第九 合唱付き 4
男性はわたくしの様子を黙ってみつめ、そのままサイドテーブルの引き出しに手を伸ばしたのです。ジャ・・ラッ・・ その手には鎖のリードのついた首輪がありました。
「や・・・」
一瞬・・・なにが起きたのかわからないわたくしをベッドに押し倒し、男性の身体で押さえ込むとまとわりつく髪ごとその首輪を付けたのです。
「いやぁ・・許して」
首を締め付ける革の堅い感触・・・。
犬のように付けられた鎖のリード・・・。
「聞かない。選んだのは祥子だ」
リードの端をベッドの脚に留め付けると、ベルベットのプリーツスカートの中の脚を乱暴に掴みます。
「しないでっ・・」
男性の180cmを超える体躯でわたくしを身動きできなくさせ、両手をまとめる様に持つと頭の上に押さえつけられました。
「うっ・・くっ・・ん・・」
左手でわたくしの手を押さえ、両脚の間に割り込ませた身体の間を右手で嬲りながら・・・唇までもを奪うのです。
「こんなに濡らして。乱暴に犯されたかったのか!祥子」
くちゅ・・くちゃ・・指の動きに合わせて、はしたない水音が響きます。
「いやっ・・しないで」
ジャラ・・淫らな指の動きから逃れようと身を捩る度に鎖の音が響きます。
「赤い犬の首輪が良く似合うぞ、祥子」
Tバックの細いクロッチをくいこませ、花びらを弄っていた指先をわたくしの目の前でねぶり・・・その手をそのままスパンコールをちりばめたカットソーの裾に・・・そして一気に首元まで捲り上げるのです。
「い・・やっ・・やめて!!」
「うるさいぞ! 祥子」
カ・チャ・リ・ 男性はもう一度サイドテーブルの引き出しに右手を伸ばすと、鈍く光る銀の手錠を取り出したのです。
わたくしの上体を首輪の鎖が許すだけ引き起こし・・・カットソーを脱がせ・・首輪のチェーンに絡めたままにすると、後ろ手に手錠を掛けて再び押し倒したのです。
「いた・・い・・」
身体の下敷きになった手首に冷たい金属の感触が強く押し付けられました。
「白い肌を透かすターコイズのレース。破ってやりたくなる」
両肩から乱暴にストラップを引き下ろすと、左の乳房を握りつぶすように指を食い込ませ・・右の乳首に歯を立てるのです。
「・ひぃぃ・・やぁぁ・・・」
快感と痛みが同時に襲います。
先ほどまでの穏やかさが嘘のような男性の豹変に、わたくしは身を震わせておりました。
「その悲鳴すら媚薬だな。フェロモンの薫りも一層濃い、ふふ 舌先でまた乳首が大きくなったぞ、祥子」
今度は左の先端を舌で執拗に嬲るのです。
「ゆるし・・て・・あ・あぁぁぁ」
身を捩ることさえ、身体の下敷きになった自らの手首を責める動きになってしまうのです。
「いいか! 祥子」
「あっ・う・っくぅはぁぁ・・」
Tバックを身に付けたまま・・・口戯もしないままで、かりの張った大きな昂りを押し入れたのです。一瞬の、みしっ・・というきしみのあと・・・溢れ出る愛液が、わたくしの花びらの最奥まで一気に男性を受け入れさせてしまったのです。
「うっ 僕のものをいっきに全部飲み込んだぞ。なんて淫乱な身体なんだ、祥子! どうだ!!」
男性が腰を引けば、わたくしの中がこそぎ出され・・・白く濁る愛液までもが汲み出され、奥につき入れられれば支えるもののない身体を、どんどんと追い込んでゆくのです。
「はぁ・・ん・・あぁぁぁ・・ぃ・・ぃぃ」
ぐちゅ・くちょ・・ それだけで赤面してしまいそうな淫液の音が、いつのまに流れている第九の合唱に重なります。
左手は何度も柔らかな白い乳房をこね回し・・握りつぶそうとするのです。白い肌に男性の指が埋まり、短く切った爪の痕が幾重にもわたくしの肌を赤く染めてゆきます。
「犯されて 感じるのか ここか!!祥子」
わたくしの胎内の上壁を擦る様に抜き・・・突き入れるときは、花びらの上で濡れて振るえる真珠をその根元でくじるのです。
「あぁぁ・・やぁ・・・いくぅぅ」
ジャラ・ジャラ・・ 首輪の鎖を揺らすほどの・・休むことのない強烈な抽送が、わたくしを一気に頂点に追いやるのです。
「いけ!!祥子 いくんだ!」
「あっ・・いっくぅぅぅ・・・ぁぁあぁぁぁ」
わたくしは一人きり・・・真っ白く霞む官能に蕩けて行ったのです。
くちゅ・・・男性が昂りを引き抜きました。
「まだ 私は満足していないからな」
絶頂に蜜壷を引くつかせているわたくしを俯せにすると・・犬の姿勢を取らせるのです。 ただ、後ろ手に手錠をしたままなので腰だけを高くあげる・・・恥ずかしい場所がすべて男性の視線に晒される・・淫らな姿勢にされてしまったのです。
「腰を高く上げろ! 連絡をしてこなかった罰だ!!」
パシ・・食い込まされたTバックで露になっている右のヒップに男性の手が飛びます。
「ひっ・・ゆるして・・」
痛みがわたくしの意志を幽かに呼び覚ますのです。悦楽の余韻に力の入らない膝をようやく立てて・・・男性の声に応えました。
「そうだ!祥子は犯されて逝く淫乱な牝犬なんだ!!」
そして後から、昂ったままの塊が改めて突き入れられたのです。 拭われることすら無かった蜜が外気で冷え・・・わたくしの花びらのはしたない淫熱を思い知らせます。
「やぁ・・あっくんぁぁぁ」
ベッドに半ば押し付けられた唇から漏れる喘ぎは、男性を一段と煽ってしまったようです。
「こんなに締め付けて! うぅ・・・また なんて身体だ!」
後からの責めに敏感なわたくしの身体は・・・ベッドに押し付けられる乳首の疼きを相まって・・耐えられないほどの快感を胎内の柔肉の蠢きに変えていったのです。
「ゆるして・・だ・め・・また・・いっちゃう」
第九は次第にクライマックスへの合唱の声を高めてゆきます。
「欲しいか!!祥子 言うんだ!!ご主人様にお願いしろ!!」
「あぁぁ・・・だめぇぇ・・・」
「どうした! こんなになってもまだ言えないのか!」
「ゆるして・・ぇ・・こわ・・れちゃ・・ぅぅ・・」
「言え! 祥子の口からきちんと聞くまで このまま責めつづけるぞ!」
「はぁぁ・・ぁん・・やぁぁ・・・」
「はしたなく強請ってみせろ! 祥子!! こうか!ここか!!」
「あっ・・もう・・だめ・ぇぇ・・おねが・ぁぃぃ・で・すぅぅ・・しょうこで・・いって・・くださぁぁぁい」
「最後まできちんと言うんだ!」
「あぁあぁぁぁ・・ごしゅじん・・さまぁぁぁ」
「いくぞ!祥子」
どくっ・・どく・・どくっ・・白い腰に両手の指を食い込ませながら・・・男性はわたくしの中で逝ってくださったのです。
祥子からの手紙-9
第九の夜から二日間。
わたくしは赤い首輪とターコイズブルーのランジェリーにパンプスという姿で・・・あのレジデンスで過ごしました。
「こんなに乱暴にするつもりじゃなかった」
あのあと手首の手錠を取り・・・一緒に入浴をしながら高梨様はそうおっしゃいました。
そしてこれからも時折逢えないか・・・とも
わたくしの白い肌に映える赤い首輪は高梨様のお気に召したようです。
でもそれは首輪だけのこと。
レイプのような激しく荒々しい行為を求められる事はもうありませんでした。
その後は優しく・愛おしげに・・・あの方の声による言葉責めに羞恥心を酷く嬲られ続けた交わりを重ねました。
帰り際にもう一度尋ねられたのです。
また逢えないか・・と。
運命があるのならお逢い出来るでしょう、わたくしはそうお答えしました。
君のために首輪はとって置くからね、と仰る高梨様とお別れしたのは今朝のことでした。
いま、わたくしの手元には『今夜21:00お迎えに上がります』というセルシオの男性からのカードがありました。
あの運転手を迎えによこすと・・・
新年を・・・わたくしはあの方達と過ごすことになってしまうのでしょうか。
首筋にまだ首輪の痕が微かとはいえ残っているままなのに。
運転手がくるまであと5時間。
つかの間のひとりの時間を・・・・過ごさせてくださいませ。
みなさま どうか良いお年をお迎えください。
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2006/03/08 09:39| | [Edit] - 管理人のみ閲覧できます
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2006/03/08 10:38| | [Edit] - まともなところで
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祥子さん、おはようございます。
昨夜一気に「第九・合唱つき」を読ませて頂きました。
そして、コメントをと思ってご訪問したら・・・模様替えをされたのですね。びっくりしました。
第九をどのように使われているのかと、楽しみにして読み始めました。が、単にphotographerさんとの出会いの場面。ちょっとがっかりしながら読み進めました。
しかし、さすが祥子さんですね。あっと思わせる伏線でした。
最後の祥子さんのクライマックス・・・それと合唱の最後の部分がシンクロしているなんて。改めて楽譜を引っ張り出してみました。
確かに、ソリストが華麗な四重奏を歌い終わり、徐々に早くなる短い間奏の後、prestissimoでフォルテの合唱が爆発して歓喜を歌い上げる部分は、完全に祥子さんのクライマックスにシンクロします。
そして、ちょっと合唱がゆったりして終わった後、オーけストラがフォルティッシモでコーダを歌い上げ終わる・・・祥子さんとの素晴らしい合唱でした。
余談ですが、第九裏話。
第一楽章からフルで演奏される場合、コーラスメンバーは、合唱の始まるまで居眠りをしないように必死です。客席からは、よく見えるそうです。舟をこいだら、一発でばればれです。
このストーリーのように、第三楽章でコーラスが入れればいいのですが、指揮者によっては、途中切れるのを嫌い第三楽章の前は、ソリストだけの入場でとどめ、合唱団は最初からという方も多いのです。
また長くなりました。申し訳ありません。
次回からはリアルタイムで、コメントできますね。SとMの関係などについて思っていることも、お許しいただけたら書き込みたいと思います。いかがでしょうか。
「初雪」、楽しみにお待ちしております。
2006/03/08 11:15| URL | masterblue [Edit] - NoTitle
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masterblue様
お待ちかねの「第九 合唱付き」でした。
歓んでいただけてとてもうれしいです。
学校の音楽の授業ではクライマックスしか聞かなかったりしますから
フルコーラスだと眠くなってしまう(笑)そんな所は
きちんとコンサートホールでお聴きになった方か
出演された方しかお判りいただけないかもしれませんね。
このお話はそんな・・・フルコーラスをご存知の方のためのご褒美です(なんて♪)。
次作からはわたくしの普段の執筆スピードになりますので
あまり長篇でのアップはできなくなってしまいます。
(いままでが、お引っ越しモードでイレギュラーでしたので)
どうぞご容赦くださいませ。
それに、masterblue様のコメントも大歓迎です。
いろいろなお話を聞かせてくださいませ。
これからもよろしくお願い申し上げます。
2006/03/08 12:59| URL | 祥子 [Edit]
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