桔梗の寺へ
コンチキチン♪の鉦の音が響く季節微かな雨の気配をまとって訪れた桔梗のお寺
こっくりと色を変えた紫陽花が
わたくしを迎えてくれる
手水鉢にも桔梗と青紅葉
目にも涼やかなおもてなし
ゆれる水面に誘われる様に
座敷を行けばそこは一面桔梗の庭
ほうっ・・・と漏らした息の先に
細かな雨が降り始める
お願いしたお抹茶の香りまで
桔梗の紫に染まってしまいそう
「お待たせしました」
やわらかな彼の声がする
宵山の浴衣姿とは一線を画す麻のジャケット姿
「お仕事は？」
「済ませてきました」
長身を折り畳むようにわたくしの右隣に正座する
「間に合いましたね」
「ええ」
桔梗の花の見頃のことかしら
落ち始めた雨のことかしら
それとも・・・
ここから彼を待たずにわたくしがいなくなる
と思っているのかしら
「車をまわしてきます。
これをさして門前で待っていてください」
差し出されたのは桔梗色の和傘
漆塗りの持ち手がひときわ艶やかに見えるのは
降り始めた雨のせい？それとも・・・
誠実で従順で変わらない年下の彼が
目の前で助手席のドアを開けた
- おつかれさま
-
お忙しい中、やっとの夏休みでしょうか。
ありふれた桔梗も、祥子さんの手にかかると素晴らしい、舞台装置になりますね。
暑さが厳しい中、お体ご自愛ください。
私ごとですが、新しい物語を始めました。一区切りがついてアップするるまで、とりあえずプロローグだけですが。
2014/08/17 13:36｜ URL | masterblue [Edit] - こんばんは
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祥子さま、
また寄らせていただきました(^^)
桔梗の蕾、可愛らしくて大好きです。
年下の素敵な彼と、
やわらかく、濃く、満たされた時間をお過ごしになるのですね。
2014/08/18 00:25｜ URL | りん [Edit] - masterblue様
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夏休みとも言えない束の間の時間を頂きました。
ほんの僅かな時間だからこそ、宝物のようなひとときを過ごせたように思えます。
お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。
新しいmasterblue 様の物語にお邪魔致しました。
新なストーリー展開楽しみにしております。
2014/08/19 22:12｜ URL | 加納 祥子 [Edit] - りん様
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お返事が遅くなり申し訳ございません。
誰かを待つ時間は格別なものです。
それもこんな限られた場所ならばなおさら。
待っている間に、桔梗の一輪になって、彼が見つけてくれるかどうかを試したくなった気持ち、りん様ならわかっていただけますでしょうか？
2014/08/19 22:18｜ URL | 加納 祥子 [Edit] - 一人称
-
こんばんは。
また修羅場っているのでしょうね。
一人称で書くというのは難しいですね。
祥子さんの、種々の物語に頭が下がります。
主人公の祥子さんに全くぶれがないですから。
どうやら愛のあるSMになりそうですが、ちょっと自信がありません。物語の中のmasterblueをおおらかな気持ちで見守ってください。
2014/08/20 21:21｜ URL | masterblue [Edit] - masterblue様
-
相変わらずな日々です(泣)
わたくしの物語は、そう言われてみればほぼ一人称です。
よく考えると独特な語り方なのでしょうね。
一人の人間が知覚しえないことは語れない・・・
という縛りの中でお話をつくることが
このスタイルの楽しさなのだと思っております。
精力的な創作活動にはいつも羨望を覚えております。
楽しみにしております。
お体に気をつけてがんばってくださいませ。
2014/08/21 10:59｜ URL | 加納 祥子 [Edit]
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