唐紅 12
「あん・・・」わたくしの頬には,運転手のあの熱い塊が彼の浴衣ごしに触れていました.
「いやぁ・・・」
足元であぐら座りになった男性は、俯せにされ思わず膝を引き寄せていたわたくしの着物の裾を、背中に向けて一気にまくり上げてゆきます。
羞恥のためにとった防御の姿勢が、白い肌の腰のまぁるいラインをそのまま男性に曝け出すような淫らな姿に変えられてしまったのです。
深紅のガーターベルトとTバックの僅かなレースは、だからこそ白い肌をことさらに強調していました。
白すぎるストッキングの光沢は、肌のなまめかしさをいっそう引き立てる役割しかしておりませんでした。
帯の上に高くまくり上げられた着物と長襦袢は、わたくしのはしたない下半身を彩る額縁のようです。
「みない・・で・・・」
「ほおっ・・・」
男性は先ほどと同じ様に、わたくしの肌を曝け出させるだけで指すら触れてまいりません。 視線を・・・肌の上を這っていると感じてしまうほどに・・・執拗なほど強く注ぐのです。
「だめぇぇ・・・」
運転手の手で頭と肩を抑えられ、わたくしは姿勢を戻すこともできません。視線をそらすためにできるのは、腰を・背を、捩るように動かすことだけでした。
「あの時はじっくりと鑑賞できませんでしたからね、祥子さん。今夜は楽しませてもらいますよ」
3人の男性に、ホテルの部屋に入るなり愛撫を繰り返された夜のことを口にするのです。
「・・・いや・・・」
あのときわたくしは、男性にアナルバージンを奪われたのです。
「綺麗ですね。装ったあなたも、こうして肌を晒したあなたも。もう一度逢いたかったのですよ」
ふっ・・・白い肌の頂きに男性の熱い息だけが吹きかけられます。
「ん・・・んっ」
ピクン・・それだけの刺激で身体中が反応してしまうのです。
「あの時は祥子さんの口と・・・初めてのここを」
ふっ・・・Tバックのレースごしに運転手の指で清められたアナルにも、息を吹きかけるのです。
「あっ・・・ぃゃぁ」
男性の息は肌には熱く感じられるのですが・・・それは同時に濡れそぼった狭間のレースを冷たい感触に変えるのです。アナルへの熱い刺激と、はしたなく溢れてしまう愛液の証の冷たさが・・・わたくしをいたたまれなくさせました。
「祥子様。お静かになさってください」
運転手のしなやかな指が、彼の塊に触れていない方のわたくしの頬をなで上げます。
「まだ何もしていないじゃないですか。祥子さん」
白く剥き出しにされた腰の脇に座る男性は、ふぅっ・・・とまた狭間に息を吹きかけます。
「ぃやぁぁぁ・・・」
何本もの手で嬲られるよりも・・・双の瞳で見つめられるだけ、ただそれだけのことがわたくしの羞恥心を刺激し、秘めた狭間から枯れることなく愛液を溢れさせるのです。
運転手の膝に抱きかかえられ、彼の熱い塊と指で両の頬を愛撫される慕うしさと、その膝の先のはしたない後姿を彼の主に視線で犯されていることに心を引き裂かれ、なのにはしたないこの状態がより快感を高めていることを、わたくしは認めたくはありませんでした。
「ここだけは前回味合わせていただけなかったんですよね、祥子さん」
太ももの狭間の深紅のレースが、その赤をどこまでも深め続けるように潤いを含んでゆきます。
「3人でお相手をするには祥子さんは素晴らしすぎるのですよ。全てを味わいたくて・・・なのにどれだけ時間があっても味わいつくせないんです、あなたは」
ため息をつくかのように、恋歌をうたうかのように男性は語るのです。
「こうして見ているだけでも飽きはしない。僕はずっと昂ったままなんですよ」
あのときわたくしのバージンを奪った、長く堅い昂りをわたくしに思い出させます。
「あの2人からあなたの蜜壷がどんなに気持いいか聞かされるたびに、僕がどれだけ嫉妬をしたかわかりますか」
すっ・・・触れるか触れないかの距離で、男性の中指がレースの下の真珠をなであげます。
「はぁぁ・・ん」
拒むはずの腰の動きは・・・男性を煽り誘うかのようだったに違いないのです。
「あのときバージンだなんて祥子さんが言うから、僕はどうしても欲しくなってしまったのです」
小指の先が・・・Tバックのストリングスをくぐって、堅く閉じた排泄器官をつん・・と突きます。
「いぁ・・・ぁ・・ぁ」
「他の男にバージンを奪われたくなかったから、ムキになってしまった。我ながら大人気なかったと反省しています」
冷静な声のまま人差し指と中指を揃えて・・一重のレースの上から疼き切った花びらをついっとなぞるのです。
「あぁ・・・だぁ・・めぇ・・ぇ・・・」
微かに触れられるたびに快感に打ち震える身体とわたくしのはしたない声に、運転手の塊もひくひくと脈打つのです。
「祥子さん、ここを許したのは僕だけですか?」
思わぬ問いに、わたくしは蕩け切っていた思考を呼び戻されました。
「・・・いえ・・」
元の上司に求められ・拒んだ夜に、年若いセフレにはじめて与えた禁断の場所。
「そうですか。祥子さんなら・・・当然でしょう」
男性は怒りを声に滲ませることすらいたしません。ただ僅かな嫉妬を、明らかな愛撫の意図を感じる動きに変えて、小指をアナルに触れさせるのです。
「ゆるし・・・て・・・」
Tバックを身に付けたままで、くちゅ・・・花びらから会陰へと・・・指を・・・濡れてぬめった指を往復させるのです。
「今夜も綺麗だったそうですね、祥子さん」
「あうっ・・・」
男性の細い小指の先が、わずかにゆるみはじめたアナルの表面をなでさすります。
「どんな時でも嗜みを忘れない女性だ。こんなところさえも・・・淫らな女だ」
「いや・・・いわない・・で・・ぇぇ」
「祥子さん、今夜は僕がはじめて味わうここと」
中指が花びらの内側を抉る様に深くなであげてゆきます。
「あうっ・・・ん・・ぁ」
男性の視線と言葉が、わたくしの愛液をふとももに滴らせてゆくのです。
もう薄いレースには留めておくことなどできません。
「それから僕が開発した、ここ」
濡れそぼった指は、そのままアナルを愛液まみれの淫らな姿に変えるのです。
「存分に味合わせていただきますよ」
「やぁぁ・・・ゆるし・・て」
わたくしの声に男性の指がすっと・・・抜かれます。
「香りさえ媚薬ですね。祥子さん」
ふっ・・・ちゅっ・・・ぱ 蜜にまみれた指を男性が嗅ぎ・・自らねぶったのです。
「この味・・・若い頃ならこの味だけでいってしまいそうですよ、祥子さん」
わたくしの名前を呼び続ける男性の淫らな行為と言葉は、とても・・・正気とは思えないほどの欲望を滾らせていたのです。
「いやぁぁぁ・・・やめ・て・・・」 視線もましてや行為など阻止することもできない羞恥に膝まで垂れ落ちそうなほどに・・・はしたなく潤みを溢れさせてしまいました
唐紅 11
「どれ、ごちそうになろうかな。祥子さんの唇から、ね」隣に座った男性は、手に持ったグラスをわたくしの唇に寄せ・・・傾けてゆきます。
口の中にグラスの1/3ほどを流し込むとそのまま唇を重ねるのです。
「ん・・・んん・・・っく」
お酒は男性の舌で口腔でかき回され・・・わたくしの唾液とともに吸い上げられてしまいました。
「ん、これは美味いな。もう一口」
わたくしの背は座椅子に押し付けられ・・・男性の身体の圧力で、左側に畳まれていた脚さえも次第に伸びてしまうのです。
「ん・・・ぁぁ・・・だぁめぇぇ」
二口目の梅酒を・・・余韻まで味わう様にむさぼるのです。ディープキスを繰り返しながら、男性の手はわたくしのバストをまさぐりはじめました。
「な・・にを・・なさ・・る・の」
唇をついばむようにされながらも、わたくしは脇に控えている運転手の視線を感じて抗いの言葉を口にしてしまいました。
「こうして飲むのが美味しいと女将に聞いたことがあってね」
男性の指は白い乳房の先端で堅く立ち上がっているであろう先端を探る様に、絹の上を動くのです。
「女将の手作りの酒なんですが。祥子さんの唇からいただくのは格別ですよ」
前歯の上を・・・舌の先を・・・唇角を男性の舌先が動き回るのです。
「あっ・・・ふぅん・・・やぁ・・・」
座椅子と男性に阻まれて上半身は逃げることができなくなっておりました。されるがまま・・恥ずかしいのにただ軽く首を振ることしかできません。
「君も飲ませてもらったらどうだ、ん?いいでしょう、祥子さん」
男性は、側に控えグラスの受け渡しをしていた運転手にそう声を掛けるのです。
「ありがとうございます。祥子様こちらへ」
男性のキスでバランスを崩しかけていた上体を、今度は背中から運転手に預ける形になってしまいました。
「どうぞ、祥子様」
首筋から聞こえる声は、わたくしの唇に押し当てる硝子の杯と同様に、有無を言わせない力がありました。
「っん・・・くぅっ・・・」
座椅子から上体を運転手の引き締まった身体に引き寄せられて、顎を引き上げられ・・・後から身体ごとかぶせるように唇を重ねられてしまいます。
「あぁ・・美味しいです。祥子様」
運転手は二杯目のグラスを口に運ぶことなく・・そのまま唇を重ね続けました。
わたくしの上体は、もうほとんど運転手の正座した膝の上に横たえられてしまったのです。
彼の熱い口づけと肩先を抱きしめる腕が、わたくしを徐々に蕩けさせてゆくのです。
「ん・・んっ・・・だめ・・・」
揃えたままに伸ばされていた足先から着物の裾をまくり上げられる感触に、わたくしは我に返りました。
「やめ・・て・・・んくっ・・・」
足元に膝立ちになった男性が、左手でわたくしの足首を押さえ右手で友禅の裾を左右に分けていたのです。
抵抗する声さえ、運転手の口づけに打ち消されてしまいました。
足首を思うがままに動かしながら、男性は着物の裾を・・・ガーターの留め具が露になるほどに広げてしまったのです。
「紅葉に初雪だな。僕のプレゼントも気に入っていただいたみたいですね、祥子さん」 男性は深紅の長襦袢の上に伸ばされた白く輝くストッキングの脚を、じっくりと視姦するのです。
間接照明だけの薄暗い室内の中で、雪見障子から差し込む四角く切り取られた庭からの光だけが白々と明るいのです。
わたくしの下半身はそのはしたないフレームに見事に収められておりました。
視線を避けようと左右に揺らす膝さえも、脚のやわらかなラインをストッキングの光で照り返らせる効果しかありませんでした。
「ん・・っっく・・・いやぁ」
息をする間もないほどに口づけは繰り返されました。
「私のキスはお嫌ですか? 祥子様」
熱情にかすれる声で運転手は囁くのです。
「んん・・ん・・・」
答える間もなく重ねられる唇に、わたくしは弱々しく首を横に振りました。
なぜなら、この宿で最初に彼の手で袖口のカフスボタンを外されたときから・・・わたくしはほんとうは・・・彼の唇を欲しいと・・・思っていたのです。彼の腕にこうして抱きしめられたいと・・・思っていたからです。
「ありがとう・・・くちゅ・・・ございます。祥子様」
運転手は舌を吸い上げるような激しいキスを繰り返しました。
運転手のディープキスに蕩けてゆこうとするわたくしを、主である男性は許してはくれませんでした。
「ちが・・う・・の・・ぉ・・・いやぁぁ」
ストッキングの足首を左右に広げると、襦袢の上に大島の膝を進め・・・膝までも大きく割ってしまうのです。
「祥子さんは僕よりも彼を気に入ったみたいですね。はは、妬けるな。キスだけでこんなにするなんて」
広げられた両脚の合わせ目を三角形に覆う深紅のレースは・・・もう溢れる蜜にまぶされていました。
広げられた綾絹の光沢よりもつややかな光を放ちはじめていたのです。
「いやぁぁ・・・見ないでぇぇ・・・んくっ・・・」
両手を、わたくしのストッキングの膝を愛撫するように蠢かせて、視線だけを恥ずかしい場所に注ぎ続ける男性に・・・わずかに腰を捩り視線から逃れようとしました。
「おとなしく・・・なさって・・・ください。祥子様」
くちゅ・・・ちゅ・・・飽きることなくキスを繰り返す運転手は、左手でわたくしの肩を抱きしめたままで・・・右手で帯揚げと帯枕の結び目をさりげなくほどいておりました。
はらっ・・・ 畳に落ちる絹の柔らかな音は、彼の激しいキスの音と男性の淫らな視線に打ち消されてしまいました。
「このままだとシルクの長襦袢にシミをつくってしまいそうですよ。祥子さん」
男性のからかうような声に、わたくしははっとして腰を浮かせてしまいます。
この着物の価値を知っていたらそんなこと・・・とてもできません。
「もう祥子さんの唇には満足したろう。そろそろ解放してあげたまえ」
わたくしの膝の間から立ち上がった男性は運転手にそう命じます。
「・・・ありがとうございました、祥子さま。ではこちらに」
運転手はそう言うとわたくしをくるりと俯せにして、あぐらに崩した膝の上にやはりわたくしの上体を乗せたのです。
唐紅 10
玄関には、ここに来るまでに履いていたパンプスも男性の革靴もありません。白い鼻緒の雪駄と、赤い爪革をつけた下駄のようなミユールが置いてありました。
「ありがとうございます」
わたくしの白い足元は着物姿なのに足袋ではなくストッキングなのです。
踏み石に足を下ろすわたくしに、手を添えてくれた男性に履物までの心遣いへの御礼を込めて申しました。
「ここの庭は部屋から見るだけじゃもったいないですからね」
男性は玄関をあけると庭への小道を歩きだしました。
「ほんとうに着物がお似合いですね」
白い小石を踏みながら男性が話はじめました。
「ありがとうございます。こんなに素敵なお着物まで・・・女将に借りてくださったのですね」
さきほどからいつ切り出そうかと思っていたのです。
「いえ、彼は何も言いませんでしたか」
不思議そうな顔で男性はそういうのです。
「ええ」
事情が飲み込めないままわたくしは、なまなかな返事をするしかありません。
「女将のものじゃないんですよ、この着物は。もちろん僕のプレゼントでもない。僕が用意したのはその下に着てくださっているはずの深紅のランジェリーのセットだけです」
「えっ・・・それじゃ、これは?」
こんな上質なものが女将のコレクションでも、この地位があるであろう男性のプレゼントでもないなんて、狐につままれているような気がしました。
「彼が祥子さんのためにご用意したんです」
静かな声で男性はわたくしに告げたのです。
「そんな・・・彼のような若い男の方に用意できるようなものではないでしょう」
趣味の良さといい仕立てといい、そう簡単に手に手にはいるものではなかったからです。
「彼はね、京都の呉服屋の息子なんですよ」
言われてみれば僅かに運転手の言葉には、京言葉のイントネーションが混じっておりました。
「大学生のころは祇園で男衆のようなことをやってたみたいでね」
芸・舞妓の置屋で、彼女たちの着物の着付けをするのが男性であること・・・そういった様々な裏方仕事をする人たちを<男衆ーおとこし>さんと呼ぶことを思い出しました。
言われてみれば彼の手際の良さ・・・不思議な着付けの仕上がり。
そう聞けば納得のゆくことばかりだったのです。
「・・・そうだったのですか。でも、こんなにしていただくなんて」
理屈はわかっても、わたくしはまだ納得が出来た訳ではなかったのです。
建物を回り座敷から見えたライトアップされた桜の庭にたどり着きました。
部屋からでは気がつきませんでしたが、桜の樹の足元には上品な秋草の庭が設けられていて・・・ゆっくりと露天風呂のあたりまで回遊できるようになっていました。
「彼の前ではね。悔しいので褒めませんでしたけれど、いい趣味だ」
庭を照らす照明の切れたあたりで男性は立ち止まり、わたくしに向き合いました。
「その血赤珊瑚のかんざしから履物まで、全て彼の見立てなんです」
アップにした髪からつま先までを男性の視線が舐める様に動いてゆきます。
「先日 祥子さんを自宅までお送りしたあと、彼が密かに実家に頼んで手配をしていたようです。今日いらしたと連絡を受けて、急いで何かを積んでいるとは思っていたのですけれどね」
一歩踏み出すとふいにわたくしの肩を抱きしめて・・・引き寄せます。
「あっ・・・」
急に引き寄せられてバランスを崩したわたくしの身体は、男性の腕の中にすっぽりと抱きかかえられてしまったのです。
「良くお似合いです。僕は祥子さんがこんなに着物が似合うとは思ってなかった」
男性の左手は背をたどり・・・帯下の腰へと・・・なめらかな友禅をなでてゆきます。
「うん、付けていてくださってるんですね。僕のプレゼントも」
ガーターベルトを・・・留め具まで、そしてTバックの細いストラップとその狭間の白くまぁるいわたくしのヒップの感触を確かめる様に左手が動くのです。
「・・・ぃゃぁ・・・お座敷から・・・見られ・・ま・す・・・」
右手で抱きしめられた上半身を離す事もできず、さきほどまで紳士的だった男性の淫らな仕草に身をよじる様にしてあらがうしかできません。
「ここは照明がないですから見えませんよ。それとも彼の視線が気になりますか?祥子さん。・・・妬けるな」
「ん・・・あはぁぁ・・・」
左手はもう確かめるような動きではなくて、明らかな愛撫に変わっていました。
「祥子さんには黒いドレスが似合うと思っていたのです。シルクニットの肌によりそう・・・ダナキャランあたりでしょうか、この次は僕がプレゼントしますよ」
わたくしの下腹に押し付けられた彼の塊は、熱く堅く高ぶってまいりました。
「もちろんぴったりの黒のランジェリーと一緒に。今夜僕を満足させてください」
男性の指がたっぷりと張るわたくしのヒップに、食い込む様にうごきます。
「あの夜みたいにね、祥子さん」
「やぁぁ・・・・」
運転手が見ているかもしれない庭での艶戯に、静まりかけていた疼きにまた火をつけられてしまったのです。
舌の根元まで吸い上げられるような濃厚なキスを奪って、男性はようやく座敷に戻ることを許してくれました。
男性が好む・・・白い双膨の狭間にまで届きそうなほどきつく腰を握りしめ、堅くなった塊をわたくしの下腹にこすりつけるようにしながらのキスです。
「・・・・くぅぅっ・・・やめて」
川音で決して座敷まで声がとどくことはないことを知っていながら、わたくしは声を潜めずにはいられませんでした。
「ほぉっ・・・記憶通りの唇でしたよ」
唇の間でため息をつくように言って、やっとわたくしの身体を離してくれたのです。
「片付けも終わったころでしょう。戻りますか」
庭に来たときと同じ何もなかったかのようなそぶりで、男性は元来た道を歩きだしました。
あのバーの前に止められたセルシオに乗ったときから、こんな夜は予想はしていました。ただ、男性一人と知ったときの・・・安堵は もしかしたら間違いなのかと少し怖くなったのです。
以前の・・・淫らな熱にうかされたかのように3人の男性に翻弄されたあの夜。
今夜はもっと別の意味でわたくしは弄ばれるのだと悟ったのです。
食事をしていた部屋の座卓は片付けられ、小机にお酒と飲み物の用意だけが上品にされておりました。
明かりは落とされ、イサムノグチの和紙使いのスタンドからもれる間接照明だけがほのかに室内を照らしておりました。
運転手は襖の側でわたくしたち2人を出迎えてくれます。
勧められるままにゆったりと横座りに座椅子に座ると、雪見障子は上げました。
ライトアップされた紅葉の庭が美しく見渡せます。
つい先ほどまであの奥で・・・そう思うだけで絹に押さえられている乳房の先が疼き出すのです。
「軽い食後酒でもいかがですか」
差し出された果実酒は、ほのかな酸味が心地よい新酒の梅酒でした。
「んん・・おいし・い」
氷で冷やされた甘みのあるとろりとした液体は、次第に熱さを増しながら喉の奥に落ちてゆきます。
唐紅 9
半幅帯は新品のものの様でした。「これをお願いいたします」
運転手は柄の上下を確かめると、片側を半折りにしてわたくしの左肩に預けます。
「しっかり立ってらしてください」
しゅ・・・しゅっ・・・きゅ・・きゅっ・・・・ 伊達締めの上を二巻きし、わたくしに預けた帯の手を上にして力を入れて結ぶのです。
「ふくっ・・・」
男の力で締め上げられる帯は、わたくしを一瞬息苦しくいたします。
綾絹の長襦袢で・・・伊達締めで・・・友禅の着物で・・・西陣の帯で・・・丸みの勝ったわたくしの胸元は幾重にも縛められたのと同じでした。
彼は深紅の総絞りの帯揚げを取り上げて、小さな帯枕をくるみます。
「珍しいのね 半巾帯に帯揚げなんて」
枕の位置を決め腕を前にまわして仮止めすると、彼は正面に回り帯枕の紐をきゅっと締め・・・帯揚げを華やかに胸元にあしらいます。
「このほうがずっと綺麗ですから」
合わせた衿元にほんの僅か開いた素肌に、彼の熱い息がかかるのです。
「・・・ん・・・・ぁ・・」
彼の手に全てを委ね、思うがままにされることにわたくしは次第に慣らされ・・・快感すら感じるようになってきていました。
「あと少しですから」
黒髪をアップにし、露になった耳元に口を寄せ・・・熱い息とともに囁きます。
主の前ではわたくしに対して常に一歩引く彼が、二人きりの時に示す男としての態度すら媚薬のように白い肌に沁み入るのです。
「これでよろしいでしょうか」
後に戻り垂れを片流しにまとめて帯を締め上げると、わたくしを鏡台に向き直らせました。
「あっ、ん・・・すてき」
鏡の中のわたくしは、いままでに見慣れた着物姿とは少し違って見えました。
粋ともあだっぽいとも違う、でも隙もなくやぼな感じでもない、品がありながらどこか女を感じさせる不思議な着付け方でした。
着物の黒地と帯の地がマッチし、総絞りの帯揚げが大胆な帯の柄をうまく着物にとけ込ましておりました。
髪を巻き上げたかんざしの赤い玉も、ふと見下ろした足もとの不自然に思えた白すぎる ストッキングさえ・・・白足袋の風情を漂わせて全身を華やかにみせておりました。
「ありがとう。いつものわたくしじゃないみたいだわ」
鏡ごしの彼にはにかんでしまいます。
「お綺麗です。お着物も着慣れていらっしゃるんですね」
運転手の目は冷静に、まるで作品を見る様にわたくしを見つめておりました。
「絹がすっと祥子様の肌になじんでゆくのがわかりました。着慣れない方はどんなにしなやかなものをまとっていただいても、こうはいかないものです」
鏡の中で合った視線を彼はふっとそらすのです。
「お食事の支度ができております。まいりましょう」
彼に導かれて、最初に通された居間へと向かいました。
「ほぉぉ、お似合いですね」
先付けをつまみに女将に熱燗をつがれていた男性は、襖を開けて座って遅れたことを詫びるわたくしにそう第一声をあびせたのです。
「ほんと、素敵だわ」
女将はそういうと、わたくしに男性の向かいの座布団を勧めました。
「美味しそうだわ」
相模湾の海のものと秋の山のものを、彩りよくあしらったお食事でした。
「急のお越しでしたから、簡単なものしかご用意できなくて申し訳ございません」
恐縮したように言いながら、女将は小振りなグラスにビールをついでくれるのです。
「こちらの方も今夜は召し上がりますのでしょう」
「ああ、注いでやってくれ」
わたくしの右手に座った運転手にも、同じ様にグラスを満たすのです。
「いただきます」
指先に伝わる冷たい感触にそそられながらビールに口をつけます。
小振りなグラスの半分ほどをいただいてしまう白いのど元を、男性と運転手の視線が這っていることに・・・わたくしは気づいてもおりませんでした。
「どうぞごゆっくり」
女将は室内の空気がわずかに変わったことを察したのでしょう。
三つ指をついて挨拶をすると下がってゆきました。
ゼニアのスーツが似合っていた男性は、光沢のある大島を着ておりました。
まるで自宅でくつろぐかのように着こなす姿は、やはり男性が普段から着物を着る機会を持っていることを教えてくれました。
「いや・・・手酌でいいですよ」
男性にお酌をと徳利を手にしたわたくしを押しとどめて、手元の杯を満たします。
「祥子さんは何を召し上がりますか?」
「同じものを頂戴します」
隣に座った運転手がすっと立ち上がり、先ほど女将が居た場所に用意してあった平盆を持ってもどります。
わたくしの目の前に備前の杯がすっ・・・と差し出されました。
「ありがとう」
彼の注いでくれる香りの良い日本酒に口を付けて、濃厚な香りを楽しみます。
「わたくしばかり・・・こんな 申し訳ないわ」
疲れていた身体に再び受け入れたアルコールが、目元を赤く染めはじめました。
机の上の器がほとんどあけられたころです。
「彼は気に入りましたか」
わたくしは平目のお造りに伸ばしかけていた手を、止めてしまいました。
「それともなにか不調法をしましたか?」
雇い主の鋭い眼で運転手を見つめるのです。
「いいえ 大変良くしていただきましたわ」
最初はあまりのことに拒んでしまったものの・・・最後には彼の献身的で紳士的な手に、自らを委ねる快感を知ったわたくしは即答いたしました。
「さきほどは随分と抗う声が聞こえていたと思ったものでしたから、僕の気のせいですか」
声を押えていたはずなのに・・・はしたない声を聞かれていたなんて。
「祥子さんの声は魅力的ですから、つい耳についてしまうんですよ」
酔いのせいばかりではなく耳まで赤くしたわたくしに、男性はそう言うのです。
「いえ、祥子さんのご機嫌を損ねるようなことをしたのなら、罰として叶えてやろうと思っていた彼の望みをとりあげてしまおうと思ったのです。」
手元の杯を一気に喉に流し込むように飲み下すのです。
「良かったな、気に入ってもらえているみたいだぞ」
わたくしの知らない男性の日常をほのかに垣間見させるのでした。
「さて、食事の片付けをしてもらう間少し散歩でもしますか。祥子さん」
男性は立ち上がり、着物とそろいの羽織を着るとわたくしを促しました。
「あとは頼むぞ」
運転手は男性の一言に頷き、女将へと電話を掛けにまいりました。
唐紅 8
その部屋は6畳ほどの小部屋でした。扉の左手には鏡台が置かれ、掛け布を施された鏡の前には氷の入った緑茶が用意されておりました。
鏡台の前の椅子に腰掛け喉の乾きを潤そうとしたわたくしの眼を奪ったのは、衣桁に掛けられた着物でした。
室内装飾の一部なのでしょうか。
黒地に深紅から朱赤までの紅葉を散らした見事な友禅でした。
肩には月待ち月を浮かべた夜空のような、黄色と黒の大胆な柄の半巾帯が掛けられ、ところどころに遊ぶように白兎が浮かんでおりました。
「こんなに素敵な着物ならあちらのお部屋に飾られたらいいのに」
鏡台の椅子に腰掛け冷たい緑茶で火照りを覚ましながら、うっとりと見つめておりました。
今宵のこの場に最も相応しい意匠、選んだ女将のセンスの良さに思わずため息すらもれてしまいます。
「お待たせしました」
先ほどの脱衣所からの扉を開けて運転手が入ってまいりました。
こちらの宿のものなのでしょうか。彼の長身にすっきりと合う縞の浴衣を着ておりました。
「ね 見て、綺麗ね。このお着物」
「お気に召していただきましたか」
「えっ・・・」
一瞬彼が何をいっているのか理解できませんでした。
「今夜の祥子様のお召し物です。お着替えを手伝わせていただきます」
彼はそう言うと鏡台の掛け布を引き上げ、わたくしの髪を袂から取り出した柘植の櫛で梳りはじめました。
洗い髪は滑らかにまとめられ、先ほどと同じ赤い珠のかんざしですっきりとアップにまとめられました。
コットンと化粧水をわたくしに渡して、彼は着物の陰から黒塗りの乱れ箱を持ってまいりました。
黒塗りの乱れ箱の中は深紅の絹で覆われておりました。
赤の綾絹は長襦袢なのでしょう。紅葉の刺繍が施された半衿がつけられていました。
乱れ箱の端には赤の伊達締と数本の紐、赤の絞りの帯揚げと小振りの帯枕が並べられています。
彼がしなやかな指で引き上げた長襦袢の下にあるはずものは白の肌着・・・そう思っていた予想は見事に裏切られたのです。
深紅の綾絹の長襦袢の下に並べられていたのは・・・深紅のランジェリーのセットでした。
繊細なレースを使ったクォーターカップのブラジャー、Tバック、ガーターベルト。それに、白のストッキング。
わたくしのサイズで整えられたのであることは一目みてわかりました。
「本来でしたらこのようにお召しいただくことはないのですが、今宵の主の趣向です。どうかお付き合いください」
運転手は驚くわたくしの手から冷茶のグラスを取り上げ、部屋の中央に立たせました。
「失礼いたします」
左胸に折り込んだバスタオルの先を引き出して・・・はらりと足元に落とします。
髪だけを結い上げた姿で白い肌を全て彼に晒されてしまいました。
「・・・ぃゃ・・・」
扉一枚向こうには男性が露天風呂に浸かっている、そのことがわたくしに抗いの声を潜めさせたのです。
彼はガーターベルトを手に取るとわたくしのウエストに巻き付けました。
目の前に跪いて左脚から白いストッキングを履かせ、ガーターベルトに止め付けます。
次いで右脚も・・・・。
わたくしはなに一つ身につけていないのです。
跪く彼の目の前には想像をすることすら恥ずかしい、はしたない姿が繰り広げられているに違いないのに・・・黙々と事務的にわたくしを装わせてゆくのです。
「ぁぅっ・・・」
右脚を畳に下ろすとTバックをとりあげ足首を通し・・・立ち上がるようにして腰骨まで一気に引き上げます。
次に手にしたのはブラジャーでした。
アンダーバストに合わせて背中のスナップを止め、ストラップを左右の腕に通してゆくのです。
深紅のブラジャーのカップは1/4しかありません。
ただでさえ深いGカップを必要とするわたくしの乳房は、下辺をレースで支えられているだけで白い肌も鴇色の頂きもほとんどが露になったままでした。
「こんなの・・・だめ・・・」
実際に身に付けているわたくしの視点からですら、こんなにも淫らな姿なのです。
向かい合う男性から見たら・・・どんなにか・・・
「お着物ですからこのほうがよろしいのです。普段にお使いいただけるハーフカップのものとスリップは別にご用意してございます。ナチュラルカラーのストッキングも、主が以前にお約束したものだと申しておりました」
「さぁ・・・どうぞ」
運転手は深紅の長襦袢を広げ・・・わたくしの肩に着せかけました。
しっとりとした重みの綾絹はわたくしの肌に吸い付くようでした。
「苦しかったら仰ってください」
赤い紐をくわえ長襦袢の前を持つと少し強く前を引き合わせました。
わたくしの豊かな乳房は絹に引き絞られる様に押し込めるのです。
きゅっ・・・ 胸高に一本の紐を渡し縛ります。
衣紋を抜き襟元を整えると紅と紺糸で織り上げられた伊達締めを締め付けます。
いつもでしたら着物を着る時には特別な肌着を必要とする胸元は、厚みのある綾絹だけで見事に整えられてしまいました。
「失礼いたします」
長襦袢と同じ様に衣桁にかかっていた着物を着せかけます。
長襦袢と着物の裄丈、身幅、長襦袢の着丈。
普通の女性よりも背も高くボリュームのあるわたくしに、ぴったりの丈に仕上がっておりました。
お茶会や観劇などで着る普段着さえも、出来合いで販売されているものでは着る事ができず、誂えざるを得ないわたくしにとって・・・こんなに身体にフィットする着物は久しぶりでした。
そういえば先ほどの女将も背の高い方だったわね。
ほっそりとした、でもすらりと背の高い女将を思い出したのです。
きっと女将のコレクションの1枚なのでしょう。
翻る裾の内側までも紅葉が染められた丁寧な仕立てに、一人で納得をしておりました。
運転手はわたくしの前に回り裾をととのえ、腰骨の上で紐を掛けます。
「あん・・・」
身八ツ口から差し入れられおはしょりを整える手が、絹に縛められている乳房の上を撫でるように走るのです。
「申し訳ございません」
彼の冷静で真剣な声が、わたくしが感じるかすかな快感さえもはしたないと咎めるように聞こえます。
「・・・いいえ」
恥ずかしさにかすれる小さな声で、そう答えるしかありませんでした。
しゅっ・・・しゅ・・・ 襟元を整え、帯下に当たる場所に紐を掛け伊達締めを締めます。
着物を着慣れた女性でもこうはいかないと思えるほどの手際の良さで、わたくしを着付けてゆくのです。
深紅の腰紐も伊達締めも、彼の手にかかると魔法の様にぴたりと決まるのです。
決してきつかったり苦しかったりはいたしません。
それなのに身体に沿う様に一部の狂いもなく縛め止められてゆくのです。
正面から着物をまとったわたくしを満足げにみつめると、彼は半幅帯に手を伸ばしました。
唐紅 7
「恐れ入ります」運転手の上体が少しわたくしに押しつけられます。
シャワーの温かな飛沫を右の太ももに感じます。
「失礼します」
首筋からゆっくりとシャンプーを流してゆきます。
首筋からこめかみ、生え際までを丁寧に洗い流すと、冷え始めたわたくしの背にお湯が流れるようにシャワーヘッドを調節してくださいました。
髪を軽く絞るようにしてから左側にまとめるように流した髪に、コンディショナーを付けてくれたようです。
「このままでしばらく置きます」
「お背中をお流しします。そのままでいらしてください」
温かな海綿製のスポンジが背骨の上を滑ってゆきます。
「ん・・・ふ・・」
脇腹を丸く撫でてゆくスポンジの感触に思わず声は漏れ・・・背を腰を・・わずかにくねらせてしまいました。
首筋から背骨を降りていったスポンジは左の脇腹を通って首筋へ・・・そして右の腰へとおりてゆきます。
愛撫ではない・・・身体を清めるのに必要なだけの心地よい圧力が伝わってくるのです。
「ぃあん・・・ん・・・」
背から腰の丸みへスポンジの感触が移ったときには・・・ついみだらがましい声を上げてしまいました。
乳房を清めていたときと同じ様にまぁるく・・・でも今度は白い腰の頂きから外側に向かってまぁるく動いてゆくのです。
「んん・・ぁぁはぁ」
内股を這い上がり・・・柔らかい狭間にふれる寸前で、反対側の頂きに感触が移るのです。
「あん・・・だぁ・・めぇ」
一度きりでなく二度、三度とスポンジは往復します。
スポンジの感触も次第にかすかに・・・愛撫の色を強めてゆくのです。
「ね・・・かんにん・・し・てぇ・・・」
運転手の膝に疼く乳房をおしつけたまま、わたくしは幾度となく背を腰をくねらせてしまいました。
「おとなしくなさってください」
彼の落ち着いた声は、快感を募らせていた身体に羞恥の火を点しました。
彼はただわたくしの身体を清めていただけなのです。
なのに・・・はしたない反応をしてしまったことに、強い羞恥を感じずにはいられませんでした。
「あふっ・・・いやぁ・・」
何の予告もなくただ一カ所まだ清められていなかった柔らかな狭間に、スポンジではない泡にまみれた運転手の指が入り込みました。
突然の行為に無意識のうちに逃げようとしたわたくしの身体を、運転手はもう一方の手で力強く押えるのです。
「祥子様 お静かになさってください」
わたくしの身体が緊張を解くと・・・彼のしなやか指はやさしく柔らかく花びらの尾根を清めてゆきます。
くちゅ・・・ちゅ・・・ バスバブルやお湯だけではない、ぬめりのある液体独特の音が川音よりも高く響きます。
「あん・・・ぃぁ・・あぁぁ・・・・」
花びらの左右を挟み込む様に動いた指は・・・そのまま大きくふくらみはじめているであろう真珠の上を撫でさすります。
「ん・・・あぁ・・ああ・あ・・」
くちゃ・・くちゅ・・・ちゅぽ・・・ 花びらの狭間を愛液の溢れる源を押しとどめるように、窪みにそって指が往復するのです。
彼の指の動きは<清める>という行為などでは・・・もうありえませんでした。
「あぁあ・・・だめぇ」
指は狭間の中央から合わせ目をたどり・・・恐れていたとおり・・・ぬめりをまといつかせたままで後のつぼみへと引き上げられます。
「いやぁぁ・・・お願い・・・かんにん・・」
わたくしの哀願の声すら彼には届いていないようでした。
中指と人差し指のぬめりをつぼみに何度かに分けて与えるのです。
それだけでは足りない潤いをバスバブルの泡で加えて・・・中指の細い指先で堅く閉じたつぼみを何度となく揉みしだき・・・すこしづつ先端を埋めてゆきます。
排泄器官が彼の指を飲み込んでゆく、そのはしたない後ろ姿を彼は無言でみつめているのです。
「いやぁ・・・見ないでぇ・・・」
どれだけたったのでしょうか ようやく指先はまた花びらへ戻ってゆくのです。
これで許された・・・あんな恥ずかしいところを彼に触れられるなんて・・そう思ったときでした。
「っんぁあああ・・」
花びらと真珠を中指と人差し指が嬲る感触と同時に、親指の腹で恥ずかしいすぼまりを撫でるのです。
「おねがい・・ゆる・し・・てぇ・・・」
快感を送り込まれながら、いままでにない圧力で羞恥のつぼみを押し開けられる感覚にわたくしは一段高い喘ぎを上げてしまいました。
「祥子様 お力を抜いてください」
中指の先でぬめる真珠をころがしながら、運転手が静かに言い放ちます。
「いや・・・しないで・・・太いの・・・いや・・・」
拒もうと白い背中と腰を捩るわたくしを、彼は狭間に差し入れた一本の人差し指で止め付けてしまうのです。
「酷いことはいたしません。主の言いつけなのです、どうか身体の力を抜いてください 祥子様」
親指への恐怖心がほかの二指の快感に勝ることを、彼はようやく気づいてくれました。
狭間を嬲る指を一旦抜き・・・あらためてほっそりとした中指でアナルへの愛撫を再開したのです。
「この指でしたら・・・よろしいですか祥子様」
改めて問われることで羞恥をかき立てられた愛液のぬめりが、彼の指先を容易に侵入させます。
「あはぁ・・・あん・・・ああ・・・」
3度目になるアナルへの性的な愛撫は、確実にほかの部位とはちがう快感を送りこみはじめておりました。
わたくしの身体ははしたなく彼の指に応え、堅くすぼめられていたひだは柔らかく開きはじめ・・・侵入する指を自ら飲み込もうといたします。
「息をはいてください」
わたくしの呼吸に合わせて彼は中指の第二関節まで・・・すっと差し入れました。
「あっ・・・ん・・・ああ・・だぁめ・・・ぇぇ」
浅く抜き差しを繰り返し、内臓の感触をたしかめるように指先を蠢かします。
「おねがい・・・ゆるし・・て・・かんにん・・してぇ」
喘ぎ声が細く高く川音をしのぐほどになって、ようやく彼の指は胎内からゆっくり抜き出されたのです。
「はぁあ・・・」
運転手は先ほどまでわたくしを嬲り続けていた右手を見つめ、感嘆を交えたようなため息を放ちます。その指先は差し入れたときと同じ綺麗なままだったからです。
ぺろっ・・・・ 彼はその指先をそっと舐めました。
「祥子様 ありがとうございました」
夜気に本来なら冷えきってしまうはずの2人の身体は・・・共にうっすらと汗を浮かべておりました。
「お流しいたします」
先ほどよりも少し温めにしたシャワーを、わたくしの肩から腰へと流しかけます。
「主の申していた通りでございました。ご無理をお願いして申し訳ございませんでした」 柔らかな狭間を・・・そしてコンディショナーの浸透した黒髪も、丹念に洗い流してゆきます。
「お苦しくはございませんでしたか、祥子様」
彼の手でうつぶせられていた上体を引き起こされても・・・わたくしは顔を上げることすらできませんでした。
運転手の脚に押しつぶされていたGカップの白い乳房は、わずかに赤くはしたない身悶えの名残をとどめておりました。
「もう一度暖まられてからになさいますか?」
目顔で浴槽を示す運転手にわたくしは首を横に振りました。
これ以上この姿のまま彼とここにはいられない・・・・彼の視線を感じるだけで・・・洗い流されたばかりの茂みの奥にもう新たな潤みがわき出してしまったからです。
「わかりました」
立ち上がらせたわたくしの全身に少し熱めのシャワーを浴びせると、乾いたバスタオルを取って最初と同じようにわたくしの身体を覆いました。
「長い入浴ですね。ここの温泉が気に入りましたか」
脱衣所の引き戸の音が響きました。
「なんだ、もう上がるところだったんですね。残念だなぁ」
からかいまじりの陽気な声がいたします。
腰にタオルだけを巻いた姿で男性が露天風呂に入ってきたのです。
さきほどまですぐ側にいた運転手は、半歩だけわたくしから離れました。
「どうです、僕と一緒にもう一度あたたまりませんか。祥子さん」
厚手の白いバスタオルの下を透かし見るような視線を感じます。
「いいえ、もうこれ以上ご一緒したらのぼせてしまいますわ。お先に上がらせていただきます」
運転手に甘え・・・翻弄されていたわたくしを取り戻させたのは、男性の自信に満ちあふれた態度だったのです。
「お先に頂戴いたしました。いいお湯でしたわ、ありがとうございます」
左側に流した髪を押さえるようにして会釈をし、脱衣所に戻ろうとしたときです。
「祥子様 どうぞこちらに」
運転手が濡れ縁につづく踏み石のところでわたくしを待っておりました。
「・・・はい」
彼は乾いたタオルで、踏み石を上がるわたくしの足を片方づつ拭ってくれました。
「その扉の中のお部屋でお待ちください。すぐに参ります」
「女将が夕食だと知らせてきました。僕もすぐにあがりますから」
掛け湯をし檜の浴槽の湯音とともに男性の声がいたします。
「はい わかりました」
そう答えてわたくしは目の前の扉を引き開けたのです。
唐紅 6
「こんなに冷たくなってしまって。あたたまりましょう」「ん・・・」
わたくしの手首をやさしく外す彼の手にも、バスタオルを取り去る行為にも、もうあらがうことはいたしませんでした。
「少し熱いです」
彼自身は腰にタオルを巻き付けたままで両肩に掛け湯をします。
「少し足を開いてください」
ためらうわたくしの足の間に彼は足を差し入れ、お湯ではないもので濡れている柔らかな狭間に手を差しいれました。
「あっ・・・ん・・・」
お湯を受けた手のひらで恥ずかしいあわいを覆う様にして、先ほどからの辱めに反応してしまった証を流すのです。
「ここはこんなに熱いんですね」
「ぃゃ・・」
たくましい彼の肩に顔を埋めてしまいました。
「さぁ あたたまってください」
わたくしを檜づくりの湯船に・・・紅葉がもっとも美しく見える場所に導きました。
「あなたは?」
彼は首を横に振ると・・・洗い場に行ったようです。
お湯を掛ける音・石けんの香りで彼が自らを清めていることがわかりました。
温泉は硫黄の香りのする透明なお湯でした。
なめらかに肌を流れる心地よい湯の肌触りと、川風に適度に温められた温度が、ゆっくりとわたくしを芯からあたためてゆきました。
ただ・・・これから運転手の彼にされてしまうであろうことに、わたくしは鼓動を止めることが出来なくなっていました。
男性と共に入浴をしたことが一度もないわけではありません。
男性のことを洗って差し上げたり・・・ほんのわずかに身をまかせ、清めていただいたことはございました。
ただ、全てを男性の手で清められるなんてはじめてです。
温泉の熱さだけでなく・・・その想いがわたくしをのぼせさせておりました。
「お待たせしました」
濡れた髪をした運転手がさきほどと同じ様に腰にタオルを巻いて、わたくしを迎えに来てくれました。
彼の前はタオルを押し上げたままですが・・・もう隠そうとはいたしませんでした。
「暖まりましたか?」
運転手の声は優しく響きます。
「ね、湯冷めしないように暖まって。わたくしのことはいいから」
髪まで濡らした彼のことのほうがよほど気になって、声を掛けてしまいました。
「ありがとうございます。でしたらどうか素直にお身体を流させてください」
「・・・はい」
湯から上がったわたくしの肩にバスタオルを掛け、洗い場に腰掛けさせます。
そこには檜の桶にバラの香りのバスバブルが泡立てられ、溶かされていました。
「失礼します」
運転手はわたくしの左の足先から順に洗い始めました。
スポンジはきめ細やかな海綿製のものでした。
天然素材ならではのやわらかな肌触りは、まるで毛並みのよい猫の身体を思わせます。
「脚をこちらまで伸ばしてください」
膝を揃えて片側に流す様に座っている膝下を洗い終えると、彼はそう言いました。
膝上を洗うために脚を開かせるのではなく、身体に引き寄せる様にしていた脚を伸ばさせる・・・わたくしの気持に配慮したその心配りに素直に左脚を伸ばしました。
膝をまるく洗うと膝の裏をたどって太ももの外側にスポンジは移動します。
脚の付け根まで上がったスポンジは太ももの前面にうつり、膝までゆっくりと下りてくるのです。
「あ・・・ん・・」
次にスポンジが移ったのは折り畳まれた脚の内股でした。
「少しだけお力を抜いてください」
彼は膝を開かせはしませんでしたが、伸ばされた脚と折り畳まれた脚との間にスポンジを持った指を沈めてゆくのです。
「ん・・・ぁはぁ・・・」
ゆっくりと円を描く様にスポンジを動かしてゆきます。
指先がやわらかな茂みに触れた途端すっと手を引くのです。
「反対側の脚を失礼いたします」
わたくしの膝を逆に倒して同じ手順で右足を洗いはじめました。
脱衣所で少し怖いとさえ思わせる、感情を押さえた態度を運転手は崩しませんでした。
スポンジに加わる力加減はやさしく、彼の指が直接に肌に触れないようにと気遣っていることもわかりました。
「どうぞ両脚を伸ばしてください」
彼はわたくしの肩に掛けたバスタオルを外して足元にたたみました。
脚を洗い終えると、スポンジは白い腹部をやはり丸く円を描く様に動くのです。
彼の引き締まった身体とは違う、年齢相応に脂肪ののった肌を恥ずかしく思いました。
でも彼に約束したのです。
軽く両手を左右に下ろして身体を隠したりしない・・・強い意志の力が必要でした。
あらがうつもりはなくても、声を上げてしまうとそれは否定の意を含んだ声音になってしまいます。
運転手の彼を傷つけたくなくて、出来る限り声をもらすまいとこらえておりました。
「あん・・・」
それでも白い乳房を洗うスポンジの感触には・・・つい声を漏らしてしまうのです。
先ほどから彼がどんなに事務的にてきぱきと身体を清めてくれていても、わたくしの身体は堪え切れずにはしたなく反応してしまっているのです。
いつもでしたら自然と腕で隠す秘所も・・・全て彼の視線の前にさらけ出しているのです。
鴇色の乳首はすでに堅く立ち上がり、触れると消えてしまうほどの泡の感触にさえ刺激を感じてしまうのです。
「ぃぁあぁぁ・・」
左の乳房を外側から中心に向けてまぁるく、そして右の乳房へと。
Gカップのやわやわとした塊を海綿のスポンジが這ってゆきます。
「・・・んん・・・・」
わたくしの右手は思わず彼の左腕を掴んでおりました。
「祥子さま どうなさいましたか」
優しく声をかけてくれるのですが、スポンジの動きを止めてはくれません。
右胸から右の肩先にスポンジの感触が移って、ようやく彼の手を握りしめていた右手を離しました。
「お流しいたします」
洗い場のシャワーのお湯の温度を自らの手で確かめてから、彼は肩先から胸・お腹・脚へとシャワーを当てます。
バラの香りのバスバブルは、最後の香りを立ち上らせながら流されてゆきました。
乾いたタオルでわたくしの身体の表面の水滴を軽く拭ってゆきます。
露天風呂を渡る風が身体を冷やさないように・・・彼の配慮をうれしく思いました。
「髪を洗わせていただきます」
彼の手でさされたかんざしを、今度はすっと引き抜きました。
梳られほぐされていた黒髪のロングヘアが白い背中に落ちてゆきます。
彼は後からその様をしばし眺めていた様です。
運転手はもう一つ腰掛けを持ってくるとわたくしの隣に置き、その少し先の床にさきほどの畳んだバスタオルを置きました。
「さあ 立ってください。そう・・・こちらに膝をついて」
板張りの床に直接膝をついては痛い、そう思って置かれたバスタオルのようでした。
「・・・?」
彼の言う通りにタオルのある場所に膝立ちになり、どうしたらいいのかと彼を見上げます。
「こちらに上体をお預けください」
彼は持って来た腰掛けに座ると膝を指差してそう言うのです。
運転手の腰掛けた膝の上にわたくしの上体を投げ出し、ふとももに剥き出しの乳房を押し付けなくてはならないのです。
「さ 湯冷めしてしまいますから」
わたくしの肩に手をかけて促すのです。
「・・・はぃ・・・」
この体勢なら彼と視線を合わせることはありません。
髪を洗うためなのだと彼の膝に上体をふせました。
「ごめんなさい。重くはないですか?」
首筋から背中への彼の視線に戸惑いながら声を掛けます。
「いえ 気になさらないでください」
彼の声は変わらないまま・・・なのに、わたくしの左脇腹に当たる塊がくいっと・・・熱をこめて反応を伝えてまいりました。
「お湯をお掛けします」
首筋から頭頂にかけてシャワーが当てられます。
彼の指が軽くマッサージをするようにわたくしの頭皮を揉みほぐします。
「熱くはないですか?」
手に取ったシャンプーを泡立ててから髪を洗いはじめます。
「気持いいです」
髪の生え際から根元・・・そして長く垂れる毛先へと・・・彼の指が動いてゆきます。
「洗い残しているところはありませんか?」
こめかみをやわらかくマッサージするように、指をはわせ髪をくしけずります。
「ええ 大丈夫です。プロの方みたいお上手だわ」
彼の脚の暖かさにほっとするものまで感じておりました。
唐紅 5
次に彼が持ってきたのは大判のバスタオルでした。わたくしの胸を一巻きし左胸の上に端をはさみこむのです。
「ん・・・」
少し冷えてきたわたくしの素肌に彼の手はとても熱く思えました。
正直にいえば・・・彼の目の前でなににも遮られずに全てを晒されるのではないとわかって、ほっとしておりました。
だからといってこれで許されたわけではなかったようです。
「あん・・・いや・・・」
三度跪くとタオルの下に熱い手を差し入れ、わたくしの身体を覆っていた最後のレース取り去ったのです。
「だめです。おねがい・・・触れないで」
わたくしの足先から抜かれたTバックをなんとか奪い返そうとしました。
なぜなら・・・彼に手首の釦を外されたときから、わたくしは自らの身体から溢れ出すものを止められなかったから。
「返して・・・」
わたくしが差し出す手を無言で、でもやさしく払いのけて、はしたなく濡れそぼっているに違いないレースの布を彼はやはり丁寧にたたむと乱れ箱におさめます。
あまりの恥ずかしさにわたくしは彼のほうを見やることさえできませんでした。
「どうぞこちらへ」
壁際にしつらえられた化粧台の椅子を引きわたくしを座らせます。
籐で編まれ天板に硝子を使用した化粧台には大きな鏡がありました。
座るまで気がつかなかったのは・・・ずっと化粧台に背を向けたままで彼に脱がされていたからだわ。
「あっ・・・」
そのときはじめて、彼の視線が宙をさまようように動いていたことを思い出したのです。
彼はずっとわたくしの正面にいました。
白く滑らかな背と、バストと同じだけのふくらみを持つ腰を・・・わたくしの視線の届かない姿だけは彼には見られていないとずっと安心していたのです。
彼がわたくしの背にあったこの大きな鏡で・・・転びそうになってかがんだときの腰まで見ていたのだとわかって、わたくしはもう・・・鏡ごしにさえ彼の目をみることができなくなりました。
「ひどい・・・ひと・・・」
使い込まれた柘植の櫛でストレートロングの黒髪を梳られながら、わたくしは思わずつぶやいてしまいました。
「櫛のあたりが痛かったですか。祥子様」
聞こえていたはずなのに・・・わたくしの言葉を無視して髪を後で1つにまとめようとしています。
何も答えないのを大丈夫だと解釈したのでしょう。
左手で根元を握った髪を右手でくるくると巻くと、赤い珠のかんざしを使って器用にアップに結い上げてしまいました。
「・・・すごい 上手なのね」
髪の一筋もつることなく見事に夜会巻きに結い上げられた髪は、わたくしの恥じらいが生んだ怒りをわずかの間に溶かしてしまったのです。
「ありがとうございます。後ほど髪を洗わせていただいたらもう一度結わせていただきます」
そして・・・無防備になった首筋からパールのネックレスをはずすと、櫛とともに置かれていた白の綾絹の袋にしまいました。
「このままおまち下さい」
全てをおさめた乱れ箱を、彼はやはりわたくしが気づかなかったドアの向こうに持ってゆきました。
「お待たせしました」
戻ってきた彼はタオル一枚だけを腰にまいていました。
適度に陽に灼けた肌とトレーニングで鍛えられているのであろうしなやかな筋肉が、運転手の身体をおおっていました。
車を運転するだけの人・・・そのひ弱な印象は素の彼には全くなかったのです。
脱衣所の川音の聞こえる側には1枚だけの扉がありました。
彼が先に立ってゆっくりと戸を引きあけると、そこは露天風呂だったのです。
侵入者とその視線を拒むように槙の垣根に守られた一画は、正面の紅葉の山肌を絵画のように一層引き立てていました。
きっと離れの屋根からのライトアップもあったのでしょう。
美しく色づいた葉の一枚一枚が照り映えておりました。
「きれい・・・」
わたくしは踏み石の上で、次の一歩を踏み出すのを忘れてしまったかのように見惚れてしまいました。
「祥子様 お気をつけて」
先に下りた運転手は手を差し出すようにして、わたくしを踏み石から板敷きの床に下ろします。
ほのかに檜の香りがいたしました。
踏み石のすぐ右手には掛け湯用の小さな湯船があったのです。
屋敷に続く左手は途中に1枚の戸を置いた濡れ縁になっておりました。
「失礼いたします」
運転手の声に視線を彼に戻すのと、彼の指が左胸の上のタオルの端をはずすのが同時でした。
「いやっ・・・」
はらりと落ちかかるタオルを両手で押さえると、わたくしはくるりと彼に背を向けてしまいました。
「祥子様・・・」
運転手は背中からわたくしを抱きしめたのです。バスタオルを押さえるために身体に回したわたくしの腕ごと・・・すっぽりと。
思わぬことにわたくしは身体を堅くしてしまいました。
「祥子様はそんなに私をお嫌いなのですか?」
耳元に囁きかけるように彼は言います。
「はじめてお逢いしたときのことで、わたくしに不信感をお持ちなのですか?」
声も出せず小さく首を横に振るしかありません。
「私が主の運転手をしているからですか?」
ちがうの・・・その気持を込めて首を振ります。
「祥子様。私は祥子様のお世話をさせていただくだけで、もうこんなになっているのです」
強く押し付けられた彼の腰には熱く脈打つ大きな塊がありました。
それだけではなく、背中には少し早くなった彼の鼓動まで伝わってきたのです。
「主から幾度となく祥子様のことはうかがいました」
一言づつ区切る様に、川音に消されない程度の優しく小さい声を耳元に直接届けるのです。
「祥子様が最後まで決してご自分からお求めにならないほど慎み深い方だと、主は感心しておりました」
「身体がどんなに求めても、快感に飲み込まれてしまわない精神性を持たれた女性だと何度聞かされたことか」
「ぃゃ・・・」
あの夜のことを、男性達がそんな会話として交わしていたのかを聞かされて、抱きすくめられた身体はますます火照ってゆくのです。
「はじめてお迎えに上がった時から素敵な方だと思っておりました。でも、直に言葉を交わさせていただいて、主の話を聞いて・・・ますます想いは募ったのです」
彼の言葉を裏付けるように塊は熱さを増し、ひくひくと動きつづけていました。
「祥子様が慎みのある淑女であることは存じております。このように男性に身を晒すことにどれほどの羞恥を感じでいらっしゃるのかも良くわかっております」
「だったら・・・」
「どれほど私に身を任せてどんなお姿をなさっても、祥子様がそのことを喜ぶような恥知らずで淫らなだけの女性なのではないと重々わかっております」
彼の言葉に込められた想いがあたたかくわたくしを包み込むのです。
「どうか 日頃お仕事で男性の方達をかしづかせている時と同じように、私のお世話をお受けください」
抱きしめる腕に・・・また、わずかに力が込められます。
「祥子様がほんとうにお嫌だとおっしゃることはいたしません。その時はどうぞ『嫌』とおっしゃってください」
「でも私をお嫌いでなければ、どうかお約束のとおりお任せくださいませんか。祥子様を想い続けている私のために、お願いいたします」
ようやく・・・わたくしは身体から力を抜き首をたてに振ったのです。
「ありがとうございます」
肩先に軽く唇をつけてからわたくしを離すと、ゆっくりと彼のほうにに向けました。
唐紅 4
「夕食の準備もそろそろだろう。食事の前にひと風呂浴びてきたらどうですか、祥子さん」運転手の彼がいれてくれた二煎目のお茶を口元に運びながら、そうすすめてくださいました。
「ええ、そうさせていただくわ。お先によろしいかしら」
昨晩からずっとつづいた緊張を見事だという露天風呂でほぐしたくて、バッグを手に立ち上がろうとしました。
「お荷物はこちらに」
運転手は一息はやくわたくしのバッグを手にすると、部屋のクローゼットの下の棚に置きました。
「ご用意はわたくしどもでさせていただいております。どうぞこちらにいらしてください」
わたくしの手を取ると、運転手は露天風呂につづく脱衣所へわたくしを導いたのです。
「ありがとうございます。あとは自分でいたしますわ」
わたくしは脱衣所から運転手が立ち去るのを待っておりました。
「お世話をさせてくださるとお約束したはずです」
彼は立ち去るどころか、その場で黒のジャケットを脱ぎネクタイを外しはじめたのです。
「失礼いたします」
わたくしの前に跪き左手を取り上げました。
「なにをなさるの・・・」
彼は無言でわたくしの手首のダブルカフスの釦を外すのです。
そして右手も・・・
「やめて・・・おねがい」
お約束です・・・そう呟くと、わたくしの哀願を聞く事もなく、運転手は跪いたままでウエストに手をまわして、スカートのスプリングホックを外しファスナーを引き下ろします。
タイトスカートはわたくしの身体を滑り落ちて・・・足もとにしなやかな黒の輪を作りました。
立ち上がった彼はわたくしの手を取り、その輪から一歩出るように促すのです。
「どうぞ」
「おねがい・・・自分でするわ」
着替える姿を男性に見られる恥ずかしさに、声が僅かに震えました。
ましてや入浴まで。そんな・・・ばかな
「祥子様、お約束を違えられるおつもりですか」
言葉では先ほどの約束の念を押しながら、彼の手はわたくしのブラウスの胸の釦をためらいもなく外してゆくのです。
「祥子様はなにもなさらないでください。そう、両手は自然に下ろしたままで。わたくしに祥子様の身体は全て任せてください」
「おねがい・・・」
ブラウスをわたくしの肩から落として、先ほどのスカートとともに乱れ箱にきちんと納めるのです。
「ほぉっ・・・」
思わず感嘆ともため息ともつかない声を、運転手が上げたのです。
わたくしは純白の透けるレースのランジェリーと、一連のパールネックレスだけを身につけただけの姿を、運転手の目の前に晒させられてしまいました。
「だめ・・・こんなこと」
恥じらいから両手は自然と身体を覆い隠す様に前に組み合わされてしまいます。
ベッドルーム以外の場所で男性にこういう姿を見られるなんて。それもわたくしのランジェリー姿を見ても、少しも顔色さえ変えない若い男性に・・・
「失礼いたします」
わたくしの仕草に、運転手はことさらに感情を押さえた事務的な声をかけました。
想像していたよりも数段繊細な長い指先だけで、スリップの細いストラップを落としてゆきます。
「あん・・・」
はら・・り・・・ 上半身を覆っていたスリップは滑り落ちて、でも豊かな腰にまとわりつくようにとどまりました。

彼はそのスリップを無視したままわたくしの髪を片側にかきあげ、抱きしめるように腕を回すと背中のホックを外したのです。
「あっ・・・ぃゃ・・・」
小さなあらがいの声を上げ、思わず左手でブラジャーを押えてしまいました。
Gカップのバストはそのボリュームで、覆っていた繊細なレースカップを押し上げ・・・自然にストラップを肩から浮かせるのです。
「外します」
彼はストラップを両手で引き下ろし、やさしくわたくしの左手をわずかにずらして、純白のブラをとりあげました。
「みない・・・で・・・・」
たゆ・・ぅ・・ん レースに押し込められていた乳房は、その大きさにふさわしい重量感で揺れ動きました。
男性の手で着替えをさせられる。
想像だにしなかったシチュエーションにわたくしの乳房は熱を帯び、先端はわずかに立ち上がりはじめていました。
「あん・・・」
はしたない身体の反応を隠したくて、左手で先ほどよりもつよく乳房を押え、隠したのです。
運転手はわたくしの恥じらいの仕草を責めたり、止めたりはいたしませんでした。
同時に一枚一枚薄物を剥がれてゆく姿を言葉にして羞恥を刺激するようなことや、はしたなさで敏感になっている身体に触れて疼き始めているわたくしの性感を高めようとももいたしません。
ただ・・ただ、熱い視線をわたくしの肌とランジェリーに這わせながら<お世話をする>という言葉に相応しく、献身的に立ち働くだけなのです。
先ほど思わずあげてしまった感嘆の一声さえ,恥じているようでした.
運転手の左手にブラジャーをカップ1つ分の大きさにたたみ込むと、今度はわたくしの前に正座をしたのです。
目の前のスリップを両手で引き下ろし、ストッキングに包まれた足首を掴むと片脚ずつ抜いてゆきます。
わたくしの上半身を覆っていた薄ものを膝の左側にまとめて置きました。
「どうぞ私の肩に手を付いて、足はこちらに」
そういうとおもむろに左足を正座した彼のふとももの上に乗せるのです。
バランスを崩しそうになって、あわてて右手で彼の肩を掴んでしまいました。
「あぶない 大丈夫ですか?」
左手で胸を覆い隠したままのわたくしを責めることなく・・・他のランジェリーとセットになっているガーターベルトの留め具をはずすのです。
正面・・・そして側面・・・
ふっとゆるんだストッキングをするすると長い指で下ろしてゆきます。
「失礼いたします」
足首を軽く掴んで浮かせるとつま先ストッキングをつまみあげ、すっと足先から抜いてゆきます。
「お寒くはないですか」
緊張と羞恥で気がつきませんでしたが・・・単なる脱衣所に違いないのに程よく部屋はあたたまっていました。
裸足になった左足が床面のあたたかさをダイレクトに伝えます。
「だいじょう・・ぶ・・です・・・」
床下に温泉を引き入れた床暖房。彼が荷物を取りに戻ってすぐに準備してくれていたのです。
彼の心遣いの濃やかさにわたくしは感謝をしておりました。
「おねがい。もう 自分でできます」
いまの彼の瞳にうつるわたくし・・・男性の膝に足をかけるあまりにはしたない姿・・・に気づいて 恥ずかしさのあまり彼の指がストッキングにからまったままの足を不意に引いてしまいました。
「っつ・・・」
わたくしはバランスを崩して両手で彼の広い肩につかまるしかありません。
「お気をつけください。祥子様」
運転手の右手はまだストッキングにとらわれたままなのに、左腕はわたくしの腰を支えてくれていました。
が、両手で肩につかまったわたくしの上半身は・・・彼の顔の前にGカップの白い乳房をそのまま晒してしまいました。
「あっ・・・いや」
自らの腕で堅く立ち上がってしまっている鴇色の先端を隠すために、わたくしは右足をまた彼の膝に乗せるしかありません。
「ごめんなさい。ありがとう」
わたくしが体勢を立て直したのを預けられた重心の移動で確認したように、彼は左手をふくらはぎのストッキングに戻しました。
「いえ 謝らなければならないのは私のほうです。祥子様のストッキングを伝線させてしまいました」
右足を床に下ろし伝線したストッキングまできちんとたたむのです。
「替えのものは何色かご用意していますのでご安心ください」
ガーターのバック・フックを外すと、Tバックから留め具を上手に抜いてストッキング・ランジェリーとともに乱れ箱に仕舞いにゆきます。
唐紅 3
車が止まったのはフロント機能を持つ本館の前でした。「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
上品な女将が、ひとりでわたくしたちを迎えてくれます。
「お世話になります」
「よろしくおねがいいたします」
「どうぞごゆっくり・・・」
言葉少なに挨拶する男性は上客の常連なのでしょう。
宿泊するというのにハンドバッグ一つのわたくしに不審な目を向けることもなく、微笑みかけてくれるのです。
「さ、こちらです」
女将が案内してくれたのは、渓流の音が聞こえる最も奥まった離れでした。
「今夜はこちら一つでよろしいのですね」
いつもは運転手用の控えの部屋もお願いするのでしょう。
「ええ、食事もこちらにお願いします」
男性はそう答えて、座卓の置かれた部屋でジャケットを脱ぎました。
「お預かりいたします。お客様もどうぞ・・・」
女将に声を掛けられて、わたくしも黒のジャケットの釦を外しました。
「女性の方にこうしていただくのって不思議な感じですね」
ふふふ、女将がわたくしの背中で華やかな笑い声をたてるのです。
「お客様はおもてになるんですね、きっと」
そういいながら引き戸になったクローゼットを開けてジャケットを仕舞うのです。
「そうなんですよ、女将。この人はとても魅力的なんでね」
わたくしに座卓の向かいを指し示しながら、男性までがそのように言うのです。
「あらあら・・・わたくしはお邪魔みたいですね。本当でしたらお部屋をご案内するところですが」
そういいながら女将は座卓の上の茶器を優雅に扱い、熱いお茶を入れてくださいました。
「こちらさまが十分にご存知ですので、お判りにならないことがございましたらフロントまでお電話くださいませ」
畳に三つ指を突き深く一礼をすると、女将は衣擦れの音をさせて離れを去ってゆきました。
女将が入れてくださったのは甘みのある八女の玉露でした。
掌の器はほんのり暖かく、とろりとしたお茶は長時間のドライブで乾いていたのどを潤してくれたのです。
そのお部屋は二方が雪見障子になっておりました。
わたくしはライトアップされた庭を見ながら、ワイシャツ姿でくつろぐ男性と差し向かいに座って、まぁるく喉を落ちてゆくお茶の味をゆっくりと楽しんでおりました。
今夜の男性は・・・まだ紳士的なままでした。
「ここはね離れが四つありましてね、みんな趣きがちがうんですよ」
女将が言っていた様に男性はここのことをとても良く知っているようでした。
「こんな佇まいですけれど、洋館もあるのですよ」
飲み干された器を座卓の上の茶托に置きました。
「祥子さんには洋館が似合うと思ったのですけれど、せっかくの温泉ですからね。和室のここにさせてもらったのですよ」
わたくしは部屋に通されてからのことを思い出し、改めて部屋を見回しました。
灰白い漆喰の壁に長年いぶされたのであろう黒々とした柱が、時代を感じさせる造りでありながらモダンな印象を醸し出していました。
高い天井までの空間は繊細な欄間などではなく、きりだしたままのような梁が何本も横切っているのです。
青畳の上にはイサムノグチ氏の間接照明が行灯のように置かれ、白い壁・白い障子が最低限の照明の効果を高るように室内を明るくしていました。
「ここは水回りのほかに3部屋あるんです。」
一方の全面の襖を視線で示して男性はそういいました。
玄関の開く音がします。
重いものを置く音がして、運転手が車からいくつかの荷物を下ろしてきたことがわかりました。
すっ・・・・ 別室の襖の開く音がします。
運転手は3間あるうちの一部屋にそれを持ち込むと、しばらくは出てきませんでした。
「珍しいでしょう、屋根は茅葺きなんです」
闇に溶けるように高い天井を見上げると、そこは男性がいう通りの茅づくりでした。
「離れごとに露天風呂が用意されていますし、こんなつくりでも化粧室は最新式ですから快適です」
座椅子に寛ぎわずかにネクタイをゆるめます。
「それにこの部屋のお風呂は川に面していますから、川風が気持ちいいですよ」
この部屋だけではなく宿そのものを何度か利用したことがある男性との話に夢中になっていたら、いつのまにか運転手が部屋に控えていました。
「こちらにいらっしゃればいいのに」
運転を続け男性の荷物を運んで、いままで整理していたのでしょう。
「今夜は祥子さんは何もなさらなくていいのです」
せめてお茶の一杯でも・・・と茶器に手を伸ばしたわたくしを男性は制するのです。
「お茶ぐらいよろしいでしょう?」
わたくしをからかってらっしゃるのかと、向かいに座る男性に問いかけました。
「今夜は祥子さんのことは全て彼がお世話をいたします。彼に任せて、なさりたいことがあれば彼に命じてください」
真顔で男性は答えるのです。
「運転手さんはあなたの部下かもしれません。でもわたくしの部下ではありませんわ、そんなことできません」
無体なことを言う上司だこと・・・わたくしはそんな視線を運転手に投げました。
「ふふ 祥子さん。彼の望みなのですから聞いてあげてください、そうだろう?」
最後の一言はわたくしにではなく運転手に向けたものでした。
「はい 祥子様。はじめて親しくさせていただくので不安もおありかと思いますが、どうか主の言う通りお世話をさせてください。お願いします」
きちんと居住まいを正したまま肩幅に両手をついて礼をされるのです。
「そんな・・・」
運転手の真意がわからなくて、わたくしは戸惑うしかありませんでした。
「お嫌ですか?」
顔を上げた運転手の澄んだ目がわたくしを見つめます。
ドライバーズハットをかぶり白い手袋をいつもしていた彼は、主である男性とほとんど変わらない大柄な体格をしておりました。
声は落ち着いて、けして大きくはないのですが通るのです。
ふとしたほんの一言までも、わたくしの中にすとんと落としてゆくような声なのです。
男性とほぼ同じ年令なのだろうと勝手に思い込んでいたのですが、帽子と手袋を外した彼は30代の中程に見えました。
運転手の見つめ返す視線に力がこもります。
「嫌だなんて、そんなことはないです。ただ、そこまでしていただく理由がありませんもの」
わたくしは、彼から目をそらせずにいました。
「理由は彼が望むからさ。祥子さん 叶えてやってほしい」
男性にそう言われて・・・ようやくわたくしは こくん と頷きました。
「良かったな」
「ありがとうございます」
二人の声が同時にいたしました。
「お願い手を上げてください」
改めて礼をする運転手に優しく声をかけることしか思いつけませんでした。
唐紅 2
車は湾岸線を抜けレインボーブリッジへ、刻々と都心を離れてゆきます。「それで、今夜はどちらにご招待してくださるの?」
これ以上取り乱してもみじめなだけです。わたくしは覚悟を決めました。
「箱根にね、素敵な宿があるのですよ。祥子さんはおつかれのようですから温泉でゆっくり楽しみましょう」
三ツ沢バイパスを藤沢に向けて車は移動します。
「他の方は?」
すべすべとした手の男性と優しい声の男性の顔を思い浮かべずにはいられませんでした。
「今夜はわたしたちだけです。彼らは仕事を抜けられなくてね、どちらかがお気に入りでしたか?」
わたくしの横顔を見つめながらからかうようにそういいます。
「いいえ、それではふたりきり・・・ですのね」
男性の嗜好を知っているわたくしは、今夜の成り行きにわずかにおののきながらもふたりきりの時間ならと、少しほっとしておりました。
「ふたりきり? わたしたちだけと言ったでしょう。今夜は彼にも想いを遂げさせてやってください」
バックミラー越しに運転手がわたくしに目礼をいたします。
「この方もなんですか・・・」
あの日も今日も慇懃無礼にわたくしに接しつづける運転手と、関係を持たなくてはならないなんて・・・
「彼は優秀な男なんです、いろいろな意味でね。僕の仕事を教えるために運転手をしてもらっているだけなんですよ」
わたくしの偏見をあざ笑うかのように男性は語りはじめました。
「あの日あなたをお送りしてから、彼は何度もあなたに連絡ととれないのかと僕に聞いてきたんですよ」
ふふふ 思い出し笑いさえ漏らすのです。
「僕たちだけは祥子さんとの連絡方法を知っているのだと思っていたみたいでね」
「申し訳ございません」
車が動きだしてからはじめて運転手の声を聞くことができました。
「私がわがままを申したのです。祥子様がどうしてもお嫌だとおっしゃるなら私は控えておりますので」
誠実で抑制の効いたゼニアのスーツの男性よりも幾分若い声は、とても恐縮して聞こえました。
「こうしてまたお逢い出来ただけで満足です。どうか箱根の夜をゆったりとお楽しみください」
わたくしは運転手の育ちの良さをうかがわせる物言いに心を動かされていました。
車は西湘バイパスを過ぎ湯本へ向かう片側一車線の道を走ります。
「ごめんなさい。そういうことではないのよ」
時折力の籠るバックミラー越しの視線に、はじめて目を合わせて答えました。
「わかりました。仰るとおりにしましょう」
運転手の背に微笑みかけるようにして、わたくしは男性に答えました。
「やっぱり祥子さんは思った通りの大人の女性だ。今夜は後悔はさせませんから、楽しみにしてください」
そう言うと運転手の目があることを承知の上でわたくしの肩を引き寄せるのです。
「お約束のランジェリーもご用意していますからね」
ストレートのロングヘアに顔を埋めるようにして、わたくしの耳元にこっそりと囁くのです。
後部座席のわたくしたちに対する運転手の強烈な意識を感じて わたくしはグレーのゼニアのスーツの肩を押し戻しました。
都心を出てから約2時間。
窓の外の空気は車内の男性たちの熱い思いとは反対に、しんと冷えはじめていました。
湯本から七曲がりへ向かう道を右へ下ったところに、その瀟酒な宿はありました。
贅沢な平屋づくりの建物は、春には花が見事だろうと思わせる桜の樹々の間に、離れのように点在していました。
4組も泊まれば満室になってしまうかのような贅沢なつくりの宿は、いまは紅く色づく紅葉の桜葉に彩られていたのです。
唐紅 1
1週間をまるまる忙殺されたプレゼンテーションがやっと終わったのは、週末の4時を回ったころでした。ほとんど今朝方までかかって企画書を仕上げたのです。
一睡もしないままでシャワーを浴びて・・・白いシャツと黒のタイトスカートのスーツ、ブラウスから透けないように白のレースのランジェリー、開いたシャツの襟元にパールをあしらった隙のない装いに着替える為だけに、今朝方一度帰宅をしただけでした。
緊張を強いられた午後のプレゼンが終わり、いつものようにプレゼンチームのメンバーと共に、いつものようにオフィスに戻れば良かったのかもしれません。
でもその日はまっすぐに帰る気持ちにはどうしてもなれなかったのです。
その場にひとり残ったわたくしは、疲れ切った身体と心をほんの少し癒してから帰ろう・・・そう思っただけでした。
クライアントのオフィスは、あの3人の男性と出会ったバーからほんのわずかの場所にありました。
マッカランの25年と並んでバーカウンターにあったポール・ジローのボトルが、わたくしの心をよぎります。
あの時は・・・日付がかわるほどに遅い時間でした。
いまのこの時間なら多忙な彼らと逢うことなんてないでしょう。
たった1杯だけブランデーを楽しむだけ・・・それならきっと大丈夫よ。
バーのスタッフはあのときのことは何もしらないのだから。
心を決めて、夕闇が薄く帳をおろしはじめた時間に、あのバーのドアに手をかけたのです。
「こんな早い時間から、よろしいかしら?」
あの夜と違い、カウンターにはショートヘアがキュートな女性のバーテンダーが独り開店の準備をしていました。
「もちろんです、いらっしゃいませ。こちらにどうぞ」
小柄な身体をかがめてカウンターをくぐると、わたくしを先日と同じスツールに案内します。
「ありがとう」
あの夜には見かけなかったスタッフなのに・・・どうして。
ほんの少しのデジャビュを感じながら引かれた椅子に腰掛けます。
きびきびとした動作でカウンターに戻ると、少し熱めのおしぼりを差し出してくれるのです。
「ほっとするわ」
手のひらに広がる暖かさに先ほどの違和感は溶けてしまいました。
「なににいたしますか?」
「ポール・ジローをお願い」
香り高い限定生産のブランデーをオーダーしました。
細身の独特のシルエットのボトルの中には、琥珀の液体がとろりと横たわっていました。
「お客様は美味しいお酒をご存知ですね」
醸造酒に合うドライフルーツの入った小皿を差し出します。
「そんなことないのよ。ふふふ」
彼女の趣味の良いサイドディッシュのセレクトに感心したわたくしの目の前に差し出されたのは・・・マムの繊細な泡が踊るシャンパングラスでした。
「これは?」
また、あのデジャビュが蘇ります。
「お疲れみたいですから、こちらで軽く喉を潤されてはいかがですか」
ショートヘアの女性バーテンダーはにっこりと微笑むのです。
邪気のないその微笑みを前にして、馥郁たる香りを放つグラスを疲れた心は拒否することができませんでした。
「ありがとう、遠慮なくいただくわ」
グラスに付けた唇を愛撫するかのように繊細な泡がまといつきます。
ためらいながら一口目を口にしたにも関わらず、瞬く間にはしたなくも白い喉そらして・・・2度、3度とシャンパンを味わってしまいました。
カウンタートップにはバカラのブランデーグラスが用意されました。
繊細な彫りの美しいクリスタルグラスが、店内の間接照明をはじいて煌めいていました。
わたくしがシャンパンを飲み干すタイミングに合わせてブランデーの栓が開けられます。
強くはないけれど柔らかな芳香が店内に漂いはじめました。
コッック・・・コッック・・・コッック・・・
ボトルから注がれる濃度を持った液体独特の音すらも、新たな欲望を誘うのです。
「おまたせいたしました。ポール・ジローです」
グラスの中のブランデーの波紋がおさまってから、わたくしの前にグラスを滑らせます。
「ありがとう」
シャンパンの名残をミネラルウォーターで程よく中和してからでなければ、ブランデーグラスに手を伸ばす気にはなれませんでした。
繊細なのに適度な重さのあるバカラのステアをつまみ、唇に持ってゆきます。
ほんの少し傾けるだけで唇に流れ込む熱い香気が、ポール・ジロー独特の柔らかな存在感を伝えはじめます。
いちじくのドライフルーツをひと齧り・・・ポール・ジローを一口。
女性のバーテンダーにありがちな饒舌さは彼女にはありませんでした。
わたくしがブランデーの香気に酔っているうちに少しだけ奥に行き、戻って来た時にはイズニーのカマンベールをカットしたものを手にしていました。
「ウォッシュのいいものがなくて、カマンベールですが。お一つどうぞ」
口に含むとフランスの草原の香りのするカマンベールは、新たなマリアージュを楽しませてくれるのです。
それでも、カウンターに座っていたのはわずかに30分ほどでしょうか。
「ごちそうさま。締めてちょうだい」
カウンターをくぐった女性バーテンダーはわたくしをレジスターではなく、あの狭くて急な登りの階段を案内するのです。
お会計は?と聞くわたくしに・・・バーテンダーの女性が囁いたのです。
「迎えのお車が待っております」
「えっ」
この階段から外に出るしか選択肢がない・・・たった2杯のアルコールに、以前の夜のデジャビュが酔いを重ねます。
「祥子様のお会計はもう承っております。すぐ正面にお車を止めてお待ちです。どうぞいらしてください」
それ以上の質問を許さない硬質な微笑みを浮かべる彼女に、わたくしは見送られるしかありませんでした。
狭く・急な階段を上がって、わたくしはしばらく躊躇した後・・・諦めてドアに手を掛けました。
力を加える間もなくすっと開いたドアの先にはあの夜の運転手が立っておりました。
「祥子様お待ちしておりました。車へどうぞ」
礼を失しないようにわたくしに手を添えて車まで導くのです。
「どうぞこちらに」
セルシオ独特の適度な重みを感じさせるドアの開閉音が響くと、車の中にはあの夜の男性が座っておりました。
「ひさしぶりですね。祥子さん」
あの夜わたくしのアナル・バージンを奪った男性です。
今夜もゼニアのチャコールグレーのスーツを着こなして、リラックスした雰囲気で後部座席におさまっていました。
「どうして・・・」
どう質問をしていいのかわからないわたくしはその一言を口にするのがやっとでした。
「質問に答える前に。祥子さんの明日の予定は?」
厳しささえ感じさせる太く硬い男らしい声でした。
「ひさしぶりの休日ですわ」
どう答えるのが正解なのか・・・わからないままに事実を告げてしまいます。
「よかった。それじゃ予定通り行ってくれ」
運転手に声を掛けると車は静かに首都高速のランプに向かいました。
「どこからお話すればいいでしょうか。あの店は僕の会社の持ち物なんですよ。」
ほとんど同世代だと思っていた育ちの良い男性が口にしたのは、半分は予想されていた答えでした。
「あなたにもう一度逢いたくてね。万一のチャンスに掛けて店のものに頼んでおいたんです」
あの朝、ホテルのエクゼクティブフロアの廊下にいるわたくしの写真を差し出すんです。
「こんなものを・・・いつ」
「ルームサービスに頼んでおいたんですよ。あなたは祥子という名前とオペラピンクのランジェリーしか手がかりを残してくれなかったから」
たしかにあの日、運転手とエレベーターを待つ間廊下でルームサービスのスタッフとすれ違ったことを思い出しました。
「2度と逢えなくても仕方ない、そう思ってました。でもどうしても諦められなくてね」
長身なのにそうは見せないバランスの良いスタイルと、声同様に甘さのない顔立ちにふと男の色気が立ち上りました。
「彼に伝言を頼んだつもりだったんだが、聞かなかったですか?」
運転手を目で指し示して男性はそういうのです。
「ええ、確かにうかがいました。でもこんな早いお時間にはご都合はつかないと思っておりましたから」
「だからほんの30分で立ち去ろうとしたんですね」
わたくしの言い訳は聞かない、たたみかけるような物言いはそう伝えてきました。
「祥子さんは伝言を聞いていて、またあの店に来て下さった。これからご一緒することになるのもご承知の上でね」
落ち着いた声に、有無を言わせない自信を滲ませるのです。
そんなつもりはございません・・・そう返事を返すことができませんでした。
うたかたの夢 5
「フェラチオですか。本当に痴女みたいですね、祥子さん」スーツの男性は揺れる地下鉄の連結部で右手で身体をささえ、左手をわたくしの黒のストレートロングの髪に差し入れました。
わたくしは、足もとの不安定さを補うために男性の麻のスーツの腰に腕をまわすしかありませんでした。
自然と密着したわたくしの上半身を男性の手が思うがままに動かすのです。
「くちゅ・・・くぽっ・・・ぐちゅちゅぅぅ・・・・・じゅるっっぅぅぅ」
わたくしは唾液をまぶした唇をまるで淫らな花びらのようにしていることしかできませんでした。
その唇に男性の塊が出し入れされるのです。
「ちゅぅぅ・・・くりゅぅぅ」
唇の内側にかりが当たるまで頭を引き離される間も・・・唇は抜き出される塊をしごき上げます。
「あぅ・・・上手いな。祥子さん、いいですよ」
口腔には・・・白ワインの香りの唾液を溜めました。
ごつごつとした塊と口内との密着度を高めることしか、わたくしにはできないからです。
男性の塊は出し入れされる度に上下左右に舌がまとわりつかせるだけで、快感にひくひくと脈打っていることまでわかりました。
「ちゅるぅぅ・・・くちゅぅ・・・くぽ・・・んちゅる・・・んぐぅぅ」
長さのある塊は・・・わたくしの喉奥までを容赦なく犯してゆきます。
「ふふ、美味しいですか。自分の愛液にまみれた僕のものは」
そう言いながら・・・ざらざらと数の子天井のような口蓋に、先端をこすりつけるように動かすのです。
「んぐぅぅ・・・おいひぃ・・・で・すぅぅ・・・くぷぅぅ」
答え終わらぬうちに今度は奥まで一気につきいれるのです。
「淫乱な痴女だと思っていたがフェラまで絶品とはな ふふふ」
地下鉄の中で口戯を強要する羞恥だけではもの足りずに、言葉でまでわたくしを嬲るのです。
電車が減速をはじめ次の駅が近づきます。
「ほら、そろそろいくぞ」
唇をすぼめ舌先の動きを早めるわたくしの頭を男性は両手で掴み、先ほどの彼の腰と同じに激しく動かします。
連結部の不安定な足元に跪いていたわたくしの両膝は、揺れに耐えるために肩幅ほどに開かなくてはなりませんでした。
駅に電車が停車し揺れがおさまったと思った途端のことです。
紺のスーツの男性の左脚が、ぐいとわたくしの両脚に割り込んできたのです。
「んくぅ・・・・あぁぁ」
男性の綺麗に磨かれていた黒の革靴が・・・跪いた足の間の疼ききった狭間に・・・あてがわれたのです。
「いっしょにいくんです、祥子さん」
くちゅ・・・ フェラチオで滴り落ちんばかりに溢れている愛液を・・・丁寧に鞣された動物の革独特のすべらかさと肌触りがかきまわすのです。
「あふっ・・・う」
「休むんじゃない!」
大きくなった真珠の表面を指先で愛でるように革靴がすべります。
「んくっ・・」
「そうだ 僕を満足させるんです!」
2枚の花びらを揉みしだくように、荒々しく革靴を前後に動かすのです。
ドアの外に人の動く気配がしました。
この駅で先ほどまで混雑していた乗客は随分降りるのです。
連結部に立つ男性の姿が不自然に見えてしまう・・・その心配はなかったようです。
わたくしが男性の足元に跪いたのに気がついたクールビズの男性は、酔った女性に席を譲る振りをして、さきほどまでわたくしが背を向けていたドアの前に立っていました。
「痴女には足で十分だろ。さ!いきなさい!!」
発車のアナウンスと同時に、はっきりとわかる声で辱めの言葉をわたくしに投げつけるのです。
扉に腰を預けわたくしの頭を鷲掴みにして・・・唇を犯すスピードを緩めることもなく、自由な足をさきほどの塊のようにして・・・敏感に濡れきったわたくしの性感帯を嬲り続けるのです。
「くぅ・・・あぁぁ・くちゅ・・あん・・・い・・いくぅぅう」
男性の革靴に犯されて達してしまう。
動き出した電車のイレギュラーな揺れとあまりの辱めに、わたくしは堪えることも出来ずに激しく達してしまいました。
「いくぞ。飲むんだ!!祥子!」
両手でわたくしの頭を強く引きつけると、男性はわたくしの喉奥に濃厚な白濁液をたたき付ける様に放ったのです。
あと数分。
わたくしが降りる駅までの時間はそれしかありませんでした。
唇の端から溢れるほどの精液を、眦に涙を浮かべながら・・・ごく・・ん・・・と飲みくだしました。
「最後まできちんとしてください。祥子さん」
その様子を満足気に見下ろした麻のスーツの男性は、あらためて唇にまだ堅いままの熱い塊をおしつけ、わたくしの舌で清めるように促すのです。
「くちゅ・・・」
舌を使い、鈴口から栗の花の香りのミルクを吸い出して・・・男性はやっとわたくしの身体を引き立ててくれました。
「よくできました。祥子さん」
わたくしの姿をみつめる男性の欲情の残る視線に、あわててスカートを引き下ろし・・・胸元を整えました。
「これ使ってください」
男性はスーツのポケットから清潔に折り畳まれたハンカチを差し出します。
「なにに・・・ですか?」
どうして差し出されたかわからないハンカチを、わたくしは見つめるだけでした。
「太ももまで愛液をしたたらせて、フェロモンを香らせたままで車内を歩いてゆくつもりですか」
「それともまだ、足りないんですか?」
思わぬ男性の言葉に、とっさに差し出されたハンカチを受け取りました。
「みないで・・・おねがい・・」
男性の目の前で身支度を・・それも秘めた場所の始末まで見られてしまう。
わたくしが決して男性の目には晒さない姿を強いる人に、懇願の声をあげることしかできません。
「そろそろ駅ですね」
スピードを落とし始めた電車に男性が気づきました。
もうあと1分ほど、わたくしは目を伏せて・・・スカートをわずかに引き上げ・・・ぬるりとしたしたたりを拭いました。
「ごめんなさい、汚してしまって。これはわたくしが処分いたします」
ハンカチをバッグに仕舞う気にもなれず、左手のなかに丸めて握りしめたのです。
「だめです」
強い力でわたくしの手首を掴むと、愛液を吸い込んだハンカチを奪い取られてしまったのです。
「本来なら僕の靴もその唇で清めさせるんですが時間がありません。これはその代償ですよ」
ハンカチを取り出したポケットにしまい込みながら、男性は名残を惜しむようにわたくしの胸を鷲掴みにしました。
「あうっっ・・・」
電車が駅に滑り込みます。
「さぁ 降りる駅ですよ。痴女の祥子さん」
そう言うと連結部のドアを開けて、わたくしを車内に押し出しました。
淫らな花の香りを含んだ風に、何人かの男性がわたくしたちを振り向きます。
吐く息すら栗の花の香りのわたくしは・・・口元を押さえて、一度も振り返ることなく開いたドアに向かって小走りにホームへ降りたのです。
改札口を通って地上までの登りエスカレーターは、わたくしの後にいる数人の男性を意識しないではいられませんでした。
すれ違う人までもがわたくしを振り返るような気がして・・・
あぁぁ、なんという夜だったのでしょう。
祥子からの手紙-5
いつのまにか随分深く眠ってしまっていたようです。
ベッドのわたくしの顔に、秋の優しい日差しがカーテン越しに差し込んでいました。
どうして、あの夜のことを夢に見てしまったのでしょう。
忘れてしまいたいと願うほどに淫らなあの夜のこと。
そろそろまたあのホテルでのジャズライブの時期が近づいているからでしょうか。
あの日からまだ一度も同じ時間には乗らない様にしている
あの地下鉄を利用せざるをえない日がやってくるからでしょうか。
あと少しで陽も落ちる時間です。
今宵は夢も見ないで眠れる様に
ヴェルヴェデーレでも冷やして置くことにいたしましょう。
あなたもどうか安らかな一夜を。
またお逢いいたしましょう。
うたかたの夢 4
地下鉄の連結部の2枚のドアの間で・・・わたくしははしたない姿を晒しておりました。羽織っているGジャンはそのままにピンクのカットソーをまくり上げるのです。
白い肌に濃紅の痕が散り敷く乳房を、ランジェリーから左右とも引き出されてしまいました。
まるで縛められたようにブラとカットソーに挟まれて、Gカップの白いふくらみは歪んで扇情的に張り出していました。
紺のタイトスカートは男性の手でまくり上げられ、オープンクロッチタイプのストッキングだけしか身につけていない下半身をあらわにしていたのです。
男性は狭いこの場所でわたくしの腰を引き寄せると、愛液で濡れそぼった太ももと柔らかな狭間の間に彼の塊を押し入れました。
「僕は指なんかで満足しませんからね。祥子さん」
くちゅ・・・・ 堅くて長く反り返った熱い塊は最初からはしたない音をわたくしの身体に立てさせるのです。
「ああ・・はぁん」
わたくしのバストを押しつぶす様に抱きしめて、腰を激しく前後に動かすのです。
「いやぁぁ・・・・だめぇ・・・あはぁぁ」
挿入しているわけではないのに・・・塊はわたくしの真珠をこすりあげ、花びらをなぶり 会陰のむこうの菊のつぼみまでを刺激するのです。
「いいでしょう、こういうのも。したことありますか?祥子さん」
繰り返す動きがますます早くなっていきます。
「あぁぁ・・・んゃぁ・・だめ・・・」
麻のスーツに押しつぶされた乳首さえも・・・女性の敏感な性感帯をすべて嬲る男性の動きに、はしたないわたくしの身体は大きな塊を胎内に迎えたくて・・・淫らにも花びらをひくひくとふるわせてしまうのです。
「ふふ 祥子さんの下の口の方が正直みたいですね。この大きなのをほしがってしきりにキスを繰り返してくれますよ」
熱い先端の塊を決して挿入できないことを知っていて・・・花びらを抉る様にしてわたくしをじらすのです。
「ちゅ・・・ぅぅ くちゅぅ」
抱きしめたままで、わたくしの唇を奪い口腔と舌の感触を確かめるようなディープキスをするのです。
「ああ 祥子さんの唇は上も下も同じ感触だ」
電車が止まり、乗客の出入りがあっても奥の連結部近くの人たちにはほとんど動きがありません。
男性は停車時間の間は腰の動きをゆっくりとでも深く抉る様に変え、わたくしの唇をほんのわずかな間すら離すこと無くキスをつづけていました。
「停車時間中だと祥子さんの淫らな声を聞かれてしまいかねませんからね」
車両が動き出した途端に男性は耳元でそういうのです。
「最終車両の連結部に男女がいてキスをしてれば、邪魔をするような野暮な大人はこの時間にはいないでしょう」
彼の塊は停車時間の間に、わたくしの太ももの間で一回り太さを増した様に大きくなっていました。
「まさかこんなことをしているとは思っていないでしょうけれどね」
キスの間に教えられた<素股>という行為の名前を思い出して、彼の肩に顔をうずめるようにうつむいてしまいました。
「あと3駅でしたっけ、祥子さんの降りる駅まで」
紺のスーツのままでむき出しにした猛りを、わたくしの太ももとの柔らかな狭間に抜き差しするのです。男性は腰の動きだけを早めながら、わたくしに質問します。
「あん・・・そうですぅ・・・んふ・・」
通常の行為では得られない快感に、なんでもない答えにさえ喘ぎを織り交ぜないではいられません。
「それじゃそろそろ僕を満足させてください」
こんなにはしたない行為を強いていて・・これ以上何を求めるというのでしょう。
「僕もいかせてもらいましょうか。祥子さん」
反り返った先端は、ほとんど花びらの奥を狙うかのように動き続けています。
大きく成長した真珠はわたくし自身が溢れさせる愛液でぬめひかり、男性の長い塊のごつごつした起伏にすら刺激されているのです。
「どうしますか?祥子さん。このままこの太ももに射精して、足首まで精液をたらしながら駅に降りてもいいんですよ」
「いやぁぁ・・・」
栗の花の香りをまといつかせて・・・歩くたびにねちょねちょと音を響かせながら連結部から降車側のドアに向かい、改札までの長いエスカレーターを上がる。
そんなことは考えられませんでした。
「それともフェラチオでいかせてくれますか?その唇と喉でいかせてください」
きつく閉じた太ももの狭間に強く熱い塊を打ち付けながら、舌でなめまわすような淫らなキスを繰り返すのです。
「今日はたっぷり出てしまいそうですから。一滴残らず全てのみほしてくださいね」 じゅるっっっ・・・・男性が唾液をすすり上げる音が響きます。
「そんな・・こと・・・あぁぁ・・・で・・きない・・・」
電車の連結部で・・・すぐ窓の外に多くの人が居る中で・・・男性の大きな塊を喉の奥までつかってフェラチオする・・・それも最後には精液を飲み干さなくてはならない。
あまりの提案に首を横にふるしか出来ませんでした。
「いいんですよ。祥子さんが僕たちと一緒に終点まで行って、ホテルで一晩ゆっくり二人を満足させてくれても、ね」
次の駅に近づいたのか電車は速度を緩めはじめました。
「さっきの彼も満足してるわけじゃないから一晩たっぷり可愛がってあげますよ。そうしますか?」
わたくしは・・・今夜初めての男性にお茶室の床柱に縛られて嬲りつくされ・・・ガラス窓の前で後から犯されたばかりなのです。
すでに重ねて与え続けられる快感で一人で立っていることさえ辛いほどになっていました。
はじめての行為はもう何度もわたくしを頂きに上り詰めさせていたのです。
電車が止まりました。
ドアの外の人が動き出した気配に・・・わたくしは不安定な足もとに跪いて・・・わたくしの愛液に茂みまで濡れた熱くて長い塊を・・・喉奥まで飲みこみました。
うたかたの夢 3
「やめて・・・くだ・・さ・い」かすれたような声でしか抵抗出来ませんでした。
突然に差し入れられた男性の手を防ごうと・・・太ももに力を込め閉じあわせようと必死でした。
クールビズの男性は手のひらの厚み分だけの隙間をつくろうと何度も、合わせ目やオープンクロッチの素肌があらわになった太ももにを軽く爪を立てたるのです。
赤くなってうつむくわたくしがなにを堪えているのか、紺のスーツの男性にはわかっていたのでしょう。
「ぁぅっ・・・」
つっと伸ばした指先で、感じやすい左の乳首をひねりあげたのです。
わたくしは声をあげずに堪えるだけで必死でした。
地下鉄の乗客がたくさんいる車内で、突然与えられることなんて考えられない・・・あまりの衝撃でした。
ふっと・・・力が抜けてしまった膝を男性の容赦ない手が隙を逃さずこじ開け、花びらを覆うやわらかい狭間に向かって這い登ってゆきます。
「こんなに濡れてたら。それは恥ずかしいよね」
痛みと快感で上半身を倒してしまったわたくしに、目の前に座る男性がささやくのです。
男性の左手はわたくしのタイトスカートの中にすっぽりと入り込み・・・指先ははしたなく愛液を溢れさせる狭間に・・・ほとんど届いておりました。
「ぃゃぁぁぁぁ・・・・」
わたくしはあわててもう一度、太ももに力を入れて男性の手の進行を阻止しようとしました。
「おとなしくしてください。さもないとこのままスカートをまくり上げますよ」
好色そうな眼で羞恥に耳までも紅くしたわたくしを見上げながら、またも卑劣な脅しを繰り返すのです。
「週末の夜遅くの地下鉄に、パンティだけを着けないでガーターストッキングだけで一人で乗り込んでいるなんて、祥子さんは立派な痴女なんですね」
酔いのまわった恋人を助ける様にしてわたくしの上半身を引き起こした隣に立つ男性は、わたくしの耳もとに繰り返すのです。
「ちが・・・う・・わ」
弱々しく首を振るしかありません。
「何が違うっていうんですか。こんなこと言われてそれだけでまた・・・ほら・・・溢れさせてるくせに」
柔らかで湿った狭間を楽しむように指を遊ばせるのです。
「こんなにフェロモンをまき散らして、酷い女性だ。これじゃどんな男でもこんなふうに触れずにはいられないさ」
隣の男性はわたくしのまわりの空気を、深呼吸をするように吸い込んでみせるのです。
男性の右手は、時折しっとりと脂肪の乗った丸ぁるい腰肉に指をくいこませるようにしながら・・・わたくしの腰をスカートの上からいつまでもなぞるのです。
「これで痴漢呼ばわりされたら、男の方が気の毒だよな」
スカートを少しだけ引き上げるようにして、籠った香りを楽しみながら前の男性は指を強引にすすめるのです。
「ぁはぁっ・・・・んんん」
ぬるぅんと指先が合わせ目に入り込みました。
くちゅっ・・・・中指を曲げるような動きで、わたくしの大きく潤った真珠をなで上げます。
「くっん・・・ぁあ・・はぁぁ・・・」
車内であり得ない場所を直接触られて・・・送り込まれる快感に唇を噛んで喘ぎを堪えるのが精一杯でした。
「柔らかくて肉厚なんですね。くすっ 祥子さんてば」
「んくぅぅぅ・・・ちがい・・まぁ・・すぅぅ」
前に座るクールビズの男性の手のひらは、わたくしの太ももにはさまれてこれ以上は進みません。
丁度指先が真珠と花びらの表面をなでる位置で止まり・・・何度も指先だけを前後に動かすのです。
「んっぁ・・・ぁは・・ぁぁ・・・」
快感から逃れようとわたくしはつい腰を動かしてしまいました。
今夜・・・蝉時雨の庭で責められ何度も達して・・・その余韻もおさまらない身体を、電車の中で人目を気にしながらの微妙なタッチで嬲られ続けるのです。
「おとなしくしないからですよ。祥子さん」
ちゅ・・・くちゅ・・男性の指が動くたびに響く淫媚な水音は、後方の男性の耳までは線路の音でかき消されて届かないようでした。
「いけないひとですね。聞き分けがなくて」
そう言うと隣の男性はわたくしの身体の向きをわずかに連結部のほうに向けたのです。
そして左手はつり革につかまったままに・・・後からぴったりと身体を押しつけ、そして恋人同士が戯れているかのように右手をわたくしの肩先から胸元に下ろすのです。
「ぃゃぁぁ・・・」
わたくしの腰には既に熱く滾っている男性の塊が押し付けられました。
さりげなく下ろされているような胸元の手は、人差し指と中指の間に堅くしこりたつ先端を挟み込んでいるのです。
「そうして腰をうごかしてくれると、気持いいですよ。くっくっくっ」
耳元でスーツの男性が囁きます。
その一言でわたくしは身じろぎをすることもできなくなりました。
次の駅が近づいてきました。減速する車両がそのことを知らせます。
「さあ 祥子さんの繁みを見せていただきましょうか」
目の前に座るクールビズの男性がとんでもないことを言い出すのです。
「はやくしないとホームに溢れる人に、祥子さんの痴女姿を晒すことになりますよ」
次の駅は多くの人が乗り降りするこの路線でも有数のターミナル駅でした。
「それとも 祥子さんは見せつけたいのかな?」
「ちがいます・・・恥ずかしいことは・・あん・・やめ・・て・・くださぁい・・ぃぃ・」
「いまなら彼だけが楽しむだけですよ。いいでしょう」
クールビズの男性の手がスカートの前裾をそろそろと引き上げてゆくのです。
駅に近づく振動を堪えるために片手は手すりへ、もう一方の手は紺のスーツの男性に後手に押えられてしまっていたのです。
後に立つ男性からも、前の男性からも顔をそらせました。窓に映り込んでしまうであろう自らの姿からも眼を背けるしかありません。
オープンクロッチの花びらから溢れ出した愛液に濡れた、むき出しの太ももがエアコンで冷やされた空気に直接ふれます。
「いい眺めですよ。祥子さん」
ふうっっと繁みにかけられた男性の熱い息に・・・ぴくん・と身体をふるわせてしまいました。
「手触りだけでなく見た目も柔らかくてしなやかなんですね」
手でさらっと表面をなでるのです。
次の駅に到着するアナウンスが流れました。
「おねがい・・です・・もうやめ・・・にして・・・おねがい」
手すりを掴む指が白くなるほどに羞恥心を煽られて、わたくしは男性に哀願するしかありませんでした。
ぬるぅっ・・・・
男性の2本の指が柔らかな狭間に侵入し・・・真珠と花びらを数度擦りあげました。
「・・・ぁぁああぁ・・・」
車窓がホームの明かりでわたくしの姿を映さなくなる寸前に・・・敏感な真珠を撫でる男性の指で、地下鉄の車内で淫らに登り詰めさせられてしまったのです。
ターミナル駅に到着し周囲の乗客が動き出すのを見て、紺のスーツの男性は登り詰めた余韻にほうけているわたくしにバッグを持たせて連結部のドアの中に引き込みました。
発車を伝えるアナウンスが流れる中、車両は多くの乗客で埋まってゆきます。
わたくしは連結部のドアの窓に背を押し付ける様に立たされたのです。
「なにをするんですか」
騒音を押さえるために密閉度を高めたドアとドアの間にいても、声は漏れてしまいそうです。
こんな状態の身体を他の方に知られたくなくて小声で抗議をするしかありません。
「いや なに、我慢ができなくなってしまったんですよ」
がたん・・・動き出した電車の振動とともにGジャンの下に着ているわたくしのピンクのカットソーをまくり上げるのです。
「ふふ 情熱的な恋人なんですね」
数日前に3人の男性に付けられた胸元から首筋までの濃紅の痕を、この男性にも見られてしまったのです。
「やっぱりこんなに大きいんだ。やわらかいな」
紺の地にピンクの花を散らしたレースのブラに手を差し込んで、わたくしのGカップの乳房を引きずり出すのです。
「やめて・・・あん・・・はぁぁん・・だめぇ」
男性は左の乳首を口に含み舌でねぶりながら右の乳房まで引き出します。
「あと5つでしょう、降りるまで。僕を満足させてくれないと降ろしてあげませんからね 祥子さん」
上目遣いでわたくしの顔を見ながら今度は右の乳首を甘噛みするのです。
「あうっっっ・・・」
電車の振動と騒音をダイレクトに伝える連結部での痴態に・・・声を押し殺すことさえ次第に困難になってきました。
「ほら、もうこんなになってるんですよ」
男性はわたくしの左手を彼の熱い塊に導きます。
それは脈打ち、信じられないほどに堅くそして長く反り返っていたのです。
「祥子さんの手のひらも気持いいんですね、でも今夜は手じゃだめです」
男性はわたくしのタイトスカートの裾をまくり上げます。
「先ほど彼に楽しませたここで・・・僕にも楽しませてください」
ぐい・・とわたくしの腰を引き寄せました。
うたかたの夢 2
気のせいかもしれない、最初に思ったのはそのことでした。後には3、4人の男性が立っているのは肩ごしにわかっていました。
ソフトビジネスバッグの角のような感触が2~3度、わたくしの丸い腰についっと触れただけだったからです。
・・・よかったわ、やっぱり気のせいだったのね。
次の駅までもう少し時間がかかります。
疑惑が晴れてほっとして・・・安心して続きを読もうとしたときです。
「やっぱり着けていないんですね」
左隣に立つ男性が、わたくしに身を寄せると耳元に押さえた声で話しかけます。
「えっ・・・」
なんで・・・こんな駅で乗り合わせただけの男性が知っているの・・・ぎくっとしてわたくしは隣の男性と眼を合わせてしまったのです。
「今夜エスカレーターを降りてくるあなたをみたんですよ。エスカレーターの下から」
男性の話す内容に驚き、周囲に聞かれていないのかと・・・男性から前の椅子に座る二人の男性に視線をうつしてしまいます。
ドアよりの席の男性は眠りこけておりました。
わたくしが乗り込んで来た時には真ん中の席に大きめな荷物を置いたままで、既に眠り込んでいたのです。
わたくしの前に座った男性は・・・事情をわかっていたのでしょう。
期待のこもった眼でなりゆきを見つめているのです。
後方の男性客の方たちは仕事の話に盛上がっているかのようです。
「何のことでしょう・・・失礼なことを言わないでください」
小声でしたが、わたくしは毅然とはねつけることにしました。
なんの証拠もないのです。
かまをかけているだけかもしれない相手に狼狽することはありません。
「そうですね、わたしもそう思ったんですよ最初見た時は。黒のランジェリーなのかと」
視線を合わせる事無く、漆黒の車窓にうつるわたくしの顔を見つめてそう言い出します。
「でも不自然な色合いだったのでね・・・くすっ・・・」
「ホームであなたの後からしなやかなスカートに映るランジェリーのラインを、じっくり観察させていただいたんです」
まるで以前から親しい相手でもあるかのようにすっと身体を近づけてきます。
「そんなにソフトな素材なのに全くランジェリーの跡が浮かびあがっていない。でも脚はストッキングに包まれている・・・だから触って・・・確認させていただいたんです」
あの指の動きは・・・確認のためだったのね。
「Tバックすら身につけていないことがわかりましたよ。ふっ・・・ それにストッキングがオープンクロッチタイプのパンティストッキングなのもね」
たったあれだけでそんなことがわかるなんて・・・。
「ちかん・・・」
掠れた小声しか出ませんでした。
「そう言いますか。いいですよ」
口元に笑みを浮かべながら恐ろしいことを言うのです。
「だったらこの場で、彼にあなたのスカートをまくりあげさせて、あなたが露出狂の痴女だって証明するだけですから」
前の座席の男性が羞恥に赤く染まるわたくしの顔を見上げています。
「そんなこと・・・・」
わたくしは・・・それしか言えませんでした。
「僕たちこんな時間まで残業で、酒も飲めずに疲れてるんですよ」
前の席の男性もうなづきます。
「電車の中だけでいいんです。どうですか、合意の上で楽しませてくれませんか」
真面目な表情を崩す事無く破廉恥な申し出をしてくるのです。
「周りの人間に気づかれて、正義漢ぶった奴に痴漢扱いされるのもいやですからね。おとなしくしててくれればいいんです。わかりましたね」
そんな破廉恥なこと・・・合意なんてできるはずもありませんでした。
「あなたはお酒を結構飲んでますよね。彼があなたが痴女行為をしたと駅員に申し出てもいいんですよ」
拒否したら・・・男性たちの脅迫は、わたくしがただ1枚の薄物を身につけていないだけで効果的に響きました。
「もう次の駅だ・・・うんと言ってください」
わたくしは前を見たままでかすかにうなづくしかありませんでした。
それに・・・とても恥ずかしいのですが、わたくしの身体の火照りはまだおさまりきってはいなかったのです。
次の駅に到着しました。
思ったよりも多くの乗客が乗って来て・・・左の男性はわたくしをかばうような動きをしながら、入り口側からの視線を遮る様に身体の向きを変えました。
わたくしのことは背中を連結部に半分もたせかけるように斜めにしたのです。
「僕たちは終点までなんです。どちらの駅までいらっしゃるんですか?」
世間話のように話しかけます。
彼らの駅の2つ手前になる住宅街の駅の名だけをわたくしは告げて、うつむいてしまいました。
「祥子さんって意外に近くに住んでたんですね」
前の座席の男性がわたくしの名前を言うのです。
「どうして・・・」
眉をひそめたわたくしを見て前の席のクールビズの男性は言いました。
「お友達と今夜は一緒だったでしょう」
あんな時からわたくしは彼らに眼をつけられていたのです。
彼女ともう少し一緒にあのホテルで過ごしたり、あのホテルからタクシーで帰らなかった事を後悔しはじめていたのです 。
「あっ・・・」
左隣に立つスーツの男性の手がわたくしのヒップをなで上げました。
「そしらぬふりをしてください」
わたくしの耳元に口を近づけてそう囁きます。
男性の手はわたくしのヒップの下の丸みを指先で握るようにして・・・その指先を丸みの谷間に沿わせて上に引き上げます。
前に座るクールビズの男性は左の太ももを・・・オープンクロッチのストッキングの端を確かめるように指を這わせはじめました。
「だめっ・・・」
合意したとは言っても・・・無抵抗ではいられませんでした。
電車の揺れと連結部がきしむ音が囁くようなわたくしの声を消すのです
「スリップはお召しになっているようですね」
スカートの裾近くのレースに触れたのでしょう。紺のスーツの男性の指はあまりに繊細に過ぎました。
カーブにさしかかり・・・がくっと電車が揺れます。
「はぁぅ・・」
まるではずみのようにわたくしの乳房を握りしめるのです。
「このボリュウムならやはり・・・トップスも着けていらっしゃるのですね」
電車の揺れが戻っても乳房に触れる手は降りようといたしません。
Gカップのバストだからこそ全く厚みを必要としないブラの素材が・・・堅くしこり立つ乳首の存在さえも男性の掌に伝えてしまうのです。
「小振りなのですね・・・先端は」
まるで酔って恋人にしなだれかかっているかのような風情で、淫らな事実を口にして・・・3本の指先で順に先端をはじいてゆくのです。
「ん・・・くぅっ・・」
声を押し殺すほどに快感は身体を駆け巡り、不自然なひくつきを止めることができなくなります。
「敏感な身体ですね。それとも恋人に抱かれた後なのですか?」
ストレートのロングヘアに鼻を埋める様にして感じやすい耳元に ふっと息を吹きかけるのです。
「なぜ 1枚だけ着けていないのですか」
そんなこと・・・今夜起きたことを説明することなんて。
わたくしにはどう説明したらいいのかさえわかりません。
「恋人の命令?それともお仕置きかな?」
スーツ姿の男性の言葉は次第に露になってゆくのです。
次の駅に着きました。
何人かのお客様が乗り降りし、スーツの男性は一旦は姿勢を元に戻しました。
これで終わりなのかとほっとしたのもつかの間でした。
「あん・・・だぁめぇ・・・」
前に座る男性の手がスカートの中に差し入れられたのです。
先ほどまでの二人の男性の行為で・・・わたくしのふとももはもう・・・愛液でぬめりを帯びていたのです。
うたかたの夢 1
ああ、蝉時雨が聞こえる。わたくしは夢の中でそう思っていました。
背後のホテルのライトアップされた庭からまだ虫の音は遠く続いていました。
わたくしの隣には背の高い女友達が歩いています。
あの・・・ひと月ほど前のジャズライブの帰り道だったのです
「祥子さんたら、一緒にお庭に行った男性と随分仲よくなったみたいね」
好奇心を隠しきれない顔で女友達が質問をはじめました。
「ずっと帰ってこないんだもの心配しちゃったわ」
支配人に送り出されてホテルを出るまで、彼女なりにあからさまな質問は避けていたようなのです。
「ごめんなさい、わたくしからお誘いしたのに一人にして」
お庭とお茶室で起きた破廉恥なことを考えると、そう答えるしかありませんでした。
「いいのよ あの男性のお友達ともいろいろ話出来たし。よかったわ」
彼女はうれしそうに続けました。
「それにサックスプレーヤーの彼ともセッションの間の時間に一緒にお食事しながらお話しできちゃたし」
「よかったじゃない。彼のファンだものね、あなた」
恒例となったジャズライブのメインプレイヤーであるサックス奏者を、彼女はとても気にいっていました。
「ん そう思えば二人で居るよりも有意義だったかも」
「そうかもしれないわね ふふふ」
茶目っ気たっぷりに彼女にそう言われても、わたくしは気が気ではありませんでした。
「で、二人でどこに行ってたのよ 白状なさい」
女友達の楽しかった話を聞く事でそれたと思っていた話題に、やはり戻されてしまったのです。
「ファーストセッションはねお庭に池があったでしょう。あの橋をわたった上の築山の竹の向こうに風通しのいいベンチがあるの。ラウンジの窓のちょうど向こう側だから演奏も良く聞こえて、だからそこのベンチでね」
誤摩化しきれなくなって、わたくしは彼といた場所だけを話すことにしました。
「ふうん」
「セカンドセッションは支配人がお茶室でどうですか?声をかけてくださって。あまり音は聞こえなかったけれど、お茶室の中庭に向かった濡れ縁でお庭を見ながらワインをいただいてたのよ」
女友達にそう説明しながら、本当にあった事を思い出して・・・思わず身体が潤んでくるのをとめることができませんでした。
地下鉄の駅への階段を降りて改札を通りホームへ向かいます。
駅からの上昇気流がわたくしのスカートの裾を乱し・・・むきだしになっている肌を舐めて、パンティをつけていない事を思い出させるのです。
上りエスカレーターではなく、下りエスカレーターであることで・・・わたくしは少しほっとしておりました。
金曜日の夜の都心の地下鉄ホームは比較的混み合っていました。
女友達とは帰る方向が逆なのです。
わたくしは紺のタイトスカートにピンクのノースリーブのカットソーにGジャンという少しカジュアルなスタイルをしていました。
インナーは紺地にカットソーと同じピンク色の花を刺繍したレースをつかったブラとスリップ、ガータータイプのオープンクロッチのストッキング。さきほどのホテルのお茶室で、わたくしは揃いのレースのパンティを男性に持ち去られたままでした。
たった1枚の薄物がないだけなのに・・・。
その心細さ・恥ずかしさを顔に出す訳にもいかなくて・・・せめて、もう少し彼女と共にいてほしいと思っておりました。
23時を回った遅い時間とはいえ定刻通りに電車はまいります。
「それじゃ月曜日ね」
「良い週末を」
夫が待っている女友達は明るく手を振って電車に乗り込みました。
手を振り返して走り行く明かりを見送ると、わたくしは反対側のホームで一人電車を待ちました。
ホームを埋めていたひとのほとんどは、彼女が乗った方向だったようです。
電車が去るとわたくしの周りにはわずかに数人の男性だけが残っていました。
地下鉄のホームはほとんど無風です。
ホテルの化粧室で帰りがけに確認したように、毅然とした態度を保ってさえいれば外見では決してわからないという自信はありました。
構内に電車が来ると言うアナウンスがあると同時に、数人の男性がわたくしが待っているのと同じ場所に並びはじめました。
わたくしが降りる駅だけでなく、改札口に向かう階段が近くにある車両なのです。だからみなさんこちらに並ばれるのね、そう思っていました。
電車がまいります。
ホームに入ってくるときの風に、タイトなので・・・翻るはずもないスカートの裾を、思わず押えてしまったのです。
さほど混雑もしていない電車にわたくしは乗り込みました。
先頭車両のとても便利な場所の車両のはずですのに、まだ2、3の空席が残っていました。
いつもならお酒にも酔っておりますし、そういったお席に座らせていただくのです。
ですが、今日の少し短めのタイトスカートだったのと・・・パンティを着けていないままで・・・向かい側に男性のいらっしゃる椅子に座る勇気はありませんでした。
わたくしは車両の一番端の連結部にちかい場所に立つと、白ワインでほろ酔いになった気怠い身体を手すりに持たせかけました。
わたくしの前は空席でした。
どなたもいらっしゃらないままか、せめて座られるのが女性だったらいいなと思っていました。
ドアが閉まる間もなく、わたくしの隣にはおなじ駅から乗り込んできた男性がふたり、前の空席とわたくしの隣のつり革につかまって話はじめたのです。
お二人は重そうなバッグを持ってらしたサラリーマン風の男性でした。
暑い時期でしたからお一人はジャケットを脱がれたクールビズスタイルで、もうお一人は麻の紺のスーツ姿でした。
ホームで待っていらしたときから・・・わたくしの背後から聞こえていたお声でした。
お仕事のことらしき男性二人の会話を意識の外に閉め出して、わたくしは持っていた文庫本の小説に目を落としました。
次の駅でまた何人かの方が乗ってこられました。
わたくしの後にも数人の男性が立たれました。
皆さんスーツスタイルなのです。
こんな時間でもお仕事帰りなのね、そう思って動き出した暗い車窓から改めて本に目を落としたとたん・・・わたくしの腰にあたたかい人の手の感触を感じたのです。
シースルー・ナイト 8
「祥子さん 力を抜かないとけがしますよ」「はぁぁ・・・ん トモくぅぅぅん・・・・はぁ・・・」
ディープキスから解放されたわたくしは、喘ぎとも吐息ともつかない声をあげてしまいます。
柔らかくなったわたくしのアナルは彼の太い先端を飲み込み、かりの下でくぅぅっと彼のものを締め付けるのです。
「ああ 祥子さんの締め付けがきつくなった。2本差しはすごいな トモ」
抱きしめた腕をゆるめ、下から乳房をこねる先輩の声もうわずっています。
「先輩のが大きいからですよ。アナルバージンを失った気持ちはどうですか 祥子さん」
「はっあぁぁ・・・」
実は2度目とはいえ、その衝撃は最初の時となにも変わりませんでした。
それも唇でさえ頬張るのがせいいっぱいの太い塊と同時に・・・薄い壁ごしに動かれるのです。
言葉を紡ぐことさえ出来なくなっていました。
彼は塊を押し入れ、ひろがったアナルにまたローションを垂らすのです。
加えられたぬめりでスムースになったアナルに、彼はゆっくりと抜き刺しを再開するのです。
「ああ・・すごい・・のぉぉ・・いい・・・あはぁぁ」
薄く伸ばされたアナルの粘膜を擦り上げ、胎内を抉られる感覚にわたくしは翻弄されておりました。
高い声を押えきれず、もう身体をめちゃくちゃに犯される快感しか感じることができなくなっていました。
彼はいつもよりはゆっくりと、でもアナルを犯すには激しすぎるスピードで熱い塊を突き入れるのです。
「まるで唇だけきつくすぼめた口の中に出し入れしてるみたいだよ。祥子さんのフェラチオみたいに・・・舌が唇の中をまんべんなく優しくなでて うぅっ・・・やわらかく締め付けるそんな感じだ いいっ」
ノーマルなセックスとはちがう感触に、彼の性感も激しく刺激されていました。
狭いアナルの中でひくひくと塊が蠢くことすらわかるのです。
熱い塊がわたくしの内臓を行き来するのです。
「あん・・おかしくなっちゃう・・・アナルが変なの・・・いいぃぃ」
譫言のようにわたくしは喘ぎを繰り返すしかできませんでした。
「僕のもきついくらいに締め付けているけど。んぁ もっとなのかい」
下から太いものをこねる先輩が彼に聞きます。
「そうですね ほんとにちぎれそうだ。でもいいんですよぎりぎりな感じが。祥子さんもでしょう?」
「だめぇ・・・いいのぉぉ・・・両方ともいっちゃう・・いっちゃうの」
さきほど一度上り詰めた女壷は、押し広げられかりで内壁をこすり上げられ奥を刺激されて、中に出された精液とともに真っ白な愛液をとめどなく溢れさせていました。
「はぁああ・・・いい・・・いくのぉぉ・・・いっちゃあうぅぅ・・・」
はしたない声に前後の塊が一層激しく動き続けます。
「いくのがとまらないのぉぉ・・・トモくぅぅぅん・・・いくぅぅ・・・ああぁあああ・・・またぁぁ・・・いやぁあぁぁ」
何度も何度も押し寄せる快感は、どれだけ高まっても静まってはくれないのです。ひと突きごとひと擦りごとにわたくしを淫らな女への染めてゆきます。
「いいですよ しまるぅ っく・・・いく!!祥子さん いきますよ」
下からわたくしを犯していた先輩は、何度か激しく腰を突き上げると深く押し込んだままでゆっくりと精液を吐き出しました。
脈打つような吐精の刺激が彼に伝わったのでしょうか・・・
「アナルにも中出ししてあげるよ。祥子さん いくよ」
先輩が、噎せ返るような栗の花の香りを放つ女壷から塊を抜いた途端に・・・白い丸みに指をくいこませるようにして・・・いつものセックスのように激しくアナルを犯しはじめました。
「かんにん・・・トモくぅぅん・・・いっちゃう 祥子 アナルでいっちゃうぅぅ」
「もっといけ!はじめてでアナルで何度もいくなんて!!この淫乱!」
彼も2度目の射精に向けて、塊の熱が・・・ひときわたかまります。
「まだいくのか どれだけいったら満足するんだ!!」
ソファーからも羞恥を高める声が飛びます。
「あそこから精液をしたたらせてアナルでいくなんて、いやらしい女ですね」
わたくしの下から顔を見上げる先輩が、いましがたの満足すらうそのように言葉責めをするんです。
「ほらいやらしいいき顔を見せてください、祥子さん。トモにアナルでいかせてもらいなさい」
「いくぞ いくっ!!!」
彼のものが根元まで押し込まれたと同時に、腸壁に熱い精液が当たる感触がしました。何度も・・・強く何度も・・・
「ああぁぁぁ・・・いくぅぅぅ・・・・・」
射精の感触のあまりのリアルさにまた一度わたくしは高く上り詰めてしまったのです。
彼がゆっくりと塊を引き抜いたあと、わたくしのアナルは閉じることも出来ず中出しされた精液を溢れさせていました。
広いパーティルームは3人の年若い男性の4回にわたる射精と、快感で汲み出される愛液の匂いで空気の密度を高めていました。
ほんの一瞬なのかもしれません。わたくしは気を失っていたようでした。
彼と二人の先輩に犯された姿勢のままで、バスローブを羽織る様にかけられていました。
「祥子さん シャワー浴びてきませんか?」
彼が優しく揺り動かして声を掛けてくれます。
「いま、何時なの?」
22時に彼らと待ち合わせてから、どれだけの時間がたったのかもわからなくなっていました。
「朝の6時だよ ごめん僕たち今日も仕事なんだ」
シャワーを浴びた濡れた髪で、二人の先輩はテレビのニュースを見ています。
「ん・・・わかったわ ちょっと待っててね」
バスローブの袖を通し前を掻き合わせると、バッグの中に昨晩仕舞ったランジェリーを取り出しバスルームに向かいました。
「ん・・っく・・すこし沁みる・・」
ついさきほどまでの激しい行為を軽い痛みで思い出しただけで、改めて花びらを潤ませてしまいます。
先日は夢中なだけだった排泄器官での行為がこんなに・・・すごいなんて。
体内にぶつけられた熱い精液の噴出を思うだけで頬を染めてしまいました。
髪を濡らさない様に、一晩の汗と精液と・・・自らのはしたない愛液をシャワーで流し・・・コンビニでの行為と逆の手順でランジェリーを身につけてゆきます。
彼と二人の先輩がつけたキスマークは、わたくしの黒のレースのランジェリーにうまく隠れてくれました。
ランジェリーの上にバスローブを羽織って・・・昨晩バスルームで脱がされたワンピースを探しました が、見つかりません。
部屋に戻って、クローゼットをあけると・・・そこにはきちんとハンガーに掛けられた黒のシルクのワンピースがありました。
バスルームにワンピースをもって戻り、髪を整えてあらためて部屋に戻ります。
16も年下でも彼をセフレとして気にいっているのはこういうところなのよね・・・
「ふふふ」
わたくしの笑い声にトモくんが近づいて・・・軽くキスをしてくれます。
「満足した?」
にやにやと・・・でもわたくしのはじめてを奪った自信が、彼をまた少し素敵にしていました。
「徹夜になっちゃったわ。くたくたよ」
「ん 満足したみたいだね じゃ、行こうか」
部屋を出る時に・・・あの写真がないことに気づきました。
「トモくん あのお写真はどうしたの?」
「ここさ」
下りのエレベーターの中で、彼はジャケットの内ポケットから10数枚の写真をとりだしました。
「祥子さんが写真を撮らせてくれるまでこれは僕があずかっておくからね。大切にするよ、かわいい祥子さん」
写真の中のわたくしにキスをして、彼はまた内ポケットに写真をしまい込んだのです。
祥子からの手紙-4
こんにちわ 祥子です。
自宅でシャワーを浴びて軽い朝食をいただきながらこれを書いています。
たった一本のお電話で夕食に出かけたはずが
長い眠れぬ夜を過ごす事になってしまいました。
あのあと最寄り駅まで彼の車で送ってもらいながら
二人の先輩の方のお年をうかがったら28歳と31歳でしたの。
彼も若いので予想はしていましたが・・・・
かえってわたくしの年令を聞かれてお答えしたら
びっくりされてしまいました。
やはり同じ夜を過ごすなら
お気に入りの彼と共にが格別ですわね。
さ、これから少しお昼寝をさせていただきます。
この次は夢で・・・お逢いいたしましょう。
シースルー・ナイト 7
「俺たちも楽しませてくれるのか?」「アナルでも出来る熟女のセフレ。なかなかいないですからね」
二人の先輩の声には期待が滲んでいました。
「バージンは僕のものです。ほかの男にあんな写真を撮らせる祥子さんがいけないんですからね」
濃いめの紫のレースのブラジャーとTバック、それにガーターベルトそれとスリップがわたくしの白い肌に浮かぶ・・・写真でした。
黒のフレアスカートと身体のラインを微妙に隠す黒のブラウスが肌とランジェリーを際立たせ、寝返りを打って茂みを透かせている写真には開いた胸元からもレースは覗いていました。
「この写真だけでも抜けるぞ 俺は」
背の高い先輩は堅く反り返ったものに手を添えたまま写真に見入っていました。
「祥子さんは普段からこんなランジェリーを身につけているんですか?」
「そうですよ。今夜もきっと黒のレースとかだったと思いますよ」
指を深くアナルに押し込められ丸く動かされてひだを伸ばされて喘ぐわたくしの代わりに、彼が優しい声の先輩に答えます。
「そんなランジェリーなら見たかったな。白い肌にくっきりと黒、そそられますね」
「あうっ・・・おねがい・・あぁああ・・・ゆるしてぇぇ」
先輩たちと普通に会話をしながら彼は指を3本に増やすのです。
「きついの・・・だめ・・・ゆるして・・トモくぅぅん」
高く大きく喘ぎ続けさせられた声は、次第にハスキーになってしまいました。
「これくらいにしておかないと、僕のを入れられないって祥子さんが一番良くわかっているでしょう」
ローションを足され、僅かな抵抗で根元まで飲み込んだ指をゆっくりと出し入れします。
「そろそろ 僕のものもフェラチオしてもらいましょうか」
優しい声なのにゴツゴツと血管の浮いた太い塊を持つ先輩が、わたくしの口元に張りつめた先端を押しつけます。
「あぁあ・・・んぐぅ・・・くぽぉう・・・くちゅぅぅぅ・・」
ゆっくりと口腔に入ってくる塊は、唇をすぼめることすらできない程の太さがありました。
「はじめてでは僕のものはアナルでは受け入れられないでしょう。祥子さんの唇で今夜は我慢しましょう」
そう言いながらわたくしの鼻先が先輩のアンダーヘアに埋まるまで、深く差し入れていくのです。
「ちゅぅぅ・・・じゅるるぅぅぅ・・・くちゅうう」
わたくしはアナルと唇を限界まで押し開かれる屈辱感にわずかな抵抗もできず、無意識に口中に唾液を溜めて舌を動かしていました。
長さは標準的なのですが、あまりの太さに口の中は男性の塊でいっぱいになってしまいます。
溢れ出る唾液を吸い込むことも出来ず唇のはしから細くシーツに流れ出ていました。
「ほんとうに上手ですね。このままいってもいいくらいですよ、祥子さん」
「そうだろ。俺も何度もいきそうになったしな」
トモくんの指の動きと写真を見比べていたもう一人の先輩が答えます。
自らの塊に添えた指は先輩自身のぬめりで光っていました。
「そろそろいいみたいですね。先輩お待たせしました、祥子さんを抱いてあげてくれますか?」
彼が横に立つ先輩に声を掛けます。
「おう いつでもいいぞ」
ソファに手にしていた写真を置きベッドに上がります。
「騎乗位でお願いします」
バスローブを脱いだ彼が体位までを指定するのです。
その一言で・・・以前はじめてアナルを奪われた時のことをわたくしは思い出してしまいました。
オペラピンクのランジェリーを身体にまとったままで陵辱された夜を・・・
「下からその巨乳を眺めながら入れられるのか。ほら、こいよ」
濡れ光る塊は横たわっても反り返り・・・先輩の浅黒い肌にぬめりをしたたらせています。
「トモから聞いてるよ、ピル飲んでいつも生で中出しだって。俺にも祥子さんの数の子天井楽しませてくれるよな」
アナルの指と唇の塊を同時に抜かれてぐったりと伏せているわたくしに、引き締まった腰をまたがせて・・・花びらに先端を押し付けるとぐいっと腰を突き上げ、一気に奥まで貫くのです。
「あぁうぅっっっ・・・はぁあぁんん」
身長と同じく長い塊は容易くもっとも感じやすい奥を刺激します。
わたくしが腰を動かすまでもなく、下から力強く突き上げる動きに快感を絶え間なく送りこまれ、激しく上体をゆらしてしまいました。
「たまらないな ぶるんぶるん揺れてるぞ。ほらもっともだえろよ ほら!!」
「あぁああ・・・いいのぉぉ・・・トモくぅぅん・・・」
他の男性に抱かれながらわたくしは年若いセフレの名を呼んでしまいます。
感じすぎる身体は子宮を嬲る塊に女壷を何度も収縮させてしまいました。
「いれてるのは俺だぞ、トモに義理立てか。いけよ 祥子!!いけ」
胎内の塊を、握りしめた人差し指から小指までに不規則に力をいれてしごき立てるかのような動きに、先輩の腰の動きはますます激しくなってゆきます。
「ああ・・・ゆるし・・てぇぇえ・・・いいぃぃいい・・・いっちゃうぅぅ」
左手でわたくしの腰を引き寄せ、右手で上体を倒させて左の乳首を甘噛む激しい刺激にわたくしは一気にのぼりつめてしまいました。
「いくぞ!!!」
長く締め付けるわたくしの奥に、まるで直接子宮に注ぎ込む様に・・・背の高い先輩からこってりとした精液を注ぎ込まれてしまいました。
「さあ 僕とかわってください」
広いベッドのもう片方の側にもう一人の先輩が横たわります。
長い・・・白濁した液体をしたたらせた塊を引き抜かれても、清める事さえ許されませんでした。そのまま・・もう一つの太い塊の上に跨がられさせられて、下の唇いっぱいに押し込まれてしまったんです。
「はぁああぁぁ・・・」
わたくしの身体は絶頂感の余韻にまだひくつきを修める事すらできません。みしみしといっぱいに女壷を広げる塊を何度となく締め付けるのです。
「いったばかりとはいえ凄いですね。この締まり・・・祥子さんはほんとうに名器だ」 ぐったりとしたわたくしの上半身を引き寄せ口づけをしながら、言葉で羞恥心をなぶることも止めないのです。
「もう一度キスしてください。僕の身体で祥子さんの上下の口を同時に味合わせてもらいますよ」
「んくぅぅ・・・く・・んん」
腰をゆすりわたくしの中に深く塊を差し入れながらディープキスをするのです。
舌が歯茎を上あごを撫でる感触は、わたくしの中の先輩の塊がこすり上げる場所と同じなのです。
それに気づき・・・はしたなさのあまりわたくしは自ら腰を動かしてしまいました。
それが合図だったのでしょう。わたくしの身体を抱きしめる腕に力がこもりました。
次の瞬間、アナルを押し開く塊の感触に・・・思わず身体を堅くしてしまいました。
シースルー・ナイト 6
ふたりの先輩に舌と言葉で責められるわたくしをみていた彼は、わたくしのバッグが入り口近くに落ちているのに気づきました。ビールを取りに行くついでに、なにげに拾い上げるとバッグのサイドポケットから10枚ほどの写真がこぼれ落ちたのです。
「何だ?これ」
写真を手に取りビールを持ってソファに戻ります。
「この写真・・・祥子さん? ショートヘアだけど祥子さんだ、かわいいぃ」
彼の声で蕩けはじめていた理性が呼び戻されました。
「トモくん 見ちゃいや。だめなの」
頭と腰を二人の先輩に押さえられたままわたくしは彼に必死に訴えました。
「僕にはだめだって写真撮らせてくれないくせに、こんな無防備な写真誰に撮らせてるんだよ 旦那か?」
うぐっぅん・・・背の高い先輩の塊を改めて飲み込まされたわたくしは弱く首を振るだけで、違うという言葉さえ声に出せませんでした。
「どれ? あっ可愛いじゃないか」
頭の上から声が聞こえます
「これホテルじゃないよな、どっかの会社の応接室? 祥子さんて社内不倫でもしてたの?」
髪を引き上げ塊を口から抜いてわたくしに質問します、
「ちがうの 知らないうちに撮られてた写真なの、おねがい見ないで」
「いつもいやらしいランジェリーを着てるけど、こんな若いころからだったんだね。誰が撮ったんだよこんな写真」
少し怒ったような彼の声にもう嘘は付けませんでした。
「元の上司に撮られていたの」
「その上司にもこんなにいやらしく喘いでおねだりして感じたのか!」
「してない そんなこと・・しない・・わ。今日はじめて写真を見せられて愛人になれって言われたから馬鹿にしないでって言って・・・この写真を持ってそのまま別れてきただけ」
「ふん、変態上司だな ま、祥子さんが若いころからこんなにいやらしいのがいけないんだけどな」
「いやぁぁ・・・ゆるし・て・・・ いやらしい上司と会ったままなのはいやだったから、トモくんにメールしたの・・・たくさん可愛がってもらいたくて。いやなこと忘れたくて」
先輩がこんなときにも止めてくれない下の口へのキスに腰を振りながら、快感に耐えて彼にいっしょうけんめい説明をするわたくしを見てようやく納得してくれたようでした。
「わかった もう少し先輩たちに可愛がってもらっていなさい。僕はこの写真をじっくり鑑賞させてもらうよ」
「いやぁ・・ぁ・・んぐぅ・・・」
知らないうちに卑劣な上司に撮られていた写真を好きな男性に見られてしまう。羞恥と抵抗の声を上げる間もなく、唇には透明汁をしたたらせた塊を押し込まれてしまいました。
「ああ 何度くわえてもらっても飽きない 口で出してしまいそうだよ」
背の高い先輩は堪えられない様にわたくしの頭を押さえつけて、喉の奥にぐりぐりと塊の先を押し付けるようにこねまわすのです。
「舌が絡み付くんだ こんなの良すぎるよ。トモもうしてもいいだろ」
わたくしの口の中は透明にねとついた先走りの粘りと香りで噎せ返りそうです。
「もう我慢できませんか?先輩」
「あぁ これ以上我慢したら口に出しちゃいそうだ」
「仕方ないですね 二人ではじめていてください」
ゆっくりと喉奥から塊を抜き、わたくしに両手をつかせて四つん這いにします。
ベッドのシーツとあぐらをかいた先輩の太ももで長い間もみしだかれ乳首ははしたなく・・・堅く立ち上がってしまいました。
背の高い先輩はわたくしとベッドの間に仰向けに寝転び・・・頭を身体の下に押し込むようにして吸い立てるのです。
「あはぁぁん・・・いやぁ・・あぁああぁぁ」
敏感に疼き続けた乳首から大きくなった真珠に向けてしびれるような快感が響きました。
「Gカップだって言ったっけ。こんなに柔らかくて白くて大きい乳房もはじめてだよ 吸ってたらミルクが出そうだ」
左手でバストをきつく揉みしだいて右の乳首を吸い上げるアンバランスな刺激にわたくしは焦れて腰をくねくねと動かしてしまいました。
「祥子さん おとなしくできないんですか はしたないですね」
口の周りをぬらぬらと光らせて優しい声の先輩が立ち上がりました。
「唾液も甘かったですけれど愛液も美味しいんですね。上の唇のキスも下の唇のキスも・・・・味わうほどに未練が募りますね」
唇を外しても愛液で濡れた中指と人差し指は花びらと真珠を離しません。
「また白い愛液が溢れたと思ったら・・・そんなことをしてたんですね。さっきトモとあんなに激しく逝ったのに、バストの刺激だけでいつまでも濡れるなんてほんとうに祥子さんは淫乱なんですね」
2本の指が花びらの狭間にするっと入り込みます。
「内壁の感触もすばらしいですね。指だけでもこんなに締め付ける ここ・・このざらざらは数の子天井ですね。ん、本当に名器なんですね」
指を曲げてくねる内壁をこすりあげます。
「はあぁん・・・ああ・・・だめぇぇえ」
「そう簡単にはいかせてはあげませんよ。いつまでこんなに愛液を垂れ流せるんでしょうね 祥子さん」
わたくしの身体の中の触覚を堪能している先輩の手は、指だけでなく手のひらまで愛液で濡れ光らせはじめていました。
二人の先輩のどちらかが身体に快感を送り込み、もう一人が快感に霞む脳に<セフレの前で他の男に抱かれて喘ぐはしたなく淫乱な女>という羞恥の印を言葉で刻み込もうとするのです。
「先輩 指がふやけてしまいませんか? 祥子さんはほんとうにぐっしょり濡れるから」
そう言いながら左手にもっていた10枚の写真を差し出します。
「祥子さん すごいですよ 牝の匂いがぷんぷんしてます」
彼の声が背中からきこえます。
「これ 祥子さんか? ふうん・・可愛いんだな ふふ」
その一言で彼が先輩に何を渡したのかに気づきました。
「だめぇぇ・・・みないでぇぇぇ」
「先輩たちはそちらで写真でも鑑賞しててください」
恥ずかしさと写真を見られた驚きで落としてしまったわたくしの腰を、彼の手がぐいと引き上げます。
「祥子さん いいですね」
丸ぁるく白い二つの盛り上がりを彼の長い指が割り開くのです。
「トモぉ 俺たちはまたお預けかよ」
乳首を音がするほど舐めながら横たわった先輩が不平そうに声をもらします。
「あと少しですから ちょっと待っててください」
愛液ともう一人の先輩の唾液に濡れ光る狭間に、冷たいものが滴り落ちました。
「だめっ・・・あうっぁぁぁ」
ローションを塗り込めるようにしながら彼の中指が容赦なくアナルに差し入れられました。
「あはぁぁん・・・や・・いやぁぁあ」
身体のどの部位を愛撫される時よりも・・・排泄器官でしかないアナルを責められる時には一段高い声を上げてしまうんです。
「声が変わったぞ トモ、何をしてるんですか」
優しげな声でそういうと、写真をベッドの上のもう一人に手渡した先輩が彼の方に戻ってゆきます。
「力を抜かなきゃだめじゃないか 祥子さん」
さきほどの二人きりのバスルームではなく、他の人の居る前でアナルを刺激される恥ずかしさは自然と身体が収縮してしまいました/
「はぁぁぁ・・・・・ん」
「そう 指がちぎれるじゃないか そんなに締め付けたら」
息を吐き出すと同時にスムースになったアナルに、ゆっくりと指を出し入れするのです。
「祥子さんはアナルも使えるのか?」
ごくっと喉を鳴らし優しい声をうわずらせながら先輩が彼に話しかけます。
「いや はじめてですよ」
指の動きを早め付け根まで差し入れる指で内臓をこすり上げる様にしながら彼は答えます。
「それにしちゃ 慣れた感じだぞ」
「どれどれ」
もう一人の先輩までがベッドを降りて後にまわるんです。
「さっきバスルームで少しね、先輩たちに胸を触られるだけであんなに濡らすからお仕置きしたんですよ」
一旦抜いた指を二人に見せるんです。
「ほら 綺麗でしょう だから今夜アナルバージンをもらうことにしたんです」
「あ・あぁ・・ああああ」
彼は指を2本にしてゆっくりとアナルに沈めはじめました。
シースルー・ナイト 5
「トモくぅぅん たすけて」ビールを置きベッドに近づくと、わたくしに軽く唇をふれるようなキスをして微笑むのです。
「先輩たちにいっしょに可愛がってくださいってお願いしたのは祥子さんでしょう。あとで僕もいっしょにしてあげますから、いまは二人にしてもらいなさい。ぼくはそこで見ていますから」
「いやぁ・・・トモくん」
彼と話す間にわたくしの足元にうつった背の高い先輩は、わたくしの足首をぐいと広げました。
「見ないで・・・だめぇぇ」
唇を太ももの合わせ目に近づけると、会陰まで滴った愛液をじゅるるる・・とすすりあげるのです。
「あうん・・・あぁぁぁ」
「溢れますね・・・いくらでも こんなに珠もおおきくして」
潤みにおおわれた敏感な真珠を舐め上げるのです。
「好きな男の前で他の男にされてるのに、こんなにぐしょ濡れにするなんていやらしい女だな」
口のまわりを愛液でてからせて舌なめずりをしながらわざと彼のことを聞かせます。
「ちがうのぉぉ・・・そんなんじゃないわ・・はあぁぁ」
「口でそういっても身体は正直ですよ、祥子さん」
先ほどまで彼の塊を受け入れていたところを長い舌を押し込まれます。
「トモ ずいぶん丁寧に洗ってきたんだな。祥子さんの愛液の味しかしないよ」
くちゅ・・・舌が花びらの脇を舐め上げます。
「もちろんですよ。先輩たちにそんな失礼なことできませんから」
からかうような声で彼が答えます。
「そんなに丁寧に洗ったから祥子さんがあんな喘ぎ声をあげてたんですね。トモだめじゃないか ふふ」
やさしい声の先輩が乳房をいらいながらわざとわたくしの耳元で言うのです。
「いや・・ん・・・」
バスルームで声を上げた理由を知られたくなくて・・耳まで紅くなってしまいました。
「トモからいろいろ聞き出したんですよ、祥子さんのこと」
耳を甘噛みし、乳房の感触を指で楽しみながら続けるのです。
「16歳年上のセフレがいるっていうから最初はからかったんですよ。オバ専かって」
耳たぶから耳の貝殻のようなくぼみまでを舌でたどります。
「そうしたら、トモがムキになってそんなんじゃないって言うじゃないですか」
耳の穴までが快感の壷だというように舌先を出し入れするのです。
「色白でGカップのバストでフェラチオは絶品で名器でしまりもいい・・喘ぐ声だけで立つ・・女性としても素敵なんだと、トモはめろめろでしたよ」
「あん・・だめ」
濡れた耳にふっと息をかけ、敏感になったわたくしの身体をピクンとさせてから・・・やっと首筋に唇をうつすのです。
「そこまで言われたら抱きたくなるのもあたりまえだと思いませんか? 祥子さん」
アップにたばねたロングヘアの後れ毛を指でかきあげながら、敏感な首筋を舌で舐め上げるのです。
「想像以上でしたよ。いままで確かめた部分はね、あとは名器のあそこだけ。きっといいのでしょうね」
「いやあぁぁぁ」
両手を頭上に押えられる様にして強く吸われた乳首から走る快感は先、輩が送り込む羞恥の言葉で拡大されて、彼が見ているというのに高い甘声となって唇から漏れてしまいます。
ずっと花びらを舐め回され・・・花芯を舌で突き上げられて、何度となく高められてしまうんです。
なのにわたくしが上り詰める寸前になると・・・舌使いを止められて・・・疼きをよりいっそう深めさせるのです。
「替わってくれないか?」
乳房を唇でねぶっていた先輩が、わたくしの足元で溢れる愛液を舐め続ける背の高い先輩に声をかけました。
「あん・・あはぁ」
「そろそろ我慢できなくなってきました。その前に祥子さんの下の唇の味も知りたいからね」
もう一度味わうようにディープキスをするんです。
「んふっく・・・」
口の中を舐め回す優しい声の先輩の舌の動きは絶妙で、フェラチオで男性に性器のようだと言われるわたくしの口を、本当の性器のように淫らに感じる場所に変えてしまうんです。
「ああ 祥子さんのジュースが美味しいから夢中になってしまったよ」
二人の男性がベッドを降り、快感に蕩けてしどけなく横たわるわたくしの身体を責めるための位置を替わります。
「祥子さんのフェラいいんだろ、試させてもらうよ」
わたくしの頭側に来た背の高い先輩はベッドにあぐらをかいて座ると わたくしに・・・さあと促すのです。
快感の余韻が残る身体を引き起こして彼の前に正座しました。そのままあぐらに顔を埋めるように頭を下ろし・・・堅くそびえ立つ塊に濡れた唇をつけました。
「っく・・・こんなフェラ・・・」
わずかに開けた唇を押し付ける様にして、そのままぐぅっと塊を唇の中に押し込んでゆきます。
口腔に入った先端はざらざらした口蓋で擦れるように裏の筋を舌で舐め押し上げながら、塊を全て押し込むように喉の奥までゆっくりと飲み込んでゆくのです。
喉奥を突くほどに深く含み、軽く締め付ける唇で閉じられた口内が唾液で満たされるまでは・・・狭い口腔の空間を舌が上下左右に動き回ります。
「奥まで飲み込んで・・んくっ・・・舌がからみつく」
唾液が唇の端から先輩のアンダーヘアにしたたるほどに口内に溢れたら・・・唾液を吸い込むようにずずっ・・・と音をさせて塊を吸い込むようにしながら頭を上下させるんです。
「なんだよ・・これ・・・すごいぞ」
くちゅ・・ちゅぱ・・くちゃ・・ わたくしの頭の動きに合わせて唇からははしたない音が響きます。
「すげっ トモ ほんとに上手いんだな プロなみだぜ」
乱暴にわたくしの髪に手を入れ頭を上下させはじめました。
「こんなに奥まで・・もっとなめあげて いいぞ 美味いか?」
性感を引き出されたわたくしの口内を堅くかりの張った塊が動き回るのです。
「あぅん・・・ちゅ・くぅぅ・・おいし・・い・・ですぅ・・」
キスとは違う荒々しい刺激に、わたくしはお相手を満足させる口技ではなく、わたくし自身が快感を得る口戯をはじめて経験していました。
「くっ・・・このままじゃ口でいきそうだ ちょっと止めて舐めてくれ」
掴んだ髪ごとわたくしの頭を引き上げ、口腔から脈打つ塊を引き抜きます。ひくひくと動く塊は根元までわたくしの唾液で濡れ光っていました。
「ちゅぅ・・・ぺろぉっぅ・・・ぴちょ・・」
塊を這う舌先を見下ろすだけでも背の高い先輩が感じているのは、先端に溢れる透明な汁でわかります。
「ほんとうにいいみたいですね 僕も後で試させてもらいますよ」
ベッドエンドに立ってみていた声の優しい先輩の声はほんとうに羨ましそうでした。
「祥子さん 腰をもっと上げてください。いまならもう楽にできるでしょう」
「いやっ・・・」
ピシッ 白く盛上がる腰をスパンキングするのです。
「自分で高く上げますか?それとも僕の手で引き上げさせられたいですか?」
どうしていいのかわからなくて、塊を舐め続けている首を弱く左右に振るしかできません
「仕方ないですね フェラチオでシーツを濡らすほど感じているのに子供みたいな真似をして ほら、こうです」
わたくしの柔らかい白い腰に指が埋もれるほどに強く掴んで膝立ちになるまでわたくしの腰をひきあげるのです。
「あっ・・・だめぇ」
わたくしの両手は背の高い先輩の腰にまわさせられ、髪を掴む手によって頭を上下させられていました。
支えのない上半身はGカップの胸を押しつぶす様にベッドに押し付けられています。
「いい景色ですね 見ているだけでもいい」
腰だけを高く上げたはしたない姿にさせられてしまいました。
「トモと激しくしてる熟女だからどんなに淫らな姿かと思いましたが、意外ですね。まだピンクだなんて。花びらも肉厚だけれど小振りで、こんなにいやらしい祥子さんには似合いませんね。ああ、珠はこんなに大きくて ふ やっぱり淫乱な身体なんですね」
わたくしを後から眺めて淫媚で優しい声でわざとわたくしの花園の姿を聞かせるのです。
「いやぁぁぁ・・・みないでぇえぇぇ」
「トモ 祥子さんを僕に譲ってくれませんか?」
ビールを飲む彼に無邪気に声のやさしい先輩は声をかけます。
「先輩 そんなに気に入ったんですか? でも、だめです。祥子さんは僕のものだから そうですね、祥子さんがいいって言ったらまたこうやって一緒にしましょう」
「だめぇ・・・トモくぅぅん」
彼との二人きりでは逢えなくなるかも・・・思い直してほしくて抵抗の声を上げてしまいました。
「可愛いじゃないですか トモに抗議するなんて。4Pでもうこんなに感じてる淫乱なお姉さんのくせに、祥子さん」
ぺろぉぉっ・・・・長い舌で大きくなった真珠から後のつぼみまでを一気に舐め上げられました。
「あうっ・・・あぁぁぁ・・・」
フェラチオも忘れて快感に声を上げてしまいました。
「ほら、休んじゃだめだろ 祥子さん」
背の高い先輩は髪を掴んだ手でわたくしの顔を塊にすりつけるようにします。
くちゅぅ・・ちゅうぅぅ・・・ずずっ・・・ 真後ろではもう一人の先輩とわたくしの下のお口とのディープキスがはじまっていました。
「あはぁん・・・・ぺろぉ・・・くちゅ・ぁぁ・・いい」
左右の花びらを唇ではさみ舌先でねぶり、大きくなった真珠を甘噛みします。
「祥子さんの下の唇も美味しいですよ ピンクでぷっくりして・・・中はこんなに蠢いて 美味しい いつまでも舐めていたいですねぇ トモもこんな風にしてくれますか? 祥子さん」
「いやぁぁ・・・」
先ほどまでの口腔を感じさせるキスと同じ動きを下の口に繰り返される快感に、わたくしは溺れそうになっていたのです。
シースルー・ナイト 4
「先輩 ちょっと待っててください」そういうと彼はわたくしをバスルームに連れてゆきました。
パーティールームはバスルームさえ広く作られていました。
彼は優しくキスをすると襟のリボンをほどき、釦を一つ一つ外してくれました。手首の釦も外して裾を引き上げてワンピースを脱がせてくれます。跪くようにして破れたパンティストッキングを脱がせるのです。
ブラシをとってわたくしの長い髪をときゴムで不器用ですけれど一つにまとめてくれました。
「すぐいくから先にシャワーを浴びていて」
彼の言葉に頷いてわたくしはシャワーを浴びはじめました。
シャツとトランクスを脱ぐとほんとうにすぐ・・・シャワーを浴びるわたくしをそのまま抱きしめました。
「ごめん 祥子さん」
耳元でそう囁くのです。
彼はふたりきりの時のいつもの優しい彼に戻っていました。
「こんなことになって 先輩がどうしてもっていうから 大切な人たちなんだ」
キスをしながら彼の大きな手がわたくしの身体を洗ってくれます。
首筋から肩先・・抱きしめたままで背中を・・・。
「んはぁ・・ふぁぁん・・」彼の厚い胸板に押し付けられた乳房が彼の動きで押しつぶされたまま刺激されます。
次には、柔らかく包む様に両手でバストを・・・。
「あっ・・・あぁん・・」堅くなったまままの乳首をくっと指の第二関節ではさみ込むのです。
また抱きしめるようにして・・・わたくしの白いお尻を・・彼の指がアナルを這うのです。
「・・・あぁん・・・だめ・・・そんなとこ・・・さわっちゃいやぁ・・・」
ボディシャンプーでぬるぬるになったバストが彼の身体に押し付けられて刺激され・・・彼の指がもっとも恥ずかしい排泄器官を這い回るんです。
わたくしは快感と羞恥で彼にすがる様に立っているしかできませんでした。
「今夜の祥子さんのここ・・・後から犯しててすごくそそったんだ」
てさぐり状態なのに、やわらかく一筋一筋の皺を伸ばすような丹念な指づかいで愛撫をくりかえすのです。
「バージンだっていってたよね。アナルは・・・祥子さん?」
バージンを欲しがっていた彼にそう言われて・・・先日今夜のように他の3人の男性に同時に愛されたときに既に犯されたことを・・・わたくしは言えませんでした。
「いやぁ・・・そんなとこ・・しないで」
弱く首をふって返事に変えるしかなかったんです。
「ほら・・・こんなに柔らかくなる」。
ぬるっと指を入れられてしまいました
「ああぁいぃああ」
「そんな声を上げちゃだめじゃないか 先輩たちに聞こえちゃうよ。ほら・・・感じてるんだね」
ボディソープですべりの良くなっている指を抜き差しして・・・2重に括約筋が締める独特のアナルの感触を彼は楽しんでいました。
さきほど射精したばかりなのに・・・二人のぬるぬるした身体に挟まれた彼のものは・・・もう堅く立ち上がっていました。
「今夜はバージンをもらうよ。祥子さん」
キスをして・・・ささやくのです。
「あうっ・・・いたいの・・・やさしく・・し・て・・・」
「祥子さんのバージンをもらえるだから 優しくしてあげるよ」
「あうっ・・・」
言葉とは反対に彼は一度抜いた指を・・・2本にして捻る様に入れるのです。
「もう2本も飲み込んでる やっぱりいい 祥子さんのアナル」
「あぁ・・はぁああん・・・ふぁああ・・・いい」
彼の2本の指に止めつけられ・抱きしめられて、彼のキスとアナルからの快感にもう抵抗はできません。
たった一度の経験なのに・・・わたくしのアナルはただの排泄器官ではなく性感帯になっていました。
「ああん・・・ゆるして・・トモくぅぅん・・あ・・だめ」
甘く高く絡み付くような声になってしまいます。
「指さえこんなに締めるなんて・・楽しみだよ 祥子さん」
白くなめらかな肌に堅く熱くひくつく塊をこすりつける様にして彼は囁きます。
「アナルでセックスできるようになろうね。いつでも祥子さんを抱けるように」
言いながら2本の指をぐるぐる回してアナルを広がるような動きをし・・・それから指の動きを早め・・・快感を高めるのです。
「あん・・だめ・・・いっちゃう・・・トモぉくぅぅん・・・あぁあぉぉ」
彼の指で・・アナルを嬲られて・・・わたくしは達してしまいました。
彼はキスをしながら指をゆっくりと引き出しました。
「ふふふ 祥子さんのアナルは綺麗なんだね、ほっとしたよ。これから浣腸なんてしたくないからね」
「いやぁぁ・・・・」
強制排泄を意味する彼の言葉に弱々しく首を横に振ります。
「しないよ、こんなに綺麗なんだから。さ、ほかの所を洗おう」
シャワーを首筋からかけ・・・彼の出した精液を丹念に指でかき出すようにされて流されました。
「二人の先輩にいっしょに可愛がってもらってなさい あとから僕もいくから。」
「はぁん・・・あん」
真っ白なバストに唇をつけた彼は乳首だけでなく白い肌も吸い上げて・・・両の乳房に2つづつ赤い印をつけられてからベッドルームにもどるように言ったのです。
二人の先輩は裸の肩先を出してキングサイズのベッドに横たわっていました。
わたくしは、タオルだけを巻き付けた姿でベッドの足元までいきました。
トモくんの望みなら・・・・この二人にも抱かれなければなりません。
「祥子さん こっちに来てくださいよ」
やさしい声の先輩が手招きします。
ベッドの右側にいくと手を引かれてベッドの上に横にされてしまいました。
「シャワー浴びてきたんでしょう?」
バスタオルを押さえた手をやわらかくひきはがします。
「あんなになまめかしい声を上げて トモとなにをしてたんですか?」
身体を洗うといいながら・・・アナルまで洗われて指でのぼりつめたなんて言えません。
「祥子さんの声が響いて来て 声だけでいっちゃいそうでしたよ」
そんなに声が聞こえてしまってたなんて、シャワーの水音で・・・まぎれるはずなのに。
「声だけでこんなになっちゃったんですから」
左側の背の高い細身の先輩がわたくしの手をトランクスの前に持って行きます。
中の塊はもう大きく熱くなっていました。
「いやぁん・・・」
ひくひくとした動きに思わず声を出してしまいます。
「その声 いいね ずくんってきちゃうよ いやらしい声だね祥子さん」
優しい声の先輩がわたくしの右手を彼の前へ・・・ゴリゴリした感じの大きなものの感触がありました。
「祥子さんの身体 見せてくださいね」
Gカップのバストの上で挟み込まれたタオルを開きます。
横になっても盛り上がりを隠せない白いバストの上には、トモくんの付けたキスマークが赤く散っていました。
「ふふ トモのやつ。祥子さんを俺たちに抱かせるの惜しくなったんだなぁ、こんなもの付けて」
左側の背の高い先輩が赤い痕を指でなぞります。
脚の付け根のしげみまで露にされてしまいました。
「や・・・みないで」
「さっき待ち合わせに来たときの姿の方が、いまよりも恥ずかしかったでしょ。ほんとうに刺激的でしたよ」
「いわない・・・でぇぇ」
忘れかけていた羞恥の半露出行為を思い出させられて・・・身体は勝手に潤いを溢れさせてしまいます。
「キスしてもいいですか?」
優しい声で言ったかと思うと、ついと身を起こして覆いかぶさるようにしてキスをされました。
最初は優しく触れる程度だった唇がディープキスに変わって、わたくしの唾液を啜るのです。
「んくぅ・・あはぁぁ」
左の男性は、唇へのキスと同時に羞恥を煽られて立ち上がってしまった乳首を吸い上げます。
「母乳が出そうな大きさだよな。普通にしていても男に見られて感じるんでしょう 祥子さん」
右の乳首はバストをわしづかみにした手の人差し指と中指の間に挟む様に刺激されます。
「ちがいますぅぅぅ・・・は・・・あぁ・・ん・・・お胸 やさしくして 弱いんですぅ」
長くつづくキスの合間に声をあげてしまいます。
「弱いなんて 責めてくれって言ってるようなもんだよ 祥子さん」
左の男性の舌づかいが激しくなります。
「あん・・・だめぇ」
左右の乳首からの刺激はわたくしの芯に集まり花びらに露を零れさせてしまうのでした。
「トモが言っていたとおり感じやすいんですね。祥子さん」
わたくしのことを噂していたと言っていたけれど・・・
「唾液まで甘いですよ、トモがはなしたがらないわけだ。フェラチオも ふふ この舌の動きならさぞ上手なんでしょうね」
「いやぁぁぁ・・・・」
「濡れやすい身体だって トモ言ってたよな」
背の高い先輩がわたくしのふとももを開き、花びらにふれようとするのです。
「あっ・・・いや トモくんと・・あん・・どんな話をしてたんですかぁぁ」
これ以上の刺激をさせたくなくて太ももに力をいれたんです。
でも・・間に合わなくて、先輩の指は濡れそぼる花びらと大きくなりはじめた真珠に届いてしまいました。
「おぉ すごいぞ もう洪水だよ」
引き抜いた3本の指先がぬめるように光っているのを、もうひとりの先輩に見せつけるのです。
「トモ こんないやらしい身体のセフレがいていいなぁ」
ソファーに向かって声をかけるのです。
そこには、バスローブを羽織った彼がソファーで一人ビールを飲んでいました。
シースルー・ナイト 3
「降りるよ」 エレベーターの停止した振動でわたくしは我に返りました。キーを持ったのは細身で背の高いほうの先輩でした。
もう一人の小柄だけれど優しい声の方はわたくしとトモくんの後から・・・わたくしのヒップの盛り上がりに視線を据えて・・ゆっくりと着いてきました。
「パーティルームって広いんだな」
細身の先輩はドアを開けるなりそう言って、ベッドの側のコントローラーへ向かい照明をほんの少し落としました。
「喉乾いたな」
優しい声の先輩は冷蔵庫を探しビールを持ってソファーに座りました。
すぐに3人で犯されるのかと思っていたのに・・・どうして?
先日の3人の男性との夜を思い起こして・・・ぼうっとなったままドアの脇にバッグを持ったままでわたくしは彼を待っていました。
「あっ・・・トモくん なにをするの」
彼は部屋に入ってくるなり、無言で強引に壁際に立っているわたくしを後ろ向きにしました。
「壁に手を突くんだ」
背中を強く押され壁に手を突かせてわたくしの腰を彼に向けて差し出す様にさせると、スカートを背中に向けてまくりあげられ・・・乱暴に濡れたパンティストッキングのクロッチを破かれたのです。
「いやぁ・・・乱暴にしない・・・あっああぁぁぁ・・・・」
彼は熱く堅くなった塊で後からわたくしを貫きました。
透けたワンピースの下に男の手で破かれたストッキングとハイヒールのパンプスだけを身につけたわたくしを、スーツのジャケットすら着たままでファスナーを下ろした前立てから猛々しい塊だけを引き出して激しく犯しつづける彼。
「抵抗もなく入るなんて 祥子さん いつもよりも感じたんですか」
「ちが・・う・・のぉ…トモくぅぅ・・・ん」
無言で激しく突き入れた後で、彼は言葉嬲りをはじめるのです。
「先輩達にさわられてこんなに濡らすなんて僕ショックだなぁ」
わたくしが奥が弱く感じやすいことや、バックが一番感じる部分を刺激されていつも高い喘ぎ声を出す事を、彼は知っているのです。
「あん・・・あぁ・・・いやぁぁ・・・そこぉぉだめぇぇぇぇ」
「こんなに白濁した愛液を垂れ流すなんて。スーツを汚しそうだよ祥子さん。なんていやらしいんだ」
わたくしの中に塊を入れて子宮口をこね回すように腰を動かしながらベルトを外す音が聞こえます。
「あはぁぁぁああん・・・すご・・い・・ぃぃ」
スラックスが床に落ちる音と、ジャケットを脱ぎ捨てる音が聞こえたと思った途端彼はわたくしの腰を鷲掴みにし・・・叩き付けるように奥まではげしく突き上げたのです。
「祥子さんは・・僕じゃない男に触られてもこんなに濡れるんだ なんて淫乱な女なんだ」
「ごめ・・ん・・なさぁいぃぃ・・・トモくぅん・・・ゆるし・・て・・ぇぇ・・・い・・いぃぃぃ」
彼の言葉責めと子宮口を突く彼の塊に快感を送り込まれて、わたくしはとうとう自分からも腰を動かして彼のひときわ大きなものを飲み込み締め上げてしまうのです。
「あぁいい祥子さん こんなふうにされるほうがいつもより締まるな」
彼の言葉通りわたくしの潤いを溢れさせた女壷は、わたくしの意志とは別にひくひくと奥と中程で男性を握りしめるように不規則に収縮をくりかえしています。
「あぁぁ・・・トモくぅん いっちゃう・・・ゆるしてぇぇえ・・・いくぅぅ」
何度も達する事を押さえ込んでいた身体は、はしたなく快感の頂上へと駆け上がろうとします。
「いけよ ほら 祥子 いくんだ」
わたくしの声で塊をまた一回り大きくした彼は広がったカリでわたくしの数の子といわれる女壷の壁面をかき出すのです。
「あぁぁぁぁ・・・いくぅぅぅ」
シルクの黒のワンピースを着てストッキングを破かれた姿で・・・後から貫かれたままでわたくしは今夜はじめての絶頂を自分に許しました。
きゅぅぅっと・・そしてひくひくと、絶頂にあわせて他の動物が胎内に宿った様にわたくしの中は蠢くのです。
なのに・・・彼は動きを止めることもせず、滾ったままのもので突きつづけるのです。
「おねがい・・・ゆるしてぇ・・・トモくぅん・・・だぁめぇぇぇ」
「僕はまだ満足してないんだ 祥子さん もっと何度もいっていいんだ いけ」
シルクのワンピースの中では、彼に突かれるたびに揺れて擦れる乳首が堅くしこっていました。
垂れ下がり揺れる白い乳房を、彼は後からワンピースごと握りしめてもみしだくのです。
「こんな風に先輩たちに嬲られたのか? それでこんなに濡れてるのか祥子さん」
後から貫いたまま・・・乳房ごと上半身を引き上げて彼はわたくしの身体を応接セットの方に向けてしまいました。
「いやぁっ・・・・」
何度も絶頂を極め・・・喘ぎを漏らし続けるわたくしの顔ははしたなく紅に染まっていたことでしょう。
何本もの伝線の走るパンティストッキングには彼のものでかき出された白濁した愛液が・・・幾筋もひざまで滴っていました。
「さぁ 祥子さん 許してあげますから 先輩達に祥子さんの口から頼みなさい」
わたくしの両手を掴み手綱のように後に引き寄せぐちょぐちょと淫らな音を響かせながら彼が言います。
いつの間にかシャワーを浴び、バスローブ姿になった二人の先輩はビールを手に発情した獣のようなわたくしと彼の姿を見つめていました。
「トモに激しくされてうれしいみたいですね 祥子さん」
優しいと思った声は甘い分だけ淫らな匂いを強くします。
「祥子さんの声と濡れている音 ビデオよりいやらしいよ 股間にびんびんくる」
ごくっと喉をならしてビールを飲み込みながら消えているTV画面を指差します。
「胸やっぱり大きいですね 吸い付きたい」
「トモの後ろ姿より祥子さんのいき顔のほうがやっぱりいいな」
含み笑いをするようにビールに濡れた唇を舐めるのです。
「見られているほうがいいみたいですね やっぱりMなんだ そうですよね祥子さん」
「ちがう・・わ・・ぁん」 否定の声も快感に飲み込まれてしまいます。
「トモいつもよりも締まるだろう」
「そんなに何度もいくんだ トモのそんなにいいですか? 俺のより?」
背の高い先輩はバスローブの前を広げて、トランクスの中で大きくなっているものをこれ見よがしにみせつけるんです。
「トモ早く俺達にも祥子さんを味あわせてくれよ!!」
二人の先輩の口から出るのは・・・若い・直接的で・淫らな言葉での責めでした。
「ん・・・いやぁぁ・・・はぁぁ」
彼とふたりだけの行為を見られ、言葉で嬲られて彼の塊を飲みこんでいるわたくしの中はひくひくと蠢いてしまうんです。
「いいですよ 祥子さんの身体は最高です」
わたくしの身体の反応にあわせて腰を微妙に動かしながら言うのです。
「祥子さん 自分の口でお願いするんだ はしたない身体を一緒に嬲ってくださいって」
両腕を引き上げられてより強調された黒いシルクに包まれた揺れるバストを、二人の先輩に見せつける様に彼はいっそう強く腰を叩き付けます。
「いっちゃう・・・トモくぅんんん・・・いくのぉぉ」
わたくしの声に彼は腰の動きをとめるのです。
奥までいれたままぐりぐりと腰をまわして、でも頂上を目指させてはくれないのです。
「いかせてあげるから 僕が教えた通りに言うんです。そうしたら今度こそ祥子さんの好きな僕のミルクを子宮に直接注いであげるよ。どうする? 祥子さん」
「あはぁぁん・・・おねがい・・いかせてぇえ・・・おかしくなるぅぅ」
女壷を押し広げられ弱い奥を微妙に刺激される生殺しの状態に・・・はしたないおねだりをしてしまいます。
「さぁ・・・言うんだ」
彼の激しい突き上げが再開されました。
「はあぁ・・・いっちゃう・・・祥子・・・ああ・・・おねがぁいですぅぅぅ・・・どう・か・・・しょうこのぉ・・・いいの・・・はしたないからだを・・・トモくぅんといっしょに…嬲って・・・くだ・・・ぁぁあぁ・・・いい・・・ああぁ・・・いっちゃうぅぅぅ・・・いくぅぅぅ」
「良く言えましたね祥子さん。いけ・・・いきまくれ!!」
屈辱の台詞を口にして羞恥に快感を高められ、締め付けをきつくするわたくしの身体に、射精の近い彼は塊を一回り大きくします。
「出すぞ!!!」 「いくぅっっ・・・・」
彼に身体の奥深くに熱くて白い精液を直接注ぎ込まれながら、わたくしは何度目かの絶頂を迎えました。
シースルー・ナイト 2
彼の車は約束の時間を過ぎてもまだ来ません。信号で車を待つわたくしに、とうとう恐れていたことが起きてしまいました。
交差点の向こうに一人の男性の姿が現れたのです。
赤信号で立ち止まった男性は、なにげにわたくしに向けた視線を透けるシルクの下のバストからそのまま外せなくなってしまったようです。
風で乱れるスカートがパンティストッキングだけの下半身を透けさせた時には、男性の視線がわたくしのバストから降りてゆくことさえ・・・ありありとわかりました。
姿を隠す街路樹もないこの場所は信号待ちの間、男性にわたくしの白い肌を思うがままに視姦させるための舞台のようなものだったのです。
信号が変わり男性が歩いて来たのです。
「痴女か・・それともご主人様の命令かい」
すれ違い様にそう耳元で嘲ると、お胸と同じほどのボリュームで盛上がる腰を下からあたりまえのようになで上げていったのです。
彼の車が待ち合わせ場所に来たのは約束を5分ほど過ぎたころでした。
たったの5分なのに、はしたない姿をしているだけで……30分にも1時間にも思えたのです。
黒のベンツのワゴンを止めると26歳の彼は車から降りてきました。
どんな時でもドアを開けに降りてくる彼です。
が、今夜はそれだけのためではなかったようです。
「ヒュー! 祥子さん大胆なんですね。まさかここまでとは思わなかったよ とってもセクシーだ」
わたくしに歩み寄りながら喜びを滲ませた声をあげるのです。
「おねがい 車に入らせて・・・」
彼に走りよるわたくしを抱き寄せて・・・ディープキスをするのです。
この15分野外露出に近い行為で羞恥心煽られ高められた疼きが、彼のキスで身のうちで蕩けてゆきました。
「おねがい・・・」
「今日はこっちの席ね」
彼が開けたのはいつもの助手席ではなく後部座席のスライドドアでした。
そして彼の車には彼以外の男性が2人もいたんです。
「こんばんわ」 「はじめまして」
彼よりも幾分年かさの男性がそれぞれ微笑みながら挨拶をします。
手前の男性が一旦車から降りてわたくしを先に乗せ・・・二人の男性にはさまれるように座らせられてしまいました。
「言ってたとおりの素敵な人だね」
「でしょう」
ドライバーズシートに座った彼は、飼っているペットを自慢するような口調で答えるのです。
「祥子さん この2人はね僕の先輩なんですよ。今日一緒に飲んでいるときに祥子さんのメールが来たのを見られちゃって」
車を出しながらバックミラーごしに彼は言うのです。
「あんまりトモが祥子さんがいいって言うから、会わせろってついて来ちゃったんですよ」
右の男性が身体を寄せてそういいます。
「ああ・・・いい匂いだな、もう。そそるね祥子さん 隣に座るだけでほらこんなになっちゃいましたよ」
わたくしの左手をつかんで男性の腰に導くのです。
それは・・・もう熱く堅く立ち上がっていたのです。
「ぃゃぁ・・・」
手を離そうと反対側に身を寄せたわたくしの乳房を・・・右の男性が鷲掴みにしました。
「あん・・・だめ・・・いや トモくん」
バックミラーの彼に切ない声を上げて訴えたんです。
「祥子さん 二人とも僕の大切な先輩なんです。だから今夜は4人で一緒にしましょうよ いいでしょう」
返って来た返事は3人でわたくしを嬲るという答えだったのです。・・・ああ・・・ひどい
「いやぁ・・・・」
「ぼくの言う事はなんでも聞いてくれるっていったじゃないですか、祥子さん」
184cmを超える大柄な彼は背中のままで言うのです。
「今日だってこんないやらしい姿で来てくれたじゃないですか」
「ほんとうに従順なんですね 祥子さんは」
左の男性の手も左の乳房を鷲掴みにします。
「ああ大きいな。手からこぼれそうだ、こんな巨乳ははじめてですよ」
「あはぁん・・いやぁ・・・んふぁん」
左右の男性の手は全く違う動きで、露出に近い姿で住宅街を歩かせられて、わたくしの感度を高められた乳房を責めるのです。
「祥子さんてMなんですか?」 「ちがいますぅぅぅ・・・」
「トモの牝奴隷だったりして」 「巨乳熟女奴隷?」 「ちがいますぅぅ・・・あん」
敏感な左の乳首を指に挟み込む様にして快感を送られて、言葉でまで辱められるのです。
「トモのメールだけでこんないやらしい格好をしてくるんだよ いいなりだね」
右の乳房は握りつぶされる様に揉みしだかれます。
「あはぁん・・・ちがうの・・・トモくんとの約束だったから・・・」
「ふぅん トモの言葉には忠実なんだ」
耳たぶを甘噛みしながら左の男性がいいます。
「いいなぁトモ こんな従順なお姉さんがセフレだなんて」
運転する彼は、聞こえているはずの会話に参加する気配も見せず運転をしていました。
「トモくぅぅん・・・あはぁぁ」
「こんなに乳首を大きくして、これじゃ革張りのシートまでぐちゃぐちゃに濡れちゃいそうだな」
「いやぁぁぁ・・・」
「さ、着きましたよ 続きはホテルでにしましょう」
駐車場に車を止めて、彼は先に歩いてゆきました。
彼が入っていったのは真新しいラブホテルでした。
二人ではなく四人なのでパーティルームを選び彼がフロントに交渉している間も、エレベーターホールでは二人の先輩がわたくしの敏感になった身体の表面をさりげなく手でなでてゆきます。
「・・・んくっ・・・・ぁぁ・・・」
車の中ほどあからさまではなく、ホテルのロビーの明かりの下ではっきりと浮き上がる白い肌を手の甲でなぞるのです。
フロントからは見られない様にカバーはしてくださっているのですがエレベーターからはわたくしは丸見えなのです。
いつ扉が開いて全く知らないカップルに見られるかと思うと・・・身体の芯から溢れるものを止める事ができませんでした。
「部屋が用意出来たよ。最上階だって」
エレベーターホールに来た彼に思わずすがりつきました。
「先輩たちはやさしくしてくれたろう」
彼はわたくしを壁に押し付けるようにして抱きしめてくれました。
「ん・・・・」
わたくしの返事を待たずに・・・先輩たちが見ている前でキスをするのです。
「トモくん・・・ぁん・・・やめて・・」
好きなセフレの彼のキスがいやなわけはないです。
でも・・・ここではいやだったんです。
「祥子さんの声たまらなかったんだ。あんな声聞かせるから ほら、僕のこんなになってるんだからキスくらいゆるしてくれよ」
わたくしの手を掴むとスラックスの前に持ってゆくのです。彼のはいままでにないくらい堅く大きくなってました。
「もう先走りまで出てるんだ いいだろう」
到着したエレベーターに乗り込み上がってゆく僅かな間さえ唇をはなしてはくれません。
「あ・・・ん・・んん」
二人の先輩はエレベーターの釦を押し、ドアを押えてわたくしたちをじっと見ているのです。
エレベーターが上がってゆく間にも何かを言っているようですが両耳を塞いで彼の舌づかいまで響くようなキスをされていましたからわたくしには聞こえません。
聞こえていたら・・・その淫らさにいたたまれなくなっていたでしょう。
「トモがSだなんて初耳だよ」
「どうすればこんなお姉さんを調教できるのかお手並みを拝見したいね」
「あんな白い肌と大きな胸を独り占めなんてずるいよな」
「女の匂いがぷんぷんする」
「トモ独り占めはなしだぞ 」
「ああ 喘ぎ声だけで勃っちゃいそうだ」 etc.etc.
お二人の先輩方の声が彼を刺激していたのは間違いないと思います。
舌を絡ませる彼の塊が・・・わたくしのお腹の上でどんどんと堅さを増してゆくのです。 やがてそれはひとりでにひくひくと脈打ちはじめました。
シースルー・ナイト 1
レストランを出てすぐに、わたくしは26歳のセフレにメールをしました。「お久しぶりですね。お願い今夜逢いたいの、お時間ありますか?」
お仕事で忙しい方だからなかなかお返事はないと覚悟して、通りを流すタクシーに手を上げました。
いきつけの珈琲専門店でおいしいコーヒーをいただいて、酔いを醒ましながら時間をつぶすつもりだったんです。
行き先をタクシーに告げるなり・・・なんて早いのかしら・・・メールの着信音が鳴りました。
「ひさしぶり 誘ってくれてうれしいよ
22時にいつものところで
今日はこの前に約束した通り下着は着けないで
祥子さんはパンプスだからパンストの直履きだけは許してあげるよ
約束通りにしないと・・・わかってるよね」
もう2年近く関係を続けている彼は、この若さで女性の羞恥心を嬲り高める術を身につけていました。
待ち合わせはターミナル駅から少し離れた幹線道路沿いの住宅街なのです。
深夜に待ち合わせても人目につかない場所。
あまりに年の離れたセフレとの待ち合わせはわたくしでも外聞を気にしました。
もう着替えに帰っている時間はありません。
今夜のこのシルクの透けるワンピースのままで、彼の要求の通り全てのランジェリーをとって待ち合わせをするなんて。
Gカップのはしたないバストをしているのに・・・あまりに刺激的な彼のメールに疼き続けている身体は否応無しに反応してしまいました。
目的地を珈琲専門店から待ち合わせ場所に近いターミナル駅に変更しました。
人通りの多い駅前のドラッグストアで普段はあまり身につけないパンストを買って・・・わたくしは途方にくれてしまいました。
どこで着替えて、歩いて7~8分もかかる待ち合わせ場所に行けばいいというのでしょうか。
駅の化粧室で着替えて・・・たとえタクシー乗り場までだとしてもあまりに多い人通りの中を・・・そんな姿で歩くことを考えただけで気が遠くなってしまいそうでした。
金曜の夜22時 ターミナル駅は最も人通りが多くなる時間なのです。
決心がつかないままとりあえず約束した住宅街に向かいました。
あと少しで目的地にという場所に・・・コンビニがありました いつもは彼の車で通りすぎてしまう場所なので気づいていませんでした。
「よかったわ あそこで化粧室をかりれば・・・」
自動ドアを入ったわたくしはその場で後悔をしてしまいました。その日のコンビニの従業員は全て男性だったからです。
でも、もう待ち合わせの時間は迫っていました。
「化粧室をお借りてもいいですか?」
従業員の男性に声をかけて化粧室へ入りました。
リボンタイを解き、フロントの釦を一つづつ外して黒の透けるシルクワンピースを脱ぎドアのフックにかけました。
黒のレースのスリップを脱ぎ、ブラを外し、湿り気を帯びたTバックを脱ぎ小さくたたみます。
左脚からガーターベルトの前と脇の留め具を外して片脚づつストッキングを下ろしてゆきます。
ウエストに手をまわしガーターベルトのスナップを外して・・・遅い時間なので外には3人の従業員しかいませんでしたが・・・コンビニの化粧室で全裸を晒しているのです。
いままで経験したことのない羞恥に、ランジェリーから解き放たれたGカップのバストは身支度の動きにあわせて・・たゆん・・・と大きく揺れるのです。
乳房の先はもう堅くしこっていました。
ハンドバッグの中から買ったばかりのパンティストッキングを出して、パンティすら着けていない身体に直に身に着けたのです。
透けるシルクの素材を重ねたワンピースは・・・身につけても・・・わたくしの身体を隠すよりもかえって白い肌の陰影を際立たせてしまいます。
ほんのわずかしかシルクを重ねていない上半身は、白い乳房に浮かぶ乳輪と乳首がはっきりと透けています。
柔らかい素材はほんの微かな乳房の揺れもそのままに伝えるのです。
やわらかくプリーツをたたんだスカート部分は、重なりではしたない下半身をかろうじて隠してくれていました。それでもわたくしの動きによっては、パンティストッキングによって押しつぶされている柔らかな繁みさえ透かしてしまうのです。
後姿は・・・鏡に映る姿の淫らさにわたくしは愕然としてしまいました。
こんな姿でレジに行き・・・お会計をしなくてはならないなんて。
約束の時間は迫っていました。
ハンドバッグで隠すこともできないなら・・・なんでもないことのようにするしかない そう思いきってわたくしは化粧室を出ました。
すぐの冷ケースを開けてペットボトルの飲み物を2つ取りレジに向かいました。
3人の男性従業員のうちの一人はわたくしに背を向けて商品の陳列をしておりました。
二人目の従業員はレジの奥で伝票の処理に熱中していました。
2人の視線を浴びなくていいと安心したわたくしはレジに立つ3人目の従業員に、「おねがいします」と商品を差し出しました。
お客様のない店内で退屈していた従業員は、わたくしの声ではじめて視線を上げました。
商品を見て、その先にあるわたくしの姿に気づくと・・・ごくっ・・と唾液を飲み込む音がしました。
「いらっしゃいませ」
掠れた声で・・商品を読み上げるのです。
「合計294円になります」
「はい」
うつむいてハンドバッグを開け小銭入れを出す・・・その動作だけでわたくしの熟した乳房は揺れ動くのです。
「・・・先輩 商品をおねがいできますか?」
レジの男性従業員は伝票処理をしていたもう一人の従業員に声を掛けるのです。
「少々お待ちください おつりが・・・」
すぐにもここを立ち去りたいのに・・・
「いらっしゃいませ」
伝票に目を落としたままだった少し年かさの従業員は振り返り、わたくしを見るなり慌てた様にしてレジに歩み寄りました。
「お待たせしました」
レジ袋を出し・・・2本のペットボトルを入れるまで、彼の視線はわたくしのはしたない姿を上下に舐めるように這うのです。
「706円のお返しになります」
1円玉をとなりのレジから持ってきた従業員はやっと会計を終わらせてくれました。
「ありがとうございました」
レジ袋を手渡してくれた従業員は、「お客様・・・趣味なんですか?」と小声でささやくのです。
毅然とした態度を取り続ける事もできなくなり・・・商品を受け取り、わたくしは小走りにコンビニを出るしかありませんでした。
待ち合わせの場所まで信号2つ分の距離がありました。
通り沿いにまだ彼の車は見えません。
いたたまれなくてコンビニを出てきてしまいましたが、人通りのあまりない幹線道路沿いとはいえ住宅街です。
いつ人とすれ違ってしまうか気が気ではありませんでした。
街灯の下以外のところなら目立たない・・・と思いましたが車のヘッドライトが舐めるように流れるたびに白い肌は仄光ってしまうのです。
透ける黒のシルクオーガンジーは、一足ごとにたふたふとゆれるGカップのバストの重みで敏感に反応する乳首を刺激します。
敏感な部分を横切るパンティストッキングの縫い目は、潤んだ真珠を濡れた縄でしごくように刺激しつづけていたのです。
思わずもれそうになる声を唇を噛んで堪えました。
都内の幹線道路はこの時間でもたくさんの車が走り去ってゆきます。
「あのスピードではこちらを見ることは出来ないから平気だわ」
わたくしはそう自分に言い聞かせました。
さきほどからわずかに強まった風が、覆い隠されているパンティストッキングだけを身につけた下半身を、幾重にも折り畳まれ重ねられた透ける素材を吹き乱して・・・露にしてゆきます。
後を歩く人がいたなら・・・お胸に劣らず豊満なまぁるく盛上がった白い腰のカーブが見事な陰影で浮かび上がらされていたはずなのです。
「普通にしていれば気づかないものなのね」
時速40キロ以上で走り去る車にわたくしは安堵していました。
なのに信号は変わり・・・多くの車を止めてしまいました。
歩道を歩いているのはたった一人です。
信号機の赤い光はわたくしの白い肌は扇情的な色をプラスします。
その姿で・・・背筋を伸ばしてエレガントなシルクの黒いワンピースを着て・・・乳房をたゆん・・・たゆん・・と揺らして歩いているのを、ドライバーの男性たちに気づかれるのは時間の問題だったのです。
車の中にわたくしを指さす助手席と運転席の男性に気づいた時、早く歩み去らなくてはならないのに・・・視線に犯されたわたくしはその場で立ち止まって動く事もできなくなってしまいました。
ウインドウを開ける静かな音がいくつか聞かれます。
「・・・いやぁぁ」
運転席からむさぼるように投げかけられる視線が・・・いくつもの視線がわたくしの肌を這い回るのです。
約束の交差点につくころには・・・パンティストッキングを直接身につけたわたくしの下半身は濡れそぼり極薄の繊維がもう肌にはりついていたのです。
過ぎし日の残り香 2
「なんですか。この写真は・・・」撮られた覚えのない数十枚の写真にわたくしの声は思わず震えてしまいました。
「なんだ、祥子君は覚えていないのか。さみしいな」
先ほどまで太ももをなであげていた元上司の手が、わたくしの肩に置かれました。
「徹夜で仕事をした早朝にきみに役員応接で仮眠をすすめただろう、そのときのものだよ」
そこには30代前半のときのわたくしが写っていました。
ただ・・・胸元は開けられて、レースのブラに透けている乳首までが写っていました。
フレアスカートの裾はウエストまで持ち上げられて・・・
ガーターベルトとTバックパンティの間の太ももや淡く透けるかげりまで。
さらにはうつぶせた白いお尻にわずかにTバックのレースが横切るはしたない姿も。
全身・アップ・接写と何枚も写されていました。
軽く開いたわたくしの唇のアップまでがその中にあったのです。
「いやぁ・・・」
ここがレストランの個室であることも忘れて声を上げてしまいました。
「あの時の写真だよ。もっと大胆に撮りたかったんだが、祥子君が起きてしまいそうだったからな」
あの日ほんの2時間ほど熟睡して目覚めたわたくしは、うつぶせになった身体の下の大胆に乱れたスカートの裾に一人赤面したことを思い出していました。
「貞淑な人妻で不倫をしているわけでもなく、仕事一途な君が・・・ね」
驚くわたくしの隙をついて、シルクのワンピースの肩の手をゆっくりとバストの頂きに移すのです。
「真面目で優秀なだけの祥子くんが、普段からあんなランジェリーを付けていると知って この写真をとったあと僕は・・・役員専用トイレでね・・・ひとりでなぐさめなければならなかったよ」
「いやっ・・・」
右手でわたくしの顎を引き上げ後から身をかぶせるようにして元上司はわたくしの唇を奪いました。
「1度じゃおさまらなくて・・・朝から2度も射精したんだよ。祥子君」
ディープキスの合間・・わずかに唇を外すようにして、過ぎし日の劣情を語るのです。
「んんぅぐっ・・・あぁん」
舌を舌でしごきあげ、口蓋を舐め上げて、唾液をわたくしに注ぎ込むまるでセックスのようなキスです。
「一時期は夫以外の男ができたのかと、嫉妬で狂いそうだったさ。こんな大胆なランジェリーをつけている祥子君を想像してね」
胸元にさがってきた左手がシルクのワンピースとレースのランジェリー越しにも堅く立ち上がっているのがわかる乳首を・・・ひねりつぶすように愛撫するのです。
「こんなところで・・・だめ・です・・人が来ます・・ぁぁん」
元上司のがっしりとした腕で漆塗りの椅子に肩先から押さえ込まれて、わたくしは身を捩ることもできませんでした。
「ごらん 祥子君の無邪気な寝姿」
とりわけはしたない一枚を取り上げてわたくしの目の前に差し出すのです。
「いやぁ・・・」
顔をそむけるだけしかわたくしにはできません。
「こんなに無邪気写真なのに、僕は何度もこの写真でね。ふふ 楽しませてもらったよ。今夜きみを呼び出すと決めてからも我慢できなくて、ゆうべもね・・・写真のきみはいつまでも素敵だよ」
椅子の背に立ったままでワンピースの胸元をまさぐりわたくしの耳元で囁くのです。
「お戯れもいい加減になさってください」
尊敬していた元上司に写真とはいえ劣情をぶつけられていたことを知って、わたくしはおののきました。
「そのいつまでも生意気なところもそそるよ」
「あふっ・・ん・・」
そう言ってはもう一度強引にわたくしの唇を奪うのです。
「いまの祥子君の方が・・・熟していて美味しそうだな。ああこの胸だよ この胸を好きな様に嬲りたくてな」
両手で透けるシルクとランジェリーごと両の乳房を握りつぶすかのように揉み込み、耳を甘噛みされました。
「あうっ・・・」
「こんな感触だったのか。ふっ 想像以上だよ、祥子君」
「やめて・・くだ・さ・・い 人を呼びます」
元上司の職場であるレストランの個室ではしたない写真を広げられ、身体を嬲られる羞恥に・・・わたくしの理性を飲み込もうとする快感は、あと少しのところで押しとどめられたままでした。
「きみならわかっているだろう。支配人は気が利くからね 今夜は僕が呼ぶまではここにはこないさ」
元上司の両手は少し力を弱め、手に余る柔らかな乳房の感触を楽しむようなタッチに変わりました。
「前にも祥子くんには愛人にしたいなら年間1200万円用意できるかと言って体よく断られたけれどね、諦めきれないんだよ」
襟元のワンピースと共のシルクのリボンタイをほどこうとするのです。
「部長はわたくしの気質を良くご存知なはずです。奥様がいらっしゃる方にはそれ相応のことをしていただかなければ愛人なんぞにはなれません」
元上司の手を押さえて、わたくしは首だけをひねるようにして上司の目をきっと見返してお答えしました。
「ほう 祥子君を1200万円で独占できるなら安いものだ。まあ、正確に言えば独占にはならないがね」
手の動きを拒まれた元上司は改めてわたくしの前に座ると、とんでもないこをと言い出すのです。
「あまりに僕が祥子君のことを素晴らしいというものだからいまの会社の役員たちが興味を持ってね、一度逢わせろとうるさいんだよ」
「うちの役員はみな美食家だからな、この写真を見せれば・・・」
なんて破廉恥なことを・・・わたくしは尊敬していた上司に言われなければならないのでしょう。
わたくしは目の前にちらばる写真をかきあつめて、バッグを持って立ち上がったのです。
「今日はごちそうさまでした。部長 お仕事のお話でしたらいくらでもうかがいます。ただ、もうこんな写真やお話を持ち出されるなら、この先お逢いする事もないでしょう。失礼します」
これ以上聞くことはないと元の上司に背を向け、ドアに手を掛け個室を出てゆきました。
「諦めないからな 祥子君」
上司の声が閉まりかけるとびらから流れてきました。
信頼していた元の上司に裏切られ・穢されていたショックは隠せませんでした。
でも知らないうちに写されていた写真や、年齢を重ねた男性だけが持つ巧みな愛撫に身体の芯に火をつけられて・・・その夜・・・わたくしは年若いセックスフレンドにメールをしてしまいました。
祥子からの手紙-3
こんばんわ 祥子です。
個室を出て、驚いた顔をしている支配人に
「急用ができまして、ごちそうさま」となにくわぬ顔をして挨拶するのがわたくしには精一杯でした。
口紅すらひかないわたくしですからあの場から立ち去れましたが
普通の女性でしたらあの場を離れることも難しかったでしょう。
「英雄色を好む」タイプの方だとは部下のころから思っておりましたが
まさかあのような想いを隠されていたとは・・・気づいておりませんでした。
しばらくは、わたくしは元上司からの電話に出る事はないでしょう。
今夜の疼きは年若いお気に入りの彼と・・・メールの返事が楽しみです。
過ぎし日の残り香 1
陽差しも少し秋めいてきた金曜日の昼下がり。打ち合わせが一段落したころに、以前お勤めをしていた会社の上司からお電話をいただきました。
「久しぶりだな 元気にしているのか?」
上司だったころと変わらない明るい第一声です。
「ご無沙汰いたしております。珍しいですね、わたくしにお電話なんて」
華やかな女性の多い職場でとかくの噂がある上司でしたが、それも仕方がないと思わせる・・・トラッドを着こなすダンディな姿を思い出しました。
「祥子君が連絡をしてこないからだろう。飯でもどうだ」
ここで、いつですか?とお聞きすると機嫌が悪くなることを元部下のわたくしは十分に知っておりました。
言い出すと聞かない方なのです。そしてこう仰るときは<今晩>な時なのです。
「部長相変わらずでらっしゃいますね。ふふ どちらに伺えばよろしいのですか?」
そう答えたわたくしに上司が指定したのは、転職された会社が新たに出店するレストランでした。
今日はファッション系のクライアントとの打ち合わせがあったので、黒のシルクを何枚も重ねたエレガントなワンピース姿でした。
動くと透けるスカートや上半身に合わせて、インナーはシンプルだけれど上質な黒の薔薇柄のレースのセットを合わせています。柔らかなシルエットを出す為に一重仕立てにした繊細なレースでしたので・・・ブラとTバックのパンティ・ガーターストッキングの上に同じ素材のスリップを重ねました。
お洒落な方だからきっとフレンチかイタリアンのお店だわ。
わたくしは今夜の姿が元の上司を落胆させることはないと思い、少しだけほっといたしました。
元の上司は以前勤めていた会社には珍しく正しく女性の能力を把握する方でした。
『女性は40歳からだよ 祥子君』
そういって仕事で落ち込むわたくしをよく元気づけてくださったものです。
役職定年でいまの会社に転職なさってそろそろ2年。ご恩のある方に随分ご無沙汰をしてしまったものだと反省しながら、日暮れの早くなった街を、一流店の並ぶ一角に出来た新しいお店へと急いだのです。
指定された待ち合わせ場所は、そのレストランの前でした。
まだお約束の時間まで5分以上あるのに上司はもう待ちくたびれた顔をなさって・・・そこに待ってらっしゃいました。
お店は意外なことにチャイニーズレストランだったのです。
改めて挨拶をさせていただこうとするわたしを制して、「まずは食事をしよう」とお店にはいってゆきます。
エントランスで支配人を呼び広い店内の中で用意されていたお席は、もっとも奥まったところにある個室でした。
ホテルのシングルルームほどの広さの部屋はレイアウトの関係か窓はなく、代わりに見事な敦煌を描いた有名画家の画が飾ってありました。
さほど大きくない四角のテーブルに黒漆に螺鈿の椅子が4脚、ジャガード織のテーブルクロス、プリントではなくゴブラン織の壁紙、清朝のものらしき壷に生けられたどうだん躑躅と竜胆まで、繊細で緻密なしつらえがなされていました。
「お話はお近くのほうがよろしいでしょう」
黒い瞳が印象的な女性の支配人は、複製画を楽しめる様にと向かい合わせでなくわたくしの左側の席を上司にすすめました。
「まだ暑い季節だからビールでいいだろう」
わたくしの返事を待つこともなく・・・以前と変わらずにオーダーなさいます。
「祥子君は好き嫌いがないから美味しいものを頼みます」
「かしこまりました」
元の上司の言葉に一つだけ頷いて支配人は部屋を出てゆきました。
「お待たせいたしました」
間もなく上司が頼んだビールが届き、わたくしはようやく不沙汰を詫びる挨拶をさせていただけたのです。
「今日は珍しいものがありますから、楽しみになさってください」
支配人が凛とした声で言ったように、初秋を思わせる美しいお料理がまいります。
「元気にしてるようだね、仕事は上手くいっているのかい」
伊勢海老のおつくり、ふかひれのスープ
「ええ、部長に鍛えていただいたおかげです」
北京鴨、スッポンのえんがわを煮込んだもの
「僕もねやっと新規店舗をオープンできてやっと面目が立ったよ」
冬瓜の貝柱詰め
「素敵なお店ですものね インテリアは部長の趣味でらっしゃいますか?」
お魚を蒸したもの
「祥子君にも最初は随分手伝ってもらったな。ずっと礼もしてなかったから気になっていたんだ」
黄ニラ入りの伊麺
「部長には可愛がっていただきましたから、そのくらいの恩返しはさせてください」
お酒の杯もお料理とともに重なってゆきました。
わたくしの元の上司は決してお酒がお強くはないのです。数杯のビールを楽しまれただけでもう目元を赤くされていました。
「そういえば祥子くんの仕事はあちこちで人気があるみたいだね」
「おかげさまです」
「この人はね、ぼくの自慢の部下なんだよ。なかなかでね、手放すのが惜しかったんだ」
上司にお茶を注ぐ支配人に微笑みかけながらそう言うのです。
「事業部長はほんとうにお厳しくて・・・こんな風に女性を褒めるのをはじめて聞きました。私共の社のものが知ったらうらやましがりますわ」
支配人は手早く空いた器を片付けながらわたくしにも気軽に話しかけてくれるのです。
「料理長自慢の点心です。お茶もこちらにご用意しましたからごゆっくりなさってください。御用の節はそのベルでお呼びください」
支配人はサイドボードの金のハンドベルを指し、会釈してフロアへと戻られました。
「素敵な女性ですね。部長のいまのお気に入りの方なのですか?」
わたくしの元上司は気に入った女性を職場でも自分の側近くに置き、仕事を任せることが多いのです。だからといって・・・必ずもプライベートのお相手になるとは限りませんけれども。
そんなことを思い出していると・・・
「クライアントからは、仕事以外の依頼も多いんだろう」
ジャスミンティのカップごしに意味ありげにわたくしを見てそんなことを言い出しました。
「わたくしは部長のような方とはお仕事はいたしませんから ふふふ」
また、部長のお戯れがはじまったわ・・・そう思っただけでした。
あのころからお酒を召されるとそういう事を仰る方でしたから。
「存じてます。部下だった時代から部長がいろいろな女性たちをお誘いになってらしたことくらい、おもてになられましたものね」
過去の数々の艶聞を持ち出して差し上げると元の上司が男性としてお喜びになることも、いつものことでした。
「本当は祥子君が欲しかったんだけれど、部下だったんだから仕方ないじゃないか。我慢してたんだよ」
「僕は確かにいろんな女性を抱いたけど、いつも祥子君を思っていったからな。時にはいくときに君の名を呼んでしまってね、何人もの女性に振られたんだよ」
とんでもないことをあけすけに仰るのです。
「ご冗談が過ぎますわ。わたくしがお仕事関係のお相手とはお付き合いしないことは部長も良くご存知でしょう」
わたくしと元上司との関係にはありえなかったセクシュアルな匂いが、わたくしをすこし戸惑わせたのです。
「見かけだけでバカな女もいやだしね。もう同じ会社の上下関係もないし、君も離婚したし遠慮はいらないと思ってね」
テーブルの下で元上司の手がシルクのスカートごしにひざの上に置かれます。
「どうだい、君の最後の男にしてくれないか」
わたくしの太ももの感触を確かめる様にゆっくりとのぼってくるんです。
「なにを仰っているんですか、奥様に怒られますわ」
元上司の手を軽くつかみ、それ以上触れることをとがめるようにわたくしの脚から引き離しました。
「相変わらずランジェリーまでおしゃれなんだね。祥子くんは」
「えっ・・・」
元上司の言葉に不意をつかれたわたくしは、左手を握り返されて・・・彼の手とともにそのまま自らの太ももに戻されてしまったんです。
「ほら この留め具。ガーターベルトだろう、祥子君。部下だったころから愛用していたようじゃないか。こういうところがそそるんだよ」
わたくしの手にわざとスカートごしに留め具を触らせてから元上司は握っていた手を離しました。
「わたくしがどんなランジェリーをつけているかなんて、ご存知ないくせに」
ふふ 含み笑いをした元上司はついと立ち上がりました。
入り口近くのコートハンガーに掛けたジャケットの内ポケットから封筒を取り出すとわたくしの椅子の後に歩みよりました。
「知っているさ」
デザートに進みジャスミンティーののるテーブルに広げられたのは・・・元の会社の役員応接室に徹夜明けで寝込んでいるわたくしの写真でした。
蝉時雨の庭 3
立ったままで、背中に南天の床柱をかかえるように後ろ手にいましめられてしまったのです。わたくしは、男性が側に立って指先で胸元のラインをたどった時にはじめて、はしたなく揺れるバストを前に大きく突き出すような姿勢になっていることに気づきました。
「ほんとうに魅力的な乳房ですね。先ほど手のなかで握りしめた感触がまだ残っていますよ、さあ見せていただきましょうか」
男性の手がハイネックのノースリーブのカットソーの裾をゆっくりと、バストの重みにわずかに抵抗を感じたと同時に勢いをつけて襟元に向けてまくり上げてゆきました。
「いやっ・・・しないで」
「ほおぅっ・・・秋の野の吾亦紅ですか。これでは襟の高いインナーしか着ることができないはずですね 祥子さん」
真っ白い胸元には、数日前の3人の男性につけられた無数のキスマークが濃紅色の痕となって残っておりました。
「スリップのレースの刺繍よりも艶やかですね。ふふふ、いくつ付いているんでしょうか 祥子さんの恋人は情熱的なんですね それとも嫉妬深いのかな。」
レースのスリップの端を指で押し下げるようにして・・・すこしづつ白い乳房を露にしてゆくのです。
「どこまで付いているんでしょうか 確かめさせてもらいますね」
恋人などではなくはじめて体験した4Pの痕であること、そのときの羞恥と快楽を男性に知られているような錯覚がわたくしの肌を薄紅にそめました。
男性はわたくしの着けているランジェリーを熟知しているように取り外しができるストラップをついと外し・・・白くゆれる乳房を夜気に解き放ったのです。
「手に吸い付くような白い肌ですね。いい感触だ」
手のひらに片方づつ乳房をのせ、指の間からこぼれ落ちそうな柔らかさを楽しみながら上に左右に乳房を動かしてゆくんです。
「下乳のこんなところにまでついてますね。あ、ここにも 僕も一つ加えさせてもらおうかな 祥子さん」
男性はキスマークをつけるほどの強さで乳首を吸い上げます。
「んくぅ・・・あう・・やめて」
溜まりつづけていた疼きは、男性の唇とひねりあげるような指の動きに、身体のたった一点を目指して快感を響かせるのです。
わたくしは唇を噛むと、床柱に止めつけられた上半身をびくんと反り返らせてしまいました。
「そうです、祥子さんの魅力的な声は良く通りますからね。そうやって押し殺してください」
わたくしの高ぶりをはしたなく捩らせる白い肩の動きで察しているのでしょう。なのに指先は動きを止めず、わたくしの伏せた睫毛を見つめながら、責めの言葉をまた一つ重ねるのです。
「男の獣のような気持を高ぶらせる声なんですから。そうですよね、支配人」
「やぁっ・・・」
ここには、わたくしと男性だけ。そう信じ切っておりました。こんなに淫らなことを仕掛けてくるのですから。なのに・・・
あの支配人さんにまで・・・何にひとつ隠すことのできないはしたない姿を見られてしまう。
わたくしに出来ることは細い床柱に白い肌を隠す様に身を捩ることだけでした。
「お声をかけずに失礼いたしました。冷たいワインとお水をお持ちいたしました」
板の間と茶室を仕切る襖の向こうから支配人の声が聞こえました。
「ありがとう、いまはまだいただかないからそちらで控えていてくれないか」
男性は襖の向こうに声をかけるのです。それも、信じられないことを。
「仕事に支障がないなら 君も憧れの祥子さんの魅力的な声くらい楽しんでいきたまえ」
「・・・お願いそんなことなさらないで いや」
蝉時雨よりも細く震える声で、ふたりの男性に懇願するしかわたくしにはできませんでした。
「ありがとうございます、お姿を見る事は叶いませんが声だけで十分です。水屋の冷蔵庫にお飲物は冷やしておきますから必要になりましたらお声をかけてください。こちらに控えております」
飲み物をのせたトレイを持ち備え付けの小さな冷蔵庫を開ける音が床の間まで聞こえました。
「支配人はね 祥子さんにずっと憧れていたそうですよ。この半年 あなたがくるまでラウンジのあなたが座っていた席で僕にずっとあなたのことを聞かせてくれたんです どんなに魅力的な人なのかをね」
白い乳房と立ち上がった乳首を触れるかどうかの微かなタッチでなであげながら男性はわたくしの耳元でささやくのです。
「実際にお逢いしたあなたは支配人の話以上に魅力的でしたよ」
「あう・・・ぅぅぅぁぁ」
男性に右手の指からやわらかな肉があふれるほどに手にあまる乳房を強くにぎりしめ揉みしだくのです。
「縄をきつく掛けたくなる身体ですね 祥子さん。赤い縄が今夜のあなたの肌にはとても映えるのでしょうに 残念ですよ」
「いやぁぁあ・・・」
男性が特殊な嗜好を持つ事を知り、肌が粟立つのを止めることができませんでした。
わたくしが表情に怯えをにじませたのを確かめてから、男性はゆっくりとストレッチのタイトスカートを両脇をつまむようにして引き上げてゆきます。
「お茶室の青畳の香りも祥子さんのフェロモンにはかないませんね」
オープンクロッチのガータータイプのストッキングに、太ももの白い肌に、そしてピンクの花を散らした紺地のパンティに。
スリップごと擦れる様にずりあがってゆくスカートの裾を一瞥することもなく、伏せることしかできないわたくしの顔をじっと見つめながら、男性は恥ずかしい言葉を口にするのです。
「こんなパンティでは帰れないじゃないですか。男を発情させる匂いを振りまいて電車で帰るつもりですか?祥子さん」
スカートの裾がウエストまで上がったところで、わたくしの前に片膝をついた男性は鼻先を堅く閉じ合わせたふとももの合わせ目に寄せ大きく息を吸い込むのです。
「ほらこんなにいやらしいフェロモンが立ち上ってる。いい香りだ こんな香りをしみ込ませたパンティのままで帰ってはいけませんね」
そういってわたくしのパンティをそろそろと下ろしはじめたのです。
「可憐なランジェリーのセットですね。欠けてしまうのはもったいないでしょうから、必ず来月のライブにはいらしてくださいね。可愛そうですからブラは返してあげましょう このパンティのほうが価値がありそうだ」
男性は腰のポケットからきれいにたたまれたわたくしのブラを出し、床の間に置きました。
「ああ、もうまっしろなんだね・・・愛液」
紺地のパンティのクロッチについた白い愛液のしみを指でなぞりその指を・・・まるでフランス料理のソースの味を確かめる様に舐めるんです。
「いやぁ・・・」
ぴちょ・・・彼の舌の音がラウンジのBlue in Greenと離れのお客様の笑い声より大きく、わたくしの羞恥心をあおるように響くのです。
「囚われの女王だね・・・さながら。絶景ですよ」
男性は床柱の周りをまわるようにしてわたくしを視姦するのです。
「もっと楽しみたいが今夜はもう時間がないらしい。ライブの時間だけではものたりないですね。祥子さんもそうでしょう」
つと立ち上がった男性はわたくしの後にまわり手首のハンカチをほどくのです。
「せっかくの茶室だ 思い切り楽しませてもらうとしよう」
男性はわたくしの手首を掴んだままで離れとの間の中庭を望む雪見障子のところまで乱れた姿のまま・・・連れてゆくのです。
「本当は中庭で楽しみたいが支配人を放っておいてはかわいそうだからね。ここで中庭をみながら楽しもうじゃないか」
空いている手で障子を開けるとそこは一面のガラス窓でした。
「ここに手をついて・・・わかるね・・・脚は開くんだ もっと!」
パシィ!男性の手のひらがわたくしの白く大きなお尻に紅い手形をつけるのです。
「ひぃ・・・ゆるし・て・・・くださ・・い ゆるして」
衣服を身体に中途半端にまとわせたままで腰を突き出し・・・中庭に露にしたGカップのバストを突き出すように晒す。
わたくしのはしたない姿を見つめながら、男性はファスナーを下ろし黒のスラックスと黒のボクサーパンツから大きく立ち上がった逞しいものを引き出したのです。
背中を押され腰を高くあげさせられた姿を後から満足げに眺めた男性は、わたくしの中心にぐいと腰を押し進めました。
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「あっ・・・あぁぁぁ」
くちゅ・・・・くちょ・・・ 男性のものが刺さり込むようにわたくしの中に・・・押えてもこぼれ出る喘ぎに愛液に満ちたわたくしを逞しい男性がかき回す音が重なります。
「ここには指一本触れてもいないのにこんなに溢れさせて」
そう言いながらわたくしの両腕を引き後から激しく抜き差しするのです。
「はぅぅん・・・あはぁ・・・あふ・・・あぁぁぁ」
「こんな匂いをさせて電車に乗るなんて どんな男が痴漢になっても罪はないさ・・・せっかくだからノーブラで帰るかい・・・祥子・・・淫乱な痴女・・・」
「ぁぁぁ・・・・んふんん・・・・」
「だめじゃないか 祥子 そんな声を上げてライブの邪魔をしちゃ。それとも離れの男性にこの姿を見られたいのかい?」
唇をさらに強く噛み締めてふるふると首を横にふったのです。
「いいこだ・・・ご褒美をあげよう」
わたくしの両手を離しそのまま身体をかぶせて動きに合わせて揺れる乳房を鷲掴むのです。
「だめ・・・おむね・・弱いのぉ・・・」
「しまるな・・・動かなくても気持いいくらいだ。ひくひくと祥子の中に淫らな動物がいるようだよ・・・祥子の中のいろんなところが動いて俺を刺激してる・・・ほら・・俺が感じてるのがわかるな」
わたくしの堅くしこりたった乳首を指の間にはさむようにして揉みしだくのです。
男性の指の動きに合わせて奥と中ほどが締まるわたくしの身体に・・・密着したままの男性のものがまた一段大きくなり・・・わたくしの奥をぐりぐりと刺激するんです。
「あん・・・いいですぅ・・・奥がいいの・ぉ・・・いってしまうぅぅ・・いくぅ・・・あはぁぁん」
男性の言葉と、縄の様にわたくしのはしたない乳房を締め付ける指と・・・身体を刺激する太くて大きい塊が、じらされ続け熟したわたくしにはしたない言葉を口にさせてしまうほどに羞恥で蕩けさせてしまうのです。
「おねがい・・ゆるして・・・あぁあぁぁ・・・おねがい・・・ちょうだい しょうこを・・・いかせ・・て・・くださ・・いぃぃ」
「また・・・あうっ きゅうってしてるぞ 胸もゆれて・・・全身性器だな 祥子 いいぞ このままいくからな」
彼は両腕をわたくしの白い腰を掴んで激しく突き上げました。
「祥子 お前の奥に注いでやる いけっ!!」
わたくしのバストを離れに向かったガラスにつぶす様に押し付けるほどに熱い塊を突き上げ、わたくしの中に・・・子宮に直接注ぎ込むように射精しました。
お洋服を身体にまといつけたままで、濃紅の痕をちらした白いGカップのバストを離れに向かったガラスに押しつぶし後から貫かれたはしたない姿勢で・・・わたくしは男性から長くゆっくり注ぎ込まれる精液の熱さと塊の脈動にいきつづけてしまいました。
「そろそろ戻らないといけませんね」
男性はまだ堅い塊をゆっくりと引き抜き、白く蕩けているわたくしをその場でひざまずかせ濡れた塊を舌と唇で拭わせながらそう言うんです。
「フェラチオも上手みたいですね、祥子さん。ほんとうにこの年なのにいやらしい身体だまったく・・・」
もう全てが終わったと思っていたわたくしに改めて降り掛かる羞恥の言葉に、身奥をひくつかせてしまいました。
「ふくっ・・・」
あまりに大量に放出された精液が太ももを流れ落ち青畳を濡らしました。
「お願いです 身繕いをさせてください」
わたくしの唇のなかで改めて堅さを増しはじめた男性の塊から顔を引いてふらふらする腰つきで立ち上がりました。
まくりあげられたままのカットソーを下ろしスカートを直して、床の間に生けるように置かれていたレースのブラと手首を戒めていたハンカチを取り上げ部屋を出ようお茶室の襖に手をかけました。
「んん・・」
お茶室の襖を開くとそこには・・・茶室より濃厚な栗の花の香りが漂っていました。
支配人がそこに控えていたことを思い出し立ち尽くすわたくしの足元には、タオルと熱く絞ったおしぼりが用意されていました。
「左手に化粧室がございます」
水屋から水音とともに姿も見せずに支配人の声がいたしました。
襖だけを隔てたここに・・・支配人がいたことを忘れていたのです。
男性に犯された行為の全てを聞かれていたことを改めて思い知らされたわたくしは、頬を紅くせずにはいられませんでした。
その場から逃げる様に用意されたタオルをもって化粧室に向かいました。
ラウンジからのイパネマの娘が微かに聞こえる中、ふたりの男性から注がれた欲情の証を拭い去るかのように、いそいで身繕いを終えました。
お茶室には男性がひとり、床柱を背に座り冷たい白ワインをのんでいました。
男性の側にはトレイにおしぼりと、水滴が残っているのに空になったワイングラスが置かれていました。
トレイをはさんで男性の隣に座りました。
「のどが乾いたでしょう」
そういうとわたしを引き寄せて口移しに冷たいワインを流し込みました。
男性の言葉遣いはまた最初の紳士的な口調に変わっていました。
「祥子さんのワインは支配人に飲んでいただきましたよ。とてものどが乾いていたようだったからね」
男性はわたくしが席を外していた間に、支配人と交わしたであろう淫媚な会話を匂わすように微笑むのです。
「パンティをつけていないとは信じられない楚々とした姿ですね。これならお友達もわかりませんでしょう」
・・・今日最後のナンバーです、Fly me to the moon。
「さ グラスをもってラウンジへ戻りましょう」
男性と軽く手を組んで蝉時雨の庭をJAZZの流れるラウンジへ歩いてゆきました。
「お友達も楽しく過ごしていたようですね」
男性の連れの方と言葉を交わしている女友達の姿が見えました。
「僕たちほどではなかったでしょうけれどね。来月が楽しみです 祥子さん。今度はあなたの白い肌をゆっくり縛りたいものです」
ラウンジの戸を引き開けながら耳元でそう囁くと、男性は連れに軽く手をあげて先に席に戻ってゆきました。
祥子からの手紙-2
こんにちわ 祥子です。
昨晩は激しくて・・・お昼のこんな時間になってやっと目覚めました。
お席に戻ると一緒に来ていた女友達が意味ありげな視線を投げてきました。
ずっと男性のお連れ様がお話をされていたからもしかして・・・と不安になったのですが
地下鉄までの帰り道にいわれたのは
「だって私が話していた男性もずっと祥子さんのことばかり聞きたがるのよ」
っていう悪戯っぽい言葉でした。
支配人は、帰り際清算をしているときに「お忘れ物です、お客様」と
お庭のベンチに忘れていたGジャンを持って声をかけられました。
お酒と男性との時間に身体の火照りがおさまらなくて・・・上着のことを失念していたのです。
女友達の手前冷静なふりを装いながら、上着を着せかけていただくわたくしに
「来月もお待ちしています」とあくまでもビジネスライクなクールな声でご挨拶をしてくださいました。
帰りの電車の中のことは…とても・・・ここでは申せません。
また別の機会にでも
これからシャワーを浴びて遅めのブランチをいただきにまいります。
蝉時雨の庭 2
「祥子さんてかわいいんですね」頬を染めてうつむくわたくしの顔を覗き込む様にして男性はささやくのです。
素肌に戻ったバストを被うスリップのレースの少しざらざらした感触までもが、男性によって呼び起こされた快感を刺激するのです。
一段と敏感さを増した乳首はしなやかなカットソーに・・・くっきりと胸の輪郭を浮かび上がらせました。
8月の夜にしては涼しい風が肌をなめてゆきます。
「喉が乾いただろう」
男性はワインを一口含むとそのまま・・・わたくしに口移しで飲ませました。
「祥子さんにはもう少し酔ってほしいからね」
「なにをおっしゃるんですか もっと紳士的な方だと思っていたのに」
目元だけで軽く睨むわたくしの眼鏡を取り上げて自分のシャツの胸ポケットにしまっておしまいになりました。
「祥子さんはこのほうが似合うよ」
「見えないんです。本当に眼鏡がないと、返して お願いです」
わたくしは眼鏡をはずすとほとんど身の回りしか判別できません。もう…池につながる道の先さえぽうっとぼやけてしまうんです。
「そうだね 今夜のライブの最後の曲が始まる時には返してあげるよ。そのほうが祥子さんにとってもいいはずだから。ただね、このブラはぼくがもらうから・・・このままで今夜は帰るんだ。いいね、来月のライブで逢えたら返してあげるよ」
「いやぁぁぁ・・・」
男性を見つめたままかすかに抗議の声をあげるわたくしを、またワインを含んだ彼の唇がおおうのです。
細く男性の唾液を含んだ白ワインが舌の上に流し込まれ、それを飲み下すまで唇を離してはくれないのです。
「だめじゃないですか そんな声を上げちゃ。お友達に聞かれてもいいんですか 祥子さん」
アルトサックスの奏者がファーストセッション最後の曲です・・・という声が流れてきます。
「セカンドセッションまでの時間は、僕の友達が祥子さんのお友達のお相手をしますから安心してください。祥子さんは僕との時間を楽しむことだけを考えてください。いいですね」
グラスに残った最後のワインを含んで、また甘いキスを重ねるんです。
肌を撫でる風にワインの酔いと快感で火照る身体と理性を呼び戻されながら、男性の唇と手のひらの感触がとろとろと身体の芯をとろかしてゆくのです。
「白くて肌触りのいいきれいな肌をしていますね 祥子さん」
そう言いながら男性はスカートの中に太ももをなで上げる様に手をいれてゆくんです。
「ふふ てっきりパンストかと思ったけどガーター風のオープンクロッチなんですね。祥子さんは想像通りのお洒落な女性だ。そして大胆なんですね」
太ももの上の肌に彼の手が直接触れて・・・それだけで身体がぴくんって反応してしまうんです。
「あん・・・だめ」
「揺れてますよ・・・胸。僕の指だけでそんなに敏感に反応したら・・・・みんなに知られてしまいますよ。祥子さん」
そのころには、イタリア製にストレッチ素材のタイトスカートに包まれた太ももの狭間はすでに濃密で香しい湿度をもった空気に満たされていました。
膝を閉じようとするわたくしのももの間は男性の腕の分だけの隙間をどんどんと広げてゆくしかありません。
「キスだけでこんなになるんですね 祥子さんは」
指は最も奥のレースにたどりついて柔らかな果実に触れる様に、つっ・・・と指先だけで撫で上げるのです。
「あん・・・ぃゃぁ」
思わずもれるはしたない声さえ押し殺さずにはいられません。
「祥子さん もしかして外でこんな風に愛されるのははじめてなんですか?」
抱きしめるようにわたくしを包み込んだ男性の上半身がゆれて、彼はわざとわたくしの視線を捉えようとするのです。
「こんなに溢れさせているのに身体を堅くしたままなんて。ふふ、思ったよりもウブなんですね あなた自身はこんなに熟して溢れているのに」
肩に最初にキスされたところから感じていたんです・・・止めようとしても緩急をつけて呼び覚まされた快感は押えきれなくて・・・もうはしたなく濡らしてしまってたんです。
「・・・はじめてです こんな はしたない・・こ・と・・・」
震えるわたくしの声の向こうに、これでファーストセッションを終わりにします、という司会者の声が流れました。
「はじめてなのにまだ溢れてるんだね・・・敏感だなぁ いや淫乱なんだな」
男性の指は愛液ではりついたようになったパンティの上から敏感な真珠を・・・撫で上げ・・・撫で下ろしながらそんなことをいうのです。
「おねがい許してください もう・・・だめ これ以上はだめ・・・許して」
彼の耳元に囁く様にしか言えませんでした。
「ああ 庭に出てくる人がいるね」
と男性は、ふいに太ももの間を満たしていた腕を抜き池のほうを見やるのです。
とっさのことで閉じそびれた膝に晩夏の風までが・・・太ももの奥を冷たくして・・・わたくし自身が濡れそぼっている事を思い知らせるのです。
「もう、ワインがないんだ。新しい冷たいワインを頼むよ、彼女の分もね」
男性は庭を歩いてくる支配人を呼び止めました。
わたくしは眼鏡を外されて霞む視界のなかで、池の上の橋をこちらに渡ってくる支配人に姿をやっと見分けることができました。
「ここは気持ちがよろしかったのではないですか、特等席なんですよ」
彼になぶられたままの姿のわたくしは、カットソーを揺らす柔らかなバストと浮かび上がる乳首の陰と頬を上気させたままの姿を隠したくて男性の方に隠れる様に身を寄せるしかなかったんです。
「いい場所を教えてくれてよかったよ。ただ彼女は少し酔ってしまったみたいですけれどね。そうだ、氷入りの水も一緒に・・・申し訳ないね」
「承りました」
と歩み去ろうとする支配人は、立ち止まるとわたくしの肩を抱き寄せる男性を振り返りながらこう言いました。
「よろしければ・・・隣の離れはお客様がおりますが茶室が空いております。今夜は使わない予定なので灯りを入れる事はできませんが、灯りをともさなくても外のライトアップの光で十分でしょう。お連れ様のお加減がよろしくなるまで休まれてはいかがですか? お飲み物もそちらにわたくしがお届けします。」
「ありがとう 遠慮なく借りるとしよう」
「庭に戻られなくともそちらから降りていかれればすぐですから」
ベンチの奥の踏み石をゆびさした支配人は会釈をして本館に戻っていってしまいました。
「さあ 祥子さん行きましょう」
手を引いてわたくしを立ち上がらせた男性は先に立って飛び石伝いに歩いてゆきました。
右手を男性に掴まれたわたくしは、歩くたびに揺れる胸元をハンカチを握りしめた左手で隠す様にするしかありませんでした。
ブラなしで外を歩くなんて・・・バストが大きくなりはじめてからはじめてのことです。 想像以上の揺れ方や双のふくらみの中身が濃いミルクが革袋の中で揺れるような不思議な重量感を伝えるなんて思ってもいませんでした。
その上しなやかに肌によりそうピンクのカットソーは、レースのスリップとともに白い肌に寄り添い・・・バストの重みと揺れをそのまま疼く乳首へと伝えるのです。
「はぁん・・・おねがい・・・もっとゆっくり歩いてください」
揺れるお胸の刺激を最低限に止めたくて男性の手を軽く引きました。
「いいんですか? ほかの方にその姿を見られても」
つと立ち止まった男性はこちらを振り返りながら思いがけない言葉を口にしたのです。 「それとも・・・見せたいんですか?でしたら止めませんが、戻りましょうか先ほどの場所まで」
「ちがいます いや・・・そんなことないです」
「ふふふ そうですよね さ、急ぎましょう」
石段を降りて植え込みを回り込むと瀟酒な引き戸の玄関がありました。
そっと引き戸を開け三和土に男性の靴と揃えてパンプスを脱ぐと、磨き抜かれた板の間を抜けて書院づくりのお茶室に入りました。
支配人が言ったように小さな中庭を挟んだ反対側の離れには明かりがともり男性ばかりのお客様が数人お食事をはじめたばかりのようでした。
「いいお茶室ですね。立派な床の間だ 祥子さんご覧になりませんか?」
畳に座ろうかと思ったわたくしは、改めて立ち上がりました。
「お客様がなくても生け花を欠かさないなんて思った以上にいいホテルですね。こちらは」
ハンカチごとわたくしの左手を包み床の間の花の前に引き寄せました。
花好きのわたくしは見事に生けられた桔梗に心奪われて、無邪気に男性の手にハンカチを残したまま床の間に向かってしまいました。
「もう桔梗が・・・あぅぅ・・・なにをなさるの」
一度は離したわたくしの左手首を掴みうしろからわたくしを引いた男性は、繊細な南天の床柱を後ろ手に抱える姿にわたくしの両手を・・・彼の手に残ったハンカチでいましめてしまったのです。
「そろそろセカンドセッションが始まる時間ですね。窓を開けて・・ああ音が聞こえる ここも特等席だ、Take Fiveからスタートなんですね」
まるで先ほどのベンチで隣に座って睦言をいっている続きのようでした。でも・・・次の瞬間にはわたくしに向き直った男性はこのお茶室の目的を改めてわたくしに告げたのです。
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「祥子さんの声もこれで隣の離れに聞こえてしまうかもしれませんね。灯りはないですから・・・どんな姿でも見られることはないですが、気づかれたくなかったら静かにしてください いいですね」
男性の魅力的な声が静かに・・・わたくしの羞恥の時間がまだ続くことを告げました。
蝉時雨の庭 1
3人の男性との嵐のような一夜から、数日が過ぎた月末の金曜日。この数ヶ月の間に恒例となったジャズライブを都内のホテルに聞きにいったんです。仲の良い女友達とふたりで。
都心にありながら敷地内に別棟のお茶室と離れ・木々に囲まれた庭を持つ閑静な佇まいが、わたくしたちのお気に入りでした。
その日は紺のタイトスカートにピンクのノースリーブのカットソーにGジャンという少しカジュアルなスタイル.
インナーは紺地にカットソーと同じピンク色の花を刺繍したレースをつかったブラとパンティとスリップのセットにストッキング。
女友達と一緒のお出かけだし、どちらかといえば少しかわいいランジェリーを選んだんです。先日の夜のことはきっと・・・ランジェリーが刺激的だったから引き起こされた出来事だった気がして。
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その夜はお仕事がぎりぎりまでかかってしまって、お友達と二人でホテルに到着したのはライブが始まるほんの数分前でした。
いつもはそれほどお客様の多くないひっそりとした大人のライブなのに、その夜はほんとうにお客様が多くて・・・ピアノを囲む有名な木工作家の手になる椅子を並べた席は、その2つしか残っておりませんでした。
一曲目はwith you with friend。
柔らかなアルトサックスの音に促されるようにわたくしと友達はその席に座りました。
サービスの男性にお願いした冷たく冷えた白ワインのグラスを軽く触れ合わせて乾杯をしたその時に、隣の席にいらしたその男性の存在にはじめて気づきました。
黒のパンツ・黒のシャツ・・・仕事仲間のような男性2人といらしていて、ジャズを楽しみながら低く魅力的な声で仕事のことを時折お話されているのです。
2曲目はサマータイム。
軽快にアレンジされた夏の定番とも言えるこの曲が終わる頃に隣の席の男性に話かけられたんです。
「せっかくですから少し静かなところで聞きませんか?」って囁くような声で・・・
わたくしは無言で一緒に来た女友達のほうを見やりました。
彼女はもうのんびりしていて・・・軽く瞳を閉じて3曲目のボサノバに聞き入っていました。
「僕の友達はここに残るから彼女が退屈そうだったら話相手になりますよ」
紳士的に微笑む男性はほんとうに魅力的な声でした。
だから、お友達に「ちょっとお庭を見にいってくるわ」って言ってその男性の誘いにのったんです。
1階のラウンジから池と木立でつくられたお庭へはガラスの引き戸を通って直接出られます。膝に広げていた少し大きめなハンカチとワイングラスだけを持って、少し先に庭に向かった彼の後を追いました。
ライトアップで蝉時雨の止まない夏の夜のお庭。
涼やかな風が流れる夜だからと僅かに開けられた飾り窓から、アルトサックスとピアノデュオのジャズが流れてきます。
大きな窓の正面の池の上の橋の上で先ほどの男性が軽く手を上げてわたくしに合図していました。左手のワイングラスを気にしながら少し足を早めて彼に近づいてゆきました。
「この先の築山の上にベンチがあるんです」
わたくしが隣に並ぶとゆっくりと彼は歩きだしてゆきました。
「お詳しいのですね 何度かお邪魔したのですけれどわたくし存じませんでした」
ライトアップされた池のほとりを巡ると、青竹の植え込みの先に石造りのベンチがありました。
「ほら、ここのほうが風が気持ちいいですよ。音も思ったより良く聞こえますしね」
ポケットから綺麗にプレスされたハンカチを出してベンチの上を軽く拭き腰掛けた男性は、となりに座るようにわたくしを促しました。
「お庭なのにピアノのかすかな音まで聞き取れますね、不思議」
彼との間にワイングラスを置き隣にすわったわたくしは初めて男性と視線を合わせました。
「実はね ここはラウンジの開いていた飾り窓のすぐ裏手になるんですよ」
いたずらっ子のように微笑んで竹の植え込みを少しずらして見せるので。座っているだけでは気づきませんが、そうして透き見するとほんとうに飾り窓が近くにありました。
「ふふふ 特等席ですね」
グラスを交わし冷たいワインで喉を潤しながら微笑みかけました 髪がさらさらと風になぶられてゆきます。
「支配人が以前教えてくれたんですよ。ここのことは」
と、小声で誰にも知られてはいけない秘密のようにおっしゃいます。
お庭まで流れてくるジャズ・・・お庭には男性とふたり。
ライブをしているラウンジとの間には竹の植え込みがあるだけ。
ラウンジからも・・・もしかしたら姿が見えてしまうし・・・声も聞かれかねない距離。
なのに・・・その彼はいたずらをするんです。
わたくしが声を出せないのを知っていて耳元で言葉をささやきながら。
「暑いからGジャンを脱げば・・・」
男性はわたくしのワイングラスを取り上げ、自然な動きで髪をかきあげてGジャンを脱がしてゆきます。
「あっ・・ん・・・」
堅い素材のジャケットを背中に向けて引き下ろし…両腕の自由がきかない…そのままのノースリーブの肩先にキスをされたのです。
「なにを・・・・んむっ・・・」
男性の態度を咎めようとしたわたくしの唇も、両腕にからまるGジャンを彼の右手でベンチに押えられた姿勢ままで塞がれてしまいました。
「声を上げたらお友達に聞かれてしまいますよ。甘い唾液ですね、祥子さん」
男性の言葉にぎくりとしてそれ以上声を上げられなくなったわたくしの長い髪に顔を埋める様にして柔らかい耳たぶを甘噛みされました。
「どうして・・・あん・・・名前まで」
名前を知られている驚きを隠すことは出来ませんでした。
「支配人が覚えていましたよ、あなたの名前はね。さっきこっそり教えてもらったんです」
そのまま首筋まで降りてゆく男性の唇と舌に、はしたない声を押し殺せないままわたくしは喘ぎつづけてしまいました。
「この熱い季節にこんなに襟の高いインナーを着てらっしゃるんですね」
貝殻のような白い耳を舌でなぞりながら囁くのです。
「大きなバストが強調されて素敵ですよ」
男性は左手でわたくしのバストをぎゅっと掴み上げました。
「はぁうっっ・・・」
耳から首筋へのあえかな愛撫に酔い始めていた身体は、突然の刺激に一気に快感を高められてしまったんです。
「こんなことでも軽くいってしまうなんて、淫乱な身体ですね 祥子さん」
ひくつく身体からいましめの替わりにしていたGジャンを抜き取ると、男性は両腕をさりげなくわたくしの身体にまわして優しく抱きしめるのです。
「いい香りの髪ですね」
髪の香りを楽しむように首筋に顔を埋めながら、男性の手はブラのホックをはずしてしまったんです。
「あっ・・・」
Gカップのバストを開放される感覚に小さく声を上げてわたくしは自由になった手で男性を押しのけようとしました。
「やめて・・くだ・・・さ・い」
なかなか引かない快感のために力の入らないわたくしの抵抗は、簡単に彼の左手に押さえ込まれてしまいました。
「おとなしくしてください 祥子さん」
右手で顎をついと上げこんどは舌を絡めるディープキスをはじめます。唇を重ねる甘やかなキスではなく、口内の粘膜をむさぼり合い舌同士をしごきあうよう前戯そのもののキスは、わたくしの身体に甘い疼きを積み重ねてゆくのです。
「今夜はもうこんなものはいらないですよね」
いつのまにか肩紐を外されて・・・ノースリーブの袖からカットソーと同じ色の花柄の刺繍が濃い紺地に散るブラを引き出されてしまいました。
「Gカップですか、先ほどの手のひらの感触がすばらしかったのは当たり前ですね」
「いやっ・・・」
目の前にほんの少し前までわたくしの胸を包んでいたランジェリーを晒され、カップサイズを読み上げられてわたくしは視線をそらすことしかできませんでした。
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