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梅雨の明けるまで

待ち合わせは雨模様
わたしは晴れ女のはずなのに
彼って実は最強の雨男?
それとも梅雨空の嫉妬かしら

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雨の昼間はきらい
ううん 本当に嫌いなのではなくて
傘の大きさの分だけ彼と離れていなくてはいけないから
昼の明るさの中、一つの傘に二人で居る訳にはいかないから


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ほんの少しの雨の止み間
狭い庭園の回遊路を歩きながら
ふと触れた指先がうれしさと愛しさにほんのり染まるのを感じて
眼を見交わすのがこんなにうれしいなんて
はじめて知った気がする

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Strange Flower
Strenge Lady
「それって褒め言葉?」と聞いたわたしに
「あたりまえだろ」と笑ったのは彼だった
「これだって紫陽花だろう」
指差す先にある花は蔦のように壁に絡まる白の一弁の額紫陽花

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「これも紫陽花なのね」
「たしかにこれは奇妙な花だね」
わたしたちが花のように愛でている額の部分が一切ない
ほんとうの花だけの紫陽花
小さなゴルフボールほどの花房は
開くほどにその結束を崩してはかなくなってしまう
「なんだか切ない花だな」
つぶやく彼の声の方が切なく思えたのはわたしだけなのかしら

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「同じに小さくてもこの方がかわいいわね」
大きさは卓球のボールほど
御殿手鞠のように精緻に作られた和紫陽花
葉も樹形も木というよりも草のようで・・・
「じっくり見ないとこんなに凝った花とは気づかないかもな」
「ね 甘茶からの変種なんでしょうけれど」
「深いなぁ 紫陽花も
 しげしげとこんなにじっくりと紫陽花を見たことなんてないな」
そういう彼の瞳が先ほどより和んでいるように見えるのを
嬉しいと思うのはわたしだけなのかしら

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くすんだ葉色、はかない茎
その先に広がる花は西洋種の額紫陽花と同じ造りなのに
青の花も、紅をのせた花も
なぜか悲しいほどにあえかな景色をつくりだす

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「お茶席に生けることもあるんですよ。和紫陽花は」
「たしかにこの風情なら涼しげな感じがいいかもしれない」
「水揚げが難しいせいもあってあまり見かけませんけどね」
「普通は知らないよな。こんな紫陽花があること自体。」
和紫陽花の庭と名付けられた庭園で
大きな身体をかがめながらひとつひとつの花に見入る
彼の横顔に見入っていられるのがわたしだけならいいのに

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「うちの店で飾る事があってもやっぱり西洋紫陽花だな」
「あなたのところならそちらのほうが似合うでしょう。雰囲気も華やかさも」
「でもこんなのはまだ見た事がないな。」
彼が指差したのは、額の縁が紅色に染まった西洋紫陽花
「これから人気のでる新種らしいわ」
「たしかにこれは女性受けしそうだな」
「メヌエットっていう薔薇がこれと同じような色づかいなのよ」
「花屋に行くのはなんとなく気恥ずかしいが、行っておかないとだめだな」
「あら、誰かにプレゼント?」
「いや、祥子の話についていけなくなる」

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「こうして植物園に一緒に来れただけでもうれしいのに。無理しないで」
「今度は花屋に付き合ってもらうかな」
「ふふふ お望みならお付き合いしますけど。
せっかくだからお花もプレゼントしてくださいな」
「あっ 一本とられたな」
ははははは・・・ 
庭園の東屋に駆け込んだわたしたちの笑い声を
かき消すような強い雨がまた空から落ちてきました

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ひっそりと作られた東屋の周りに植栽されているのは新種ばかり
複数の色がまざりあう額に白い縁が油絵のような花もはじめて見るもの
「こうして見ると、最初に見たあのシンプルな花が一番良く思えるな」
「もう。たしかにそうですけどね」
「でも誘ってもらって良かったよ。
 紫陽花だけでこんなに楽しめるとは思わなかった」
「梅雨時期もいいものでしょう。」
「あぁ捨てたもんじゃないな。」
傘を広げかけたわたしの手を止めて腕を組んでくれた
彼の手のぬくもりを恋しいと思えるのは
いま・・・ただ わたしだけ


朝の眩しさ

ちりりり・・・ん・・
江戸風鈴のガラスの澄んだ音が響く朝
カーテンから差し込む陽射しはひどく強い

「まだ・・・こんな時間 でも起きなきゃ」
時計は5時20分を差している
いつもならもう一度シルクのタオルケットに包まってしまう時間
でも今朝はちょっと特別
朝顔市の最終日だったから

ゆうべは眠れなかった
熱帯夜のせいだけではないと思う
忙しすぎる仕事、なかなか逢えなくなった彼
考えてもしかたのないことが頭の中でステップを踏みいつまでも立ち去らなかった

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例年よりも10日遅れで始まった朝顔市は最終日ということもありもう活気に満ちていた
鴬谷の駅からホテル街をかすめるように少し歩くだけで、すぐに威勢の良いかけ声が聞こえる
「五色だよ!五色!ブルーに紫にピンクに白!それに団十郎!」
「ブルーマリン!宿根朝顔だよ!来年も再来年もこの鉢のままで咲くよ!」
「桔梗咲き!上品だろ!こんなに大きな行灯づくりはウチだけだよ!」
「日本の伝統工芸の竹づくりの支柱だよ!朝顔にプラスチックはないだろ!」
祭り半纏にはちまきのご主人は、もうエビスビールの缶を手にしてる
髪を結い上げたお嬢さんたちの足許の足袋も眩しい

言問通りの一方にひな壇の花台を設置した狭い通りは、朝の7時というのに人の声と人いきれに満ちていた
ここに来たかった理由のひとつはこの狂躁だった
自分の心の迷路に入り込まずに済む・・・何も考えたくなくなる狂躁に包まれたかったのだ
狂躁に包まれてまで迷路から抜け出せないなら、それはもう<終える>潮時を迎えている
それを確認したかったから

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もうひとつの目的は<朝顔の写真>だった
ずっと仕事でしか使っていなかったデジカメ
今年はこのカメラで綺麗なものだけを撮ろうと決めていた
春の桜からいくつもの花を撮り、夏になって最初に撮りたくなったのが朝顔だった
ところが他の花と違って近くの庭園や植物園で見せているという情報は見つけられなかった
朝顔のきれいな早朝から開園する植物園などなかったから

都内 朝顔 写真・・・とGoogleで検索してヒットしたのがこの朝顔市だったのだ

ボディバッグから出した一眼レフをONにして立ち並ぶ店を覗く
客引きをしようとする売り子さん
常連の店が決まっていてしきりと花を吟味するお客さん
車で来ているのだろうか 両手に5鉢も下げたまま新たな花を探すご夫婦
朝顔を買うでもないわたしが花の並ぶ棚に近づくのは至難の技だった

もうひとつシャッターを押す事を躊躇させたのは、店頭に並ぶ花の無惨さだった
まずまともな姿で咲いている花は少なかった
行灯仕立ての鉢は数多くのつぼみをつけ、勢いの良いつるが支柱をとりまいてはいたけれど・・・

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「この先の2つめの角を右にまがって少し歩いた右手のお寺に行ってみてはいかがですか?」
鬼子母神の境内に飾られた朝顔の鉢の前でカメラを手にしていたわたしに話しかけて来たのは、祭り半纏を白のポロの上に羽織った男性だった
一瞬、わたしに?と思ったのは確かだった
「写真を撮られているんですよね」
不思議そうな顔をして振り返ったわたしを真直ぐにみてその方は言葉を重ねた
「はい でもなかなかきれいなお花がなくて」
「そうなんですよね。商売ものなのでどうしても店頭に並ぶまでに花を傷めてしまうんです。その先にあるお寺は、ある店が朝顔の控え室に使っている場所なんですよ。写真を撮るならそこの花の方がいいはずです。」
会長~~ お願いします~ 境内の反対側から掛けられた若い衆の声に片手を上げて応える・・・彼はいったいどういう人なんだろうか

「ありがとうございます 行ってみます。あの、でも なぜ?わたしは写真を撮っているだけですのに」
「朝顔は寿命の短い花なんです。それでも精いっぱいきれいに咲いてくれる。それをゆっくりと愛でて、きれいだと言ってやらないと可哀想だと思うんですよ。一番綺麗に咲いた姿を残してくれるなんていいなと思ったからです。」
会長~~ 
「それじゃ失礼します」
ありがとう・・ わたしの声は祭り半纏の大きな背中に届いただろうか

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そこはほんとうに小さなお寺だった
境内の参道を除いた全ての場所に所狭しと朝顔の鉢が並べてある
どの花も朝の清冽な陽射しを浴びてのびのびと今朝の花を開いていた

カメラを取り出したわたしに留守番のおじさんはなにも言わなかった

ひとつひとつあでやかに開いた朝顔をファインダーに収めてゆく
そこには、宿根朝顔も、五色咲きも、桔梗朝顔もなかった
ただシンプルな単色の朝顔が、絞りや白縁をとりまぜてのびのびと花を咲かせていたのだ

『朝顔の寿命は短いから』カシャ・・・
『短い寿命でもきれいに咲いてくれる』カシャ・・・
『精いっぱい咲いた花をきれいだと言ってやらないと可哀想』カシャ・・・
カシャ・・・ 最後シャッターを切ったあとに頬をつたったのは汗だったろうか、それとも

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まだ終わりにはできない
でも、気持ちは強く持とう
どんなに短い命でも芽生えた花<恋>はこんなにも美しいのだから
その気持ちをせめて自分だけでもきれいだと愛でてあげよう
そして終わりを迎える時にはこの手できちんと摘んであげよう
それが・・・わたしなら・・・全て・・・・



ひまわり

都心からたった30分。
なのに・・・そこは油蝉の鳴き声が騒音のように響きわたっていた。
木立の幹に隠れるように擬態する無数の蝉の、声だけの存在感がただでさえ暑い気温を2℃ほど押し上げた様な気がした。
何か目的があったわけではない。
ふいに訪れたただ一日のお休みをエアコンの効いた自宅に籠って過ごすのが嫌になったから、カメラだけを手に外出を決め込んだだけだった。

なんということもない住宅街の中にある高校の塀を超えたそこに、それはあった。

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一面のひまわり。
わたしですら見上げるほどに丈高く伸びた姿はまるで自然の要塞だった。

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息苦しいほどの緑の薫り。
あんなに煩かった蝉の音すら遠ざかっているような気がする。
替わりにまとわりつくのはミツバチの羽音。
よく見るときちんと整地された中に植えられているひまわりの群れの中に、わたしは足を踏み入れた。

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圧倒的な高さ・きらめくような花の色。
映画<ひまわり>の中でソフィア・ローレンがはじめてモスクワのひまわり畑を見た時に一瞬声を失っていたことをフラッシュバックのように思い出した。
無限につづくひまわり畑を見ても暑さを感じる事もなく、とめどもない悲しさにわたしも襲われた。

あの映画は悲しい物語だった。
ひまわり畑が実は敵兵を処刑した跡地に作られたものだったことも・・・
ずっと独りで帰りを待っていた愛する男性が、敵地で救ってくれた女性と家庭を持ち子供を作っていたことも・・・
戦地に赴き帰ってこない彼を待つ間の、彼女のやるせない気持ちに世間が向けた敵意も・・・

夏休みの象徴のような・・・能天気な花が、少し怖くなったのはあの映画をみたのがきっかけだったろう。

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そしてもう一つは<冬のひまわり>。
五木寛之氏の短編小説。
せつない・・・せつない恋の物語。
このヒロインは新たな恋のきっかけを手にできずに彼女を守る家庭に戻っていった。
それが自分にとっての幸せと信じて。

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途切れることのないと思われたひまわり畑は・・・・やがて住宅街へと姿を変えた。

白昼夢のようなひととき。
ひまわりにもう無邪気な夏を感じられないと悟った・・・そんな午後。


夏の終わりに

薄紅の花脈が透ける花びらはまるで括られた女性の乳房のようだった。
微かな風にゆれるその姿は男の視線に身悶えするあの女性の身体のようだった。

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もうしばらく触れていないその女性を思い出したのは、徹夜仕事明けに通り抜けた不忍の池の畔だった。

いつもの黒いシャツの背中に当たる日射しが強かった。
疲れているせいだろうか・・・汗が滲む。
部門長として設計に携わるようになってからは、仕事の現場で汗をかくことはほとんどなくなった。

私が汗をかくのはたった一人、あの女性を責める時だけだった。
他の女との時には、そうだ・・・汗をかいた記憶すらない。

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あの女性の時だけは、助手席に彼女を座らせただけで身体が上気するのがわかった。
他の女なら20分以上咥えさせてはじめて立ち上がるものさえ、あの女性なら隣に居るだけで疼き出すのだ。

今年のような酷暑の夏も、あの吸い付くような肌は白いままだろうか・・・

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あの女性の肌はどんな季節でも白かった記憶しかない。
日に焼けたと恥ずかしげに顔を伏せた時でも、その肌は微かな赤みを浮かべただけだった。

そのくせ、縄や鞭には敏感に反応する肌だった。
赤い縄は解いてもいつまでもあの女性から離れるのを拒むように、縄の痕を鮮やかに残していた。
他の女の肌にはかすかな赤みすら残さない柔らかな革の鞭でも、あの女性の肌にはくっきりと軌跡を残した。
まるで、あなたの印の残っている間はあなただけのモノだと言っているかのように。

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背に残る鞭の名残を愛でるように、吊るしたままのあの女性を後から激しく責め立てたこともある。
乳房の根本に残る縄の痕をねぶりながら、やめてと喘ぐあの女性を貪るように貫き続けたこともある。

あの女性の胎内の感触は格別だった。
つぶつぶとした・・・いや蓮の花の花芯に惑わされてるのかもしれないな。
言葉では顕しきれない。
他の女なら1時間以上も責め立てられる身体のはずなのに、あの女性だとそうはいかない。
どれほど責め立てた後でもあっという間に追い上げられ・・・何度肌の上の紅い痕の上に振りまこうと決めていても、それを果たす事はできなかった。

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あの女性の中は・・・ だめだ 我慢ができなくなる。
他の女をどれほど酷く責め立てても、私のS性を満たす事はできない。
あの女性でなければ・・・

あの女性は、いまどうしているだろうか。
まさか他の男のものになってはいないだろうか。
連絡を・・・して みようか・・・

祥子・・・






梅雨入りから・・・

爽やかな風と密度の高い湿度が交互に訪れる様になると、そろそろ梅雨入りを意識します。
雨の季節はちょっと憂鬱だけど淑やかに華やかな花達に囲まれる季節。
今年は凛とした美しさの漂う水辺にご一緒しましょうか?

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その菖蒲園があるのは実は山の中。
丁寧に整地された公園は、菖蒲の時期が終わると一株一株手作業で株分けをして翌年の花の時期を待ちます。
花の時期ではない数ヶ月間に、池は様々な意匠を凝らされてお客様の訪れを待つのです。
今年の八つ橋をイメージした水路も、カメラ越しに見ると花菖蒲にぴったりなロケーションに思えました。


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「その黄色い花は<愛知の輝>って言うんだよ」
何度かこの公園にカメラを持って出かけるうちに顔見知りになった公園の管理人の方が教えてくださいます。
「ちょっと地味だけどね。花だけでなく葉も明るいグリーンだから、この一角のいいアクセントになるだろ」
「そうですね。なんとなく菖蒲園というよりもイングリッシュガーデン風な感じですよね。花も低い位置で葉に埋もれる様にして咲いてますし。」
「綺麗な黄色の花なんだ。こんなに引っ込み思案じゃなければもっと目立つのになぁ」
「ふふふ 言われてみればそうなんですね。美人さんなのにもったいない」
「だよな。今日はたくさん咲いてるからゆっくり見て行ってくれな」
「はい♪ ありがとうございます」
会釈をした頭を上げた時には、管理人さんはもう次のコーナーに花殻を摘みに向かっていました。


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ゆっくりといくつかの池をつなぐ木道をゆくと、その先には睡蓮を取り囲んで植えられた花菖蒲があります。
そこから、公園の中の東屋まであと少しです。
「花菖蒲とかきつばたとあやめの違いを解りますか?」
丁度反対側の池の畔でネイチャーガイドの男性が、4人組の女性たちに説明をしています。
「花びらの枚数で決まるとか?」
「ええっそうなの?」
「でもこのガイドブックには3枚の花びらのものも、4枚のものも6枚のものも・・・みんな花菖蒲だって書いてあるわ」
「前に花の付け根の模様が編み目なのがあやめだって聞いたことがあるけど」
「そうですね。あやめは綾目といって編み目のような柄があるのが特徴とされています。」
すごいわ 流石に博識ね さとみさんたら物知りだから・・・
ほんの少しの妬みが含まれた賞賛が、さきほどの黄色の花菖蒲のような儚げな雰囲気の女性に浴びせられます。
それを照れくさそうに顔を伏せる風情までまさに、さきほど見た愛知の輝そのものです。
「花菖蒲と杜若の違いは葉の形状にあります・・・・」

ネイチャーガイドの方の声を遠くに、わたしは足許の花にカメラを向けます。
そうね・・・こんなに違って見えても同じ花菖蒲なのよね。
3片の花びらの凛とした花と、しなやかに6片の柔らかな花びらを広げるたおやかな花。
2種類の花が不思議な調和を池の端で繰り広げています。
その向こうの睡蓮も小さな花芽をもたげはじめているようです。

どちらの生き方をしても花菖蒲であることに変わりはないのよね。
どちらの生き方も出来るのね。 優しい睡蓮たちに見守られながら。


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東屋の脇、公園の丁度中程にはその先の池と公園を囲む森林を見守るように咲いている一株の花菖蒲がありました。
雨が落ちそうな不思議に明るい曇り空を映した池がただ一人そこにいる彼女を守っているようです。
「この花はね、今年株分けするんだよ」
たくさんの花殻を摘み終えた管理人さんが、いつのまにかわたしの隣にいらしていました。
花殻は集められて、花の汁を絞って、草木染めの材料になると以前に教えていただいたことを思い出しました。
「その先の池に来年はたくさんそれと同じ花が咲くよ。また来年も見においで」
わたしはどんな顔をして、この一輪を見ていたのでしょう・・・
「そうだったんですか。一株ぽつんと寂しそうだったけど、心配なかったんですね」
「あははは そんな風に見えたのか。大丈夫だよ。来年はこの池も賑やかにするからね」
「はい。でも・・・あの・・今年もまだあと何回か来てもいいですか?」
「あぁもちろん歓迎するよ。こいつらの綺麗な姿をたくさん撮ってやってくれ」
「はい♪」

そろそろ花菖蒲祭りのはじまる時刻なのでしょう。
来場者の数が続々と増え続けています。
今年も山の中の菖蒲園は盛況なようです。