唐紅 22
逞しく太く・・そして熱く反り返った塊の根元でわたくしの花びらを押し開くほど深く、 彼の塊はわたくしの胎内に留まっていました。はしたなく登り詰めたわたくしの密壷のひくつきにも・・・運転手は自らがいくことをいまだ禁じておりました。
絶頂で閉じた眦からつっ・・と流れた涙を、わたくしを貫いたままの彼の舌先が拭うのです。
「祥子様 すごい・・です。このまま動かなくてもいってしまいそうです。」
そういって口づけた彼の唇からは・・・強く唇を噛み締めた時に滲んだのでしょう・・・わずかに血の味がいたしました。
「ん・・っく・・ぁん」
声を上げ続けて乾いてしまったわたくしの唇を潤すような・・・やさしい でも深いキスでした。
「あぁ・・はぁぁぁ」
でも・・わたくしの中を押し広げるようにくいっ・・くい・・と上壁に向かって動く彼の塊が、登り詰めた快感をなかなか引かせてはくれませんでした。
「やぁ・・あああ・・だ・めぇ・・」
彼の唇はわたくしの堅く立ち上がった鴇色の乳首をねぶるのです。
「こうしたかった。あぁこんなに締まる」
吸い上げ・舌を絡め・甘噛みし・・・その度に敏感になっている身体は彼の下でぴくんと跳ねてしまうのです。
花びらの奥はくぃ・・っと、わたくしの意志とは関係なしに締め付けるのです。
そしてまた新たな愛液を溢れさせてしまいました。
外はわずかに空が白みかけ、人工光ではない明るさを室内に投げかけはじめておりました。
「祥子様。こうしてキスしながら、いかせてくださいますか」
運転手の唇が改めてわたくしに重ねられます。
「さきほど私の名前を呼んでくださいましたね。」
緩やかに腰が動きはじめます。
ようやく彼を見上げ、こくん・・・とわたくしは頷きました。
「うれしかった。いきながら祥子様に呼ばれるなんて、どれほどあのままいってしまいたかったことか」
くちょ・・くちゅ・・ちゅ・・花びらからはまた淫らな水音が聞こえはじめました。
「このまま祥子様の中でいかせてください」
上体をわたくしに重ね、唇を重ねながら。彼の腰は答えを待つことなく・・また激しく動きだしたのです。
「あぁ・・・あはぁぁ・・・んんぁぁ」
隣室の男性のことを忘れたわけではありません。
が、溢れるはしたない声を、これ以上押さえることはできなかったのです。
「ここ、ざらざらして。これが数の子か・・いい」
浅く中程の上壁を抉る様に彼の先端が行き来するのです。
「はぁぁん・・いいぃ・・のぉぉ」
中程から入り口までを押し広げる熱い塊を、奥まで欲しくて・・わたくしは自ら腰を動かし始めてしまいました。
「しまる。なんでこんなに濡れてるのに・・・あうっ」
塊を奥まで飲み込もうと、蜜壷はうごめいてしまうのです。
やんわりした女性の指で捕まえて奥へ送り込むような、淫らな締め付けが運転手の快感を高めてゆきました。
「あぁああ・・・もちづきさぁん・・わたくし・・もう・・だめぇ」
捉えられ愛撫されるような蜜壷の誘惑を振り切る様に、彼は早く・強くわたくしを犯しつづけたのです。
「かん・にん・し・てぇ・・もち・づきさ・ぁぁん」
白い両腕は彼の広い背中に回されておりました。こうしていれば少しでも彼の激しさを押さえられるとでも言うように。
でも・・わたくしの力では彼の欲望を押さえ切ることはできなかったようです。
「祥子様いい あぁ」
激しい腰の動きに少しずつずり上がってしまうわたくしの身体を留める様に、彼の腕は頭に回され・頬を捉え・思いのままに彼が唇を貪れる形に留め置かれておりました。
「もう・・あぁ・・かんにん・・また・・いってしま・・うぅ」
はしたなく・・・また上りつめようとしていることを・・・口にさせられてしまいました。
「わかっています、祥子様。こんなにひくつかせて。あぁ私も限界です。一緒にいきましょう」
胎内で一段と太さを増した塊はわたくしを押し開き、抜き差しのたびに敏感な真珠までを彼の茂みで嬲り・・・淫楽の極みへと押し上げるのです。
「ちょうだぁい・・・もちづき・さぁ・・ん・・の・・精液で・・しょうこを・・まっしろに・・し・・て」
淫らなおねだりまで・・・とうとう口にしてしまったのです。
「しょうこ・・さ・ま・・しょうこ・ぉぉ・・・いくっ・」
純白の綾絹の長襦袢ごと抱きしめられ、体奥まで逞しい塊に貫かれて・・・。
わたくしははじめて運転手の熱い迸りを子宮で受け止めたのです。
ちち・・・ち・・
運転手とわたくしの激しい息づかいがおさまった頃、窓の外からは夜明けを告げる鳥の声が聞こえました。
彼はゆっくりとわたくしから身体を離すと、長襦袢の袖をわたくしの両肩から抜きました。
「あっ・・・だめ・・」
ふたりの身体の下敷きになっていた・・・朝日に光る純白の絹で、彼は白い体液を溢れさせるわたくしの花びらを・柔らかな狭間を拭ったのです。
「いいのです。これは私の宝物になるのですから」
そう言うとわたくしを抱き寄せて、身体の下から長襦袢を引き出してしまいました。
唐紅 21
しょうこ・・さ・・ま 運転手はそう呟くとまた激しく舌を絡めてまいりました。ちゅ・・・っ・くちゅ・・・ 舌の根元までむさぼるような口づけは、彼の熱情をストレートに伝えるのです。
「ぁふっ・・・っく・・」
唇を重ねたまま彼の身体はわたくしに被いかぶさり、彼の手で着せ付けた長襦袢を今度は乱暴にはだけました。
わたくしの腰に跨がり・膝立ちになった運転手は、自らの帯に手をかけ浴衣まで脱ぎ捨てたのです。
彼は普通男性なら浴衣の下に着けている下着を着けてはおりませんでした。
しなやかな筋肉に覆われた長身の肉体と、猛々しいまでに反り返った塊を・・・わたくしは見上げたのです。
「ずっと・・こんな風に?」
ささやく声で彼に尋ねました。
「ええずっとです。祥子様と主がお庭に散歩にいかれてから・・・ずっと」
彼はわたくしの肩先までずり上がり・・そしてさきほどまで貪っていた唇にまた熱い塊を突きつけるのです。
「またしてほしい、もういちど祥子様の唇で」
彼の手は塊に添えられて・・・先端から滴った透明な液体を、ルージュを塗り込める様にわたくしの唇の上に塗り込めるのです。
「あ・・・はぁ・・・」
一度達したにも関わらず、塊はまだ濃い牡の薫りをたたえておりました。
「祥子様 さぁ」
彼の粘液に塗れかすかに舌先が誘う様に見え隠れるす唇に・・ぐいっ・・と上から塊を突き入れたのです。
「んぐぅ・・・く・・ぽ・・」
枕と彼の腰に挟まれわたくしの頭は動けませんでした。
その喉奥までずっと・・・彼の堅くて熱いものを押し込まれるのです。
「んんんぁぁ・・んくぅぅ・・」
容赦なく・さらに激しく・さらに奥まで・さらに熱く。
彼の腰はわたくしの胸の上で動きつづけました。
「あぁ 祥子様。いいです もっと」
彼の塊を唇で柔らかくしめつけ・・・舌を蝶が舞う様にひらひらと纏い付かせ・・・。
あまりの激しさに飲み込むこともできない唾液は唇の端から溢れるほどに・・・塊になめらかなぬめりを加えていました。
「あぁ、だめです」
突き入れたのと同じだけの唐突さで彼は腰を引いたのです。
「なんて淫らな唇なんですか。二度目なのにまたいきそうになってしまいました」
彼の重みが肩先から外れました。
わたくしの足元に下がると、今度は純白の長襦袢に包まれた両脚を乱暴に開くのです。
「・・や・・しないで・・望月さん・・・」
開かれた両脚を閉じる事ができないように彼は膝をすすめ、指で優しく・・でも躊躇なく柔らかい狭間を撫で上げたのです。
「あん・・」
くちゅ・・・ 数十分前に温泉で清められた身体なはずなのに...はしたない淫らな水音を響かせました。
「こんなにして・・・フェラチオだけで濡れるんですね。祥子様は」
溢れる愛液は太ももを・・・会陰を伝わり・・・純白の長襦袢にはしたないシミをつけておりました。
「この長襦袢は差し上げられませんね。こんなシミがついていたら」
花びらに留まっている露さえも滴り落とさせるような淫らな指使いで、わたくしを嬲るのです。
「いやぁ・・・」
彼の主である男性との戯れには緋色の長襦袢を気にして、はしたなく腰を浮かせる事までしたのに・・・彼との行為は高価な純白の綾絹の価値を忘れさせるほどに、わたくしを没頭させていたのです。
「祥子様のためなら新しいものをいくらでもお作りいたします。この長襦袢は私の宝物にいただいて帰ります。」
ぬめりを絡み付けた指先で大きくふくれあがった真珠までも、なでつけるのです。
「あぅっ・・・やめ・・て・・あぁ・・もちづき・・さぁ・ん」
敏感な珠を執拗に往復する指づかいに、わたくしはさらに蜜を溢れさせて・・・達してしまったのです。
「あぁ・・・祥子さま・・」
押えきれない快感に浮き上がるわたくしのたわわな胸元を確かめると、彼は塊を花びらに押しあて・・・奥深くまで・・はじめて押し入れたのです。
ぬりゅ・・・みし・・・ シーツまで濡らすほどに潤った蜜壷は、彼の大きな塊を、身体を押し開く感覚と共に受け入れました。
ちゅ・・くちゅ・ぅ・ぅぅ・・ ゆっくりとでも奥まで・・子宮を確かめるように再奥まで塊を突き入れます。
「祥子さま・・・これが・・あぁいい」
運転手は両足首を肩に抱えるとようやく腰を動かしはじめました。ときおり喘ぎを漏らしながら、わたくしの眼をみつめたままで幾度も深く抉りつづけるのです。
いまだ身体にほの輝く白の長襦袢をまとい付けたまま,わたくしは彼に組み敷かれておりました
「あはぁ・・・あぁ・おお・き・ぃぃ」
軽く腰が浮くほどに身体を二つ折りにされたままの体位は、より深く彼を受け入れることになってしまうのです。
「いいのぉぉ・・・あん・・あぁぁ」
じゅぽっ・・・くちゅっ・・ちゅ・・ 抜き差しをくりかえすたびに、花びらからははしたない音を立てて愛液が溢れていました。
「あぁ・・・はぁぅうん・・」
彼の塊は確実にわたくしを淫らな愉悦に押し上げてゆきました。
白い腕は彼を押し留めようとしますが宙を舞い彼に縋るだけしかできません。
純白の長襦袢には、大きく張り出したかりが汲み出す白く濁った愛液が、次々と吸い込まれていったのです
「あぁしまるっ 祥子様」
普段から素肌を晒すことのない脚は、肌理の細かい柔らかな肌をしておりました。運転手の両手は・・・ほんの僅かも身を離すことも許さないと言わんばかりに、その脚を捉えておりました。
「あふぅぁぁ・・・あん・・だめ・・はげし・い・の・・」
正常位のままに貫かれ、彼の動きにGカップの乳房は たふ・・たふ・・たゆん・・・とはしたなく揺れ続けます。
望月さんの視線は、快感に眉を顰めるわたくしの表情と、はしたない乳房の動きを交互に捉えていたのです。
「あはぁぁぁ・・・また・・・いっ・・く・・」
何度も頂きまで押し上げられているのに・・・熟した身体はまだ浅ましく快感を貪ろうとするのです。
わたくしは何度も達してしまう淫らな顔を見られたくなくて、唯一自由な両腕で目元を覆いました。
彼の腕が肩に抱き上げていた両足首を左右に大きく割り、布団に下ろしたのです。
荒々しいまでの腰の動きを緩めて・・高まり極まろうとしていたわたくしの快感は、宙に浮いたままに留め置かれました。
「祥子さま、だめです。手をどけていく顔を見せてください」
彼の両手がわたくしの手首を掴み顔の左右に引きはがしました。
「やぁっ・・だ・め・・ぇ」
わたくしの目元も肩先も悦びに紅く染まっておりました。
「主にではなくて、私でいく祥子様を見せてください。もっと声を上げて」
運転手はわたくしの手首を掴んだまま上半身を倒し込み、両手を布団に押し付けて、また腰の動きを激しくするのです。
「あぁああ・・・やめ・て・・ぇぇ」
彼の言葉で・・快感で忘れかけていた襖の向こうにいる男性の存在を・・思い出しました。
それでももう火のついた身体は、喘ぎを押さえることなど出来なくなっていました。
「やぁぁぁ・・・みない・・で・・」
緩やかな動きに焦らされていた密壷は、強い刺激に彼の塊を中程と奥の2カ所できつく締め付けて・・・より強い快感にわたくし自身を追い込んでしまうのです。
彼は、主である男性にわたくしの乱れる様を誇示するかのように、容赦なく責めつづけます。
「あぁ・・かん・・にん・・」
密壷を逞しい彼の塊で、両手を彼の腕で押さえ込まれたわたくしには・・・許しを乞うためには髪を乱すほどに首を振ることしかできませんでした。
「はぁぁ・・ふ・・あぁぁ・・もち・・づ・き・・さぁ・・ん」
眉間を僅かに寄せ、薄く涙を浮かべる目元・額にほつれかかる黒髪を彼は見つめておりました。
「その声その表情。あぁ祥子様、いってください」
射出感にひくつく腰をこらえながら、彼は塊をわたくしの奥まで ずん・・ずぅん・・と突き入れ子宮口をこねる様にねじ込むのです。
「かんに・ん・・ぇ・・もちづき・さぁぁん・・い・くぅ・・ぅぅ」
これ以上密着できないほどに深く彼の塊を胎内に飲み込みながら、わたくしはまた絶頂を迎えてしまったのです。
唐紅 20
「ん・・んくっ・・・」そのまま喉奥まで、熱い先端を上顎にこすりつけるように咥え込んだのです。
「うっ・・・」
運転手の手が・・無意識なのでしょう。
わたくしの頭を両手で押えるのです。
ちゅ・・ぷ・・ 鼻先が彼の茂みに埋まるほど深く口腔に納めたところで、彼の裏側の中心線に舌先をあて・・くうぅぅっと頭を引くのです。
「あぁ 祥子様」
くちゅ・・・ぺちょ・・・ すぼめた唇が、張り切ったかりでそれ以上引けなくなったところで頭の動きを止めるのです。
口腔はわたくしの唾液と、彼の塊でいっぱいに満たされておりました。
っちょ・・・くちゅ・・・ 少しだけ頭を戻してから、舌先は塊の下の合わせ目からかりの裏側をぐるりと回り・・・また合わせ目へ・・・そして唾液よりも粘度の高い液体を溢れさせている先端へと這わせるのです。
「あっ だめです」
運転手の鈴口はまるで生き物のように、侵入してくるわたくしの舌先にやわやわとしたキスをくりかえします。
くぽぉぉ・・・ちゅ・っ・・ 先端からは新たな粘液が湧きだします。
そのタイミングを待って・・・わたくしは深く浅く、口唇での動きを伴った愛撫をはじめました。
ちゅぽぉぉ・・・くちゅぅぅ・・じゅるっ・・・ちゅぅぅ・・・
「あぁああ・・・」
わたくしの頭に添えられていただけの両手が次第に力を増し、やがて彼の思うがままに前後させられはじめたのです。
「祥子様 なんて口なんですか。こんな。まるで あぁ」
他の男性にキスをしながら突き入れられて・・・上顎は胎内と同じ数の子状だと言われたこともございます。
わたくしは快感を与える為の口内の動きだけに集中いたしました。
じゅ・・・ぽ・・・ 彼の敏感な裏側の筋を舌で不規則に刺激しながら、先端が常に上顎をなぞり続けるように・・・舌を隆起させるポイントを変えるのです。
「いい 噂以上です。あっ」
彼の塊が一段と逞しさを増してゆきます。
広がったかりが出し入れされるたびに、わたくしの唾液は掻き出され・・・赤い痕を散らした胸元をしとどに濡らしました。
「あぁっ いきますっ」
頭に添える手に力が籠ると、長い間何度もの衝動を堪えていたであろう運転手の噴出は、太く・大量に・たたき付けるかのような勢いで口腔ではじけたのです。
ふっ・・・っくん・・・ 息をすることもできないほどの量の精液を、わたくしは塊を口にしたまま・・・喉奥だけを動かして少しづつ飲み下したのです。
「申し訳ありません。祥子様」
先ほどとは違い・・・彼の手はわたくしの髪を優しくやさしくなでてくれたのです。
ぺちょ・・・ちゅ・・あっくぅん 彼の体液を飲み干したわたくしは、まだ堅さを失っていない塊の先端をそのまま吸い上げ・・・もう一度喉奥まで迎え入れて舌で清めました。
「どうかもうおやめください。お願いです」
指先は一切使わずに口唇と舌先だけで・・わたくしは彼の大きな塊を愛撫したのです。
そして当たり前のように塊を清めたあとは、その下のやわらかな袋に唇を這わせたのです。
ちゅる・・・くちゅ・・・くぅぷっ・・ 片側づつ口に含み、あめ玉を舐める様にやさしく舌を這わせます。
「祥子さま。また あぁ」
わたくしは運転手の想いにただひたすら、一言の言葉も・・喘ぎ声すらも発することなく口戯で応えておりました。
ちゅ・・くっ・・ぷ・・ 改めて彼の塊を、花びらの狭間のようにすぼめた唇に迎え入れた時には、初めて唇を這わした時と同じ昂りと堅さを取り戻しておりました。
「しょうこ・・さ・ま・・・」
ため息のようにわたくしの名前を呼ぶと、運転手の腕は力を取り戻し、わたくしの頭と唇を彼自身から引きはがし・・・唇を合わせようとするのです。
「だ・め・・」
首を振り・・・彼の唇から逃れようといたしました。
ほんの数瞬前まで彼のものを口にしていたのです。
まだ喉の奥には熱い精液の名残が香る様にさえ思えるのです。
そんな唇を彼と合わせるわけにはまいりません。
「どうして・・・」
「だってあなたのもの・・・だから・・だ・め・・」
ん・・ぐぅっ・・・ 強引に顎を押し上げられ、唇を重ねられてしまいました。
「あ・んん・・ん・・だめ・・」
今日何度めのディープキスだったでしょう。
それでも今夜のどんなキスよりも丹念に、わたくしの口腔を彼の舌が這い回るのです。
「ぁん・・・だ・・め・・へ・ぇ」
上顎から舌の裏側へ・・・まるで先ほどの熱くて堅い塊のように・・・彼の舌がわたくしの口唇をむさぼるのです。
主である男性のように、技巧をつくした口づけではないのです。
熱に浮かされたような・・・わたくしのすべてを彼のものにしたいと叫んでいるようなキスでした。
「だめなものですか。美味しいです」
一時の熱情がおさまったのでしょう。
優しく・ほほを寄せるようにして、わたくしをシーツの上に横たえました。
「や・・・はずかしいわ」
真上から見つめる運転手のまっすぐな瞳を見返すこともできずに、瞼をふせてしまったのです。
「お願いです。こちらを見てください」
はだけたままだった長襦袢を掻き合わせて・・・わたくしの身体を覆いながら優しく語りかけるのです。
「ん・・」
やっと瞼をあげることができました。
彼の瞳はさきほどと同じところに、やさしく佇んでいました。
「私の名前を呼んでくださいますか?」
彼の手はわたくしの身体をまさぐることもなく、わたくしの右手に重ねられていたのです。
「もちづき・・さ・ん・・」
唐突な願いを不思議に思いながら・・・わたくしは彼の名を口にしました。
「あぁ 良かった。どうして先ほどは声を出そうとはしなかったのですか?」
一瞬なんのことかと思いました。
でもすぐにあの口戯の間のことだと気づいたのです。
「だって・・・あんなに大きいんですもの」
彼の張り切った塊はわたくしの口をみっちりと塞いでいました。
でも・・それだけではなかったのです。
せめてこのときだけはわたくしの全てで彼に応えたかったから・・・とは言えませんでした。
「祥子様の声は媚薬なんです」
運転手はわたくしの身体に彼の下半身を沿わせてまいりました。
「媚薬だなんて・・・あ・・・ぁはぁ・・ん・・」
さきほどまでお行儀良くしていた彼の右手が、白い綾絹の長襦袢の上から・・・わたくしの太ももをなであげたのです。
「その声です」
左手はわたくしの首筋に差し入れられ、柔らかな黒髪の生え際を刺激します。
「ぁぁ・・んん・ん・・」
襖を隔てただけの隣室には、彼の主である男性が眠っているのです。
運転手の微妙な指使いに・・つい出てしまいそうになる声を押し殺そうと努めました。
「もっと・・です」
長襦袢の上を這う手が、予告もなく左の乳首をきつくつまみ上げました。
「あぁぁぁ・・だめ・ぇ・」
一晩中、快感に立ち上がったままの先端は、綾絹の刺激に疼きを高め・・・彼の指でわたくしの芯へと容赦なく快感を送り込むのです。
「その声です。ほら祥子様おわかりでしょう。私は祥子様の声だけでもこんなになってしまんです」
わたくしの身体に押し付けられていた彼の塊は、ひくひくと震えておりました。
フェラチオで達したあとの口戯でたしかに彼の塊は硬度を取り戻していました。
このひくつきは・・・彼が最前よりももっと欲情を高めたことを示しておりました。
「はぁぁ・・ん」
彼の指先は、長襦袢に陰を落とすほどに堅くしこっている乳房の先端を・・・優しく嬲り続けるのです。
「欲張りですね。祥子様にフェラチオをさせながら・・・僕はこの声が欲しかったんです」
喘ぐような吐息とともに、軽く唇を重ねるのです。
「でも 声まで聞いていたら、もっと早くいってしまっていたかもしれません。申し訳ありませんでした。祥子様の口に出してしまったりして。お許しください」
唇だけを触れ合わせるキスに、思わず舌先を差し出したくなってしまうのです。
「いい・・の・・お口に・・欲しかった・か・・ら」
わたくしの声ははしたなく濡れていたに違いありません。
唐紅 19
乱れていた髪は、あらたに三つ編みにされておりました。洗面台には、櫛と簡単なヘアクリップと基礎化粧品が用意されていました。
この宿に来てはじめてひとりになれたのを確認し、浴衣の前を押さえていた手を離し・・・ヘアクリップで髪をアップにしました。
繰り返された絶頂はわたくしを少し青ざめさせ、全身をけだるくさせていたのです。
最初に気を失った時とおなじように、男性の名残は運転手によって綺麗に拭われておりました。
浴衣を落とし・・・露天風呂に向かうと、冷たい空気の中で掛け湯をし、優しい恋人に癒されるような暖かな湯に身を沈めました。
髪を洗い・身を清めたわたくしは、脱衣室で少しとまどっておりました。
身に纏うものがあの浴衣しかなかったからです。
洗い髪をきつく三つ編みにし、浴衣だけを羽織って前を押さえ・・・あの鏡の部屋の襖をあけたのです。
そこには真っ白な長襦袢の掛けられた衣桁と、運転手がおりました。
「祥子様。お願いがございます」
正座をし、 まっすぐにわたくしを見て運転手が静かな声で申します。
「どうか今一度、私に身を任せてくださいませんか」
たしかに今夜・・・何度も彼の唇で・指でわたくしは上り詰めさせられました。
でも彼はまだ一度として達してはいなかったのです。
彼の主は、彼の望みを叶えてやると言っていました。
そのために、今日一日わたくしに全てを委ねてやって欲しい・・・とも言っていました。
望み・・・その言葉の解釈が、主である男性と彼との間で違っていたのでしょう。
それとも運転手の<欲>なのでしょうか。
「お疲れなのは存じております。おねがいします、どうかわがままを聞いてください」
真摯な彼の姿勢にわたくしは首を縦にふりました。
「ありがとうございます」
運転手は立ち上がると、衣桁に近づき月光を集めたような白の長襦袢を取り上げました。 半襟までもが純白で、桜の花びらのような折り柄だけが上品に浮かび上がっておりました。
「私が祥子様にどうしても着ていただきたかったものです」
わたくしの肩から浴衣を取り上げ・・・両肩にふわりと着せかけます。
真紅のものと同じ量感のある綾絹の感触が肌を覆いました。
「だって・・・あのお着物もあなたが用意してくださったのでしょう」
奥の間に飾られた、芸術品のような着物を思い起こしておりました。
「はい、でもあれは主から伺っていた祥子様のイメージで選んだものです」
わたくしの前に跪くと、優しく襦袢の前を合わせ腰紐と伊達締めを結んでゆきます。
「私があの日お送りした祥子様に感じていたイメージは、このお姿です」
掛け布を上げた鏡に映っていたのは、花嫁衣装のような純白の襦袢に包まれたわたくしの姿でした。
上品に合わせられた襟元から伸びた首筋に、1点だけ赤い痕が見られました。
無意識に髪を反対側にまとめていたとわかり、はっとして首筋を手で隠しました。
「お綺麗です、祥子様」
運転手はわたくしの後に立ち、鏡越しに視線を合わせてまいりました。
背中に触れ・腰に触れる彼の身体は・・・もう熱く反応しておりました。
「お着物も合わせて用意してございます。それは明日。さあ・・・こちらへ」
奥の間へと、運転手に肩を抱かれるようにして入ってゆきました。
奥の間の中央に敷かれた布団は、シーツまで新たなものに変えられておりました。
すっ・・・襖をしめる音に僅かに遅れ、わたくしは後から運転手の腕に抱きすくめられておりました。
「祥子・・さ・ま・・・」
襖の向こうの主を気遣う彼の囁きに、わたくしは首をかしげるように仰向けてゆきました。
「お名前は?」
主からも<彼>としか聞かされていませんでした。もとよりわたくしは、その主の名さえ未だ知らなかったのです。
「望月です」
「もちづき・さ・・ん・・・ぅくっ」
彼の名を呼ぶ間もなく唇を塞がれてしまいました。
運転手の口づけは甘く・・・優しいものでした。
後ろ向きに応えていたわたくしの身体を優しく回して、向かい合って抱きしめる間も・・・小鳥が啄むようなキスを途切れさせはしませんでした。
「はぁ・ぁぁ・ん・・」
長い夜の間、なすがままに翻弄され続けていたわたくしは、初めて自らの意志で、両腕を彼の背中に回したのです。
わたくしを抱きしめる望月さんの腕は一度だけきつくこの身を抱きしめると、あとは優しく背を・・・腰をたどってゆきます。
そしてゆっくりとわたくしを布団へと導きました。
「あぁ・・・祥子様」
柔らかな感触の上に膝立ちになったわたくしの首筋に、彼は唇を這わせます。
「あん・・・や・」
白い肌にぽつりと付けられた赤い痕を、きつく吸い上げるのです。
「だめ・・・」
優しかった彼のふいの激しい仕草に、抗いの声を上げてしまいました。
「いやです。他の・・・それがたとえ尊敬する主がつけたものでも・・・ほかの男の付けた印を見るのはいやです」
耳を甘噛みしながら伊達締めを・・・腰紐を解くのです。
「改めて私が印を付けます。それだけは、許してください」
はらりと落とされた襦袢の襟元に現れた痕にまで唇をつけるのです。
「あっ・・・はぁ」
それだけのことにわたくしはせつない疼きを感じてしまいました。
左乳房に男性が付けたあと二つの痕まで舌を這わせ、同じ様に・・・より濃い痕を印してゆくのです。
「望月さん・・・おねがいがあるの」
わたくしの声に顔を上げた運転手は、ほほを寄せる様に抱きしめてこういいました。
「なんですか?祥子様」
「おねがい・・・あなただけの・・痕を付けて。はしたないわたくしが嫌いじゃなかったら」
「あぁ・・・しょうこ・さ・ま・・」
彼はまだ痕の付いていない・・・真っ白な右の乳房に顔を伏せたのです。
そしてわたくしの困らない秘かな場所に、大輪の薔薇のような赤い印を付けてくれました。
「望月さんありがとうございました。お礼です」
純白の長襦袢を肩に羽織り、首筋から胸元まで幾つもの赤い痕を散らした姿のまま・・・わたくしは膝をくずしました。
無言で運転手の浴衣の腰を引き上げ立つ様に促します。
わたくしは自らの手で彼の浴衣の前を割り・・・猛々しいほどに反り返った塊に、わたくしは唇を触れさせたのです。
唐紅 18
くちゅ・・・ ストッキング越しの運転手の口戯は、わたくしの淫らな身体の反応を無視するかのようにひたすらに続けられました。「いぁああ・・・」
わたくしの性感帯は花びらや真珠のように・・・達したあと少しの間だけ感覚がわずかに鈍くなることもあるのです。
なのに・・・足指の感覚は衰えることを知りません。
どれだけねぶられても・・新たな淫感をわたくしに送り続けるのです。
三つ編みにされた黒髪は感じ悶えるにつれて乱れてゆきます。
なのに総絞りの赤い帯揚げは緩むことなく、わたくしを紅の闇の世界に留めるのです。
「はぁぁあ・・・や・あぁぁ」
運転手の口戯は小指に向かうほどに・・・淫らな感覚をより鋭くさせてゆくようなのです。
「僕が動かなくても祥子さんのアナルが勝手に締め付けて、ああ いいですよ」
わたくしの腰を鷲掴みにし、ぐいっと根元まで塊を押し込んだ男性は・・・まるくまぁるく腰を回してゆきます。
「あ・・ああ・・い・・っぱ・い」
根元に向けて太くなった塊は排泄器官を運転手の指以上に押し広げ、その長い先端でわたくしの内臓をかき混ぜるのです。
「ゆるし・・てぇぇ・・い・・くぅぅ」
薬指を甘噛みしたまま・・・しごくように頭を上げてゆく運転手の愛撫に、わたくしはまた達してしまいました。
「まだ右足の愛撫さえ終わっていないのに。またいったのですか、祥子さん」
ぴちゃぁ・・・男性の玉袋がわたくしの花びらから溢れる蜜で、はしたない音をたてるのです。
「これじゃ彼の望みに応えるまでに、祥子さんがいき狂ってしまいそうですね。ふふこんなに溢れさせて、僕のをつたって滴ってしまいそうですよ」
「あぁふぅぅ・・ああ・・・やめ・・て」
男性の密着した腰を揺する様にされるだけで、花びらはくちゅくちゅと音を立て真珠までもが悦びを生み出すのです。
「彼はね、祥子さんのストッキングに包まれた脚を楽しみにしていたんですよ」
ひとしきり快感にひくつく身体を楽しむと、男性はまたゆっくりと抜き差しをはじめました。
「足指だけじゃなくてね、ふくらはぎや膝の裏や愛液で濡れた太ももの内側まで・・・その口で愛撫したいとね」
焦らすようにゆっくりと抜き、自らが開発した場所を犯し抜く権利があるといわんばかりに・・・ゆっくりと押し込むのです。
「ゆる・・し・て・・」
男性が口にする運転手の破廉恥な欲望は、赤い帯揚げの目隠しのせいで、増幅されてゆく快感を強い媚薬に変えてゆきます。
「ゃあああ・・はぁああ・・だめぇぇ・・」
押し広げられる動きではなく、内臓を・・・アナルの内壁を刮げとるかのような男性の動きは、新たな刺激となってわたくしを襲います。
「どれだけ祥子さんにいただいた破れたストッキングを喜んでいたことか なぁ」
明らかに動きを早めながら運転手に問いかけるのです。
「やぁぁ・・ゆる・し・・て・・また・・いき・ま・す・ぅぅ」
運転手は答えるかわりに小指と薬指を同時に口に含み、その狭間を舌で愛撫したのです。
敏感な指先を軽く噛み狭間をねっとりと舐め回す舌使いがわたくしを追い込むのです
「あぁぁ・・・い・・くっ・・」
男性に貫かれ抜き差しされたままでの3度目の絶頂は、それまでと違う深い波でわたくしの理性をさらってゆくのです。
「そんなに感じて、締め付けたらだめじゃないですか 祥子さん」
ぱん・・ぱん・・男性の腰の動きが早まります。
「おねが・・い・・もう・・ゆるし・・て」
小指から土踏まずを通ってアキレス腱をねぶり、ふくらはぎに舌を這わせて膝裏の薄い皮膚を吸い上げるのです。
「あぁあああ・・・やぁ」
太ももをひくつかせるほどの・・・立て続けの絶頂がわたくしを打ちのめしました。
脚の力はとうに抜け落ちていました。
腰にあてがわれている2つの枕がなくては、男性に貫かれているはしたない姿勢を保つことすらできなかったでしょう。
「っく すごい締め付けだ。僕もいってしまいそうですよ 祥子さん」
男性にも2度目の絶頂が迫っていました。塊がまるで排泄器官であることを忘れた様に・・・いままでにない早さでわたくしを抉ってゆきます。
「はぁ・・ん・・んん・・やぁぁ」
ようやく右脚を解放されたと思いました。
でもそれは左足指への新たな刺激でしかなかったのです。
運転手は今度は親指から甘噛みを加えた口戯で、わたくしを責めるのです。
「おねがい・・・もう・・いかせ・ない・・で・・ゆる・し・て」
右足の愛撫の記憶と、初めての刺激に敏感になった左足が、アナルと胎内とを耐えられないほどに淫らに変えてゆきます。
「ああ、いきそうだ 祥子さん」
まるでノーマルな性交のような激しさで男性はわたくしを犯すのです。
「あああああ・・・いく・・ぅぅ・・ぅ」
左足の薬指を吸い上げられた瞬間に、わたくしの性感は意識を白く飛ばすほどに高められ・・・一気に頂きに押し上げられてしまいました。
「いくっ・・・あぁ」
短く喘ぎ声を上げた男性はわたくしの腰を引き寄せ、アナルの奥に熱い精液を何度も何度も叩き付けるように吹き上げました。
熱い・・・内臓に直接注ぎ込まれた精液の感触だけを最後の記憶に、わたくしはまた意識を失っていたのです。

「祥子様 大丈夫ですか?」
次に意識が戻ったのも、やはり運転手の腕の中でした。
帯揚げの目隠しは解かれ、わたくしの身体を彩っていた深紅のランジェリーは全て脱がされて・・・一枚の浴衣を着せかけられておりました。
「ありがとう あなたがしてくださったの」
高く上げさせられていた喘ぎ声のせいで、声はほんの少しハスキーになっていました。
ゆるやかに打ち合わされた浴衣の前を掻き合わせて、わたくしは上体を起こしました。
「どうぞ これをお飲みください」
運転手が差し出したのは、あの梅酒を薄く水割りにしたグラスでした。
「ん・・」
・・っく・・んっく・・ 冷たいグラスが喉の乾きを意識させ、わたくしは一気に甘露な液体を飲み干してしまいました。
部屋はあの奥の間でした。
すでに居間との間の襖は締められ、梁にかかっていた縄も片付けられておりました。
衣桁には、わたくしが着せられていた黒地に紅葉の柄の友禅と月待ち月の帯が、一幅の絵のように掛けられておりました。
「起きられますか? 温泉にはいられてはいかがでしょうか。浴室のご用意はできております」
グラスを受け取った運転手がそう勧めてくださいます。
「あの方は?」
予告通りに・・・わたくしを1人で貪り尽くした男性の姿が、その部屋にはありませんでした。
「そちらの部屋に 満足しておやすみになっておられます」
運転手の視線が襖の向こうを指し示すのです。
「でしたら、温泉にいったらお起こししてしまうわ」
浴室は居間として使っていた部屋から、廊下を抜けた左側の脱衣室・・・のはずでした。
「いえ、どうぞこちらから」
わたくしの手をとって立たせると、運転手は押し入れだと思っていた襖の1枚を・・・すっと開くのです。
そこは鏡台のあるあの部屋でした。
「ゆっくりとあたたまっていらしてください。お部屋に戻られるときもこちらから、いってらっしゃいませ」
脱衣室への襖を開け脱衣室へと案内すると、運転手はわたくしを1人にしてそのまま鏡台の部屋へ残りました。
唐紅 17
「刺激的な啼き声でしたよ、祥子さん」温泉から上がった男性が襖を開けて、奥の間に戻ってきたようです。
わたくしはまだ赤の絞りの帯揚げで目隠しをされ、腰を高く上げたままで運転手から与えられた絶頂感に酔った様になっておりました。
男性の声も遠くに聞こえるようで・・・実感すら湧きません。
「温泉の中で、ふふ あまりに早く回復してしまって困りましたよ」
わたくしの閉じかけた膝を、男性の浴衣がまた開くのです。
「あんな声・・・指以外のもので愛されたんですか?」
はしたないことを聞く声と、足元で浴衣を羽織る衣擦れの音が、わたくしに理性を取りもどさせました。
「おねがい・・・これをとって・・・」
目隠しをされて遮断した視覚が快感を増幅するのです。
身体の内を這う指を何倍にも感じさせたのです。
「ふふふ 彼に外してもらったらどうですか」
運転手に翻弄され絶頂を極めたわたくしを、嘲るように男性の声が響きます。
「祥子さんの乱れた黒髪に赤い帯揚げ、濡れそぼった花びらに赤いガーターと白いストッキング。綺麗ですよ」
それだけ言うと男性は、まだ運転手の指責めで快感の引かないアナルに、昂った塊を押し入れたのです。
「あうっ・・あぁぁ・・や」
いつのまにか塗られていたのでしょう。
男性の昂りはローションですっと滑らかに・・・運転手の指ですっかり拡張されたアナルに飲み込まれていったのです。
さきほどわたくしを抱いていたときよりも・・・少し太さと堅さが増したような塊でした。
「あん・・そんなに・・はげしく・・だ・め・・」
男性の長い塊は、大きなスライドでわたくしの内臓をかき回すのです。
「いい感じにほぐれてますね。ああ気持ちいい、祥子さんあのあと何人にこのアナルを許したんですか、いいなさい」
腰の動きを早め・・太くなってゆく根元でアナルを押し広げるようにして、先ほどとまた同じ質問を繰り返すのです。
「やぁ・・・あぁぁあああ」
達したばかりの排泄器官は、つい先ほどまでの悦楽の記憶を呼び醒まされてしまうのです。
「何人ですか? こんなに滑らかに受け入れるようになって。さあ!言いなさい」
奥まで差し入れ・腰を回して、つるつるした内壁からその奥のすべての壁を塊でかき回すのです。
「あふっ・・・ひとりだ・け・・です・・あなたの他は・・・ひとりだけ」
入り口と奥の両方の刺激は、他の方との情事を口にさせるだけの強制力をもっていました。
「ほう たったひとりとで・・こんなになるのですか。くやしいな、余程上手い男性だったんですね。祥子さん、いいですよ」
わたくしの告白を引き出したことで満足したのでしょうか。動きを緩やかに変えて、男性の声も優しく変わってゆきました。
「君も、祥子さんを楽しませてさしあげなさい」
側に控えていた運転手に男性が声を掛けました。
運転手の動く気配に、わたくしは彼の塊で口を犯されるのだと想像したのです。でも、彼は主である男性の側に座りました。
「失礼いたします」
「あぁっ・・・あああ・・・だめ・・そんなこと」
運転手はわたくしの足首を掴み上げ、ストッキングの上から足指を一本一本ねぶりはじめたのです。
「や・・ゆるして・・はぁぁああ」
男の方に足をなめられるなんてはじめてでした。
それもストッキングごしに、指の股までもなまあたたかい舌が這い唾液でぬめるのです。
はじめての快感はわたくしの身体を朱に染めるほど刺激的でした。
「あうっ きつくなった。良かったな、祥子さんは喜んでくださったぞ」
締め付けに動きをゆるめながら、男性は運転手に話しかけるのです。
「ありがとうございます 祥子様」
そのときだけ唇を離して・・・また唇での愛撫を続けます。
帯揚げの目隠しを外すことは許されませんでした。視界を奪われたまま・・・触覚に対する反応を数倍に高められたままで、運転手の口戯は続けられたのです。
足に・・・それも指の一本一本にまで・・・性感帯があるとは思ってもみませんでした。
「はぁぁ・・・やめ・・て・・」
運転手は手にした右足の親指を口に含み、まるでフェラチオをするかのように唇で締め付けながら舌を這わせるのです。
爪の付け根の薄い皮膚が伝える彼の唇の感触は、手の甲に口づけされるかのようでした。
パンプスのつま先を支えている指の腹は、まるで首筋へ口づけられたかのようにわたくしの身体をおののかせます。
「あぁあぁぁあ・・・だぁ・めぇぇ」
親指をくまなく舐め回すと、その舌は人差し指との間に這わせるのです。
彼の舌は、先ほどまでわたくしの花びらの狭間を辿っていたのと同じ動きを繰り返します。
たった数センチの違いでしかないのに、指と指の間に隠されている部分は数倍の強さと感度で、彼の舌の動きをわたくしのはしたない快感に変えてゆくのです。
「あああ・・・ゆるし・・て・・ぇぇ」
人差し指を口に含まれるころには、わたくしは軽く達していました。
「ほおぅ いったんですね。祥子さん」
一度わたくしの中に精液を吐き出した男性は、わたくしの収縮さえも余裕をもって受け止めていました。
「やぁ・・・」
性急な動きをすることなく、ただ熱く長い塊にわずかに太さを加えて、快感に打ち震える胎内の感触をゆっくりと味わうのです。
「はぁあああ・・・」
両手を突き上体を起こす気力すらも、2人の男性はわたくしから奪ってゆきました。
唐紅 16
気を失っている間に、どれほど犯され嬲られた身体を拭われたのかはわかりません。ただ、他の男性のものを直に注ぎ込まれた部分を、運転手の唇で拭わせるなんて・・・とても考えられないことでした。
「おねがい・・やめて・・・きたな・い・・」
彼の優しさにわたくしは大きく抗う事もできず、だからといってそのまま身を任せることも出来ずに、身じろぎをくりかえしておりました。
そのくせ視界を奪われた状態で、運転手の生暖かい舌と唇に大きく濡れ光った真珠を舐め上げられる妖しい快感は、拭われたばかりの花びらにさえまた溢れるばかりの蜜を湧きださせるのです。
「いいえ、汚くなんてありません。祥子様の愛液は・・美味しいです」
じゅ・・っるっ・・ 急に溢れた愛液をほんの一滴すら零したくないといわんばかりに、彼は舌と唇を使って吸い上げます。
「あっ・・ふぅあぁぁん」
2枚の花びらを同時に啜り上げ、口中で・舌先で執拗にねぶられて、はしたない声まで上げてしまうのです。
「こんなに光って・・クリをこんなに大きくして」
運転手のうわずったような声すら、わたくしの羞恥を煽りつづけるのです。
彼に掴まれ自由を奪われているはずの足首からも、はしたない淫楽が忍び寄るのです。
「いやぁぁ・・・」
全く視界を奪われることは、触覚と聴覚を2倍にも5倍にも増幅します。
ぺちょ・・・くちゅ・・ちゅ・・ 愛液が流れてゆく会陰から、左の花びらの尾根を通り・・度重なる絶頂で大きくなった真珠の表面をたどり・・・。
右の尾根をゆっくりと降りてゆく彼の舌先が、愛液にまみれる音さえも克明に響くのです。
「はぁぁ・・あん・・やめ・て・・」
激しさを押えて何度も舌先は同じルートを辿り続けます。
同じ強さなのに一度めよりも二度め、二度めよりも三度めの快感のほうが強くなってゆくのです。
「おねがい・・ゆるし・・て」
花びらの尾根や外側ではなく・・・蜜を湧きだされる狭間をねぶってほしい、真珠の表面をゆるく撫でるのではなく・・・強く吸い上げ甘噛みしてほしい。
彼の破廉恥なくせに紳士的な舌使いに、わたくしの腰は枕で押し上げられた以上に浮き上がってしまったのです。
「もっと・・・ですか 祥子さま」
舌がかすかに離れる分だけ、迫り上がる腰の動きを運転手は気づいていました。
また少し・・・舌を離していじわるな質問をします。
「いゃぁぁ・・・あはぁあ」
喘ぎ声とうらはらに、彼の舌を求めてまた上がってしまう腰を両手でつかみ、運転手は激しく吸い上げました。
「ああぁぁあ・・・ゆるし・・てぇぇぇ」
一枚づつ吸い上げた花びらに歯を立て、根元から吸い上げた真珠を甘噛みするのです。
「あぁ・・いいぃぃぃ」
堅く尖らせた舌を花びらの狭間に突き込み・・・淫らにひくつく内壁をまるで彼の塊のように舌で突き上げるのです。
「やぁ・・ゆるし・・て・・い・・くぅ」
ちゅぽ・・くちゅ・くぽ・・溢れる蜜をかき回す彼の舌が、水音を高くします。
「いくっ・・・」
運転手の顔にこすりつけるほどに腰を高くふるわせて・・達して・・・しまったのです。
「祥子様の香りに狂ってしまいそうです」
下のお口とのキスを止めることなく、運転手はつぶやきます。
「こんなフェロモンを溢れさせて。あぁぁ先ほどの主とのときよりもっと強い」
柔らかな狭間からは、彼の唇では拭いきれないほどの愛液がしたたっておりました。
男性と運転手に、代わるがわる数度にわたって絶頂に送り込まれた身体は、運転手の愛撫を受けていない部分に淫らな疼きを送り込み・溜め続けていたのです。
両の乳房の先端は、指一本触れられていないのに堅くとがり。会陰の先のアナルは愛液にまみれ、花びらと同じだけ蠢いておりました。
「祥子様 次はうつぶせです」
運転手は目隠しをしたままのわたくしを抱き起こしました。その時はじめて、彼がなにも身に付けていないことに気づいたのです。
彼のすべらかな肌と筋肉質の胸に抱き起こされ、受け止められて・裏返しにされ・・・さきほどよりももう一つ枕を積んだほどに高くなった部分に、腰をおかれうつぶせにさせられたのです。
「あん・・」
糊のきいたシーツは直接触れる乳首を容赦なく刺激します。
目隠しをしていたので実感はなかったのですが・・・わたくしは胸元を布団に直接押し付けられ、腰だけを高くあげた淫らな姿を運転手に晒していました。
ぺちょ・・・ 運転手は今度はなんの予告もなく、愛液にまみれたアナルを舐めるのです。
「やめ・・て・・あぁあん」
腰を振り彼の唇を避けようとしても・・・その動きはわたくしの身体を一層嬲るだけでした。シーツに押し付けられた欲情した乳首を、彼にアナルを責められながら愛撫されるのと同じになってしまうのです。
くちゅ・・ 皺の一本一本を愛でる様な、優しい舌使いで緊張を解きほぐしてゆきます。
「ん・・・おねがい」
バージンを奪われてから・・・年若いセフレにもう一度だけアナルでの快感を教え込まれている身体は、運転手の口戯にはしたなく反応してしまうのです。
「ゆるして・・・」
わたくしのアナルは快感に負け、先をわずかに堅くした彼の舌先を、2重にしめつけるその内部に迎え入れようとするかのようにひくつき・・なのに時折ふっと力を緩めるのです。
「祥子様 主の嗜好はご存知でしょう。どうか・・・息を吐いて私に身体を預けてください」
ローションの冷たい感触がわたくしの狭間を垂れてゆきます。
「あっ・・・」
運転手の熱を持ったような舌と腕に愛撫されていた身体に、わずかに鳥肌をたててしまいました。
「申し訳ございません。冷たかったですか?」
彼の優しい声がいたします。右手がわたくしの丸い腰のカーブから太ももを・・・そしてガーターストッキングに包まれた脚へと何度も往復いたします。
「これでもう冷たくはございませんでしょう。祥子様」
ほのかに暖かい彼の体温を伝える指先が、アナルにローションをなじませるのです。
「あうっ・・・や・・・」
運転手の中指が、アナルの中にするっと差し入れられました。
続いて蜜壷の中に左手の中指と人差し指が・・・。
「はぁぁ・・ん・・きつ・・い」
何度か中指を・・・蜜壷の人差し指と擦り合わせる様に抜き差しをするのです。
「力をぬいてください。祥子様」
指先を始点にくるくると円を描く様に中指を動かします。締まろうとする筋をゆっくりとゆっくりと柔らかくしてゆくのです。
「あぁぁ・・ん・・だ・・めぇ・・」
ゆっくりと抜き始めた右手の中指はすぐにローションに濡れた人差し指を伴って・・・ふたたびゆっくりとアナルに入り込んでくるのです。
そして蜜壷には左手の薬指が・・・。
「かんに・・ん・・あぁ・・・ひど・・い」
ゆっくりとしたアナルへの2本の指と、密壷の中の3本の指が間の薄い壁を両側から擦りあげます。
「おねがい・・・ゆるし・・て・・あん」
指だけの愛撫のはずなのに、運転手の荒い息まで・・聞こえるのです。
「力を抜いてください、祥子様。これを受け入れられたらゆるしてさしあげます」
すっと抜かれたのはアナルの指でした。
すぐさまそれは3本の指になって、さらにきつく内壁をひろげるのです。
「あああぁぁぁ・・・いやぁぁあ」
身体中を押し開かれる感覚に、わたくしの意識ははしたない狭間の彼の指にだけ集中してしまいました。
たった1本、薬指がプラスされただけですのに、いままでの倍にも広げられたようです。
くちゃ・・・くちゅ・・「あぁああ・・・いぃぃ」
ぐちょ・・くちゃ・・「はぁあん・・・やぁぁ」
ローションと愛液が運転手の指でかき混ぜられる音に、わたくしの高い喘ぎ声が重なります。
露天風呂の男性にまで聞こえそうな激しい淫ら声・・・。
「あぁぁ・・・かんにんしてぇぇ・・・いく・・や・・あぁあああ」
きゅうっと胎奥から快感の収縮が起こりはじめました。
「祥子様 いってください。さぁ・・・いきなさい」
運転手は指を・・・花びらの中のものだけでなくアナルの指までを、激しく出し入れいたします。
「私の指でいってください、祥子さま」
「いくっ・・・あぁぁぁぁぁ」
内臓までも淫らに震わせて・・・わたくしは運転手の指に翻弄されてしまいました。
唐紅 15
「淫らな場所を、これでじっくりと眺められます。似合いますよ、祥子さん」身体を支えるのは右脚一本きりでした。
縄で吊り上げられた左脚と・・・両の手首はそれぞれ均等に、赤い縄目に自らの重さをきりりと伝えていたのです。
「おねがい・・・みない・・で」
わたくしは手首で吊るされる以上の縄辱を受けるとは、夢にも思っていませんでした。
強引に開き上げられた膝を、なんとか引き寄せようと努力するたびにバランスは崩れ・・・下辺の1/4しかささえられていない乳房はたふ・・たゆんと揺れるのです。
男性の視線の先には、柔らかな狭間に食い込まされたTバックの細いレースが・・・濡れて光っているに違いなかったからです。
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「祥子さん。これはお願いをする相手を間違えた罰です」
男性は、胸元のブラウスの第一釦を開けただけでも見えてしまう場所に・・・強く・・赤い痕をつけるのです。
「ゆるし・・て」
かんざしを抜かれた髪は、新たにつけられたキスマークよりも長く胸元に落ちかかっておりました。
「さて、僕が初めて味わせてもらう場所はここ・・・なんですね」
愛液で濡れそぼり、花びらと真珠に張り付く様に食い込んだ淫らな場所を、男性は手にしたかんざしの珊瑚玉でなぞりあげます。
「いや・・・ぁあ」
引き上げられたことで露になった太ももの白い内側の肌が、蜜を塗った様に濡れ光るほどになっていても、なお男性の嬲りにわたくしの淫らな花びらは愛液を溢れさせてしまうのです。
「祥子さん、選ばせてさしあげましょう。この姿勢のままで唇で愛されたいですか?それとも僕のこれに貫かれたいですか」
いつのまにか帯を解いていた男性は大島の前をくつろげて・・・すでに反り返るように昂った塊を露にいたしました。
「僕に唇で愛されたいなら、祥子さんがいくまでこのままです。僕に貫かれたいなら、僕がいくまでこのままの姿勢です。どちらがいいですか?」
男性の塊は自らの言葉に刺激されたように、先端から透明な液をしたたらせヒクヒクと動いておりました。
「いや・・・おねがい・・ゆるして」
男性の提案はどちらもわたくしには選ぶことはできませんでした。
「さぁ、選んでいいと言っているのですよ。どちらがいいんですか?祥子さん」
着物を落とし、全裸になった男性が近づいてくるのです。
「や・・・ほどいて・・」
「素直になれないみたいですね、せっかく選ばせてあげようと思ったのに。これは罰です」
「あっ・・あぁあああ」
男性はわたくしに正面から近づくと、左手でふらつく腰を引き寄せ・・・長くそりかえった塊を花びらの狭間に押し入れたのです。
ひくっ・・・っくん 何度も愛液を溢れさせるほどに疼いていながら、指すら差し入れられなかった蜜壷はきしみひくつきながら・・・男性の塊を飲み込んでゆきました。
「やぁぁぁ・・・」
すべらかに男性を受け入れてしまう身体に対する羞恥と、胎内を奥まで割り開かれる衝撃に、声を高めているわたくしの髪をもう片方の手でかきあげ、男性は白い首筋に4つ目の痕をつけるのです。
「あぅっ・・・いぁぁぁ」
逃げられない様に押さえられた腰を・・・ぐぃっと引き寄せるようにして、男性は彼の塊を全てわたくしの胎内に収めてしまったのです。
先端は子宮口を突き上げ、徐々に太さを増す根元は花びらを大きく割り開いておりました。
「くぅっ・・・しまる」
動くことのできないわたくしの身体は、貫かれ奥を刺激される快感に、密壷を間断なく妖しく蠢かせることでしか淫らな喜びをあらわすすべを持ちませんでした。
まるで別の生き物がそこにいるように、不規則に男性の塊を締めつけたのです。
「ゆるし・・て」
男性はゆっくりと腰を動かしはじめました。
長く堅い塊は、大きなストロークを繰り返して・・・幾度もわたくしの奥を突き上げ、感じやすい部分を先端で愛撫しつづけます。
「あぁぁ・・・ゆるし・・てぇぇ・・いぃぃぃぃ」
ふいに早く打ち付けはじめられた塊は、引き出す根元で・・・先ほど珊瑚玉で絶頂に導かれた淫らな肉真珠さえもこすり上げるのです。
「祥子さん いいですよ。あっ・・・いい!こんな締まり ああ・・・」
不安定なわたくしの身体を揺り動かすようにして、熱い塊はわたくしの内壁をすべて擦りあげ・・・かき出すように胎内を踊るのです。
「ああぁぁ・・ぁぁ・・い・・くぅっ・・・」
白く濁った愛液がとろ・・っと右の内ももを流れおちてゆきました。
「しまる・・・いく・・・祥子さん!受け止めてください」
最奥をたたくように2・3度強く突き上げて、男性は直接子宮に注ぎ込む様に精液をわたくしの中に吐き出したのです。
気がついたのは運転手の腕の中でした。
着物と長襦袢と深紅のTバックはわたくしの身体から取り去られ、絞ったタオルで身体を清められていた時でした。
「ん・・・ぅうっ・・」
「大丈夫でございますか?祥子様」
わたくしはほんの少しの間ですが、失神をしていたようでした。
「ええ・・・ごめんなさい。お手間を掛けて」
彼は赤い縄の痕がわずかに残ってしまった手首を、あたたかいタオルでマッサージしてくれていました。
「ありがとう もう大丈夫」
そういって彼の胸に手をあてて、起き上がろうとしたのです。
「祥子様 もう少しゆっくり休まれてください」
彼は膝の上からわたくしの身体を、糊のきいたシーツの上へ下ろします。
抱きしめたままでわたくしの後頭部に手を添え、ゆっくりと上体を倒すようにいたしました。
かんざしを抜かれて乱れていた髪は、梳かれて左側でゆるく三つ編みにされていました。
「主はいま温泉にいっております。しばらく戻らないでしょう」
先ほどまで縄で縛り・吊るすように命じていた男性がいない。
わたくしを犯した男性のかわりに側に彼がいる、それだけでわたくしは少しほっとしておりました。
キングサイズのベッドのような大きな布団の中央に横たえられて、はじめて先ほどまでの責めがどれほど激しいものであったかがわかったからです。
身体のあちこちが火照り、わずかにきしみを上げていました。
「おねがい、なにか羽織るものをちょうだい」
ランジェリーの一部だけしか身につけていないこと、横たえられたことで運転手の眼に全てを曝け出していることにようやく気づきました。
「申し訳ございません。お召し物は差し上げられないのです」
冷たく感じられるほどの声で運転手は答えます。
「いや・・・おねがい・・はずかしいわ」
シーツだけでも・・そう思っても、見事に整えられた和の寝具には身体を覆う薄物すらありませんでした。
両手で乳房と茂みを隠し、身を捩る様にして彼の視線から逃れようとしたのです。
「それでは こういたしましょう」
運転手は枕元にくると、懐から先ほどまでわたくしの手首に絡んでいた帯揚げを取り出して・・・目隠しにしてしまったのです。
「いやぁ・・・」
突然視界を奪われたことに驚いて、わたくしは両手で彼の手を帯揚げを外そうといたしました。
「祥子様 お静かになさってください。私はもう祥子様をくくりたくはないのです。あんなに手首を赤くされて」
彼の顔も見えないなかで、声だけが深くわたくしに届きます。
「主もお約束いたしました。祥子様が本当にいやがることはいたしません。ですからもう今夜はあなたを縛らせないでください。さあ、お静かに」
そう言ってやさしくわたくしの両手を身体からはがし・・・体側に置くのです。
「リラックスなさってください。まだお清めが済んでおりませんから」
運転手がわたくしの足元へ動く気配がいたしました。
ぱふ・・・ 少し堅い枕のようなものが置かれました。
運転手が手を、布団とウエストの隙間に差し入れると・・・ぐいっとわたくしの腰を引き上げ、枕のようなものを押し入れたのです。
「なにを・・・なさるの・・・」
ガーターベルトと白いストッキングだけをつけた下半身を、はしたなく突き上げた姿にされてしまったのです。
「失礼いたします」
両足首を掴み膝を曲げる様に開くと、運転手はその中央に座ってしまいました。
「ぃやぁぁ・・・みないでぇ・・」
先ほどまで男性に激しく突き上げられていた花びらの狭間が、いまは彼の目の前に開かれているのです。
脚を閉じることもできず、あまりの恥ずかしさになんとかして膝をつけようといたしました。
「お静かになさってください。祥子様」
わたくしの足首を両手で握りしめたままで、運転手は花びらに口をつけたのです。
唐紅 14
「・・・い・・や・ぁぁ」2人の男性のため息も吐息さえも聞こえない部屋の中央で、ライトアップされた夜景をバックに梁につり下げられ・・・はしたない下着姿を晒さねばならない羞恥に、わたくしはとうとう淫らな声を上げてしまいました。
「ぁ・・・・あぁ・・・・」
運転手は、主が解いた伊達締めを紐を拾おうとわたくしの足元に跪いた姿勢のまま、深いため息をもらしました。
「ほぉうっ・・・・今夜は一点の紅も散らさない白い肌なのですね。祥子さん」
大島を着たままでわたくしを唇で蕩けさせていた男性は、まるで自らの手で彫り上げた彫刻を少し離れた場所からあらためて見つめたときのように、満足のため息を漏らします。
「似合いますよ。祥子さんの白い肌には華やかな色がやっぱり似合う。なぁ、君」
男性は、わたくしを見上げたままで動きを止めた運転手に語りかけます。
「私はこれが初めてですが・・・ほんとうにお似合いです。祥子様」
畳に落ちていた2本の紐を手に、運転手はようやく立ち上がりました。
「おねがい・・・ほどいて」
先ほどまでの男性のディープキスは、たった一本のかんざしで結い上げられたわたくしの髪をしどけなく乱しておりました。
背の中程まである黒髪が・・・一筋、ふたすじ・・・。
ほどけかけ・・・うつむくが故に白いデコルテに陰を落とすのです。
「ほんとうにカメラがないことが残念です。こんなに美しい祥子さんを留めておけないなんて」
赤い絹・紅葉・・・そして闇に浮かび上がる白い肌。
望んでも得られない淫絵がそこには展開されていたのです。
「せめて・・・これではいかがですか」
運転手が差し出したのは男性の携帯電話でした。
「よろしければ・・・私にも1枚撮らせてください」
「あぁ君もほしいか。そうだな、今夜の記念にな・・・」
この場には不似合いな小さな機械から、思った以上に明るい光とシャッター音がわりのデジタル音が発せられます。
「だ・・めぇ・・・しない・・で・・・」
顔をそむけ身をよじることで・・・乱れた黒髪と・・・たゆんとゆれる乳房が、男の欲望を刺激するなんて思いもせず、わたくしは不安定な姿勢で抗いつづけました。

「祥子さん 心配しないでください。この写真は僕と彼だけが楽しむためだけのもの、約束します」
数枚のカットを携帯に収め、男性はその機械を運転手に託しました。
「フラッシュの光を肌が反射して、まぶしいくらいでしたよ。祥子さん」
改めてわたくしに近づいた男性は、不自然に引き上げられた乳房を指先で撫で上げるのです。
「ここに・・・あんなに赤い印をたくさん付けて差し上げたのに、もう跡形もない」
喉元から乳房の下辺の丸みまで、啄むように唇でたどりながら・・・中心に近い敏感な部分だけを舌先で佩くようにねぶるのです。
「あ・・・はぁぁぁん・・・やぁぁ」
今宵はじめての素肌への直接の愛撫でした。
長く焦らされ続けた身体はそんなわずかな刺激にさえ、はしたない声を上げてしまうのです。
「今夜はいくつ痕がほしいですか? 祥子さん」
答えを待たずに男性は、左乳房の下側のもっとも柔らかい部分をきつく吸い上げるのです。
「あうっ・・・やめて・・」
ち・・ぅぅ・・・ ランジェリーのレースだけしか触れることのない柔らかな肌は、男性の口づけに軽い痛みすら感じていました。
「ん・・・綺麗だ。もっとですか 祥子さん」
次は吊り上げられた両腕のせいで、寄せられた二つの乳房の谷間に近い部分・・・開いたシャツの襟元に隠れるか隠れないかの部分・・・に唇を這わせます。
「やぁぁ・・・・っ」
抗いは首を振ることしかできません。
でも・・・その仕草さえ、黒髪の先で男性の頬を優しく愛撫する結果になってしまうのです
瞬く間に感じやすい左の乳房に2つの赤い痕をつけられてしまいました。
「今夜はそうですね、祥子さんが素直になさらなければその度にお仕置きとしてこの印をつけてゆきましょうか」
Gカップの重みがつくるとろんとした丸みに沿って、ブラの上端を唇がだどってゆきます。
「1つづつ、ランジェリーでは隠れない場所に。あなたのお洋服でも隠せない場所に ね」
男性の舌は言葉嬲りを続けながら、乳輪をめぐり胸元から首筋へ・・・そして耳へと這い登ってゆくのです。
「しない・・・で・・ぇ・・」
淫らな姿勢で刺激を加えられつづけ、なお置き去りにされる乳首の疼きは、わたくしの声を欲望でかすれさせました。
「もっと!そうもっと・・・感じるんです」
耳さえも性器のように舐め回す男性は、崩れかけた髪から赤い珠のかんざしを引き抜いたのです。
「ここに欲しかったんですね。素直にねだったらどうですか、祥子さん」
左手に持ったかんざしの珠で、堅く大きく立ち上がった乳首をくるんとなぞるのです。
「あふっ・・・あぁぁぁ」
待ち続けた刺激が・・・髪に飾られていた珊瑚の冷たい感触だなんて。
男性の指を無意識に期待していた身体を、快感に大きく波打たせてしまったのです。
「随分敏感になっていますね。じらし過ぎましたか」
右の乳首は・・・銀のかんざしの尖った先でがつぅぅ・・っとなぞるのです。
「はぁぁ・・・ぁあん・・やぁ・・・」
ピンポイントで伝えられる刺激は、鋭角な銀の先が与える痛みに戦く怯えさえも、快感に変えてゆくのです。
「こんな風にしたらおかしくなってしまいますか?祥子さん」
部屋を出たとばかり思っていた運転手が、わたくしの左側におりました。
そして右側には男性が・・・2人は同時に両の乳首をくわえたのです。
「ああぁぁぁ・・・だめぇぇ」
2つの唇と2枚の舌に同時に左右の乳首を嬲られる。
綾絹ごしの刺激にさえ愛液を溢れさせる敏感な先端は・・・ありえない愛撫に限界まで堅く立ち上がり、男性の甘噛みをねだるのです。
「やぁぁ・・・ゆるし・・て・・・ぇ」
運転手はより敏感な左の先端を、堅くした舌でなんどもなんどもねぶるのです。唇で根元をはさみ・・・吸い上げながら側面を舌先が這いまわります。
「ひぃぃ・・ぁ・・・はぁぁ・・・」
甘噛みでひりつく右乳首を舐め上げながら、男性は手にしたかんざしの珠を太ももに押し入れ・・・レース越しに愛液にまみれた真珠を撫で上げたのです。
「いやぁぁ・・・ゆるしてぇぇ・・・」
もっとも敏感な3カ所を同時に嬲られて、不安定な姿勢を保つことさえできなくなってしまいました。
わたくしの腰をささえてくれたのは運転手でした。
吊るされたままで限界まで伸ばされた手首は、全ての体重を受け止め絞りの帯揚げ越しとはいえ赤い縄痕が熱くひりつきます。
「ぁあ・・・おねがい・・・ゆるし・・て」
疼き切った淫楽の芯ともいえる3カ所を、2人の舌と珊瑚玉で嬲られて・・・わたくしは今夜初めて達してしまったのです。
「おね・・が・・い ほどいて・・」
運転手に抱きかかえられる姿で、わたくしは彼の眼を見つめて哀願したのです。
「お願いする相手が違うのではないですか。祥子さん」
男性は愛液で濡れ光る珊瑚玉のかんざしをスタンドの照明にかざして、海から上がったばかりの様な光沢を愛でておりました。
「少し楽にしてさしあげますよ、さあ」
眼顔で運転手に指図をするのです。
運転手は抱きとめていたわたくしの姿勢を、元に戻してくれました。
あぁ・・・やっと彼が手首の縄を解いてくれる・・・そう思ったのです。
しゅ・・・っ
運転手が浴衣の袂から出したのは、新しい赤い綿縄と1本のタオルだったのです。
「いやぁ・・・ゆるして・・・ぇ・・」
さばいた縄尻を同じ長さに決め、二つ折りにした縄を足元に置きました。
「祥子様・・・失礼いたします」
わたくしの前に跪くと、左の膝の裏に手を当てついと持ち上げるのです。
「やめて・・・おねがい」
畳んだタオルを膝裏に当て、その上に二つ折りの縄をかけ、片方の輪に両の縄尻をくぐらせてました。
そして・・・
しゅっ・・・しゅ 必要以上に作った輪が締まらない様に一つ結び目をつくるのです。
「やぁぁ・・・」
運転手は黒光りし鑿痕が波打つ梁の、すでにかけられた縄より50cmほど左側に新たな縄尻を投げ上げくいと引き上げたのです。
「あぁ・・・・やめて」
わたくしの左脚は高く深く曲げられ、吊り上げられてしまいました。
唐紅 13
「本当に着物を汚してしまいそうですね。祥子さん」わたくしの身体のはしたない反応すらも、男性はそのような言葉で嬲るのです。
「祥子様、帯をお解きいたします」
頬に触れる運転手の塊からは、すでに牡の香りが立ち上っておりました。
「ぃゃ・・・ゆるして」
かすかな声で抗うわたくしを運転手の手が引き起こします。
「さ、こちらへ・・・」
雪見障子の側のスタンドの明かりの隣・・・庭にもし人がいれば全て見られてしまう場所・・・にわたくしを立たせようとするのです。
「かんにん・・・して」
この離れが宿の外れに位置していて、庭にはだれも居ないことを知っていても、そんな場所で着物を脱がされるなんてはしたないことはできません。
「祥子様。さぁ・・・」
ふたりからのキスの合間に、既にほどかれていた帯揚げは彼の手の中にありました。
「こちらへ・・・ 祥子様」
三度目の運転手の促しに首を横に振ったときです。
背後に座っていたはずの男性が、胸の前で重ねられていたわたくしの両手を背後から捉えたのです。
「今夜も素直に言うことを聞けないんですね。祥子さんは」
何度も繰り返され登り詰められない快感に力を失っていた身体は、男性の力の前に容易に両の手を引き上げられてしまったのです。
運転手はその手首に、先ほどまでわたくしを飾っていた帯揚げを真綿の様にまといつかせるのです。
「彼が上手なのは着付けの帯結びだけではないんですよ、祥子さん」
酒器の乗った小机の下の闇から運転手が取り出したのは赤い縄でした。
「お仕置きです」
たん! 運転手が左右に開いたのは、二間続きの座敷を仕切っていた襖です。
普通であれば瀟酒な欄間で飾られる空間は、黒光りする太い梁が横たわっているだけでした。
襖の向こうの座敷は、二方を硝子と障子で囲まれた和室です。
モダンなローベッドを思わせるような、白生地でメイクされたダブルサイズの布団がすでに延べられておりました。
照明は枕元のスタンドだけ、障子は開け放たれ、ライトアップされた庭の紅葉がやはり見事に照り映えていたのです。
運転手は手にした綿縄をあざやかに捌くと、一方を梁に向けて投げ上げました。そしてもう一度・・・
二巻きした縄尻を同じ長さに整えると、主に向かって黙って頷いてみせるのです。
「祥子さん さ、こちらです」
総絞りの帯揚げはきつくはないものの、全くゆるみなくわたくしの手首を縛めておりました。
「いや・・・」
友禅の袖口から二の腕までをはしたなく晒した姿のままで、2つの座敷の中央・・・敷居の上へ引き立てられてゆきました。
「素直になさらないからです。」
男性から帯揚げのからまった手首を受け取った運転手は、帯揚げの中央を引き絞るように縄を掛けました。
ひと結びでわずかにかかとを上げなくてはならないほどに、わたくしの身体を引き上げるのです。
その縄を左右に振り分けて、帯揚げごしに手首の上をきつく縛り上げてしまいました。
「ゆるして・・・」
安定して立てない・・・両腕を着物の袖口から曝け出された姿勢が、わたくしを心細くいたします。
部屋の中央とはいえ硝子戸だけの奥の座敷の濡縁からは、わたくしのはしたない姿が全て見られてしまうのです。
「これでいいかな」
男性はただ一つのハイスタンドを襖の側まで持ってまいります。
「今夜はこれ以上のことはしませんよ、祥子さん。素直になさっていればね」
少し離れた場所からわたくしを眺めながら男性がおっしゃいます。
「こんな姿でも祥子さんは綺麗なんですね。カメラを持ってくればよかったよ」
こんな・・・縄に縛められた姿を写真に残されるなんて・・・。
「いやぁぁ・・・」
2人の男性の視線を避けるように、身体を捩るしかできません。
「さぁ、もったいないがそろそろ帯を解いてもらおうかな」
大島の羽織を脱ぎ部屋の隅に袖畳みにして放りながら、男性は指示をします。
「はい・・・祥子様。失礼をいたします」
運転手は後にまわり、先ほど着付けたのと逆の手順で帯をほどいてゆくのです。
しゅ・・・っしゅっ・・ 半幅帯がわたくしの足元に丸く落ちるのに、たいした時間は必要ありませんでした。
「おねがい・・・手首をほどいて」
運転手はわたくしの声など聞こえないかの様に、友禅の胸元を整えている伊達締めを緩めます。
しゅっ・・・博多織ならではの音を立てて伊達締めが引き抜かれます。
「やめ・・て・・・」
微かに抗う声さえ聞こえぬかの様に、胸高に締められた紐を・・・そして腰紐をほどいてゆきます。
「ああ・・・綺麗だ」
はらり・・・と前を開いた友禅は深紅の長襦袢を見せて左右に・・打ち掛けのように裾を落としてゆきます。
「これは華やかな姿ですね、祥子さん。全く素肌をさらしていないのに、このなまめかしさは・・・大人の女だからですね・・・きっと」
厚みのある綾絹はわたくしの胸元をまだきつく押さえてはおりましたが、立ち上がりはじめているわたくしの乳首の陰をもう映し出しておりました。
ウエストから腰に添う下半身は、丸い腰のラインから体側のガーターベルトの留め具までを浮き上がらせ・・・長襦袢の下にはありえないはずの淫らな姿を暗示しておりました。
「みない・・で・・・」
視線をそらそうとする腰の動きは、綾絹の上品な光沢となって男性たちの目に妖しく映ります。
「このまま嬲りたくなってしまいますね。祥子さん」
男性は近づくとわたくしの顎に手をかけ・・・引き上げて唇を重ねるのです。
くちゅ・・・ちゅ・・・
不安定な姿勢のまま、身体を男性に預けることも叶わないのです。
この縛り吊るされた姿のままで、わたくしを嬲ろうとする男性の思いつきをくつがえさせたくて・・・淫らな舌のうごめきに応えたのです。
男性は左手でわたくしのアップにした髪を掴みながら、ディープキスを続けるのです。
っふ・・・ぺちゅ・・・ちゅ・・・
身体を密着させるわけでもなく、わたくしの側に立つ男性の大島紬特有の素材の凹凸までもが身体の表面を舐め・・・敏くなっている淫楽の妖しい感覚を引き出してゆくのです。
「ふ・・・あっ・・くぅ」
つま先立ちの両脚に男性は膝を割り込ませ・・わたくしの太ももに堅く起き出したままの熱い塊を押し付けます。
「・・・あはぁぁ・・・」
くちゅ・・・ 度重なる口づけは、もう情熱を伝えるしぐさを超えておりました。
しゅるっ・・・しゅ・・・
ふいの胸元の締め付けが軽くなりました。
わたくしの口腔を舌で犯し続けていた男性は、空いた右手で伊達締めと腰紐をほどいていたのです。
「いやぁあぁ・・・」
襟の重みで自然に襦袢の前は落ち開いていってしまいます。
男性の着物の感触が絹ごしではなく直接素肌に・・・敏感な乳房の先にまで触れてきました。
室内の少し下がった気温が・・・男性に膝を割られて・・・ふとももの中程まではしたなく溢れさせていた愛液をまたたくまに冷やすのです。
「僕のプレゼントがどのくらい似合っているか見せてもらいましょうか」
耳朶を甘噛みすると男性は2・3歩後ずさるのです。
「みない・・で・・くださ・い・・」
長襦袢は友禅と同じに前を大きく開いて、わたくしの身体の両側に沿って落ちていました。
豪奢な額縁に彩られた白い肌には・・・深紅のランジェリーのセットが添えられていたのです。
1/4カップの深紅のブラジャーは、縄で縛られ引き上げられ両腕とともに縦に引き上げられたGカップのバストの下辺を、僅かに覆っておりました。
2/3カップのブラでも隠すことが難しい堅くしこった鴇色の乳首はもとより隠れるはずもなく、白い素肌の上で夜気にさらされておりました。
普段であればそのたわわな・・・ランジェリーに隠されているべきやわらかな膨らみが、男性の唇を誘うかの様に柔らかく揺れました。
幾重にも絹と紐で縛められていた胴はかすかに赤く色づいておりました。
ですが・・・それもほんの僅か、ほとんど陽の光に触れたことのない肌が白いのだということを改めて感じさせる程度のものでした。
あれほどの男性達の悪戯にも着崩れることさえなかったのに、肌に最小限の痕しか残さない着付けの技は、運転手の技術が並大抵のものではないことを物語っておりました。
ウエストには豪奢なレースのガーターベルトが巻かれ・・・その留め具の先は両脚の足袋よりも白い輝くストッキングにつながっておりました。
そろいの深紅のレースも真白のストッキングさえも、太ももの肌がミルクを溶かしたような肌理の細かい柔らかさに溢れていることを強調するだけでした。
そして・・・その中心の秘めた場所を覆う繊細なレースだけは、薔薇をかたどった柄を浮き上がらせずに深く静かに漆黒の中に閉じ込めておりました。
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