舌も止まらない。
「ぁぁぁ・・・いぃぁぁぁ・・・」

眠りに落ちてからどれだけたったのだろう。
このホテルに宿泊して2泊目。
一人で予約していたはずなのに、用意されていたのはダブルルームだった。
広いベッドは左右にいるはずの人の気配を感じさせない。

「はぁん・・・だめっ・・・あぁぁぁ」
自由になる脚を伸ばせば、そこに居るはずの男性を探ることはできるかもしれない。
でも・・・一糸まとわぬ姿にされ、複数の唇と指から与えられる淫楽を受けた両脚をほんの少しでもゆるめることなど出来はしない。
「ああぁぁっ・・・・」
恥ずかしいほどに感じすぎる乳房が恨めしい。
肌を這う指先が、全て男性の舌なのかもしれないと思うほど、もう堪えられないほどにわたくしの身体を淫らに変えていた。
「だぁぁ・・・れぇぇぇ・・・・いやぁぁぁぁ」
感じ易い左の乳首を甘噛みされる。
「いっちゃぁぅぅ・・・」
ぴくんっ・・・と身体が波打つ。
それが合図のように、肌を這う指が増える。上半身だけだった指が下半身へも愛撫を広げる。
「だぁぁ・・・めぇぇぇ・・・ひゃぁぁ・・・」
身悶えとともに震える乳房を這う唇が増えたのが解る。
硬く閉じた太ももの狭間から蜜が伝い落ちるのを感じる。
こんなわけの解らない状況の中で、のぼり詰めようとしてゆくこの身体がうらめしい。
「はぁぁっ・・・やぁぁぁ・・・・」
左右の乳首を吸い立てられ舐られる。
「いくぅぅっ・・・・」
身体の芯を甘い響きが駆け抜けてゆく。
「いっちゃ・・・・ぅぅぅぅ だめぇぇ・・・・」
無数に這う指が淫楽を増幅させる。
「あぁぁ・・・いっくぅぅぅ・・・・」
白い身体を大きく反らせ身奥を走りぬける快感に身を浸す。
「あぁぁっん・・・ だ・・めぇぇぇ・・・・」

おおきく喘ぐ胸と身体から一斉にすべての感触が去っていた。

「だれなの?」
快楽の余韻が抜けない身体は幾度もぴくんと震えつづける。
「だれ?」
人の動くなんの気配もしない。
あいかわらず見開いた瞳に映るのは暗闇だけ。
きつく縛められ引き上げられた両手首に巻き付けられたシルクの感触はそのまま。

「あぁっ・・・だめっ・・・」
しっとりと濡れた感触が左の乳房を襲う。
落ち着きかけた官能が再び煽られる。
「いやぁぁ・・・・ゆるしてぇぇ・・・・」
先ほどまでとは違う一ヶ所だけの愛撫はだからこそ深く身体の芯を揺さぶる。
「だれなぁ・・・のぉぉぉ? はぁぁぁんん・・・」
喘いだ唇にワインの香りの唇が重ねられた。
「ん・・・っくん・・・」
甘く冷たい白ワインとなにかが流し込まれる。小さな錠剤のようなものを飲み込んでしまう。
「なにっ!」
同じ唇がわたくしの言葉をふさぐ。

ワインの香りのキスはとても巧みだった。
柔らかな舌がわたくしの口内を探る。
「ん・・・んんん・・・ぁあぁぁんん」
左の乳房と唇だけを愛撫していたはずなのに、いつの間にか今度は複数の腕がわたくしの脚を開き濡れそぼった真珠と花びらまであたたかな唇と舌に覆われた。
「だめぇぇっ・・・」
閉じようとする両膝をぴくりとも動かすことは許されなかった。
「あぁぁ・・・ん・・・・」
唇を解放されたと思った途端に、右の乳首に舌が這う。
「やぁぁ・・・・ああぁん・・・だめぇぇ・・・」
身体を流れる淫靡な響きが花びらの奥から蜜をしたたらせるのがわかる。
「しないでぇぇ・・・あぁぁ・・・はぁん・・・」
先ほどの両乳首への舌の愛撫とは違う。
確実にわたくしをのぼりつめさせるための舌使い。
そしてもうひとつの唇がふくらはぎを這う。
「あぁぁっ・・・やぁぁぁ・・・・だめ・・・・はぁぁぁん」
もういくつの唇と舌に身体を貪られているのかもわからない。

じゅるるる・・・
「やめぇてぇぇ・・・はぁぁん・・・」
つよく吸い上げられる花びらと真珠への刺激と恥ずかしい水音がわたくしをさいなむ。
「あぁぁん・・・・もぅ・・だめぇぇ・・・・」
押さえ込まれた両脚のせいで身悶えも出来ない。
白く柔らかな腹部を波打たせるだけしかできず、その薄い皮膚にも熱い舌が這う。
「あぁぁ・・・ん・・・・ いっちゃぅぅぅ・・・・・」
いくつもの唇の愛撫が強まってゆく。
甘噛みが愛撫に加えられる。押し付けられる舌の感触が熱が強くなる。
そして這ってゆくその場所から確実な快楽が注ぎ込まれる。
「はぁぁん・・・ん・・・あぁぁぁ・・・ゆるしぃてぇぇぇ・・・」
快感の芯を全て舐られ吸い上げられる。
「ああぁぁ・・・いぃぃっ・・・」
堪えられない身体が反ってゆく。
「いくぅぅっ・・・・いっちゃ・・ぅぅぅ・・・」
唇だけだった乳房への愛撫に男性の指が加わる。淫楽をためこんだ乳房を唇と舌を離してもくれずつよく揉み立てる。
「はぁぁ・・・だめぇっ・・いくっ・・・」
花びらを舐め上げていた舌が狭間へと入り込んでくる。
「いっちゃぅぅぅ・・・いくぅっ・・・」
はしたなく大きく膨らんだ真珠を吸い立てねぶる動きに、がくがくと震える身体を抑えることもできないほどの快感がわたくしを襲った。
「いいぃぃっ・・・いっちゃぅのぉぉぉぉ」
絶頂の頂きにのぼり詰めた瞬間、わたくしの意識はふつっと途絶えた。

コメント
この世には存在しない完全な暗闇の中、多分手が自由になっていて、お相手を探っても、何も触れない。しかし、責めてくる感覚だけは確実に追い上げてくる。

そこには祥子さんの肉体も存在していないのかもしれませんね。自分という意識が肉体を造り出し、官能だけが存在する。

女性の目線だからこその、ぞくぞくする官能美を感じさせてくれます。シュールリアリスティックな素晴らしい傑作だと思います。
これからも、色々な祥子さんを見せてください。

2014/10/19 10:34| URL | masterblue  [Edit]
masterblue様
暗闇になにをご覧になるか・・・
読んで下さる方にお任せしたいと思ってつづったものです

極めてリアルな結末も
悪魔の演出したがごときシュールな結末も
どちらも存在しうる限られたひととき

masterblue様はシュールな時を感じてくださったのですね♪

2014/10/19 11:28| URL | 加納 祥子  [Edit]
祥子さん、こんばんは。和巳です。

「暗闇の訪問者」。
タイトルが何となく、ハードボイルドっぽいですね。

私は、本編を読んで、祥子さんの感じやすい艶っぽい肉体を想像してしまいました。

相変わらず、描写もいやらしく、新作が待ち遠しいです。
あ、決して、プレッシャーかけてるわけではないですよ♪

ではでは。

2014/10/27 19:06| URL | 和巳  [Edit]
和巳様
お返事が遅れて申し訳ありません

お相手もわからない
触れている場所もわずか
そして前戯だけ
でご満足頂けましたでしょうか?

続きをどうしようか、悩んでいますが
これはこのまま謎のほうが
よろしいかもしれませんね♪

2014/10/30 07:39| URL | 加納 祥子  [Edit]
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