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初雪 11

「こんなに破れていては身に付けていてもしかたありませんでしょう。ストッキングを脱がして差し上げますよ、祥子様」 
山崎さんがわたくしの両足首を抑えると・・・シェフの指がガーターベルトの留め具を右の脇から一つづつ外してゆくのです。
「おねがい・・やめて・・このままで部屋に戻ります。許して」 
先ほどの <だめ> が招いた・・・より淫らな責めを逃れたくて、今日はじめてお逢いしたシェフに哀願を重ねたのです。
「さぁ反対側です。脚の向きを変えてください」 
このままでは外すことのできない左脚の留め具を見せろと迫るのです。
「やぁ・・ゆるして」
「この姿で僕たちと望月の待つ部屋に戻るんですか?誰がくるかわからないホテルの廊下とエレベーターの中を、破れたストッキングと・・・ドレスの前を落として乳房を露にしたままで・・・ですか、祥子さん」
「それもいいですね。こんな格式の高いホテルで露出ですか。どこで誰に見られるかわかりませんが、ふふ そそられますね」
「ちがうわ・・・帰る・・の・・」
「あんなに美味しいお料理を作ってくれたシェフに選んでもらいましょう。ホテル内で露出しながら祥子さんを嬲っていただくか、ここでシェフが望むようにするか」 
石塚さんがグラスを手に、わたくしが抗えない・・・そんな選択を口にします。
「そうですね。私がそのようなことをしているのを社内で知られる訳にはいきませんから、 残念ですがこの場で祥子様に私の希望を叶えていただければそのほうがうれしいですね」
そしてわたくしの脚を、指先で触れるか触れないかの微妙なタッチで撫で下ろすのです。
「ぁ・・ぁあ・・」
「祥子様 脚の向きを変えてください」 
わたくしは脚を反対側に倒すしかなかったのです。
最後の留め具を外すと・・・左、次いで右の足首を引き・・・無惨に伝線したストッキングをすーっと引き下ろしていったのです。
ウエストに巻き付いたガーターベルトの先が・・・わたくしの腰でゆらっと・・揺れました。

「ナフキンでは祥子様の白い肌が傷ついてしまいそうですね。取って差し上げましょう」 
シェフと石塚さんが左右の手首のナフキンを解いてくださいました。
でもそのまま自由にしてはいただけなかったのです。
伝線したストッキングで・・・わたくしの手を頭上でひとまとめにして・・・そのまま括ってしまったのです。
テーブルから起こされた上半身は、真っ暗な夜景を浮かべる窓を背景に浮かび上がっていました。 
たふん・・白い乳房が揺れ・・胸元を覆っていたビーズに彩られたシルクがはらりと・・・淫らな姿を浮かびあがらせてしまうのです。
ダイヤとプラチナのかんざしでシンプルに結い上げてある髪は・・・さきほどの責めでいく筋かほつれ・・・首筋から胸元にまで後れ毛が落ちかかっていたのです。

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「あぁ なんて姿なんですか」 
「おねがい・です・・見ないで・・・」 
黒のシルクのストッキングでくくられた手首を胸元に引き寄せて・・・最後の被いさえ取り去られた白い乳房を・・・隠したのです。
「美貴様 どこまで許されるのですか?」 
シェフの視線はわたくしからほんの僅かも外されることはありませんでした。
声だけでこのレストランの予約をした美貴さんに、わたくしをどこまで楽しめるのかと聞くのです。
「そうですね。祥子さんがシェフに心を赦しているなら・・・ほとんど全てのことを許してくれるでしょう。そういう方なんです」 
美貴さんの脳裏には箱根の一夜がくっきりと思い浮かべられていたのでしょう。
「皆様方は・・・今夜は?」 
こんな装いをさせた女性を一人だけ連れた3人の紳士。今夜これから3人で・・・と考えたのは当然のことだったのでしょう。
シェフはお客様であるこの3人を不快にさせてはいけないと・・・欲望を滾らせながらもプロの意識で問いかけたのです。
「僕たちはこれから3日間を一緒に過ごす予定なんです」
「こちらのホテルでですか?」 
「いえ、明日には僕の別荘へお連れするんです」
石塚さんが答えます。
「そうなのですか」 
残念そうな声。それとともに瞳にこもる欲情は強まっているようでした。
「それで今夜はわたくしが味合わせていただいてもよろしいのでしょうか?」 
視線をわたくしから外す事なく3人に問いかけました。
「ええ」 「どうぞ」 「美味しい食事の御礼です」 
三人は共に昂りを示しながら、同時にYESの返事を返したのです。

初雪 12

「いや・・・赦して・・おねがいです。シェフ・・だめ・・」 
縛り上げられた手で押し戻す様に抵抗するわたくしをシェフは無言で抱きしめると、先ほどまで彼のお料理を味わっていた唇を・・・奪いました。
「ん・・ぁふ・・ だ・・めぇ・・」 
がっしりとした腕に抱きしめられて・・・キスを・・文字通りのフレンチ・キスを繰り返すのです。
大柄なシェフの腕の中では、わたくしの抗いなどなんの妨害にもなりはしないのです
チッ・・チチチ・・・ 背中のファスナーがシェフの手で引き下ろされてしまいました。
これで黒のシルクのドレスをウエストに留めるすべはなくなってしまったのです。
「おねが・い・・くふん・・やめて・・んん・・ん・あぁ・・・ゆるして」 
唇から黒髪がほつれかかる胸元へ・・・シェフのキスが下りてゆくのです。
「このままだと祥子様のジュースでドレスを汚してしまいそうですね。さぁ、こちらへ」 ベルベットのチョーカーから下がったペンダントの真下まで唇を這わせたところで、顔を上げました。
「どうしました?急に」 
わたくしの居るテーブルを遠巻きに椅子を運び、それぞれにグラスを手に3人の男性は寛いでいました。。
このまま・・・この舞台でわたくしがシェフのものになると思っていたのでしょう
「いえ 祥子様の薫りが強くなられたので、随分溢れさせてらっしゃるのだと思いまして」 
まるで彼の料理のできばえを語る様に・・・説明をするのです。
「やぁぁ・・・」 
わかっておりました シェフの口づけでわたくしの身体がはしたなく反応していることは。そして今夜のランジェリーではもう・・・その潤いを押しとどめられないことも。
 
「さすがにシェフですね。素材の変化には敏感だ。たしかに薫りが増しているようですね」 
美貴さんがブランデーを手に薫りを深く吸い込むような仕草をするのです。
「見事なドレスですから、ストッキングのようなわけにはまいりませんでしょう。またこのドレスを着た祥子様にもお逢いしたいものですし」 
わたくしを抱くと、テーブルの端へと抱き寄せるのです。
「さぁ テーブルから降りましょう。祥子様」 
わたくしは縮め・引き寄せていた脚を・・・素足のまま・・レストランの絨毯の上に下ろしました。
「さ、私に掴まってください」 
このまま立ったら・・・わたくしは自ら晒さなくてはならなくなる姿に目眩がしそうでした。
「さぁ 祥子様」 
肩に回された腕で、ぐい・・と立ち上がらされてしまったのです。
「いや・・・」 
ぱっさぁ・・・腰にまとわりついていたドレスは・・胸元に彩られたビーズの重みであっという間に脚元に落ちていったのです。
わたくしはとっさにストッキングで括られた手で胸を隠し・・・シェフの方へ身を捩りました。
 
「可愛いですね。祥子様」 
シェフはその大きな身体で、男性達からこの姿を隠す様に・・抱きしめる様に受け止めてくださいます。
「おねがい・・・シェフの仰る通りにいたします。でも・・ここでは・・いや・・・おねがいです」
「僕たちのことは楽しませてくれないんですか?祥子さん」
「ひどいな。この前は美貴が独り占め、今夜はシェフだけに独り占めさせるのかい?」
「それとも四人に同時に愛されたいのですか? 祥子さん」
「ちがいます・・・こんな場所で・・いや。おねがいです、シェフ。助けてください」
シェフのシャツの胸で、わたくしは哀願の言葉を繰り返したのです。
「私の言うことを聞いてくださるんですね。祥子様」 
シェフはわたくしの顔をあおのけると、瞳を見据えていいました。
「はい、仰るとおりに」 
やっと助けていただける・・・わたくしは微かな声で応えたのです。
 
「これが私の望みです」 
シェフは手首を縛ったストッキングをわたくしの頭上に引き上げると・・・ガーターベルトとTバック・・それにベルベットのチョーカーだけを身に付けたわたくしの姿を、椅子に寛ぐ3人に晒したのです。
「いやぁぁぁ・・・」 
頭の上に回された手は胸を覆うどころか羞恥に慄くわたくしの表情を隠すこともできませんでした。
両脚を捩り合わせるようにぴったりと付け、長身のシェフの右手に鴨のようにつり下げられたわたくしの身体は・・・Gカップのバストを反らせるように・・・たわわな乳房を3人の目前に晒されてしまったのです。
 
吊るべきストッキングのないガーターベルトのストラップは、まるで腰の飾りのように男性達の指と唇で愛でられた太ももの前と横で揺れていたのです。
テーブルの上での陵辱に、わたくしのアップにした髪はしどけなく崩れていました。辛うじて、料理に添えられたピックのような高価なプラチナのかんざしのおかげでやわらかなフォルムを保っていたのです。
「ゆるして・・・おねがい・・・」 
生け贄のような・・・引き立てられた奴隷のような姿だったに違いありません。
「私の望みはこの夜景を見ながらあなたを犯すことなんですよ。この聖なる職場でね」
空いている大きな左手が、わたくしの乳房を鷲掴みにするのです。
「それも私一人きりで、この席をもっとも利用してくださるお客様の前でね」
美貴さんと眼を見交わし軽く頷き交わすのです。
「明日から私は、ここに来る度に祥子様のこの姿を思い出すのです。それがどんなに高貴なお客様の前でも、タブリエの下のこれをいつでもこんな風に猛らせながら接客するんです。祥子様のこの姿を思ってね。」 
わたくしのむき出しの腰に・・・スラックスごしの熱い塊が押しつけられたのです。

初雪 13

「美貴様、宜しいんですね」
「祥子さんの麗しい声と香りを僕たちも堪能させていただきますよ」 
3人の男性が鷹揚に頷いて乾杯の仕草でグラスをあげるのです。

「では」 
シェフはわたくしの身体を、テーブルとテーブルの間にある窓際へと連れて行きました。
わたくしを出窓のスペースに立たせ、手首を縛めたストッキングの端を・・・頑丈な真鍮のカーテンレールへと結びつけてしまったのです。
出窓には天井にスポットが仕掛けられておりました。
わたくしの身体は都心の宝石をちりばめたような夜景を背景に・・・ライトで白い肌をことさらに際立たせさせられたのです。

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「赦して・・・おねがい・・・」 
わたくしは陵辱するための舞台のようなその場所で・・・ライトに晒されながら今夜初めてお逢いしたシェフに犯されるのです。それも3人の男性に娼婦のように鑑賞されながら。
羞恥のあまり感情が高ぶってしまったのでしょうか。涙が頬を一筋つたってゆきました。
「聞けません。祥子様が私に思い通りにしていいとおっしゃったのですよ」
シェフはわたくしのウエストに手を回すと、ガーターベルトのスナップを外したのです。
「これはもう必要ありませんね」 
「あ・・・」 
Tバックのウエストから4本のストラップを丹念に引き出して・・・美貴さんに手渡します。
わたくしはまた一つ・・・身につけていたものを剥がれてしまったのです。

そして・・・その手はTバックのウエストにも容赦なく掛けられたのです。
「やめて・・・おねがい」
つぶやくようなわたくしの声にシェフの手が止まりました。
「まだ早いですね。このランジェリーには、もっとソースを和えたほうが良さそうです」
腕を吊られたことで引き上げられた乳房に指をくいこませ、躊躇うこと無くねぶりはじめたのです。
「はぁ・・あぁぁ・・だめ・ぇ・・」
空調の効いたホテルのレストランとはいえ、そこは窓際だったのです。
高層ビルのガラスごしに、ひしひしと冷気はわたくしの身体を覆っておりました。
男性たちの責めに火照っている身体の奥と対照的に、肌はひっそりと冷やされていたのです。
「あぁあ・・ぁん やっ・・はぁぁん」 
シェフの口唇の熱はまるで熱蝋をたらしたようにわたくしを責めるのです。
「太ももよりも柔らかく魅力的ですね それにこんなに白くて大きくて・・なのに感じやすい」 
ちゅぱ・・・一瞬強く・・身体をひくっと反応させてしまうほどに・・・なのに痕を一切残さない。そんな愛咬をシェフは・・・愛撫に身じろぎするたびにたふたふと揺れる・・・Gカップの白い肌に繰り返してゆくのです。
「祥子様の乳首は慎ましやかですね。こんなに大きな乳房なのに、敏感そうな姿をしている」
こんな風に口にしながら、わざと乳首を避け・・その分堅くしこる乳首を欲望に滾る視線でねめつけながら・・・吊り上げられた乳房の下辺やずっと晒されていた脇の膨らみまでも啄むのです。
「やぁ・・ん・・は・・ぁぁぁ・ん・・」
レストランに向かった時からいままで、言葉責めと敏感な性感帯を外した肌への刺激をつづけられていました。
「はぁぁ・・ん・・」
加えて適度なアルコールで感度を高められたわたくしの肌に、シェフの唇はじっくりと官能を炙るような愛撫を加え続けるのです。
「祥子様、いい香りです。感じてらっしゃるんですね」 
じわじわと与えられる快感は、必死に閉じ合わせた脚の奥で・・・わたくしに愛液を溢れさせてしまっていました。

「あぁぁ・・ん・・だぁ・・め・・」
その上3人の男性に視姦されていることさえ忘れてしまうほどに焦らされて・・・いけないと思いながらも・・シェフの舌による快感の芯への刺激を・・・はしたない身体は求めてしまうのです。
「ゆるし・・て・・・おかしく・・なりま・すぅぅ」
「これでどうですか」 
シェフの大きな手が両の乳房をぎゅうっと引き寄せ・・・二つの乳首を同時に・・かぷっ・・と噛んだのです。
「ああああっ・・・い・・ぃぃぃ」
甘噛みの衝撃と、ずっと焦らされた敏感な乳首の先端を舌先でねぶられる快感に、わたくしは・・・逝ってしまったのです。

初雪 14

ぎっ・・しぃっ・・・
達した瞬間に、わたくしの脚は身体を支え切ることが出来なくなってしまいました。体重を手首の一点で支えるシルクのストッキングが、頑丈なカーテンレールをもきしませるのです。
「ふふ 逝ってくださったのですね。祥子様」 
シェフは両手で落ちかかるわたくしの腰を支えて下さったのです。
「もう少ししっかり立ってください。そう」 
わたくしの前に跪くと、Tバックに包まれた腰を愛おしそうに抱きしめて・・・太ももの合わせ目の茂みに・・・顔を埋めるのです。
「なにを・・なさるのっ・・・だめ・・」 
腰を振り、彼の顔からそむけようとしても、がっしりとした腕に抱きとめられ動かすこともできないのです。
「いい・・香りだ。こんな香り・・・久しぶりです。最上のフェロモンですね」
シェフの鼻息が・・ため息が・・・濡れそぼった太ももの間を淫らに吹き抜けてゆくのです。
 
「美貴様、味合われますか?」 
わたくしの腰を抱きしめたままでシェフが後の3人に問いかけるのです。
3人は椅子に深く腰掛け・・・わたくしたちを鑑賞しながら密やかに交わしていた会話を止めました。
「欲しいですね、シェフが丹精されたソースを。僕たちにも楽しませてくれませんか」
すべすべとした手はバカラのグラスを愛でる様にゆっくりと回すのです。
「山崎が?珍しいじゃないか」 
先を越されたのを残念がったのは石塚さんでした。
「お待ちください」 
腰に回していたシェフの手はTバックのウエストにかけられ・・・ただ一枚わたくしを覆っていた小さな布を一気に引き下ろそうとしたのです。
「やめて・・ぇ・・」
太ももを捩り合わせて・・・最後のランジェリーが引き下ろされるのを必死で止めようとしました。
「祥子様、脚を開いてください」
「い・・や・・・」
「私の言うことを聞いてくださるのではないんですか?」
「やぁ・・・おねがい・・・しないで・・」
「それじゃ、このままの姿でここに両膝を曲げて腰を下ろし・・・お三方に祥子様の花びらをランジェリーごしに鑑賞していただきましょうか?」 
窓際の空調設備を覆い隠した、膝ほどの高さの木製の台を指さすのです。
「いやぁ・・・」 
窓際で・・・それがたとえ周囲のビルから見られる心配などないほどの高層であっても・・・Tバックと首のベルベットのチョーカーしか身につけない身体をこれ以上はしたなく晒すことなど出来ません。
ましてや、営業しているのと同じレストランの中でスポットライトを浴びて・・・もっとも恥ずかしいところを開く姿を、お客様に向かってしてみせろというのです。
「ランジェリーを差し出せないなら、M字開脚で祥子様の全てを美貴様たちにお見せしてください」
縛められた腕は高く上げられたままで・・・そんなこと・・できません。
「ゆるして・・・」 
わたくしは唇を噛むと、堅く閉じていた脚をほんの少しだけ・・開いたのです。
「最初から素直にそうしてくださればいいのです」 
くちゅ・・・ はしたない濡れ音をさせながらTバックを剥ぎ取られてしまったのです。

「山崎様、どうぞ」 
差し出された黒のランジェリーは・・・淫らな愛液に濡れそぼっていたのです。
「今夜のソースは一段と濃やかな香りですね。祥子さん」 
鼻先で燻らせるのです。
「お見事ですシェフ。でもこれはソースというよりも熟成されたチーズのようですね。」
「恐れ入ります」 
わたくしの乳房を嬲りながら・・・まるで今夜の一皿への賛辞に答えるようなひと言を返すのです。
「やぁぁぁ・・・」
「しばらくはこのデザートでお楽しみになってらしてください 私はもうしばらく祥子様を独り占めさせていただきます。」
わたくしの腰に触れた手を離さずに・・・シェフは舌なめずりをするようにわたくしを見上げたのです。

初雪 15

とうとう、首に巻かれたベルベットのチョーカーだけの姿にされてしまったのです。
両手首をストッキングで括られた姿のままでつり下げられ、窓枠からのスポットライトの下に白い肌を映し・・・愛液を含んだ秘めた茂みさえも・・・晒されておりました。
背を露にする盛装のドレス姿でも、寒さを感じないほどに空調が効いているホテルのメインダイニングなのです。窓際から忍び寄る冷気も、わたくしの身体の火照りを鎮めることはできなかったのです。
そして・・・その熱は空調だけが原因ではないと、わたくしにはわかっていたのです。
囚われ人のような姿で4人の男性に身体を視姦される羞恥と・・・熟した身体をシェフに嬲られているのに、敏感な快楽の芯だけは放置されたままだったからです。
埋み火のような疼きはわたくしの肌を火照らせ・・薄紅に染めるほどにはしたなく高まっていました。
 
先ほど運んで来た飲み物のワゴンから、シルバーのアイスペールを手にシェフは戻ってまいりました。
カラ・ン・・ すぐ側のテーブルにアイスペールを置きます。
涼やかな氷とシルバーの奏でる音。飲み物のサービスのためなのだと、わたくしは思い込んでいたのです。この身体に思い知らされるまでは・・・
 
「ひぃっ・・・」 
シェフの指が触れたと思った乳房の脇のラインに、氷の冷たさが走ったからです。
ぎし・・っ・・ 吊り下げられ辛うじて立っていたわたくしの身体は、反射的に捩れバランスを崩しました。
「やぁ・・っ・・・」 
今度は・・逃げ・・かばおうと倒した上半身のせいでたゆん・・と垂れた乳房の下側を氷が這うのです。
「やめ・・て・・はぅっ・・」 
反らせた胸元の敏感な左の乳首を、氷の冷たさが襲うのです。
「やぁぁぁ・・・」 
乱れた脚元にわずかに晒した内ももにまで・・・あっん・・冷たい・・・。
「祥子様、先ほど素直にわたくしの望みを叶えてくださらなかったお仕置きです。暴れてはなりません」 
背骨の窪みをつぅぅっ・・・と氷が這ってゆきます。
「あぅっ・・・」 
シェフの指先にあるのが氷だとわかっていても、あの氷点以下の冷たさは火照ったからだには慣れることなどできない・・・凶器でした。
「活きの良い車エビのようですね。その白い裸体がよく跳ねる」 
背をかばおうと反った身体の前で、たゆたう右の乳房が次の標的でした。
「やぁっ・・・」 
ぎしっ・・・ バランスを崩した身体を支えるためにシェフの脚で足元を固定されたわたくしは、上半身を淫らにひねり捩って・・・氷の責めから逃げるしかなかったのです。
氷の這った痕は、その冷たさは一瞬で燃えるような熱さに変わってゆきました。
脇を・・なめらかな白い腹を・・・乳輪の外側を・・・首筋を・・・
わたくしの身体は条件反射のように、幾度もいくども氷から逃れようと悶えつづけたのです。
 
「祥子様の肌はよほど熱を持っているのですね。もう5つめの氷が溶け切ってしまいましたよ」
「はぁぁ・・・」 
立て続けの鞭を受けたあとのようにわたくしは息を切らせてしまいました。 
もう・・・半分つま先立ちの・・・吊られた姿勢を続けることすら、きつくなっていたのです。
わたくしは傍らに立つシェフに、身体を半分預けるようにぐったりとしておりました。

「こんなに暴れるはしたない祥子さんを見たのははじめてですよ」 
美貴さんの声が聞こえます。
「祥子さんはね、堪えるのですよ。快感も悦楽も全て・・・ぎりぎりまで。彼女の声としなる身体は・・彼女の熟した身体が堪え切れなくなって、初めて溢れ出してくる甘露なんです」
「仰る通りです、美貴様。この方は素晴らしい。感度のよさも声も・・・蜜の香りも。ここまで皆様が執着されるのです、きっとお身体もよろしいのでしょう」
「はぁぅっ・・・だめ・・」 
力の抜けていた脚を割って、先ほどまで氷を持っていたシェフの冷たい指が・・・花びらと真珠の眠る草むらの奥へと入ってきたのです。
「やぁ・・ぅくっ・・」 
冷たい指先が熱く熟した蜜を掬い・・・花びらと真珠を撫でたのです。
引き出されたシェフの指は・・・あたたかく・・白く濁る愛液にまぶされていました。