幽玄な桜の下に
昨日までの暖かさが嘘のような花冷えの日迎えに来た車が見慣れぬ街を通って連れてきてくれたのは
見事な枝垂の1本桜の下にたたずむ鄙びた庵
「大石内蔵助が蟄居していた庵だそうですよ」
「本当にひっそりとした場所だこと」
「今では住宅街ですが、あのころはなにもない場所だったでしょうね」
「目印は丘の上のこの桜だけ?」
「かもしれない。花の時期になると、夜毎忍んでくる女性もいただろうね」
「あん・・・」
しだれかかる桜の下の作られたかのような薄闇の中で
わたくしは唇を奪われてしまう
「だめ・・ん・・・・」
蟄居の<謹慎>のための場所で求められる快楽の・・・キス
お願い・・・見ないで・・・
車の運転席で待っているあの人にも
そして、ここに蟄居していたという方の霊にも祈ってしまう
「・・・ばちが・あた・・る・わ」
膝がくずれ落ちそうになるまで繰り返されたキスの後
連れて行かれたのはとある寺院の塔頭にある湯豆腐のお店
「肌寒い日だから湯豆腐で暖まりましょう」
そしらぬ顔でそういう男性を
目元を桜色に染めたまま責めるように見上げる
「祥子さんを求めて当たる罰ならいくらでも引き受けますよ。なぁ望月」
「はい。もちろんです」
今年は桜の季節が駆け足でやってきて
さらにお約束の花曇り
昨年のようなきれいな空の下でのお花見も難しいようです
皆様はお楽しみになれましたでしょうか?
先日までの対談、いかがでしたでしょうか?
実は、リアルにはお会いできないのでメールのやりとりで実現させた対談でした
対談ご希望の方がいらっしゃれば、コメント欄に一言いただければ幸いです
ちょっとの遊び心で始まった新しい企画
あなたもいかがですか?
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