2ntブログ

サファイアの夜 3

男性の関節が白くなり、口元に運ばれたオンザロックのウイスキーがカウンターに戻された時には、琥珀色の液体は1/3ほど減っていました。
初めに掛けられた言葉こそきついものでしたが、僅かに口角を上げる様にした口元とわたくしの返事を優しく受け止めて下さった眼差しに、忘れられない恋のことをお話ししてもいいと思いはじめていたのです。

「とても似ていたからです。お慕いして、愛されて、でももう2度と望むことを許されなくなった方の指に、似てらしたからなんです。」
わたくしは、シャンパングラスに添えていた手を外してスツールの上・・・濃紺のタイトスカートの膝に両手を揃えてきちんと頭を下げたのです。
きっちりと揃えられてスカートの裾から伸びる脚は、矢車草の青のサテンで作られたガーターベルトで吊ったダークネイビーのストッキングに覆われておりました。
同色のシンプルなハイヒールを履いたわたくしは、初めてお逢いしたこの方には貞淑な女に見えていることでしょう。
「失礼なことを致しました。申し訳ございません。どうかお許しくださいませ。」

「この手に欲情していたんだね。」
下げた頭を上げる前に、わたくしが愛した方と同じ声で男性は思わぬ事を口になさいました。
いつもでしたら・・・即座に否定をするところです。
でも、今夜は・・・。
「はしたない真似をいたしました。申し訳ございません。」
はい・・・と、ストレートに肯定することはできませんでした。
でも、この方ならきっと解って下さるような気がしたのです。
カラン・・・ 取り上げられた男性のバカラのグラスは硬質な音色を響かせて、わたくしに無言の了解を伝えたのです。
「お仕置きをしないといけないね。」
「ぁっ・・・は・い。」
お仕置き・・・久しぶりのその言葉に、わたくしの身体はすぐに反応してしまったのです。
「酷いことはしない。が、拒否は許さない。いいんだね。」
「・・はい。」
その言葉に躊躇したのは、ほんの僅かな間だけでした。
「私の部屋においで。」
化粧室へ立つ許しをいただいたわたくしの分まで会計を済ませてくださった男性は、身体に指1本触れることなくお泊まりになってらっしゃる部屋へエスコートをしてくださったのです。




「はぁん・・・」
豪奢な紐でわたくしの両手首を拘束した男性は、窓辺に歩み寄ると半分落ちかかったカーテンを片寄せて、改めて全開にいたしました。
そのままわたくしの背後に立つと、両手でブラウスの前を左右に分け・・・スリップの下でハーフカップのブラの端からはみ出してくっきりと立ち上がった鴇色の乳首をつまんだのです。
「私の指を見ていただけで、こんなにしたのか。」
「ぁぃたぁぁ・・ぃぃ・・」
三指で左右の昂りを同時に捻りつぶす様に捏ねるのです。
痛みはすぐに甘い淫楽を連れて、わたくしの腰を駆け下りてゆきました。
男性の手はそのままハーフカップのブラに指先を差し入れると、辛うじて収まっていたGカップの乳房をランジェリーのいましめから解き放ったのです。
「指が埋まってしまいそうな、はしたない胸だね。」
右の乳房は男性の指の間から白い柔らかな皮膚を溢れさせるほどに強く掴まれておりました。遠慮会釈なく、大きな男性の手に余る乳房の芯までを揉みこむようなその指遣いに、わたくしは愛しい方を思い出してしまったのです。 コメント
ピザを食べ、ついたオイルを舐めている…。そんな仕種でもドキッとしてしまう長くて綺麗な指。
その指がどんな素敵な思いを私に与えてくれるのか…知っているだけに。
綺麗に切りそろえられた清潔な指爪。気が付くとボーっと眺めたり、触っています。
腕から指にかけて…大好き!


2006/12/16 10:33| URL | るり  [Edit]
ドキドキ
僕が祥子さんにお仕置きしたくなっちゃう^^;
その素敵な手が、下半身に降りてきたら、祥子さんはどうなっちゃうんだろう・・・

2006/12/16 11:26| URL | ゆうき  [Edit]
実は♪
こんなに指フェチな方がたくさんいらしてくださっているなんて、とてもうれしいです(笑)。

るり様
男性の筋肉質な腕に繋がる指って、わたくしも大好きです。
普段はシャツに覆われているのに、カジュアルなスタイルの時だけくっきりと陰影を作る腕・・・ん~~素敵です。

ゆうき様
ゆうき様にまでお仕置きをされてしまうんでしょうか。それは、困りますぅ。
でも・・・どんなお仕置きをなさるんですか?ゆうき様は。

2006/12/16 16:42| URL | 祥子  [Edit]
お仕置き
う~ん、どいうだろう?
僕の性感マッサージはソフトタッチだから、
お仕置きも焦らして焦らして、祥子さんが耐え切れずに自分から求めるまで核心に触れないようにしようかな^^;
祥子さん、どこまで耐えられるかな?

2006/12/16 17:27| URL | ゆうき  [Edit]
耐えてしまうかも♪
ゆうきさんが、我慢できなくなって襲ってくるまで♪
そうなったら、どちらがお仕置きか解らないですね。

2006/12/16 18:58| URL | 祥子  [Edit]
男は指先にお洒落をできないけれど、指先で
何かを語ったり伝えることができるのですね。

もしかすると恋を語れるのかな…。

気を抜いてはいけないな(笑)。

2006/12/16 19:09| URL | eromania  [Edit]
eromania様
そうですよ。
指先で女性を魅了する事は充分できます♪

飾らなくてもいいんです。
清潔できちんと手入れをされていて・・・汚れてなくて・・・触れても痛くないかもって思える手。
可愛がっていただくのに、そんな手の男性だったらいいなと思えるようなそんな手でいてくださいませ♪

2006/12/16 19:23| URL | 祥子  [Edit]
リンク工事完了です^^
出来れば相互していただければうれしいのですが。

そしてコメントありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。

あ・・私の大好きな美貴さんにもよろちく(;^ω^A テレテレ

2006/12/16 22:04| URL | トン  [Edit]
大人の世界だ…
酒臭いのではなく、熱い吐息を吐くとでもいったような、成熟した大人の世界だ!!

ちなみに、男の指が日焼けしたように浅黒くゴツゴツとしていて、絡ませた女性の指が白くしなやかだったらステキですね(コントラストって好きだ)。とまあ、そんなシーンはなかったと思いますがw

あと、一方的なのですが、リンクを設置させていただきました。記載等問題がございましたら修正いたしますので、よろしければご確認ください。コメントはのちのちいじるかも。よろしくです。

2006/12/16 22:55| URL | ケイ  [Edit]
リンクありがとうございます
トン様
そうですね。美貴さんは最近登場していないですものね。先日の外伝2は以前のお話ですし♪
そろそろ登場させてあげないと、美貴さんファンの皆様に怒られてしまいそうですね(笑)。

ケイ様
男性と女性の肌の色のコントラストもたしかに素敵ですね。
なにげにベッドで掛け布団から出した腕に、男性が腕を搦めてくださったとき・・・そんな景色にドキッとしてしまいます。


沢山の皆様にリンクしていただけて本当にうれしいです。
ありがとうございます。
リンク数がとても増えてしまいましたので、まことに心苦しいのですがしばらく追加のリンクにつきましては控えさせていただきたいと思います。
どうかご容赦いただけます様お願い申し上げます。

2006/12/17 11:07| URL | 祥子  [Edit]
ふふ、最初に交わしたその男性と祥子の会話で、
もう既にこのシーンが思い浮かびました..

オトコとオンナの交わす会話に、
甘くゆったりと燃え上がってく会話もあれば、
このように時にストレートで危なげな会話で、
お互いの意思が伝わりそのままオトコとオンナに
なってしまう状況ってありますよね..

なんとも淫靡な雰囲気..
オトコとオンナの動物的感とでも言うのでしょうかね。(ふふ

今日はここまでにしましょう。
楽しみを長続きさせるために..(^^)


2006/12/23 09:11| URL | melto  [Edit]
melto様
ふふふ、思い浮かんだのは<お仕置き>という言葉でしょうか。
アルコール度数の高い蒸留酒のように、ふっと火を近づけただけで燃え盛ってしまう身体の疼き。
はしたないと思いながら、わたくしは止めることができませんでした。

2006/12/23 20:06| URL | 祥子  [Edit]
NoTitle
俺が祥子の内側を読み取り、ゾクッとしたのは、
「知らんふりか?」の後の、
「申し訳ありません。どうか、お許しいただけませんか?」 の言葉です。

見知らぬオトコに対し、許しを請う祥子の姿..
この時点でオトコとオンナの導火線に火が付いたことを悟ったのです。

なぜなら、見知らぬ男性..
さらっと流してもいいはずなのに、失礼があったとはいえ、丁寧に許しを請う祥子は、
もうそのオトコに心を掴まれたがってると感じたのです。(^^)

Sの心に火を近づけてるようなものです。
そして交わす言葉がますますオトコの心に火を付けていく..

そんな時、惹かれあうオトコとオンナの会話がお互いの心にどう影響するかは、火を見るより明らかです。(^^)


2007/01/05 18:18| URL | melto  [Edit]
melto様
「申し訳ありません。」
そう謝った時、わたくしは目の前のこの方にではなく、かつて愛した方に許しを乞うているような錯覚に陥っていました。
過去にもあった・・・出来事。
そんなデジャビュがわたくしを捉えて離さなかったのですが、同時に男性の心も掴んでしまったのですね。

2007/01/05 19:53| URL | 祥子  [Edit]
コメントフォーム
Name
Mail
URL
Subject
Comment

Pass
Secret
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)