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初雪 49

「美味しかったです。ごちそうさま」
四人の男性と豊富な話題の会話を交わすうちに、和のお食事も終わりに近づいていました。
琵琶の長寿と地元の美味しいミネラルウォーターが、わたくしをほろ酔い気分にさせていたのです。
「今度伺った時に、板長にお礼を言わなくてはね」
杯に残ったお酒を干して山崎さんは満足そうに頷いてらっしゃいました。
普通の家庭でしたらここでお雑煮・・・ということになるのでしょう。
でも、酒肴とお料理でわたくしたちは充分に満足していたのです。
「ソファに移られてお薄でもいかがですか?」
そう望月さんがご提案くださったのを潮に、わたくしたちは暖炉の前のソファーに席を移しました。

チューダー調風のこの別荘に、相応しくレンガづくりの暖炉がしつらえられていました。薪のはぜる音と赤々とした火が贅沢な寛ぎの時間に添えられています。
平屋づくりなのですが、高い天井にはロフトが設けられ、リビングの上だけ吹き抜けになった空間にはファンがゆったりと回っておりました。脚元は床暖房が施されて、マイナス3度とも言われる外気の冷たさを感じることもありませんでした。
暖炉の隣のキャビネには山崎さんのお好みのお酒が・・・暖炉の上には椿と水仙がたおやかに活けてあります。ほのかに薫る花の香はこの水仙のものなのでしょう。
BGMはモーツアルトでしょうか。お食事の間からずっと、クラシックが低く・優しく流されていたのです。
柔らかに和洋折衷を果たしているこの空間は、4人の男性にしっくりと似合っておりました。

「お待たせいたしました」
「ありがとう」
望月さんのご用意くださったのは、真っ白な肌に薄く桃色の餡が透けるはなびら餅とお薄でした。
黒塗りの小盆に1人前づつ用意された器は、やはり陶あん窯製の抹茶茶碗です。
「石塚さんたら、どれだけ手にいれられたのですか?」
決して安価ではないこの窯の作品を・・・それも<椿>の柄に限ってこれだけの数を同時に見たのはわたくしも初めてだったのです。
「いやぁ、憶えてないなぁ。とにかく来客用だからといって店にまとめて揃えてもらっただけですからね」
石塚さんの声はあくまで暢気な調子のままに、添えられた黒文字で花びら餅を口に運んでいます。
「こんなに沢山の作品を一度に見せていただけるなんて、眼福です」
「祥子さんに喜んでいただけただけで、用意したかいがありましたよ」 
リラックスして、でもお作法通りにお薄を召し上がるのです。この方達はどなたも・・・そうでした。会話が洒脱なだけでなく、きちんと躾けられたお育ちの良い方達なのでしょう。
「ありがとうございます。うれしいわ」
望月さんが立ててくださった、苦みが甘みを引き立てる抹茶も見事なものでした。それに初釜の時に饗される花びら餅。時期を得た取り合わせも流石です。

「僕たちにご褒美をくださいますか?」
左隣に座られた美貴さんが、お茶碗をテーブルに置くとゆっくりとわたくしに向き直ります。
「ご褒美?」
「ええ、この花びら餅のような祥子さんを楽しませてください」
「えっ・・・」
照明がすっと・・落とされてゆきました。
「ん・・・だめ・・・」
美貴さんはわたくしの肩を抱くと、唇を重ねました。
「ん・・ん・ん・・」
右隣の山崎さんは、わたくしの身八つ口に手を差し入れて・・・着物の中に閉じ込められたGカップの乳房を捉えたのです。

いつかは来ると覚悟をしていた時間が・・とうとう始まってしまいました。

「着物の祥子さんは本当にいいですね」
耳元で囁く山崎さんの声には、もう欲情が滲んでいました。
つい数時間前にわたくしを犯して欲望を遂げたばかりなのに・・・その熱は全く冷めていないようでした。
「胸元も足先も柔らかな腕もしなやかな絹に覆われて、いつものランジェリーを一枚も付けていない身体のラインが柔らかく撓う。あぁあの丸みの中に・・・そう思うだけで昂ってしまいますよ」
着物の中で山崎さんのすべすべの指に弄られた乳房の先端は、はしたなく立ち上がってしまったのです。
コメント
着物
日本の女性は着物を着ると艶やかですね。
あれを見ると妙にそそられるんですよ・・・
お風呂上りのうなじなんか見ると「くわー!」
※私またバカな事書いてますねw

会社の旅行に行った時の事ですw
よいGWをw でわでわw

2006/04/30 18:18| URL | よしちょ  [Edit]
休暇前の多忙からコメント出来ずにいました。
ようやく明日から1週間帰国休暇です。
劇団四季の公演を予約しています。また、ブログに載せますのでよろしく。


2006/05/01 01:43| URL | yamatan  [Edit]
メーデーは暑い一日♪
もう5月1日をメーデー(労働者の日)なんていう方も
ほとんどいらっしゃらなくなってしまいましたね。
夏の賞与の賃金闘争・・・なんていう話も、
新聞の片隅にひっそり載る話題になってしまいました。
熱い闘争の一日ならぬ、暑い初夏の一日 皆様はどうお過ごしですか?

よしちょ様
着物は露出する部分が少ないだけ
ほんの僅かにほの見える部分に・・・ドキッとさせられてしまうものみたいですね。
ですから普段着感覚♪なんて言われて、
あられもなくふくらはぎまでも露にして階段を上がる女性を見ると
興ざめな想いをしてしまうものです。

楽しいGWをお過ごしください♪


yamatan様
待望のご家族との休日ですね。
いまごろは飛行機の中でしょうか?
楽しい日本での一時どうぞごゆっくりお過ごしください。
出来たら、日本からのコメントなどいただけたらとてもうれしいです♪

2006/05/01 13:46| URL | 祥子  [Edit]
今年のお正月、京都の友人に頼み元祖川端道喜と私の好きな末富の”花びら餅”を取り寄せ、食べ比べを。ほのかに甘い牛蒡のしゃり感が初春になくてはならないものですね。
昨日は夜になっても風が心地よくて…。虫もまだいない公園で、ふふっ…。おそとはどきどき!
今日は打って変わって、寒い雨。ご体調に気をつけて良いGWを!

2006/05/02 10:23| URL | るり  [Edit]
るり様
とうとうお外で・・・でしたのね。
もうご様子はブログにアップなさったのでしょうか。
あとでそっとお伺いいたします。

花びら餅は茶道を習うまで知りませんでした。
初めて、先生の初釜に伺って
黒塗りのお盆に供された茶菓を見て、ひとめぼれしてしまいました。
あのころはまだ今ほど一般的ではなくて、
先生も懇意の和菓子屋さんにご注文なさっているということでした。
いまでは、時期になると
都内のデパ地下でほとんど手にはいるようになってしまいましたが(笑)。
これを風情がないと・・・一方的には嘆けないですね♪

2006/05/02 12:19| URL | 祥子  [Edit]
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