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初雪 5

ジャグジーを出て、用意されていた髪飾りを手にしました。
かんざし型の髪飾りは、いつも背に垂らしているわたくしのストレートのロングヘアをまとめるように・・・という意味なのでしょう。
濡れた髪をそのままにタイトなアップに結い上げました。漆黒の髪の中に、白銀の輝きとダイヤのきらめきはさぞ引き立っていたにちがいありません。
ランジェリーをつけドレスを纏ったとこで、言われていた時間まであと5分になってしまいました。
シルクオーガンジーを重ねたミドル丈のドレスは、上半身に繊細なビーズ刺繍を施された黒のシックなものでした。前身頃を首に掛けるようなデザインになっていて脇から背中が全く開いていたのです。 
それでも肩甲骨の真下ほどを横切るラインまでは後身頃がありましたから・・・わたくしのバストのボリュームを支える役目は果たしておりました。
ベルベットのリボンを首筋に巻き後をリボンに結んで、脚元に用意してあった7センチヒールのパンプスに脚を通しました。
最後に、露になった背中と肩を覆う様に用意されていたドレスと同じビーズ刺繍を施したベルベットの大判のストールを掛けて、わたくしはドアを開けたのです。

bldress2.jpg

「これは見事ですね」 
山崎さんがさっと近づき、ソファーまでエスコートしてくださいます。
わたくしには賞賛の声すらも・・・軽い辱めにしか受け取れませんでした。
なぜなら、用意されたランジェリーの中には・・・Gカップのバストを支えるブラジャーがなかったからです。 
ベアトップ・・という背中の開いたデザイン・・なのでブラジャーを着けることはたしかにできないのです。
でも、わたくしの身体のことはご存知のはずなのです。なのにあえてこのデザインを選ばれたなんて、どれほど豪奢な衣装であっても、はしたなく羞恥を煽るために整えられたとしか思えませんでした。
男性の手のひらにさえにあまる白い乳房、は一足ごとに光るビーズに覆われたシルクの中でたゆん・・・と揺れるのです。
そしてドレスとして誂えられた前身頃は、わたくしの脇の乳房のラインをほんのわずかではありますが曝けださせていたのです。
「綺麗ですよ。祥子さん」 
紳士として優しく腕を組んで歩く山崎さんには、わたくしのはしたない乳房の揺れがそのまま感じられていたはずなのです。そして空々しくそんな言葉を囁くのです。
「美貴のセンスもなかなかだな。本当に似合ってますよ」 
豪快な感じの石塚さんが、見直したぞというように美貴さんの肩を叩いています。
「やっぱりあの時思った通りだ。祥子さんは着物もいいがドレスが似合う。その白いミルク色の肌と黒のシルク、このドレスを見た時どうしてもあなたに着てもらいたかったんですよ」
山崎さんからわたくしを受け取ると、やはり・・・とても紳士的にエスコートのための腕を当然のように差し出すのです。
別のドレスがあればそれに着替えさせて・・・とお願いするつもりでした。でもその言葉さえ今夜の彼らには新たな責めの要因にしかならないと、諦めたのです。
バーのカウンターから連れてこられたこの部屋のベッドルームで、身体の全てでこの3人を受け入れてしまったあの時に・・・今宵のことは決められていたようでした。
 
「お食事はこちらでではないのですか?」 
この方達のことです。エクゼクティブスイートのダイニングにルームサービスでのお食事なのだと思ったのです。
「せっかくですから、レストランを予約したのですよ。こんな素敵な祥子さんを見せびらかすチャンスを逃すなんてもったいない」 
美貴さんがドアに向かってわたくしをエスコートしてゆきます。
「そんな・・・」 
この姿をこの方達以外の人に晒さなくてはならないの・・・
「この部屋よりも下の階ですから少し眺めが悪いのですが、窓際の席をリザーブしてあります。都内の夜景を楽しみながらゆっくり食事をしましょう」 
山崎さんが振り返るように仰るのです。そして石塚さんも・・・
「今夜は東京タワーが0時にもう一度ライトアップするらしい。それを見ながら乾杯しましょう」 
ヒールを履くと170センチを優に超えてしまうわたくしを、大柄なこの方達は守る様に囲んで歩いてくださるのです。
「いってらっしゃいませ」 
ドアを開けて運転手が控えておりました。
「あぁ 食事に行ってくるよ。よろしくたのむ」 
主の言葉に静かに会釈を返し、見送ってくれました。でも望月さんは、とうとうわたくしとは一度も視線を合わせてはくれなかったのです。
 
「大丈夫ですよ。祥子さん」 
エレベーターホールでわたくしの横顔を見た美貴さんが微笑むのです。
「望月には僕たちがこれからいただくのと同じレストランから、ルームサービスが届くようになっています。さすがにこのメンバーで同じ席に着かせるわけにはいきませんからね」 
運転手がどうするのか気になっていたわたくしは、ほっといたしました。
「なんだい、祥子さんは望月くんがお気に入りなのか?」
石塚さんが意外そうにわたくしの表情を見ています。
「美貴が祥子さんを箱根で独り占めになんかするからさ」 
「しかたないじゃないか。あんな素直な大型犬のような眼をされたら可愛くもなるだろう。ね、祥子さん」 
箱根でのことを知らない訳でもない美貴さんが、その場を取りなす様に・・・でもわたくしの反応を試す様に相づちを求めます。
「望月さんも素敵ですわ」 
彼を好ましく思う気持に嘘はありません。とはいっても年若い彼とのことをどう扱ったらいいのか・・・決めかねてもいたのです。だからその場で一番当たり障りのない答えを口にしたのです。
「祥子さんは大人ですね」 
なにかを察したのでしょう。レストランフロアに着いたのをしおに山崎さんが話を切り上げてくださったのです。
 
美貴さんが軽く手を上げると、支配人がわたくし達を席まで案内してくれました。
細い通路を 身体の側面を晒しながら歩いてゆかねばならないのです。
一足ごとに揺れるバストの存在を、上半身のビーズが跳ね返す間接照明の繊細な灯りがあきらかに主張しているのを意識せずにはいられませんでした。
たふ・・たゆん・・・ Gカップの乳房の重みと質量がわたくしを裏切るのです。
白い肌と黒のシルクのコントラストが、それを際立たせているのもわかっていました。

この場を・・・わたくしはすっと背筋を伸ばして誇り高く通り過ぎることに決めました。
卑屈な態度も羞恥に染める頬も、ここには全くといって相応しくはなかったからです。
アルカイックな微笑みを唇に浮かべ、見たいなら好きなだけご覧なさい・・・そんな言葉さえ聞こえそうな態度で歩を進めました。
時折きらりと光る胸元のペンダントトップと髪飾りが、無言でわたくしたちの存在を主張していたのでしょう。
フロアを横切り・・・いくつもの席のお客様たちから・・・なにげな視線を投げかけられながら一番奥の窓際に案内されたのです。
その席は、窓に向かってゆったりと半円を描くテーブルが用意されていました。
他のフロアからは通路を隔てて一段低く、視線を遮るような設計になっています。
「ありがとう」 
椅子を引いてくださった支配人に御礼を言い、肩に掛けたストールをするっと落として・・・支配人に差し出したのです。
目の前に突然表れた白い背中に、ハッとした支配人の手がほんの一瞬遅れました。
「お預かりいたします」 
それでもプロの威厳を保ちながら、わたくしの手からストールを受け取ると腕にかけ椅子を押してくださったのです。 コメント
人気投票♪
こちらに登場する男性の方達の人気投票をはじめてみました。
投票終了後、閑話休題で結果と合わせてそれぞれの男性のプロフィールのご紹介をしたいと思っております。
どうか、お気に入りの男性に投票を♪ よろしければ一言コメントもお願いいたします。

2006/03/13 14:47| URL | 祥子  [Edit]
NoTitle
こんばんは。
気候が不安定ですが、体調いかがですか。

初雪 5・・・素晴らしいドレスですね。
背が大きくえぐれたドレス、大好きです。というより、すっきりとはしていても、女性として魅力的に脂を皮膚の下に蓄えた白い背中が好きです。祥子さんの背中に、そんな好みを重ね合わせています。

大好きな、「たゆん」。女性が着る物に詳しくないので心配していますが、ブラジャー無しで「たゆん」とゆれて、乳首は刺激を受けないものなのでしょうか。

人気投票しました。最終結果楽しみです。

2006/03/13 20:03| URL | masterblue  [Edit]
祥子様
今日は雪がちらついておりました。

とても・・・素敵なお召し物。
祥子様はとてもお似合いです。下着をまとわぬその大きなお胸・・・・。

後ろから手を伸ばして、脇をすりぬけそのお胸に触れてみたいものです。
そしてその乳首にキスを・・・・。

私も投票させていただきました。
祥子様にも1票投票させて頂きたいものです。



2006/03/13 21:48| URL | 桜草  [Edit]
春の雪
触れる間もなくすぅっと消えて行く雪・・・三島由紀夫氏の小説を思い出してしまいました。

masterblue様
投票ありがとうございました♪
身につけている衣装を言葉で綴ることはある種の楽しみがあるのですが、それをイラストにするのもとても楽しいものです。
喜んでいただけて・・・とてもうれしいです。
たゆん・・・と揺れるお胸は・・・masterblue様が想像なさっている通りですわ。

桜草様
さっそくの投票ありがとうございます。
桜草様まで・・・
この衣装はこれではまるで脱がされるために装うようですわね。
レストランの中の何人が桜草様のように思われたのでしょうか。


昨晩「蝉時雨の庭」に3点のイラストをアップいたしました。
「オペラピンクのランジェリー」「ムーンナイト・アフェア」に続き大人の絵本としてお楽しみいただけると思います。
以前にご覧になった方も・・・どうぞお越しになってみてくださいませ。

2006/03/14 08:14| URL | 祥子  [Edit]
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