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甘く切なく

急に決まった打ち合せ
「祝日なのでオフィスで商談
   というわけにはいきませんね」
と、指定されたカフェに向かった

大人の街のカフェ
それでも席はなかったようで
ノータイでスーツ姿の彼は
大きなガラス張りのカウンターに
書類を広げて待っていた

ハイスツールのその席は
深くスリットの入った
タイトスカート姿のわたしを困惑させた

そのカフェを知らなかった訳ではない
いつものソファー席のつもりで
ざっくりとしたニットに
そのスカートを合わせたのに

「申し訳ありません
   ここしか席がなくて」
爽やかに笑う彼の隣に
   気をつけて腰を降ろす
でも、スカートの裾は容赦なく広がる
ガーターストッキングの太ももが
曝されないように
膝にバッグを置いて商談に入った

約1時間の商談
熱の入った会話の間に幾度も
彼の脚がわたくしの
    露になった脚に触れる
書類に伸ばした手が
    ニットの胸元を掠めた
あまりにさりげなく
   そのくせあまりに官能的な触れ方で
そして、ガラスの外はすっかり暮れていた

「宜しければお食事でもいかがですか?」
「いえ、そんな」
「こんな姿を見せつけられて
     このままでは帰れません」
彼の手がスマホを握るわたくしの手に
         かぶせられ力が籠る
「いつもと変わりませんでしょう」
「じゃあいつもこんなに素敵な
     ランジェリーだったんですね
           気付かなかった」
彼の目が正面のガラスに注がれる
そこには……
「いやっ」
スカートの裾を掻き寄せたくても
  手は彼に押さえ込まれたまま

「僕が嫌いですか?」
「お客様ですもの
   そんな風に考えたこともありません」
「だったら、考えて下さい
  僕はずっと魅力的な人だと思っていた」
「仕事に支障を来します」
「直ぐにとは言わない
  このプロジェクトが終わったら」
あまりに真剣な声
彼が独りに戻ってしばらく経つとは
            聞いていた

「無理強いはしない
   今夜は食事をしながら
        貴女が知りたい」
これ以上の拒否は
これからの仕事に影響してしまうかも知れない
「ご一緒いたしますわ
   お行儀良くしてくださるなら」
「わかった 行こうか」
スツールから降りた彼が
わたくしの腰に手を添える
このあまやかな指先の誘惑に
          打ち勝てるかしら
長く切ない夜がはじまる
コメント
祝日だもの
これくらいのワガママは許してくれるかな?
そう、彼は思って場所を指定したのかもしれませんね

しかしソレ以上に貴女が素敵すぎた。
混んでいた空間へ感謝したくなるくらいに……

2014/09/16 07:00| URL | HAIREI  [Edit]
HAIREI様
わたくしは休日出勤手当ですか?(笑)

とはいえ、あんなビジネス街の真ん中のカフェが
連休に混んでいるとは予想外でしたわ

今度はHAIREI様と待ち合わせいたしましょうか ね♪


2014/09/16 16:48| URL | 加納 祥子  [Edit]
パワハラだ!
この次は私とオシゴトの打ち合わせをしましょう。
でも打ち合わせることあるかなぁ‥‥‥

2014/09/16 21:24| URL | masterblue  [Edit]
masterblue様
パワハラになるかどうかは
受け手の想い次第ですから(笑)
お仕事なんて言い訳になさらなくても
よろしいではありませんか


2014/09/17 05:20| URL | 加納 祥子  [Edit]
すべては
あなたの思惑通り・・
彼はあなたを誘惑したつもりでいるが
実は絡めとられているのだなあ・・
ガラスに・・ガーターの下着が映ったら
もう脳はとろけてしまう・・・・

絡めとられてもいい・・・
このまま帰したくない。
もちろんあなたの言葉通り
熱い蜜壷まで
お行儀よく
じっくりとご馳走になりましょう。


2014/09/21 23:38| URL | ぱぱ  [Edit]
ぱぱ様
誘惑したつもりはありませんでしたのよ
ほんとうに全てが偶然
あと15分早く打ち合わせが終わっていたら
ガラスにはしたない姿を映すこともなかったのに・・・

ふたりがどこまでいったかは
秘密です♪

2014/09/22 09:15| URL | 加納 祥子  [Edit]
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