サファイアの夜 1
大変お待たせいたしました。先日来予告しておりました、50万アクセス記念作をお届けいたします。
これは<オペラピンク前夜>よりも前のお話です。
まだ、わたくしが前の方に心囚われていた時の切なくて・淫らな物語をどうぞお楽しみくださいませ。
その方の指は、男らしいしなやかな力強さを示す様にすんなりと伸びていました。
爪は指先の丸みに合わせる様にきっちりと摘まれ、バカラのロックグラスを持つ度に関節のところだけが白くなりました。
いま、その左手が頭上でわたくしの両手首をひとまとめに掴んでいます。
抗う気持ちは全くありませんでした。
それでもまるで縛めるようにきつく掴まれた手首の内側の薄い皮膚は、引き攣れるような軽い痛みで彼の指の関節が白く変わっていることをわたくしに確信させたのです。
「祥子・・・と呼んでください。」
首に下げたペンダントのサファイアと同じ色のシルクのブラウス。
その第三釦から下に並んだ釦を右手の指先だけで器用に外してゆく名前すら聞こうとしない男性に、わたくしはそうお願いしたのです。
声は期待と欲情で、もうはしたなく掠れはじめておりました。
つい10分前まで、バーのカウンターでマムを楽しんでいたはずなのに・・・喉は・・カラカラに乾き切っていたのです。
今夜は・・・。
今夜だけはどうしても1人で過ごしたくはありませんでした。
とても愛して・手ひどく裏切られた方のバースデーだったからです。
今夜その方の側に奥様がいらして、結婚して初めてのその方のお誕生日を祝ってらっしゃっているだろうことは充分に解っていました。
なのに、わたくしは未練がましく・・・最後の夜に愛していただいた快感を忘れ去ることも、その方のお誕生日にせめてメールだけでも差し上げたいと思う気持ちを押さえることも出来ずにいたのです。
今週はぎりぎりの時間までスケジュールを詰め、無謀と思えるほどの量のお仕事をいたしました。その上、もう一杯な予定に更に新しい仕事まで受けていたのです。
今朝疲れた身体で打ち合わせを始めた時、夜を迎えるころにはもう1人ベッドに横たわることしか考えられないくらいに疲れ切っているに違いない、と思っていました。
予想通り、全てのスケジュールをこなして自宅に帰ったわたくしは疲れ果てておりました。冷たい夜風に冷えた身体を暖めてベッドに入ろうと、バスタブに湯を満たしたのです。
身体は・・・わたくしを裏切っておりました。
暖房と神経のまいる打ち合わせでかいた汗を流そうと浴びたシャワーの肌に当たる水滴の刺激が・・・埋み火のように身奥に残る欲望を掻き立ててゆくのです。
わたくしの矜持を保つためにただ1つ残っていたのは、惨めにその方に捨てられたことに対する1人の女としてのプライドでした。なのに・・・泣き窶れるほどの想いをした後でも、そのプライドはこのはしたない身体の疼きを押さえつける事すら出来ないのです。
このままここに1人でいたら・・・なにをしてしまうか・・・わたくしには自信がありませんでした。
洗い髪を1本のかんざしでアップにし、矢車草の青のブラウスと紺のタイトスカートを纏ってブラックミンクのコートを羽織ると、自宅からタクシーで10分ほどのシティホテルのバーへと出掛けたのです。
「ご覧にならないで・・くださ・い・・」
バーのフロアから2つ下がった階の角部屋が、わたくしの右隣に座った男性の部屋でした。
カシミアのセーターとコーデュロイのパンツが似合う手の綺麗な男性は、ハイヒールを履いたわたくしよりも、頭半分ほど背の高い方でした。
室内の明かりの反射で鏡のようになった客室の窓ガラスの前にわたくしを立たせると、背後から両手首を捕らえてシルクのブラウスの釦を・・ウエストまで全て外してしまったのです。
-
どういういきさつで、祥子さんがこの彼の手に絡めとられたのか…。ドキドキしながらうかがう事になりますね!
イブまであと10日、慌ただしさが増すこの頃です。悪いウィルスも流行っているようです。お身体おいとい下さって、今年最後のお話を…。
2006/12/14 20:34| URL | るり [Edit] -
何かを忘れるために無理に仕事をしたりする。
けども体の奥には忘れられない何かがあるんですよね。
わかります・・・。
どんな物語になるのか この先が楽しみです。
それにしても もう新しい「カテゴリー」が出来上がっていますね。
新年に向けて楽しみですが、無理だけはなさらないように。
2006/12/14 21:46| URL | 桜草 [Edit] - お待たせ致しました
-
漸くスタートしました新作です。
丁度、このテンプレートとぴったりのイメージの物語です。どうぞお楽しみ下さい。
るり様
今回のお話はいままでとは少し違うかもしれません。
短い物語ですが、楽しんでいただければと思います。
桜草様
疲れて眠ってしまえば・・・何事もなく済むのにと
つい思ってしまうのですが。
本当に思い切るまで忘れられない想い。
その想いの中に居る切ないわたくしの物語です。
カテゴリは・・・ふふふ、もう少しお待ちください。
2006/12/15 10:35| URL | 祥子 [Edit] -
神経をすり減らし行う作業ほど、それが終わったとき、身体の疲労とのアンバランスに、身体が燃えてしまうと言うことがあります。
俺も頭脳労働者、たびたび身体が抑え切れないほどの欲望に包まれるときがありますね。^_^;
2006/12/23 08:59| URL | melto [Edit] - melto様
-
男性はよく昔からそうおっしゃいますね。
女性は・・・そんなことはないと思ったのですが、疲れてしまったが故に敏感になった身体がわたくしを苦しめる事になりました。
2006/12/23 20:01| URL | 祥子 [Edit] -
祥子さん、こんばんは。和巳です。
それでは早速、コメント(感想)書かせて頂きますね。
まずは、私の一番のお気に入りの作品から。
(どの作品もお気に入りなんですけどね)
この作品で、私は何度オナニーしたことか・・・。
祥子さんのある男性に心捕らわれていた時の過去描写がいい。
祥子さんの、男性に抱かれたくてたまらない女心、その心情描写がとってもいいです。
この序章だけでも、私は勃起しました。
そして、これからの展開におおいに期待し、その展開は私の心(エロ心)を裏切りませんでした。
どの作品でもそうですが、祥子さんのファッション、最高です。
Gカップ、そして、ムチムチの肉体にランジェリー・・・。
ムチムチの肉体というのは、私の勝手な想像ですが・・・。
そんな祥子さんのファッションを思い浮かべるだけで、勃起が強くなります。。。
そして、祥子さんの美しい髪・・・。
まるで、祥子さんのエロフェロモン、その女の匂いが、漂ってきます。
そして、祥子さんのこのM性。
それは、私のS性癖(祥子さんの言う所の快楽系のS)を強く強く刺激しました。
セックスとフェラチオ・・・。
この臨場感。
まるで、私が祥子さんにフェラチオさせているようで、私のペニスはますます硬くなります。
ペニスを握り締める手もますます強くなります。
「祥子、いい女だ・・・」
「たっぷりフェラチオさせてやる」
「祥子、入れるぞ。おれの気が済むまで犯してやるからな・・・」
そんなことを心の中で呟きながら、私はオナニーに没頭しました。
私が最も官能を感じるのは、臨場感溢れるフェラチオ描写、セックス描写もそうですが、何よりも、祥子さんの女心です。
男(と言っても特定の男性ですが)を欲する祥子さんの女心が、私の性欲(S性癖)をそそって仕方ないのです。。。
・・・もっと書きたいのですが、長くなってしまうので、この辺で止めておきます。
私の性欲処理が終わった後、祥子さんのことを、ああ、本当に可愛い女だな、と思ってしまいます。
実際、色と欲、そして、男性を慕う女心を持つ女は、本当に可愛いものです。
そんな祥子さんを思いながら、また今夜も・・・。
(P.S)
祥子さんのブログにそぐわない下品な表現があったら、ごめんなさい。
その際は、ご遠慮なく、ご指摘下さいね。
2015/06/12 00:08| URL | 和巳 [Edit] - 和巳様
-
和巳様の様に楽しんでいただくのが
わたくしの本望です
このブログが紙の書籍であれば
和巳様の迸りで
開かなくなってしまうページが増えるほど
可愛がっていただけて
とても嬉しいです♪
わたくしの身体は
お恥ずかしながら和巳様の
ご想像通りです
さらさらの長い髪も
どうかリアルに感じて
存分に可愛がって下さいませ
和巳様の一文字一文字が
わたくしの肌に食い込む和巳様の指先のようでした
ご感想ありがとうございました
2015/06/12 05:16| URL | 加納 祥子 [Edit]
トラックバックURL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| BLOG TOP |