春の匂い
早朝の新幹線の車窓からはまだ雪景色が見えた風はまだ冷たい
なのにあの女性から届いたメールには
「春をご一緒にいかが?」
とだけ書かれていた
仕事の予定はそこそこにこなし
訪れた庭園には
冬の名残を感じさせる赤い実がそこここにある
足を踏み入れた庭園は甘い香りに満ちている
あの女性のうなじから漂う仄かな甘い匂い
陽に透ける椿の花びらが
メールの一文字一文字にまぶされた
彼女の恥じらいを予感させるようだ
曲水の宴の庭園は
見事だけれど目的地までの距離が長過ぎる
気が急く・・・
目の前の座敷にいるあの女性は
どんな装いなのだろう
足許に広がる落ち椿のように
無惨に乱してみせたい
あの女性を
今夜は・・・
-
祥子さんの書く文章って、どうしてこんなにも艶かしく美しいのだろう。
2014/03/26 21:24| URL | 和巳 [Edit] - 恐れ入ります
-
和巳様のブログの文章も素敵です♪
2014/06/28 14:18| URL | 加納 祥子 [Edit]
トラックバックURL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| BLOG TOP |