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蝉時雨の庭 3

立ったままで、背中に南天の床柱をかかえるように後ろ手にいましめられてしまったのです。
わたくしは、男性が側に立って指先で胸元のラインをたどった時にはじめて、はしたなく揺れるバストを前に大きく突き出すような姿勢になっていることに気づきました。
「ほんとうに魅力的な乳房ですね。先ほど手のなかで握りしめた感触がまだ残っていますよ、さあ見せていただきましょうか」 
男性の手がハイネックのノースリーブのカットソーの裾をゆっくりと、バストの重みにわずかに抵抗を感じたと同時に勢いをつけて襟元に向けてまくり上げてゆきました。
「いやっ・・・しないで」
「ほおぅっ・・・秋の野の吾亦紅ですか。これでは襟の高いインナーしか着ることができないはずですね 祥子さん」 
真っ白い胸元には、数日前の3人の男性につけられた無数のキスマークが濃紅色の痕となって残っておりました。
「スリップのレースの刺繍よりも艶やかですね。ふふふ、いくつ付いているんでしょうか 祥子さんの恋人は情熱的なんですね それとも嫉妬深いのかな。」
レースのスリップの端を指で押し下げるようにして・・・すこしづつ白い乳房を露にしてゆくのです。
「どこまで付いているんでしょうか 確かめさせてもらいますね」 
恋人などではなくはじめて体験した4Pの痕であること、そのときの羞恥と快楽を男性に知られているような錯覚がわたくしの肌を薄紅にそめました。
男性はわたくしの着けているランジェリーを熟知しているように取り外しができるストラップをついと外し・・・白くゆれる乳房を夜気に解き放ったのです。
「手に吸い付くような白い肌ですね。いい感触だ」 
手のひらに片方づつ乳房をのせ、指の間からこぼれ落ちそうな柔らかさを楽しみながら上に左右に乳房を動かしてゆくんです。
「下乳のこんなところにまでついてますね。あ、ここにも 僕も一つ加えさせてもらおうかな 祥子さん」 
男性はキスマークをつけるほどの強さで乳首を吸い上げます。
「んくぅ・・・あう・・やめて」 
溜まりつづけていた疼きは、男性の唇とひねりあげるような指の動きに、身体のたった一点を目指して快感を響かせるのです。
わたくしは唇を噛むと、床柱に止めつけられた上半身をびくんと反り返らせてしまいました。
 
「そうです、祥子さんの魅力的な声は良く通りますからね。そうやって押し殺してください」
わたくしの高ぶりをはしたなく捩らせる白い肩の動きで察しているのでしょう。なのに指先は動きを止めず、わたくしの伏せた睫毛を見つめながら、責めの言葉をまた一つ重ねるのです。
「男の獣のような気持を高ぶらせる声なんですから。そうですよね、支配人」
「やぁっ・・・」 
ここには、わたくしと男性だけ。そう信じ切っておりました。こんなに淫らなことを仕掛けてくるのですから。なのに・・・
あの支配人さんにまで・・・何にひとつ隠すことのできないはしたない姿を見られてしまう。
わたくしに出来ることは細い床柱に白い肌を隠す様に身を捩ることだけでした。
 
「お声をかけずに失礼いたしました。冷たいワインとお水をお持ちいたしました」 
板の間と茶室を仕切る襖の向こうから支配人の声が聞こえました。
「ありがとう、いまはまだいただかないからそちらで控えていてくれないか」 
男性は襖の向こうに声をかけるのです。それも、信じられないことを。
「仕事に支障がないなら 君も憧れの祥子さんの魅力的な声くらい楽しんでいきたまえ」
「・・・お願いそんなことなさらないで いや」 
蝉時雨よりも細く震える声で、ふたりの男性に懇願するしかわたくしにはできませんでした。
「ありがとうございます、お姿を見る事は叶いませんが声だけで十分です。水屋の冷蔵庫にお飲物は冷やしておきますから必要になりましたらお声をかけてください。こちらに控えております」 
飲み物をのせたトレイを持ち備え付けの小さな冷蔵庫を開ける音が床の間まで聞こえました。
「支配人はね 祥子さんにずっと憧れていたそうですよ。この半年 あなたがくるまでラウンジのあなたが座っていた席で僕にずっとあなたのことを聞かせてくれたんです どんなに魅力的な人なのかをね」 
白い乳房と立ち上がった乳首を触れるかどうかの微かなタッチでなであげながら男性はわたくしの耳元でささやくのです。
「実際にお逢いしたあなたは支配人の話以上に魅力的でしたよ」
「あう・・・ぅぅぅぁぁ」 
男性に右手の指からやわらかな肉があふれるほどに手にあまる乳房を強くにぎりしめ揉みしだくのです。
「縄をきつく掛けたくなる身体ですね 祥子さん。赤い縄が今夜のあなたの肌にはとても映えるのでしょうに 残念ですよ」 
「いやぁぁあ・・・」 
男性が特殊な嗜好を持つ事を知り、肌が粟立つのを止めることができませんでした。
わたくしが表情に怯えをにじませたのを確かめてから、男性はゆっくりとストレッチのタイトスカートを両脇をつまむようにして引き上げてゆきます。
「お茶室の青畳の香りも祥子さんのフェロモンにはかないませんね」 
オープンクロッチのガータータイプのストッキングに、太ももの白い肌に、そしてピンクの花を散らした紺地のパンティに。
スリップごと擦れる様にずりあがってゆくスカートの裾を一瞥することもなく、伏せることしかできないわたくしの顔をじっと見つめながら、男性は恥ずかしい言葉を口にするのです。
「こんなパンティでは帰れないじゃないですか。男を発情させる匂いを振りまいて電車で帰るつもりですか?祥子さん」 
スカートの裾がウエストまで上がったところで、わたくしの前に片膝をついた男性は鼻先を堅く閉じ合わせたふとももの合わせ目に寄せ大きく息を吸い込むのです。
「ほらこんなにいやらしいフェロモンが立ち上ってる。いい香りだ こんな香りをしみ込ませたパンティのままで帰ってはいけませんね」 
そういってわたくしのパンティをそろそろと下ろしはじめたのです。
「可憐なランジェリーのセットですね。欠けてしまうのはもったいないでしょうから、必ず来月のライブにはいらしてくださいね。可愛そうですからブラは返してあげましょう このパンティのほうが価値がありそうだ」 
男性は腰のポケットからきれいにたたまれたわたくしのブラを出し、床の間に置きました。
「ああ、もうまっしろなんだね・・・愛液」 
紺地のパンティのクロッチについた白い愛液のしみを指でなぞりその指を・・・まるでフランス料理のソースの味を確かめる様に舐めるんです。
「いやぁ・・・」 
ぴちょ・・・彼の舌の音がラウンジのBlue in Greenと離れのお客様の笑い声より大きく、わたくしの羞恥心をあおるように響くのです。
 
「囚われの女王だね・・・さながら。絶景ですよ」 
男性は床柱の周りをまわるようにしてわたくしを視姦するのです。
「もっと楽しみたいが今夜はもう時間がないらしい。ライブの時間だけではものたりないですね。祥子さんもそうでしょう」 
つと立ち上がった男性はわたくしの後にまわり手首のハンカチをほどくのです。
「せっかくの茶室だ 思い切り楽しませてもらうとしよう」
男性はわたくしの手首を掴んだままで離れとの間の中庭を望む雪見障子のところまで乱れた姿のまま・・・連れてゆくのです。
「本当は中庭で楽しみたいが支配人を放っておいてはかわいそうだからね。ここで中庭をみながら楽しもうじゃないか」 
空いている手で障子を開けるとそこは一面のガラス窓でした。
「ここに手をついて・・・わかるね・・・脚は開くんだ もっと!」 
パシィ!男性の手のひらがわたくしの白く大きなお尻に紅い手形をつけるのです。
「ひぃ・・・ゆるし・て・・・くださ・・い ゆるして」
衣服を身体に中途半端にまとわせたままで腰を突き出し・・・中庭に露にしたGカップのバストを突き出すように晒す。
わたくしのはしたない姿を見つめながら、男性はファスナーを下ろし黒のスラックスと黒のボクサーパンツから大きく立ち上がった逞しいものを引き出したのです。
背中を押され腰を高くあげさせられた姿を後から満足げに眺めた男性は、わたくしの中心にぐいと腰を押し進めました。

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「あっ・・・あぁぁぁ」 
くちゅ・・・・くちょ・・・ 男性のものが刺さり込むようにわたくしの中に・・・押えてもこぼれ出る喘ぎに愛液に満ちたわたくしを逞しい男性がかき回す音が重なります。
「ここには指一本触れてもいないのにこんなに溢れさせて」 
そう言いながらわたくしの両腕を引き後から激しく抜き差しするのです。 
「はぅぅん・・・あはぁ・・・あふ・・・あぁぁぁ」
「こんな匂いをさせて電車に乗るなんて どんな男が痴漢になっても罪はないさ・・・せっかくだからノーブラで帰るかい・・・祥子・・・淫乱な痴女・・・」
「ぁぁぁ・・・・んふんん・・・・」 
「だめじゃないか 祥子 そんな声を上げてライブの邪魔をしちゃ。それとも離れの男性にこの姿を見られたいのかい?」 
唇をさらに強く噛み締めてふるふると首を横にふったのです。 
「いいこだ・・・ご褒美をあげよう」 
わたくしの両手を離しそのまま身体をかぶせて動きに合わせて揺れる乳房を鷲掴むのです。
「だめ・・・おむね・・弱いのぉ・・・」
「しまるな・・・動かなくても気持いいくらいだ。ひくひくと祥子の中に淫らな動物がいるようだよ・・・祥子の中のいろんなところが動いて俺を刺激してる・・・ほら・・俺が感じてるのがわかるな」 
わたくしの堅くしこりたった乳首を指の間にはさむようにして揉みしだくのです。
男性の指の動きに合わせて奥と中ほどが締まるわたくしの身体に・・・密着したままの男性のものがまた一段大きくなり・・・わたくしの奥をぐりぐりと刺激するんです。
「あん・・・いいですぅ・・・奥がいいの・ぉ・・・いってしまうぅぅ・・いくぅ・・・あはぁぁん」 
男性の言葉と、縄の様にわたくしのはしたない乳房を締め付ける指と・・・身体を刺激する太くて大きい塊が、じらされ続け熟したわたくしにはしたない言葉を口にさせてしまうほどに羞恥で蕩けさせてしまうのです。
「おねがい・・ゆるして・・・あぁあぁぁ・・・おねがい・・・ちょうだい しょうこを・・・いかせ・・て・・くださ・・いぃぃ」
「また・・・あうっ きゅうってしてるぞ 胸もゆれて・・・全身性器だな 祥子 いいぞ このままいくからな」 
彼は両腕をわたくしの白い腰を掴んで激しく突き上げました。
「祥子 お前の奥に注いでやる いけっ!!」 
わたくしのバストを離れに向かったガラスにつぶす様に押し付けるほどに熱い塊を突き上げ、わたくしの中に・・・子宮に直接注ぎ込むように射精しました。

お洋服を身体にまといつけたままで、濃紅の痕をちらした白いGカップのバストを離れに向かったガラスに押しつぶし後から貫かれたはしたない姿勢で・・・わたくしは男性から長くゆっくり注ぎ込まれる精液の熱さと塊の脈動にいきつづけてしまいました。
「そろそろ戻らないといけませんね」 
男性はまだ堅い塊をゆっくりと引き抜き、白く蕩けているわたくしをその場でひざまずかせ濡れた塊を舌と唇で拭わせながらそう言うんです。
「フェラチオも上手みたいですね、祥子さん。ほんとうにこの年なのにいやらしい身体だまったく・・・」 
もう全てが終わったと思っていたわたくしに改めて降り掛かる羞恥の言葉に、身奥をひくつかせてしまいました。 
「ふくっ・・・」 
あまりに大量に放出された精液が太ももを流れ落ち青畳を濡らしました。 
「お願いです 身繕いをさせてください」 
わたくしの唇のなかで改めて堅さを増しはじめた男性の塊から顔を引いてふらふらする腰つきで立ち上がりました。
まくりあげられたままのカットソーを下ろしスカートを直して、床の間に生けるように置かれていたレースのブラと手首を戒めていたハンカチを取り上げ部屋を出ようお茶室の襖に手をかけました。
 
「んん・・」 
お茶室の襖を開くとそこには・・・茶室より濃厚な栗の花の香りが漂っていました。
支配人がそこに控えていたことを思い出し立ち尽くすわたくしの足元には、タオルと熱く絞ったおしぼりが用意されていました。
「左手に化粧室がございます」 
水屋から水音とともに姿も見せずに支配人の声がいたしました。
襖だけを隔てたここに・・・支配人がいたことを忘れていたのです。
男性に犯された行為の全てを聞かれていたことを改めて思い知らされたわたくしは、頬を紅くせずにはいられませんでした。
その場から逃げる様に用意されたタオルをもって化粧室に向かいました。
ラウンジからのイパネマの娘が微かに聞こえる中、ふたりの男性から注がれた欲情の証を拭い去るかのように、いそいで身繕いを終えました。
 
お茶室には男性がひとり、床柱を背に座り冷たい白ワインをのんでいました。
男性の側にはトレイにおしぼりと、水滴が残っているのに空になったワイングラスが置かれていました。
トレイをはさんで男性の隣に座りました。
「のどが乾いたでしょう」 
そういうとわたしを引き寄せて口移しに冷たいワインを流し込みました。
男性の言葉遣いはまた最初の紳士的な口調に変わっていました。
「祥子さんのワインは支配人に飲んでいただきましたよ。とてものどが乾いていたようだったからね」 
男性はわたくしが席を外していた間に、支配人と交わしたであろう淫媚な会話を匂わすように微笑むのです。
「パンティをつけていないとは信じられない楚々とした姿ですね。これならお友達もわかりませんでしょう」 
・・・今日最後のナンバーです、Fly me to the moon。
「さ グラスをもってラウンジへ戻りましょう」 
男性と軽く手を組んで蝉時雨の庭をJAZZの流れるラウンジへ歩いてゆきました。
 
「お友達も楽しく過ごしていたようですね」 
男性の連れの方と言葉を交わしている女友達の姿が見えました。
「僕たちほどではなかったでしょうけれどね。来月が楽しみです 祥子さん。今度はあなたの白い肌をゆっくり縛りたいものです」 
ラウンジの戸を引き開けながら耳元でそう囁くと、男性は連れに軽く手をあげて先に席に戻ってゆきました。

祥子からの手紙-2
こんにちわ 祥子です。
昨晩は激しくて・・・お昼のこんな時間になってやっと目覚めました。

お席に戻ると一緒に来ていた女友達が意味ありげな視線を投げてきました。
ずっと男性のお連れ様がお話をされていたからもしかして・・・と不安になったのですが
地下鉄までの帰り道にいわれたのは
「だって私が話していた男性もずっと祥子さんのことばかり聞きたがるのよ」
っていう悪戯っぽい言葉でした。
 
支配人は、帰り際清算をしているときに「お忘れ物です、お客様」と
お庭のベンチに忘れていたGジャンを持って声をかけられました。
お酒と男性との時間に身体の火照りがおさまらなくて・・・上着のことを失念していたのです。
女友達の手前冷静なふりを装いながら、上着を着せかけていただくわたくしに
「来月もお待ちしています」とあくまでもビジネスライクなクールな声でご挨拶をしてくださいました。
 
帰りの電車の中のことは…とても・・・ここでは申せません。
また別の機会にでも
 
これからシャワーを浴びて遅めのブランチをいただきにまいります。 コメント
お引越なさっていらっしゃるんですね♪
懐かしいタイトルが一番上に来ていたので、何事が起こったのか・・・と思ったら。^^
窓の外の景色がモノトーンですので、華やいだ色合いひときわ鮮やかに感じます。
いままでの待ち合わせ場所(^^)も、とても住み心地のよいところでしたが・・・
柏木も引っ越したら、過去の記事に新しいコメントを頂戴できるかな?(笑)

2006/01/21 11:37| URL | 柏木  [Edit]
柏木様
MSNが少し状況が不安定なので・・・お引っ越しをはじめました。
お引っ越しが済んでからご連絡をと思っていたのですが、どちらかでご覧になってくださったのでしょうか?
柏木様は随分早い時期から全てをお読みいただいているので、もう・・だと思いますが、実はほんの少しづつですがリメイクしつつアップしております。
よろしければそんなところを楽しんでいただけたら♪
こちらもよろしくお願いいたします。

2006/01/21 13:02| URL | 祥子  [Edit]
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