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ジューン・ブライド 9

「あん・・・ぅくっ・・」
部屋に入ってもトモくんは一言も口をきいてはくれませんでした。わたくしが手に持っていたバッグをラブソファーに放り投げると、わたくしには靴を脱ぐ間も与えずにキスをはじめたのです。
「ゃ・・・ぁ・・・」
彼自身もコートのままでキスをしているわたくしのコートを脱がせにかかるのです。
「・・ぁん・・めぇぇ・・」
ジャケットの釦を外し、スカートの腰のファスナーを引き下ろします。
「ん・・・ぁ・・・」
わたくしの首筋を探ると、カットソーの背のファスナーまで下ろしてしまったのです。
「ん・・・はぁ」
抱きしめたまま、トモくんのがっしりとした身体がわたくしを壁面にしつらえられた水槽に押しつけるのです。でも左手はわたくしの両手をひとまとめに掴んだままでした。
「ね・・・おはなし・・しま・・しょ」
彼は無言で、わたくしの困惑した表情を見つめながら、右手で自らのネクタイを解いたのです。
「・・あっ・・ん・・だめ・・」
ネクタイを持った手でわたくしの両手を後にひとまとめにすると、わたくしのカットソーの裾をまくり上げたのです。頭を抜き・・・両手を抜いて・・・同時にスリップのストラップを両肩から落とすと・・・わたくしの両手を彼のネクタイで括ってしまったのです。

「あぁ・・・ゆるして・・」 
黒のサテンのブラ、同じ素材のショーツ、そして腰からウエストまでを覆う黒のタイツにわたくしはまだショートブーツを履いたままでした。
その姿をほんの少しも隠すことすら出来ませんでした。後ろ手にトモくんのヴィトンのネクタイで括られて・・・薄暗い室内照明の中で青白く灯る水槽の明かりの前に・・・立たされていたからです。
水槽には、色鮮やかな海水魚がゆったりと泳いでおりました。
ウエストから上の肌をつけて立つわたくしの白い肌に好奇心を掻き立てられたのでしょうか。数匹のかくれくまのみが、すぐ周囲集まってきたのです。
「待っていてくださいね、祥子さん。すぐに抱いてあげますから。」
トモくんはわたくしの姿を眺めながら、ゆっくりとウールのコートを脱いでゆくのです。
「祥子さんを一度縛ってみたかったんですよ。聞き分けのないことを言うから、何も用意できませんでしたけどね。」
ジャケットを脱ぎ、ワイシャツの釦を外してゆきます。彼の・・・厚い胸板がシャツの間から覗きました。
「おねがい・・・お話しましょう」
わずかに身に着けているランジェリーを剥がれてしまう前に、彼を説得しなくてはなりません。
「だめだ。どうせ別れ話なんだ。だから、いやってほど犯してから聞いてあげますよ。ね、祥子さん。」
トモくんのスラックスの前はもう・・・とても大きく昂っていたのです。
その場でスラックスを落とし、靴下を脱ぐと・・・トランクス1枚の姿になってわたくしの前に歩みよったのです。
 
「水槽の明かりに祥子さんの肌がいつもより白く見えるね。」
トモくんの指が抵抗し乱れていたわたくしの黒髪をかき寄せます。
「このおっきな胸。いつも僕に揉まれてすぐに濡れる淫乱な胸。」
「あぁぁ・・っ・・だめっ・・」
左手はわたくしの髪を・・・顔を伏せられない様に引きぎみに掴み、右手をブラの中に差し入れるのです。
そして、トモくんの指はわたくしの乳首をあっという間に掴みとったのです。
「もう堅くしてる、こんなに。セックスしちゃいけない時期じゃないの、祥子さん。なのにこんなに反応しちゃうなんて恥ずかしい身体だね。」
彼の指はぐりぐりと押しつぶす様に堅くしこり立った先端を愛撫するのです。
「はぁっ・・・やぁ・・・」
わたくしは唇から漏れる喘ぎが恥ずかしくて・・・彼の胸に寄り添う様に顔を伏せてしまったのです。
「どうしてこんなに立ってるのか言ってごらん、祥子さん。」
側に立つトモくんを見上げろと言わんばかりにくぃと後ろ髪を引くのです。
いえない・・わ わたくしはふるふると顔を横に振るだけです。 コメント
>だめだ。どうせ別れ話なんだ。だから、いやってほど犯してから聞いてあげますよ。

 そうだ!トモ君。
最後なんだから、突っ走れ!

 絶対に無くしたくないものを
自分のせいで失わなくてはならなくなった時。
男って、こんなに惑乱するんですね。
でも、乱暴でもなく暴力的でもない
激しくて、強い、求めてやまない欲求。
トモ君を見直しちゃいました。

2006/06/23 03:48| URL | さやか  [Edit]
さやか様
もう・・・そんなにトモくんを煽ったらだめです。
そんなに執着する関係だとは思ってもおりませんでしたから
ちょっと彼の反応にはびっくりしています。
わたくしが別れないと言った方が困ると思うんですけれどね。

2006/06/23 16:25| URL | 祥子  [Edit]
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