夢のかよひ路 58
ガタ・ガタッ・・床柱を背にした望月さんの動きが伝わってしまったのでしょうか。
竜胆と灯台躑躅の枝が生けられた花瓶が、小さく鳴りました。
玄関も・・床の間も・・・そして化粧室にさえ、生花が生けられてありました。
近頃ではお父様も滅多に使わないと、昨夜まどろみかけたわたくしに望月さんは教えてくださいました。そのことを思えば、この花達はとても贅沢なおもてなしなのです。
が・・・その時のわたくしには、そのおもてなしを楽しむゆとりなど・・・なかったのです。陶器と木のぶつかる音は気になっても、わたくしの意識は眼の前で白い乳房を嬲る望月さんしか見えておりませんでした。
「あぅむ・・ん」
ちゅぱ・・・ 昨日お逢いしてから、何度目でしょう。
望月さんの唇がわたくしの鴇色の先端を啄むのは・・・。
「はぁあぁぁ・・・ん・・」
それでも、望月さんの温かな口唇に愛撫される度に淫らな慄きは身内を走り・・・新たな蜜を湧き出させるのです。
「あぁ・・・」
いつもなら、この濡れた暖かさで・・・快感に導くのはわたくしの役目でした。
口戯に感じて・・・大きな手で黒のロングヘアを鷲掴みにして、頭上から投げかけられる男らしく快感を滲ませた望月さんの声をわたくしはこの度の逢瀬でまだ一度も聞いていませんでした。
Gカップの乳房をねぶられながら・・・わたくしはフェラチオをさせていただいていないことに・・・改めて気付いたのです。
こんなに・・・わたくしばかり・・・・。
「あぁん・・ゆうやぁぁ・・・だめぇぇ・・・」
でも、そんな必要はまったくなかったのです。
目覚めてからいままで・・・望月さんの塊は昂り続け、いまもわたくしの蜜壷の中で更に大きく・・そしてこれでもかとばかりに、突き上げてくるのですから。
「祥子さん キスマークを付けてもいいですか?」
望月さんが先ほどまでねぶっていた乳房を手のひらで支えて・・・わたくしに聞くのです。
それでも、最初はなにを言っているのか・・・わかりませんでした。わたくしの理性は立て続けに敏感になった花びらを抉る快感に・・蕩けきって・・・いたのですから。
かりっ・・・
「あぅっ・・・」
右の乳首を望月さんの前歯が噛む・・のです。
もう甘噛みとは言えないほどの強さの痛みでなければ、わたくしに理性を取り戻させることさえ出来なかったのです。
「もう一度聞きます。キスマークを付けてもいいですか?」
今度は・・彼の言葉は脳裏までしっかりと届きました。
と、同時に・・さきほども同じ質問を繰り返されていたのだ・・・とわかったのです。
「えぇ・・つけ・てぇ・・・」
「いいんですね。」
「ゆうや・の・ぉ・・しるしぃぃ・・・」
きっと胸元の白い肌に・・付けるつもりなのでしょう。
彼がわたくしを1人で抱いた時いつもそこに付ける様に。
他の方が痕を付けたときはその上にもっと濃く・・・ご自分のキスマークで他の方の痕跡を消そうとするかのように付けるのです。
「そうです。祥子さんがたとえ一時だけでも僕だけのものになった証です。」
「あっ・・だめぇ・・・」
それまで顔を伏せていたわたくしの乳房ではなく、望月さんの唇はわたくしの左の首筋に吸い付いたのです。
頸動脈の・・・脈動のするあたりの薄い皮膚に・・・。
「やぁ・・はぁん・・・・」
ちゅぅぅ・・
その唇は首筋を前へと動き・・そのまま胸元へランダムに痕を付けながら下がってゆくのです。
「な・・だめぇ・・・ゆぅ・・やぁぁ・・・」
胸元に吾亦紅を咲かせながら、望月さんは腰の蠢きを止めることはいたしません。一層・・・激しくなさるのです。
困惑と快感と羞恥の狭間で、わたくしは身を捩るしかありませんでした。
左の首筋から左のGカップの乳房の頂きまで。
友禅の附け下げの柄のように左半身に赤い痕跡を点々と付けて、望月さんはようやく顔を上げてくださったのです。
「夏でも真っ白な肌・・・この季節にキスマークがこんなに綺麗に映えるのは、祥子さんくらいなものです。」
望月さんは、まるでご自分が描かれた絵画の出来映えをご覧になるように・・・頭を床柱に預けてわたくしの肩を両手で押しやるのです。
彼の塊を・・・蜜壷に飲み込ませたままで。
わたくしは、望月さんから視姦される恥辱にまた・・一段と彼を締め付けてしまったのです。
夢のかよひ路 57
「いい、祥子さんの身体。」望月さんに両脚を引き上げられ宙に浮いた腰から、ひくつく塊をつっ・・と僅かに引くのです。
「祥子さんは不安定な姿勢になると、あっこんなに。まるでここで僕のを掴んで安心しようとするようにぎゅっと締まるんですよ。」
「やぁ・・あぁぁ・・・」
わたくしの両肩は、望月さんが膝をつく寝間着に止められて布団の上から動けずにおりました。白い・・柔らかな曲線を描くふくらはぎと足首は、望月さんの両肩に担がれています。その狭間で宙に浮いた腰は・・頼りなげにふらつき・・・望月さんの塊が引き抜かれる切なさに・・きゅっとはしたなく蜜壷をしめつけて・・・追い縋ってしまうのです。
「あぁ・・だめぇぇ・・ゆぅやぁぁ・・かん・にんしてぇぇ・・・」
目覚めてからずっと・・・わたくしは望月さんのがむしゃらな容赦ない責めに、もう何度も軽い絶頂を迎え続けていたのです。これ以上続けられたら、ほんとうにおかしくなってしまいそうでした。
ふっと、望月さんの腰の動きが止まったのです。わたくしの中にしっかりと塊を埋めたままで・・・両脚を下ろしたのです。
「・・はぁぁ・・・・」
「苦しかったですか?祥子さん」
わたくしは、とっさに声が・・出なかったのです。首を横にふるふると振ったのです。
「ごめんなさい。これじゃ首が痛かったですね。」 そう言うと、望月さんはゆっくりと大きなままの塊を引き抜くのです。
「あ・ん・・・」
彼のかりに掻き出される様に、わたくしの愛液が腰の丸みにそって、つつっ・・・っと流れ落ちます。
でもそんなことに斟酌せず、望月さんは膝で押さえていた寝間着の裾から降りました。ふっと・・縄を解かれた時と同じように肩に掛かっていた重みが消えてゆきます。
そして望月さんは、今度はわたくしの隣に床柱を背にして脚を投げ出して座ったのです。裾を開いて、花蜜にコーティングされたそそり立つ塊を朝の光に見せつけるように。
「さぁ、ここに来て下さい。」
わたくしの手を握ると、昨夜の温泉の中と同じように彼の上に・・・寝間着に袖を通しただけの身体を引き寄せ、そして・・・。
「はぁうっ・・・」
望月さんの上へ・・・花びらの中心を貫かれた姿勢で抱き寄せられたのです。
「ゆう・やぁ・・・だ・め・・」
「なにが、だめなんですか?」
「よごし・・ちゃぅ・・・ねま・き・ぁあぁぁ・・・」
今度はわたくしの膝が望月さんの寝間着の裾を押さえていたのです。抜き出されるだけであんなに愛液を溢れさせてしまう蜜壷が・・・こうして愛されていたら今度は彼の寝間着まで濡らしてしまいかねなかったからです。
なのに、小刻みに下から突き動かされる望月さんの塊に・・・わたくしは腰を押し付け・・くねくねと淫らに・・・反応してしまうのです。一層の快感を求めて・・・。
いつしか二人の間の水音は、障子ごしの波音よりも淫らに大きくなってゆきました。
「ふふ、これじゃほんとうにぐっしょり濡らしてしまいそうですね。」
「おねがい・・あぁぁっ・・・」
望月さんが両手を差し出しました。
でもその手は、わたくしの身体を一層大きく膨らんだ彼の塊から引き上げるのではなくて・・・袖だけを通していた寝間着を・・・ほんのり桜色に染まったわたくしの身体から引きはがすためだったのです。
「いやぁぁっ・・・」
突然のことに、わたくしは彼の眼の前で揺れる乳房を隠そうといたしました。
宙を舞った手首を望月さんが掴みました。そしてそのままわたくしの頭上に腕を引き上げたのです。
夏の清冽な朝日の中、男性にまたがり蜜壷を突き上げられて首から肩を淫楽に桜色に染める淫らな姿を・・・望月さんの眼の前に晒してしまったのです。
「まだこんなに締め付けるんですか?すごいですよ。ああ祥子さん、いい」
夢のかよひ路 56
望月さんが追い求めるように重ねる唇を離された瞬間に、わたくしははしたないおねだりを口にしてしまったのです。ゆうべ・・・最後にわたくしに1枚もランジェリーを付けさせなかったように、望月さんも素肌の上に寝間着だけしか身に着けてらっしゃいませんでした。
望月さんの手で導かれ、寝間着越しに熱い塊に押し当てられていた指で・・・わたくしはもどかしく彼の寝間着の前を開いて・・・直接・・大きく昂った塊に触れたのです。
「っく」
「これで・・し・て・・・」
引き締まった腹部に付くほどに反り返った塊の・・・裏筋を彼の雫を掬い取った指で・・上下に・・皺袋まで・・まるでさきほどのわたくしの背筋を愛撫されたのと同じ様に・・撫でつづけたのです。
「ゆうや・・の・・せいえき・・・ まっしろな・・せいえきを・・・ちょうだぁぃ・・」
「祥子さん!」
望月さんはわたくしの肩を押して仰向けにすると、ご自身はがばっと身を起こしたのです。はねのけられた羽布団の中からは、男と女の淫らな香りが広がります。
数時間前に望月さんご自身が結ばれた伊達締めを、切なげな表情で解いてゆかれるのです。わたくしの背を持ち上げてしゅるしゅる・・と絹の伊達締めを引き抜くと、清冽な朝の光の中で寝間着の前を一気に広げてしまわれたのです。
「あ・・・みちゃ・・」
わたくしの膝を割ると、広げた寝間着を踏みつけて素早くその間に望月さんは大きな身体を割り込ませたのです。
ご自身は寝間着を脱ぐ間も惜しいのか、裾だけを開いて大きくそそり立つ彼の塊を露にするのです。
「しょう・こ・・」
「あっ・ぁああ・んん・・・」
膝を抱えると、塊を押しあて・・・一気にわたくしの花びらの奥を目指したのです。
背中と腰だけの愛撫で、わたくしは内ももをしっとりとぬめらせるほどに蜜を溢れさせておりました。
望月さんの塊の先端からも溢れる雫はわたくしの花蜜に絡み付いて、彼らしくないがむしゃらな挿入さえも助けたのです。
「きぃ・・っつぅぃぃ・・・」
ずぶ・じゅぅっ・・ずぶぅぅ・っ・・ 望月さんは長太い塊を1/3ほどを無理矢理押し込み・・一度花びらの間から腰を引いて抜け落ちる寸前まで・・・濡れそぼった塊を再び強引に最奥へと送り込んできたのです。
「あぅっ・・そこぉ・・・」
1/3だけぬめりをまとった彼の塊は、その先の望月さんの茂みに隠された根元まで・・・なんの抵抗もなく蜜壷に飲み込ませ、わたくしの子宮を突き上げたのです。
「しま・るっ・・・」
波音に紛れるほどのうめきを上げて、それでも望月さんの腰の動きは緩みません。昨晩の浴槽の中での行為と違い、正対した状態で膝を抱え込まれてのこの行為は本当に子宮口をこじあけてしまいそうなほどに、深く・強く・突き入れられるのです。
「はぁぅっ・・あぁあ・・ぁぁぁ・・」
あまりの強さにわたくしの身体は迫り上がり、子宮を直接スパンキングをされているような鈍い痛みから逃げようとします。が、寝間着の裾を望月さんの身体に踏まれていては、それも叶いません。
括られてもいないのに、逃げることもできずに責め立てられるわたくしの肌は、真夏の朝日の熱を遮るエアコンの冷気の中でさえ・・・淡い桜色に変わっていったのです。
「あぁぁ・・ゆぅ・・やぁぁ・・・」
いつか、わたくしのはしたない身体はその痛みすらも淫媚な刺激へと変えてゆきました。蜜壷も・・その奥の壁までもがまるで望月さんを求めるように柔らかくなって・・・そして・・・
「ああ、欲しがってますね。祥子さんのここ・・こんなに。もっと感じてください。」
「ゆうやぁ・・ぁぁぁ・・・いいのぉぉ・・・」
曲げていた膝を伸ばし、足首を掴むと望月さんは両肩にわたくしの脚を抱えます。
なお深くまで・・・そして長身な彼の身体はわたくしの腰を浮かして・・より激しく抽送を繰り返すのです。
夢のかよひ路 55
「あぁぁぁっ・・・」手の中で跳ねるような望月さんの塊の熱と、強引に引き寄せられた口づけは強烈でした。
舌の根元から全て望月さんに吸い取られそうなほどに・・・きつくわたくしを貪りながら、やさしかった右の手は・・・先ほどまで悩ましくくねらせてしまっていた腰の白い丘をひとつ・・・きつく掴み上げたのです。
「んぁあ・・ゆぅゃぁ・・・」
焦らされて疼きを溜め込まれたまぁるい腰肉を、わたくしは、はしたなく彼の手に押し付けていったのです。
望月さんの手で目覚めたばかりの無垢な身体に、昨夜の半露天風呂での絶頂の火照りを・・・ありありと思い出させられていたのです。
しっかりと閉じ合わせた太ももの間には、すでにねっとりとしたぬめりに覆われていたのですから・・・。
「担当の先生の腕はいいんですか?」
「・・ん・ぇえ・・」
質問をしながらも、望月さんの右手の指は淫らな探索を止めませんでした。
背筋を滑っていた指は、いまは白い丘の狭間を行き来しておりました。
「わかりました。それではこれからも担当の先生以外にはこの身体を・・」
「ぁうっ・・」
望月さんの中指が寝間着越しに姫菊を探り当てて、強く押し当てたのです。
そこも、すでにわたくしの蜜でうっすらと濡れているはずです。
寝間着を汚しはしないかと・・・そんなことさえ、わたくしの頭をよぎったのです。
「触れさせないでください。いいですね。」
「はぁ・・ぃぃぃ」
昨夜ずっと赤い縄の結び目がきつく食い込んでいた姫菊は、柔らかな布の感触を敏感に感じ取っておりました。望月さんの主の美貴さんにはアナルコイタスの趣味があったのです。
でも・・・彼にはないはずです。これ以上のことを望月さんには、いまだけは求められたくなかったのです。
「祥子さんの声は響くんです。奥まったホテルのメインダイニングであの方達に嬲られている嬌声さえ、お帰りが遅いと心配して上がっていった僕の耳には聞こえたのですから。」
えっ・・・年末のメインダイニングの行為さえ・・彼に知られていたの?
わたくしは身体を一瞬堅くしてしまいました。
「マッサージルームの薄いカーテン1枚では、きっと隣の先生やそこで治療を受けている男性患者にも聞かれているでしょう。このフェロモンで噎せ返るような声を。」
「やぁぁ・・・ん・・・」
彼の指はまたつつっっっ・・・と背筋を上がって行ったのです。
先ほどまでのセクシュアルな愛撫を身構えていたわたくしは、再び襲った柔らかな刺激に思わず悩ましい声を上げてしまったのです。
「声は仕方がありません。でもこの身体をほかの男性には無闇に触れさせたりしないで下さい。おねがいです。」
望月さんの両腕は、わたくしをきつく抱きしめたのです。
「ん・・くぅ・・・」
そのまま重ねられたキスは、望月さんとの約束の口づけになりました。
わたくしはもう朴先生以外の男性の先生に・・・マッサージとはいえ・・・触れさせることはないでしょう。
朴先生が治療をお止めにならないかぎり。
彼の若い嫉妬に、わたくしは愛おしさを覚えずにはいられませんでした。
キスの間も望月さんの塊は、ずっとひくひくと熱く堅く・・・脈打っておりました。そして、寝間着の合わせた前の向こうにあるはずなのに、わたくしの指先にはもうにじんだぬめる雫がふれたのです。
なのに彼の手は、相変わらずわたくしの背面しか愛撫してくれないのです。
感じやすく柔らかい腰肉も、あの瞬間強く揉みしだかれただけでした。
「ん・・・あ・・は・ぁん・・・」
首を背中を頭を・・・優しい指が這い回るのです。
ただ・・・触れる行為は、わたくしに信じられないほどの疼きを溜め込ませていたのです。昨夜、あれほど上り詰めさせられ続けたのにもかかわらず・・・わたくしはもう、この優しい愛撫に耐えられなくなっていたのです。
「おねが・い・・ゆぅや・・」
自分自身の声が欲情に掠れてしまうことさえ、恥ずかしくて。でも・・もう・・・。
「し・て・・・」
夢のかよひ路 54
「あ・ん・・ぁっ・・・」「凝っていますね。ずっとお仕事だったんですか?」
「ん・・・そぅ・ぁ・・」
首の付け根を・・・耳の後ろを・・望月さんの指が押してゆきます。
PCでのグラフィックデザインが多いわたくしのお仕事は、眼を酷使するのです。いつも酷く凝らせてしまうその場所を、不思議にピンポイントで望月さんの指が探り当てるのです。
「ぁ・はぁ・・・」
背中に優しく触れる右手と違い、左手だけは時折強く指圧のようにわたくしのつぼを揉み込むのです。その度にわたくしは、マッサージを受けているというにはあまりに相応しくない声音を上げてしまうのです。
背筋を這う指は、あくまでソフトなままでした。
それでも、ずっと同じリズムで繰り返される刺激にわたくしははしたなく腰をくねらせ、望月さんの塊に添わせられた指を・・・淫らに震わしてしまうのです。
「マッサージなどにも行かれるんですか?」
「ぇ・えぇ・・んぁ・・」
「祥子さんなら当然決まった先生が、付いているんでしょうね。」
「あっ・・ん・・そう・なぁのぉ・・ぉぁぁぁ」
望月さんの左の親指が盆の窪を強く押し上げます。
彼の指が動くのと同じに駆け下りてゆく淫楽にも似た刺激が、わたくしの身体の芯を濡らすのです。
「なんておっしゃる先生なんですか?」
「朴・・せん・せ・い・・」
「女性の先生ですか?」
「ち・がぅぅ・・のぉ・・だん・せ・い・・のせんせぃぃなぁの・ぉぉ・・・」
「そうですか、他の先生には治療させないんですか?」
少しだけ背中を動きまわる指の圧力が・・・強くなります。肩甲骨の内側を・・治療でも響くその場所を望月さんは的確に・・責めるのです。
「んっ・・ぼく・せんせい・・だ・けぇぇ・・」
わたくしはぴくん・・と身体を震わせてしまいました。
「治療の時も、こんな悩ましい声を上げ続けているんですか?」
「あん・・ちが・うぅ・・わ・はぁん・・・」
腰のなだらかな傾斜の麓まで降りる指は、それでもその先へは進まないのです。あと・・少し・・もっと・・・あん、だめ・・そんなこと思っちゃ。
「信じられませんね。こんな風にしか触れていないのに、そんな艶めいた声を上げる祥子さんが、本職の鍼灸師の先生の手に掛かって感じないでいられるはずはないですからね。」
頭と首を揉みほぐしていた左手は、わたくしの耳の・・・貝殻のようならせんを的確に刺激するのです。
「やぁ・・はぁぁん・・・」
「何度目の治療で担当に決まったんですか?」
耳の中までも望月さんの小指が触れてゆきます。
まるで・・・ゆうべお風呂でキスされた時のように。
「いっ・・かぃ・・め・ぇぇ・・・」
「やっぱり、そうでしたか。先生の方から申し出て来たんでしょう。」 あぁ・・なんで望月さんはそんなことをご存知なのかしら。
「どうなんです、祥子さん?」
「そぅ・ですぅぅ・・」
「治療されて、薄い診察着の下の乳首をこんな風に立てて感じてるんですね。」
「やぁぁん・・ちがぅのぉ・・」
「祥子さんの身体に触れて、そんな声を聞かされて、どんどんフェロモンを濃く漂わせて・・・きっとその先生もいまの僕のようになっているんですよ。」 くぃ・・ ずっと動かなかった望月さんの腰が・・・わたくしの手のひらに塊を押し付ける様に動きました。
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