唐紅 20
「ん・・んくっ・・・」そのまま喉奥まで、熱い先端を上顎にこすりつけるように咥え込んだのです。
「うっ・・・」
運転手の手が・・無意識なのでしょう。
わたくしの頭を両手で押えるのです。
ちゅ・・ぷ・・ 鼻先が彼の茂みに埋まるほど深く口腔に納めたところで、彼の裏側の中心線に舌先をあて・・くうぅぅっと頭を引くのです。
「あぁ 祥子様」
くちゅ・・・ぺちょ・・・ すぼめた唇が、張り切ったかりでそれ以上引けなくなったところで頭の動きを止めるのです。
口腔はわたくしの唾液と、彼の塊でいっぱいに満たされておりました。
っちょ・・・くちゅ・・・ 少しだけ頭を戻してから、舌先は塊の下の合わせ目からかりの裏側をぐるりと回り・・・また合わせ目へ・・・そして唾液よりも粘度の高い液体を溢れさせている先端へと這わせるのです。
「あっ だめです」
運転手の鈴口はまるで生き物のように、侵入してくるわたくしの舌先にやわやわとしたキスをくりかえします。
くぽぉぉ・・・ちゅ・っ・・ 先端からは新たな粘液が湧きだします。
そのタイミングを待って・・・わたくしは深く浅く、口唇での動きを伴った愛撫をはじめました。
ちゅぽぉぉ・・・くちゅぅぅ・・じゅるっ・・・ちゅぅぅ・・・
「あぁああ・・・」
わたくしの頭に添えられていただけの両手が次第に力を増し、やがて彼の思うがままに前後させられはじめたのです。
「祥子様 なんて口なんですか。こんな。まるで あぁ」
他の男性にキスをしながら突き入れられて・・・上顎は胎内と同じ数の子状だと言われたこともございます。
わたくしは快感を与える為の口内の動きだけに集中いたしました。
じゅ・・・ぽ・・・ 彼の敏感な裏側の筋を舌で不規則に刺激しながら、先端が常に上顎をなぞり続けるように・・・舌を隆起させるポイントを変えるのです。
「いい 噂以上です。あっ」
彼の塊が一段と逞しさを増してゆきます。
広がったかりが出し入れされるたびに、わたくしの唾液は掻き出され・・・赤い痕を散らした胸元をしとどに濡らしました。
「あぁっ いきますっ」
頭に添える手に力が籠ると、長い間何度もの衝動を堪えていたであろう運転手の噴出は、太く・大量に・たたき付けるかのような勢いで口腔ではじけたのです。
ふっ・・・っくん・・・ 息をすることもできないほどの量の精液を、わたくしは塊を口にしたまま・・・喉奥だけを動かして少しづつ飲み下したのです。
「申し訳ありません。祥子様」
先ほどとは違い・・・彼の手はわたくしの髪を優しくやさしくなでてくれたのです。
ぺちょ・・・ちゅ・・あっくぅん 彼の体液を飲み干したわたくしは、まだ堅さを失っていない塊の先端をそのまま吸い上げ・・・もう一度喉奥まで迎え入れて舌で清めました。
「どうかもうおやめください。お願いです」
指先は一切使わずに口唇と舌先だけで・・わたくしは彼の大きな塊を愛撫したのです。
そして当たり前のように塊を清めたあとは、その下のやわらかな袋に唇を這わせたのです。
ちゅる・・・くちゅ・・・くぅぷっ・・ 片側づつ口に含み、あめ玉を舐める様にやさしく舌を這わせます。
「祥子さま。また あぁ」
わたくしは運転手の想いにただひたすら、一言の言葉も・・喘ぎ声すらも発することなく口戯で応えておりました。
ちゅ・・くっ・・ぷ・・ 改めて彼の塊を、花びらの狭間のようにすぼめた唇に迎え入れた時には、初めて唇を這わした時と同じ昂りと堅さを取り戻しておりました。
「しょうこ・・さ・ま・・・」
ため息のようにわたくしの名前を呼ぶと、運転手の腕は力を取り戻し、わたくしの頭と唇を彼自身から引きはがし・・・唇を合わせようとするのです。
「だ・め・・」
首を振り・・・彼の唇から逃れようといたしました。
ほんの数瞬前まで彼のものを口にしていたのです。
まだ喉の奥には熱い精液の名残が香る様にさえ思えるのです。
そんな唇を彼と合わせるわけにはまいりません。
「どうして・・・」
「だってあなたのもの・・・だから・・だ・め・・」
ん・・ぐぅっ・・・ 強引に顎を押し上げられ、唇を重ねられてしまいました。
「あ・んん・・ん・・だめ・・」
今日何度めのディープキスだったでしょう。
それでも今夜のどんなキスよりも丹念に、わたくしの口腔を彼の舌が這い回るのです。
「ぁん・・・だ・・め・・へ・ぇ」
上顎から舌の裏側へ・・・まるで先ほどの熱くて堅い塊のように・・・彼の舌がわたくしの口唇をむさぼるのです。
主である男性のように、技巧をつくした口づけではないのです。
熱に浮かされたような・・・わたくしのすべてを彼のものにしたいと叫んでいるようなキスでした。
「だめなものですか。美味しいです」
一時の熱情がおさまったのでしょう。
優しく・ほほを寄せるようにして、わたくしをシーツの上に横たえました。
「や・・・はずかしいわ」
真上から見つめる運転手のまっすぐな瞳を見返すこともできずに、瞼をふせてしまったのです。
「お願いです。こちらを見てください」
はだけたままだった長襦袢を掻き合わせて・・・わたくしの身体を覆いながら優しく語りかけるのです。
「ん・・」
やっと瞼をあげることができました。
彼の瞳はさきほどと同じところに、やさしく佇んでいました。
「私の名前を呼んでくださいますか?」
彼の手はわたくしの身体をまさぐることもなく、わたくしの右手に重ねられていたのです。
「もちづき・・さ・ん・・」
唐突な願いを不思議に思いながら・・・わたくしは彼の名を口にしました。
「あぁ 良かった。どうして先ほどは声を出そうとはしなかったのですか?」
一瞬なんのことかと思いました。
でもすぐにあの口戯の間のことだと気づいたのです。
「だって・・・あんなに大きいんですもの」
彼の張り切った塊はわたくしの口をみっちりと塞いでいました。
でも・・それだけではなかったのです。
せめてこのときだけはわたくしの全てで彼に応えたかったから・・・とは言えませんでした。
「祥子様の声は媚薬なんです」
運転手はわたくしの身体に彼の下半身を沿わせてまいりました。
「媚薬だなんて・・・あ・・・ぁはぁ・・ん・・」
さきほどまでお行儀良くしていた彼の右手が、白い綾絹の長襦袢の上から・・・わたくしの太ももをなであげたのです。
「その声です」
左手はわたくしの首筋に差し入れられ、柔らかな黒髪の生え際を刺激します。
「ぁぁ・・んん・ん・・」
襖を隔てただけの隣室には、彼の主である男性が眠っているのです。
運転手の微妙な指使いに・・つい出てしまいそうになる声を押し殺そうと努めました。
「もっと・・です」
長襦袢の上を這う手が、予告もなく左の乳首をきつくつまみ上げました。
「あぁぁぁ・・だめ・ぇ・」
一晩中、快感に立ち上がったままの先端は、綾絹の刺激に疼きを高め・・・彼の指でわたくしの芯へと容赦なく快感を送り込むのです。
「その声です。ほら祥子様おわかりでしょう。私は祥子様の声だけでもこんなになってしまんです」
わたくしの身体に押し付けられていた彼の塊は、ひくひくと震えておりました。
フェラチオで達したあとの口戯でたしかに彼の塊は硬度を取り戻していました。
このひくつきは・・・彼が最前よりももっと欲情を高めたことを示しておりました。
「はぁぁ・・ん」
彼の指先は、長襦袢に陰を落とすほどに堅くしこっている乳房の先端を・・・優しく嬲り続けるのです。
「欲張りですね。祥子様にフェラチオをさせながら・・・僕はこの声が欲しかったんです」
喘ぐような吐息とともに、軽く唇を重ねるのです。
「でも 声まで聞いていたら、もっと早くいってしまっていたかもしれません。申し訳ありませんでした。祥子様の口に出してしまったりして。お許しください」
唇だけを触れ合わせるキスに、思わず舌先を差し出したくなってしまうのです。
「いい・・の・・お口に・・欲しかった・か・・ら」
わたくしの声ははしたなく濡れていたに違いありません。
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「唐紅」もそろそろ完結です
この物語は現在msnで新作をアップしている
「初雪」につながる物語になっています
「オペラピンクのランジェリー」で出会った方達と
こんなにも長いお付き合いになるとは思ってもみませんでした
どうぞよろしければ
http://spaces.msn.com/syouko8138/
御覧になってみてください
2006/02/05 10:03| URL | 祥子 [Edit] -
祥子さん、こんにちは。和巳です。
暑い日が続きますが、お元気でしょうか?
私の方は、仕事で失敗をしてしまったため、ちょっと、落ち込み気味です。。。
そのせいか、エロティックな気分にもなれない。。。
そんな折り、ふと、『唐紅』を読んでみました。
(もう、何度も読んでます)
癒されます。
祥子さんのペニスを扱うテクニックもさながら、それ以上に、祥子さんの男性に対する優しいお心が感じられて、とっても癒されました。
こんな読み方もできるんですね。祥子さんの小説は。
また、書き込みさせて頂きますね。
今度は、性欲満タンにして(笑)
ではでは!
2015/07/28 17:21| URL | 和巳 [Edit] - 和巳様
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わたくしはお勤めもしておりますが
一時期個人事務所をしていたころもありました
改めてお勤めをすることになって
最初に心配だったのが
「遅刻しちゃうかもしれない」でした
だから和巳さんの反省も困惑もとても良くわかります
反省したら次はもう一歩先に進めるはず
無理せずまず体調を整えましょう
体調が落ち着いたら
きっと和巳さんの男性も元気になるはずですから
その時を楽しみにしております
2015/08/01 11:20| URL | 加納 祥子 [Edit] -
こんばんは。和巳です。
同じ記事に何度もコメント、すみません。。。
唐紅19、唐紅20と続く、望月さんとのシーン。
望月さんとの関わり合いの中で、一番好きです。
本当は嫉妬の欲望を剥きだしに襲い掛かりたくなる所を抑える望月さん。
そんな望月さんの快感が私にも伝わってきます。
男にとっても、欲望剥き出しの下半身を露にするのはけっこう恥ずかしいもの。(少なくとも私は)
やはり、勃起ペニスを見せれる女性というのは、特別な存在なんですよね。
望月さんにとっても、そして、私にとっても。
2017/03/16 19:37| URL | 和巳 [Edit] - Re: 和巳様
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本当に<唐紅>をお気に召していただいてありがとうございます。
ちょうど、お引越しをしていた頃の記事なので
FC2の中ではコメントが思ったよりも少ないシリーズなのです。
よろしければこれからも可愛がっていただけると嬉しいです。
2017/03/25 08:04| URL | 加納 祥子 [Edit]
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