ムーンナイト・アフェア 10
「いたいんです・・・おねがい、下ろして」吊られてまだ1分と経ってはいないでしょう。
タオルを重ねているとはいえ、全ての体重を掛けられた1本の縄の締め付けは予想を越えるものでした。
「僕は苦痛系ではないはずなんだがね。祥子の痛みに歪む顔と震える声、そそるね。鞭を持って来てもっと哀願の声を出させたくなる」
第二釦まで黒のシャツの胸元を開けただけで、男性はまだブラックジーンズを身に付けたままでした。
わたくしに君臨するかのようにベッドサイドに立ちはだかります。
「おねがいです・・あぁぁぁ・いたい・・」
縄で引き延ばされ、下半身を吊り上げられたガーターストッキングだけの姿がどれほど淫らなものなのか、想像することさえできません。
ただ、意志の力で脚を引き上げ閉じておかなければ露になってしまう愛液にまみれた花びらを、どうあっても晒したくない・・・その思いだけで必死に右脚を引き寄せておりました。
「祥子ごらん、僕がこんなにさせられてるんだ」
ブラックジーンズのファスナーを、はちきらせてしまいそうに盛り上げる塊を誇示するように手を添えるのです。
「もう10人以上のMを所有したことのある僕が・・だよ。全く極上のMだな、祥子は。吊っただけでまだ何もしていないのに、表情と声だけで・・・こんなにもそそる。もうすこし経験がなければ、この場でその姿の君に奉仕をさせて精液を飲ませているところだよ」
顔のすぐ側に膝を突き、右手で苦痛に歪むわたくしの頬をなでるのです。
「ぁぁ・・あぁぁ・・・ゆるし・・て」
近づいた男性に、早くこの責めから解放していただきたくて、ただ・ただ・・許しを乞う言葉を連ねることしかできませんでした。
「そんな性急なことはもったいなくてできないがな。この昂りのままもう少し楽しませてもらおう」
そういうと男性は最初の部屋に戻っていきました。
次に戻って来た手に握られていたのは、2本の縄とタオル・・・そして男性の塊の形をした3本の玩具でした。
「いやぁぁ・・・」
男性の言った<お仕置き>の言葉が蘇ります。
「せっかく楽にしてあげようと思ったのに。嫌なのか、祥子は」
わたくしの哀願の言葉の意味を十分に知ってらっしゃるのに・・・わざとそのようなことをおっしゃるのです。
一瞬、わたくしはこの吊られる辛さから本当にこれで解放していただけるのか、と思いました。
左脚のふくらはぎから先は、もう感覚が鈍るほどになっていたからです。
「おねがい・・・下ろして・・」
わたくしの顔の脇にみせつけるように玩具とローションのボトルを並べる男性に、もう一度哀願したのです。
「楽にしてあげよう」
ゆっくりと優しく男性が微笑んだのです。
手にしていた縄を一本・・・梁へ投げ上げました。
滑車から右に1mほども離れた場所にある窪みに、すっぽりと収まります。
「あっ・・・」
わたくしは男性の目論みを・・・察してしまったのです。
「もう一つ滑車があるといいんだが、一つしかないからね」
梁の縄端を輪にいたします。
必死で閉じていた右脚を、男性の手が強引に引き下ろしたのです。
「いゃぁっ・・・」
「祥子、静かにするんだ。」
このままでは・・・両脚を広げた形に吊られてしまう・・その羞恥にわたくしは脚を元に戻そうといたしました。
男性は右脚の足首に腰を下ろし、抗おうとする動きを封じ込めるのです。
左脚と同じようにタオルを当てて縄をかけます。
結んだ縄の先を梁からの輪にかけると・・・くいっと引き上げました。
「あぁぁぁ・・・やめて・・ぇぇ」
両脚の膝を肩幅ほどに開いた形で、わたくしの黒のレースのガーターストッキングに彩られた下半身は吊り上げられてしまいました。
右脚にも・・・赤い綿縄は食い込み・・・新たな痛みが走りましたが、両脚に体重が分散された分、さきほどからの苦痛は不思議と弱められておりました。
「ふふ 黒のシームストッキングのY字吊りか。もっと本格的にしたいが・・・初めてならここまでだな」
両手をベッドのヘッドボードに結わかれ、左右の脚を梁から吊られ・・・わたくしはもっとも隠しておかねばならない秘めた花びらまで・・・男性の視線と天井からのスポット照明の下に露にされてしまいました。
「やめて・・みない・・で・・・」
あまりの羞恥に、自由にならない吊られた膝をできるだけ合わせようと身を捩っても・・・男性の視線を遮ることさえできません。
「そうして抗ってみせなさい、祥子。艶かしく身体を捩る姿さえ、白い肌が光を反射して僕をそそるだけだ。ほら、白いバストが揺れてるよ」
「ぃいやぁぁぁ・・・」
縄を掛けている時の沈黙の反動のように・・・男性の責めの言葉がわたくしに降り注ぎます。
ベッドの脇に立つ男性の視線が、わたくしの身体を這い上がり・・・一点で止まります。
「こんな邪魔なもの綺麗に剃り上げてしまいたいな」
わたくしの柔らかな狭間を覆う漆黒の茂みを、男性の手が撫で上げます。
「だめ・・・そんなこと」
男性が予告していた玩具の責めだけではなく、こんな淫らな姿にまで吊られたのに。
それでも飽き足らないというのでしょうか。
「真っ白な身体にここだけ・・・無粋だとおもわないかい、祥子。僕だけのMなら他の男にその身体を晒せないようにつるつるに剃り上げて、僕だけが陰りのない真っ白なこの身体を鑑賞するんだ」
隠すことも、太ももを合わせることで遮ることも出来ない男性の手は、大胆に・・・そして優しくぷっくりとした合わせ目をなぞるのです。
「しないで・・・いや・・・」
剃毛をほのめかす男性の瞳に顕われた本気の光に、わたくしは怯えました。
「こんなに愛液をたっぷりと溜める狭間を、毛一筋にすら遮れないようにして責める。想像するだけでたまらないよ、祥子」
くちゅ・・・ほんの少しだけ狭間に男性の指が潜り込みます。
「いっ・・や・あぁん・・」
僅かな微睡みの時間に平静を取り戻した身体は、吊られ・視姦され・言葉責めにあうことでまたしても・・・愛液を溢れさせはじめていたのです。
「ほら・・・また滴りそうだよ、祥子。どれだけ濡らしたらきみの花びらは蜜を止めるんだい」
花びらから抜いた指を、わたくしの白い乳房になすりつけるのです。
「また薫りが濃くなっているね。フェロモンに酔ってしまいそうだよ」
見せつける様に鼻先に指を近づけるのです。
「このアンダーヘアがなければ、祥子の下半身は愛液が溢れてぬるぬるになってしまうだろうに」
「だめ・・やめて・・・」
男性の声が真剣味を帯びるほどに、わたくしは怯えを深くいたしました。
この方が口にしたら、それはいつか実現させるということを意味するからです。
「言ったでしょう、祥子。剃毛は僕だけのモノになった証です。いまのあなたに強制したりはしませんよ」
そう言いながらも手は愛液を含み始めた茂みを撫で続けているのです。
「あなたの豊かな黒髪なら、この豊かなアンダーヘアは当たり前です。このままでも愛液で濡れ光って綺麗ですよ。祥子が僕だけのMになった時は容赦しませんけれど・・ね」
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2006/02/19 10:36| | [Edit] - こんばんは
-
わたくしのブログへコメントを寄せて戴き、有り難う御座います。
こちらへ引っ越されてひと月は経ちましたが、操作・設定等慣れましたでしょうか。
わたくしは未だに試行錯誤の連続です(笑)
お互いに素晴しいブログにして行きたいですね。
2006/02/19 20:54| URL | エルム [Edit] -
こんばんは。また場違いな所へのコメントで申し訳在りません。
「過ぎし日の残り香」と「シースルー・ナイト」読み終わりました。
「過ぎし日の残り香」があっさりと終わったので、何かあとあるなと思ったら、祥子さん、ハシゴだったのですね。
「シースルー・ナイト」、「オペラピンクのランジェリー」より表現が濃密になり、祥子さんの愉悦がリアルに伝わります。自分の下で、祥子さんが乱れているようで、引き込まれました。
言葉責めが巧みですね。祥子さんのみならず、女性の方は言葉だけで苛められても感じるものなのでしょうか。
祥子さんのディーティルがだんだん明らかになってゆくのも楽しみです。「ムーンナイト・アフェア」もすぐにも読みたいのですが、やはり順を追ってが、正解のようです。
2006/02/19 22:13| URL | masterblue [Edit] -
エルム様
お気遣いありがとうございます。
わたくしのところはシンプルなブログなものですから・・・
あまり操作や設定に凝ってなくて(笑)。
しばらくいたしましたら、今msnでも公開している
HAIREIさんのイラストを交えた<大人の絵本>のようなブログに
変えて行こうと思っております。
わからないことがありましたら、聞きにうかがいます♪
その時は優しく教えてくださいませ。
masterblue 様
ありがとうございます。
過ぎし日の残り香からシースルー・ナイトまで通してですと
結構な長さになりますが、お疲れにはなりませんでしたか?
一番最初にオペラピンクを書き上げたときは
それでも長い物語だと思っていたのですが
こうして書き上げてゆくと・・・どんどんとディテールに入り込んでしまって。
シースルー・ナイトは長編化第一弾の作品だったような気がします。
わたくしの物語は時系列順にアップしております。
一部回想のものがあって(うたかたの夢)順序が違うのですが
こちらは、濃厚で淫らな夜を過ごして来た昼下がりに
同じく濃厚だった恥ずかしい出来事を夢で思い起こしてしまう・・・
そんな構成のお話なのです。
masterblueさんのように読んでいただけるなんて
作者冥利につきます、本当にうれしいです。
これからも貴重なご意見を楽しみにしております。
2006/02/20 00:42| URL | 祥子 [Edit]
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