青い海・穏やかな河
紺碧の外海が打ち寄せるプライベートビーチから車で1時間渡された部屋のキーと簡単な地図を手に
向かった市街は艶やかな光でわたくしを出迎えてくれた
「シルクのランタンが道案内をしてくれますよ」
ランチで別れたあの男性が教えてくれたとおり
魅力的なランタンをたどってゆくと
川沿いのプロムナードに出る
日が落ち始めた南の空は虹色の残照を残し
海の青さを際立たせていた太陽は
穏やかな川面に夕焼けを映して沈んでいこうとしている
黒く沈んでゆく河を彩るのは灯篭
ろうそくのゆらぎが意外な明るさで
ゆらり ゆぅらりと河を下ってゆく
繋ぎとめられた船に
昼間は緑々と茂っていた水草の根元に
寄り添うように惹きつけられてゆく
「いけない 待ち合わせの時間」
河を渡り旧市街を進む
彩りをクラシックに重ねたレストランの入り口も
モノトーンでまとめられたブティックのショーウィンドウも
急がなければならないわたくしの足を止める
「小さな看板しかないから気をつけて」
そう石塚さんは言っていた
本当に小さいから
「迷子になったら表通りから動かないでいてください」とも
それなのに頭上の灯りさえここにおいでと
誘惑のささやきを途絶えさせはしない
ふと見上げたそこに本当に小さな木の看板
その先の道は人がようやくすれ違えるほどに狭い道
それなのに右側には住人のものらしきバイクが連なる
わたくしを導くのは磨りガラスに
蘭を浮きだたせた街灯1つ
突き当たりにはあの方が待っていた
「Secret Gardenにようこそ」
揺れるランタンは柔らかく吹き抜ける風に揺れていた
「心細かったですか?手が少し冷たくなっている」
声を出さずに首を小さく横に振った
この場所にはささやき以上の声は
まだふさわしくないような気がして・・・
- 異国の地で…
-
素敵な出会いを
演出できたようですね。
じっくりと感じさせていただきます。
2015/09/22 22:13| URL | ぱぱ [Edit] - ぱぱ様
-
同じ夜でも何か違うのですね。
比較的旅なれているとはいえ
はじめての言葉も解らない土地で
一人きりお店を探すのは
心細かったです
待っていて下さったのが
ぱぱさんだったら
思わず腕にしがみついてしまったかも
2015/09/23 10:04| URL | 加納 祥子 [Edit] - おかえりなさい
-
素晴らしいランタンと椰子の木に導かれ、素敵な一夜を過ごしたのでしょうね。
まるで夢の中の出来事、あるいは迷宮の中の出来事‥‥‥そんな思いもします。
2015/09/23 10:52| URL | masterblue [Edit] - masterblue様
-
そうですね
本当に一夜の夢です♪
異国だからでしょうか、ね
2015/09/23 11:15| URL | 加納 祥子 [Edit] -
ばる~ん・あーと?はたまた、蛍?
こちらのお写真を拝見してまず感じたのは、そんな印象です。
♪赤いランタン ほのかに揺れる♪
♪宵の上海 花売り娘♪
なんて歌が、かつてありましたっけね。
無知をさらけ出すようですが。。
「ランタン」がどういうものか、いまのいままで知りませんでした。 (笑)
2015/10/05 23:16| URL | 柏木 [Edit] - 柏木様
-
そうですよね(笑)
こんな空間があるなんて想像もつきませんでした
世界遺産の街の景色です
艶やかで素敵ですよね♪
このランタンはシルクで出来ているそうです
鮮やかだけど上品なイメージがあるのは
素材のせいかもしれません
2015/10/10 15:05| URL | 加納 祥子 [Edit]
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