木陰にて
いつからかしらこの季節のもみじを青紅葉と呼び始めたのは
夏になる前のひととき
緑が最も豊富なバリエーションを見せるお庭に
幾つかの門構えを通りすぎたあの日
偶然出会ったのです
お茶室へと向かう露地は
しっとりとした苔に覆われ
手水鉢の水面も涼やか
黒鉄の行灯の
まぁるいフォルムが
ご亭主のおもてなしの心を表しているよう
広間から庭先に脚を下ろしかけたわたくしは
思わず爪先を引き上げてしまいました
飛び石に散り敷く美しい若緑の青紅葉が描く
模様があまりにも美しすぎて
「お茶は広間でちょうだいしても構いませんか?」
「もちろんです」
わたくしのためらいを微笑みを浮かべてご覧になっていた
ご亭主は大きく頷かれました
青紅葉に負けない美しいお抹茶をいただきながら
この景色を今宵ご一緒する男性にどう伝えようか
贅沢な悩みをひっそりと胸にしまったのです
- 「あお」と「みどり」
-
祥子さん、こんにちは。
横浜は曇ってはいますが、凄まじい蒸し暑さです。
素敵なお写真、有難うございます。
「青紅葉」・・緑色なのに「青」、信号も「アオ信号」ですね、実際には緑なのに。(本当に緑なのか微妙なところですが)
色に対する日本語は本当に多彩です。日本画の絵の具の名前を見るとびっくりします。
それもさることながら、同じ「あお」でも青、藍、蒼、碧‥‥‥それぞれ微妙に色の感じが異なりますね。日本語って本当に難しいし、反面文章を書くときにどの漢字を選ぶかで、その場面の心理状況まで露わにしてくれますが。
(今はワープロが色々と候補を出してくれるので有り難いです)
あまり関係ないコメで申し訳ありません。
2015/06/17 17:43| URL | やまゆり [Edit] - やまゆり様
-
あおとみどり
本当に不思議ですわね
まだ色に様々な名前がなかった時代
緑は青に含まれていたそうです
「あの方はあおがお似合いですこと」
と囁かれて
どのあおを想像するのか
今の数倍のバリエーションからの選択を思うと
自らのセンスを試されているようです
曇り空の日が続きますが
やまゆり様の空は
あおく晴れ渡ります様に♪
2015/06/18 08:17| URL | 加納 祥子 [Edit] -
春の柔らかさ、夏の力強さ。
ふたつの色を楽しめるなら、梅雨も悪くないかも…と思える写真、ありがとうございます。
そして『あお』という響きのなかに
詰めた沢山の色模様…
日本語…おそるべし。ですね
2015/06/18 11:54| URL | HAIREI [Edit] - HAIREI様
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梅雨はなんとなく憂鬱になりそうですが
実は素敵な季節なのです
ほんの少しの日射しがあれば なお
いつかご一緒したいですね
こんなお庭に
2015/06/18 20:34| URL | 加納 祥子 [Edit] -
青紅葉。
なんと便利な言葉もあったもの。
この季節の紅葉・・・どういうわけか心惹かれてはいたのですが。
季節はずれのものを話題にするのもおかしなもの・・・と、表向きは通り抜けていました。
心で愛でることは、あったとしても。。
ひとつりこうになりました。 (^^)
2015/06/27 09:50| URL | 柏木 [Edit] - 柏木様
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紅葉と書いて「もみじ」と読むか「こうよう」と読むかの違いのはずが
いつの間にか「色づいたもみじのこと」になってしまっていた様です
不思議ですね
言葉は生き物だと感じる一例です
ただの名前のはずなのに 不思議ですね
2015/06/27 10:17| URL | 加納 祥子 [Edit]
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